第4話「メンタル・ギア・スーツ(M・G・S)」

 M・G・Sと聞いて皆さんは何を連想するだろうか?ダンボールの中に入った敏腕エージェントがメタル歯車ギア固体ソリッドを巡って世界中を旅したりするゲームを連想している人も居るかもしれない。本作のM・G・Sの説明を受けて居る新一年生と共に見てみよう。


 教師に指名された、生徒が電子教科書を読んでいる


「はい、メンタル・ギア・スーツ、通称M・G又はM・G・S、というのは日本の天才科学者、付焼貴義つけやきたかよしによって造られた核・細菌・化学兵器と並ぶ22世紀の新兵器です。此れは人の精神という無限の可能性が有る領域のエネルギーを使い、使用者自身を無限の可能性が有る武器とする事で資源なき武器として注目されています。また、メンタル・ギアを使えるのは有機ナノエレクトロンの適合した適合者フィッターで有り、適合者フィッターは大型から小型の汎用メンタル・ギア・スーツを全て扱う事が出来ます」


 読み終わり、座ると次の音読する人物を指名しながら教師は注意をする。


「汎用メンタル・ギア・スーツは適合者フィッターで有れば誰でも扱える事が出来るが如何に便利な物といえど危険が潜んでいる!次にメンタル・ギア・スーツの危険な点と汎用以外の用途と課題点に付いて読んでくれ」


 指名された生徒は立ち


「メンタル・ギア・スーツの一番の危険な点は精神という領域からエネルギーを得る分、反動フィードバックが有り巨大な反動を受けると精神が崩壊してしまう可能性が有り過去には活動限界度リミッターを超えて使用した為に精神が崩壊した人間などが居ます。

 次に、汎用以外の使用は主に軍事的な兵器としてのメンタル・ギア・スーツです。核・細菌・化学兵器等は強大な破壊力が有りますが使用後は大きな放射線被害や自然環境の汚染等を残します其れに対してメンタル・ギア・スーツは環境等に害を与えずクリーンで強大な力と破壊力を持つことが出来ます。但し…」


 教師は電子黒板エレクトロボードに字を書きながら生徒の読むはずだった所を読み上げ始める


「問題点は、汎用メンタル・ギア・スーツとの一番の違いは其々が個性パーソナリティを持った形でメンタル・ギア・スーツが生まれる事だ!例えば槍・斧・杖・食器等が挙げられ、軍隊が最も重要視する互換性が無いという点に有る。その分、威力と能力は抜群で有り其々の特性に合わせた戦術を行使すれば、絶大な戦果を上げる事が出来るとされて居る。だが、其々の個性パーソナリティで有ったとしても優劣は何れも生まれる物で順位的には銃>刀>槍・斧・弓>ナイフ等>杖>食器とか机に成って居る。銃に達することが出来るのは5億人に一人、刀は1億に一人だ。だが、安心したまえ君達の精神が成長する程に君たちのメンタル・ギア・スーツの形も変わってくる可能性が有る!人は頑張れば短期間で成長が出来る一番わかり易いのは」


 電子黒板に映ったのは両刃の刀と普通のナイフだ、教師は其れを指示棒で差しながら


「此れは我が校の諸刃奈々もろはなな嬢のメンタル・ギア・スーツだ!最初は彼女のメンタル・ギア・スーツも何処にでも有るナイフだった。が僅か一ヶ月の間で両刃と刀という最強のメンタル・ギア・スーツの一つに成り彼女はメンタル・ギア・スーツの大会で全国大会春夏二位・世界三位の成績を収めた。此れは彼女が常に努力家でコツコツと寝る間を惜しんで努力した結果で有り、君達にも期待をしている」


 教師が言葉を切った、其処には一人の生徒が手を挙げていたからだ、教師は生徒を指し発言を許すと


「先生、質問が有ります!我が校、イエ、全国大会春夏一位・世界一位の生徒会長まさひろさんはどの様な刀を持っているのでしょうか?」


 教師は困った顔をしながら


「うーん、彼のは分からないというか、誰も見たことが無いんだよ。でも、[万象の太刀ばんしょうのたち]って呼ばれている。大会での戦闘映像を見ても抜いた瞬間に戦いが終わっているし映像からも何も分からない事が多いんだ」


 質問への問いに映像を見せ始めた、映像には黒い髪に左目が琥珀色の少年と斧を持った大男が闘技場らしき所で向かい合い少年が刀の柄に少し構えたかと思いきや、突然闘技場の地面がぬかるみ其れに気が付いた男が泥濘ぬかるんだ地面を全力で走り少年に斧で切りつけようとした時に男の姿が消えた。そして、男の居た所に煌めくシャンデリアが何時の間にかめり込んで居り大地からは血が流れて居る。


 審判らしき男が少年の勝利判定をすると少年は観客席に礼をすると少年は足早にゲートに向かって歩いて行き、多数の作業員らしき人物達が落ちたシャンデリアを眺めて始めている所で映像は切れた。続けて教師は


「皆にも注意するが、昨年数名の生徒が出来立てのメンタル・ギア・スーツ片手に会長にちょっかいを出して、メチャクチャ痛い目に合っている。たまに、三年生の先輩達も痛い目に有っているから気をつけてろよ!」


 注意する、教師の思いも虚しく練習場では有る事態が起きていた。


 ***


「俺の事を馬鹿にしやがって!!貴様!俺と決闘しろ!!」


 蒼いネクタイを付けている3年生の生徒が、翠色のネクタイを付けている2年生の少年かいちょうにメンタル・ギア・スーツの槍を向けている。

 何故、この様な事に成ったかという彼等の周りを赤色をベースにした体育着を着た一年生の生徒達の起因している。本日、一年生は練習場で与えられたメンタル・ギア・スーツのシードに自分の個性イメージを与え展開ジェミニさせるという訓練をしていた。がしかし、教師一人では足りず三年生が一年生のシード発芽ジェミニを促す方法を教えていた。

 そこで、偶々通りががった少年かいちょうが一人の三年生の生徒の精神的アツクナレな指導について行けず泣いている一年生に論理的レイセイニナレアドバイスを行い発芽ジェミニさせた事が発端に成って居る。


 そもそも、少年が言った一言がその三年生の生徒を逆上させた、その言葉とは


精神論アツクナレも良いですが、三年間で育んだ論理的整合性ロジックシンキングに則った方法で教えて上げる方が時間の節約に成ります、先輩」


 である、少年は先輩に論理的整合性ロジックシンキングの重要性を意見具申いけんぐしんした様だが話した相手が悪かった、その3年生の生徒は1年生の時から前の先輩にも同じ様に精神論アツクナレ発芽ジェミニし3年間の其れで成長して来たのだ。良く言えば直感アツクナレで生きて来た、悪く言えば筋脳の志士ババーリアンだった訳で彼からしてみれば3年間を否定されている訳で許しがたい訳で有り、既に彼の頭は沸騰アツクナレしており少年イヤ会長かれが世界一位っという事も忘れ自分の目の前の敵を排除したいという思いがヤカンから溢れる湯の如き溢れ出てそうであった。


 少年かいちょうババーリアン


「イエイエ、私は先輩の事を馬鹿にしようと何て思っていません。只、人に有った教育方法と言うのが有りまして其れに対して私は意見を提言させて頂いただけに御座います、本当です!!」


「問答無用!!斃れ!!チェースto!!」


 湯は溢れ、ババーリアンは槍を少年に振るうが其処に少年の姿は無かった。さて、少年は何処に行ったのか?何時の間にか三年生の生徒の後ろに立ってのだ!三年生の生徒の槍は空を切った。常人なら周りを見渡すが野獣ババーリアンは野生の感で後ろに何者かの気配を感じ避けようとしたが遅かった、野獣ババーリアンは空に舞い次の瞬間にその野獣ババーリアンからケチャップの様な大量の赤い液体が吹き出し、ババーリアンは地面を背に着地ランデブーし溢れお湯が無くなったヤカンの如く虚ろな瞳がそらを見ていた。


 何が起きたか分からず、呆然とする一年生と教師たちを見ながら少年は


「やっぱり、力加減が難しいな、峰打ちにしようと思ったら全身裂傷と打撲になっちゃたか…。オット、書記ゆきこさんに頼まれた事をちゃんとこなさないと行けないな、そうしないと副会長ななさんの機嫌が良く成らないし仕事が進ま無いからな、じゃみんな頑張ってねー」


 去りながら独り言を述べたが誰も聞いている人間は居なかった。教師はこの惨劇に一年生の生徒は一瞬の生まれた恐ろしい殺気に当てられ立ちながら意識を失っていた。後に、此の三年生の生徒は全身骨折で長期の入院生活を送る事に成り、このクラスの一年生の生徒達は常に高い目標と向上心で実力をメキメキ付け、後に[奇跡のクラス]と言われたとか言われなかったとかしたりする。


 また、教師の間ではこの事を血の発芽事件ブラッド・ジェミニと呼んだりして、次年度の自分の能力に過信しすぎた人間が強敵に挑むとどうなるかを如実に示した参考資料として使われる事に成る。

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