第7話「ガール・ナイト・イン・ペンタゴン」

 少女はフリフリのパジャマ姿で辺りをキョロキョロしながら歩いている。どうやら、寝る前に飲んだ紅茶のお陰でお花摘みに行った帰りに道に迷ってしまった様だ。

此処に来て1ヶ月、彼女が迷うのも無理もない。執事やメイド長、メイド達も情報端末が無ければ迷ってしまうのが其れがかれペンタゴンなのだから…

彼女は指に付けていた●●●●●端末を使用しようとしたが、其処に情報端末リングは無かった。どうやら、何時もの癖で寝る前に外し、トイレに行くときは短い距離だから大丈夫だろうと思って出てしまったのだ。


 少女ナナは、もし此処で助けを呼び執事やメイド長が助けに来た場合は良いがメイド達が助けに来た場合は自分を蹴落とそうする彼の忠実な下僕ライバルに笑い者にされる可能性が有ると思考し。少女かのじょは自分の力と記憶をフルに使い帰ろうと決断した。


 そして、生体キーで近くの扉を開け入ると其処は今までの通路とは違い無機質で翠色のライトが光り工場の様で有り扉がバタンと閉まり、少女は急ぎ入って来た扉を開けると先程とは違う通路で箱を持った猫耳の美少女メイドが居た。


「メタネコちゃん!良かった助けて、迷っちゃった、帰り道ッ!!」


 助けを求め近づいて居た少女ナナは躰を翻した、何故なら猫耳美少女メイドがナイフを持って迫って来たのだ少女はナイフを避けながら


「メタネコちゃん、私よ私、奈々よ!!」


自分が不審者で無いことを説明するが


『私はメタネコ666、私の任務は工場内に入ったいぶつを排除する事、シーケンス発動、排除と処分を開始する』


 無慈悲な宣告がされた。よく見ると何時ものメタネコはピンク色の髪に碧眼だがこのメタネコは蒼色の髪に赤い目なのだ。メタネコ666は腕の中から銃を取り出し、少女ナナも完全に覚醒めをさましし両刃のメンタル・ギアを展開させる。


さて、この様子を見て居る彼等メイドの様子を見てみよう。


***


 此処はメイド達の寝室、直ぐ傍にはあるじの部屋が有り夜はあるじが呼んだ時のみ入れる様に成って居る。暗く成った部屋の中でメイド達はフォログラムに映っている少女ナナとメタネコ666の戦いを見ている。

 通常、侵入者が有った場合はメイド達と工場を管理するメタネコ達に連絡アラームが入り近い側で処分し手に負えない場合は執事とメイド長に上がる様に成って為に今回はメイド達止まりで終わる。


 何時もは連絡アラームが有ったら確認後、問題無ければ就寝しているが今日は暗闇でメイド達が寝ずに会話をしている


「フフ、予定道理、道を間違ったみたいですね!」


「どうします?助けます?恩でも売ります?」


「イヤ、別に、其の儘でもいいだろう?」


「前の侵入者カンパニーは精神が壊れちゃいましたけど?」


「世界三位の実力も見たいし、捕まったりして壊れる様な人間ならな…」


「我々の競争相手ライバルが居なくなりまし、あるじの興味が此方に向きますかね?」


「ええ、その為に可動式、通路を使って、彼女どろぼうねこを誘導したのですよ、あるじの護衛の為に成ら通路の変更は許されますからね」


 赤、蒼、翠、琥珀、橙、水、黒の二対の瞳がディスプレイを見ながらメイド用の通信端末を使い会話をしている。彼女たちは付焼財閥が運営する孤児院で育てられ人間に興味を持たない家の主の為に付焼財閥の各有力者達が送り付けた教育ちょうきょう済みの少女達で有る。恐るべき、メイド達であるが彼女達も此の様に頑張らなければ行けない理由●●が有る。

 それは、粗相や問題が有ったりあるじやメイド長と執事がいらないと言えば何時でも社会的に処分エリミネイトされ新しいメイド達が送られる事を知っているからだ。

 実際に、彼女達は自分達が此処に来るまでの過程で利敵行為スパイをした前任者を処分ころしてこの場に立っている。だからこそ、自分のあるじが少し興味を持った程度で同棲相手に成った少女ナナを内心ではよく思っていない。が、あるじには彼女には手を出すなと重々言われている、その為にこの様なあるじ守る●●という名目でこの様な暴挙に出た訳だ。


さて、少女ナナはどうなっているだろう?


***


『マテー、侵入者!今投降するなら、三日三晩私の猫耳で足の裏をこちょこちょして精神を壊すだけで免除してやるニャ』


「私は、侵入者じゃないし、精神壊されたくないわ!後、銃を撃ちながら言っても説得力ないわ!」


 少女は飛んできたたまを全て弾き落としながらメタネコ666へ両刃の刀を向け振ると風を切るような音がしメタネコ666の銃を持って居た右手が宙を舞いガシャンと音がし地面に落ちた


『ニャーッツ、我があるじに与えられた躰を良くも切ってくれたな!!モード・リオン展開!!』


 叫び声が聞こえたが、少女は其れを聞いている暇も無いくらいに急ぎ走り扉を空けロックをし息を付いた。だが、無情にもロックした扉の横がバギバキット音がし土煙が発生し晴れた所からは3m程の大きさの黒い獅子ライオンが現れ中からは


『フニャニャ、侵入者よ、我が無敵な百獣の王リオンの手に掛かるか、降伏しろ今なら右腕を奪い剥製にして吾輩の枕にするニャ』


 飛び掛りながら宣言をしているのはフェアではない気がするが、飛び掛かられた少女ナナは避けながら両刃の刀で獅子ライオンを切った。だが、彼女のフリフリの服の上着を切られる結果に終わり思わず左手で胸の辺りを押さえた。


 此処で少女かのじょは疑問を呈する、少女ナナのメンタル・ギアは自分が傷つかない様にシールドが掛かっていたが上着を切られたという事実から聡明な彼女はある事実に行き着いた


「まさか…」


『気がついたか、平たい胸の侵入者よ!此れこそアンチ・メンタル・モジュール、通称AMM、対メンタル・ギア用に開発中の物!!待つにゃ!』


 少女かのじょは説明を無視して走り逃げた、今の状況はマズイ、先程の攻撃で彼女の精神的動揺が収まらずメンタル・ギアにブレが生まれているのだ。

 此の儘だと彼女のメンタル・ギアが脆く成りヘタをしたら己のメンタル・ギアを破られる可能性が有り反動フィードバックが起これば運が悪ければ精神が壊れ、運が良ければ精神が保たれたままメタネコ666に右腕を奪われて精神を壊されるかもしれない。

 此処は一度、時間を稼いで何とか精神の動揺を抑えなければと思いながら縋る様な思いで扉を開けると其処は先程の無機質な空間では無く絨毯が引かれ、明るい温もりを感じさせるライトが煌々と付いており安心して居ると後ろから壁という壁を壊しながら


『待つニャ、もう怒ったニャ!!ねこの話を聞かない人間は全力でぶち殺して、生きたまま蝋人形リビングデッドにしてやるにゃ!!』


 黒い獅子ライオンが喋っている内容が矛盾してる程の怒りの声を上げながら暗く翠色のライトが付いた通路を走って来たが少女かのじょが居る通路の前に来ると急停止し


『運が良かったにゃ!!次は、絶対に捕まえて、蝋人形リビングデッドにしてやるにゃ!!』


 恨み節を言いながら引き返すと扉がしまった。少女かのじょは安心して見たことの有る部屋に入り、メンタル・ギアを格納せず傍に置くと置いて有る布団の中に入り暖かさで緊張が急激に溶けて夢の世界に落ちていった。


***


『起きるのニャ』


 寝ている人物を覗き込みながら蒼い瞳のピンク色のネコ耳メイド服の少女が彼女ナナを起こす。彼女ナナが中々起きないで居ると、其処には風呂上りの家のあるじがタオルを腰に掛けた状態で居る


「昨日は、突然真夜中に入って来たと思ったら、行き成り布団に入って来て其の儘寝ちゃうし、しかも上着を着ず下着だけで来るとは、面白い人物だ。冷たい何かが入って来た時はびっくりしたけど、まあイイか…

 そして、彼女のメンタル・ギアが剥き出しで置いて有ると言う事は僕に調整して欲しいという事なのかな?コマンド[ギア・コントロール]今日も朝から調子イイから頑張ちゃうぞーー!メタネコ777、彼女を必ず起こしてね!!」


 家の少年あるじはメタネコに依頼すると少女かのじょのメンタル・ギアを丁寧に捧げ持つように仕事場の机に置くと調整と兄と一緒に造った刀型のメンタル・ギア・スーツの拡張リモデリングパックを付ける作業を行い始めた


其れが少年かれ少女ナナにどの様な結果を生むかを知らずに…

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