第41話 魔王と花嫁:第五章(魔王と王子)
周りを土煙が覆い大きな穴が空いた大地に鋭利な刃物で切られチーズの様にパックリと切れているのは防衛省の建物達、可哀想にスライスした四角いチーズを断面に沿って滑らせた様に綺麗に重力に引かれて土煙を上げながら地面に落ちている。
『貴様!貴様貴様!!』
「う、うっ」
集音マイクを通して呻き声が青年の耳に入り聞こえる方向にアイ・カメラを向けるとリムジンから出てきた男を顔認証でスキャンしその結果を見ると
「さて、エンリケ君だったかな?ブラウさんの事は諦めて自分の国に帰ってくれると嬉しんだけど…君にも家族が居るだろうし」
『成すことへの渇望を求める限りは、神は我を見捨てる事は無かった!貴様!此奴がどうなっても良いのか?』
「誰だっけ?」
『お前の国の
「あ、大統領閣下!閣下におかれましては本日はお日柄も良く、随分具合悪そうですが大丈夫ですか?」
『此奴は世界の支配者なんだぞ!此奴が死ねば世界が混乱するぞ、世界経済は暴落してお前の国は世界から孤立するぞ!』
「ちょっと待ってね!」
『潔く、ブラウを諦めて私に渡せば寛大な…』
要求を述べていると
「えと、
『「え」」』
『おい、おいどうして我が国が報復される!』
「私をやはり邪魔だと思っていたか!クソ!チェイニーめ!!そうだ!
「えと、チェイニーさんから返信で宇宙艦隊と
『あばばばbっばっばあば』
「うごっごおごごごごご」
「よし、クソ
『乗った
「あのー申し上げにくりのですが…」
「『なんだ!』」
「既に大統領閣下は
「そんな事がゆるるる…」
『貴様!!貴様だけは許さない!殺して我が
擦れる金属音を無視しながら
「ブラウさんは僕の
『うっぎゃやyぎゃyがyぎゃぎゃyg』
途中で
「さて、
***
『カルロスか!?良く来た!此処はひとまず逃げて体制を建て直す」
「ええ、我が君安全な場所は既に確保しております!」
『流石、カルロスだ、其れは何処だバミューダ、イヤ天国と言われるタヒチも良いな!』
「ええプリンス、最高の天国の切符を用意しました!」
『そうか、流石…グッぐほっつ貴様…』
「天国、イヤ地獄で如何かがですかね?プリンス」
その黒い剣は大男の右手から生えていた
『一体何者だ…カルロスでは無いな!カルロスのメンタル・ギアでは無い!』
大男は胸から剣を抜くと
「女は秘密を着飾って美しくなる、さようなら
パンパンと音がし此処に
「此方、[ペーパー] 王子の旅は終わった、繰り返す王子の旅は終わった」
左指の
「まだ、終わっていないわあの国が滅ぶまでね」
連絡を受けてやって来た米軍のヘリが遥か遠くから来るのを見つめながら呟き、やがて黒い紙吹雪と成って少女の姿は消えた。
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