妹300連発!!~ももいも♥ももん♥もももんもん~(俺の妹は300人)
@kenshi
第1話 エロ少女の困惑
水曜日の放課後。写真部の部室に全部員達が集まっていた。
普段馬鹿騒ぎしている彼らだが制服に着替え、真剣な顔でテーブルを囲み椅子に座わっている。
いつも迷彩ジャージを着ている藤和(とうわ) ふかりすらも今は制服を着ていた。
部員達はそれぞれが持つ写真の束を渋い形相でみつめ合う。
壁に掛けてある時計を皆が待ちきれんとばかりにみつめる。
そして時計が十六時を刻む。
一人の男子が声をあげる。
「同士達よ! 時間だ。今週の成果を共有し合おうじゃないか」
副部長が、鑑賞会の開始を言い放つ。
「うおおおおお!」
普段静かな部室に野郎共の雄叫びがあがった。
彼らの一週間の努力の結晶。
それを今日、部員達で共有しあうのである。
駿河(するが)は苦笑いをし、一番奥の窓際の席で彼らを見守る。
(こいつらの鑑賞会に対する思いは凄い物があるな)
部長という立場上ここにいるが、あまりいたくはないと彼は思う。
理由は駿河の撮影する写真と、彼らの撮影するものとでは全く種類が違うからである。
同じ被写体を撮っているのだが、彼らの写真からは強烈な男の欲望が感じられた。
愛しい妹達の成長を記録したいという駿河の写真とは、全く異なる物なのだ。
「しっかし、部長はいいよなー。堂々と女子達の体を撮影できるなんて……」
「どうしたら、部長のように撮影できるんです?」
写真からエロい目線を離さず聞いてくる部員達に、「おまえらには無理だな」と言い放ちダルそうに様子をみつめる駿河。
「お、これはっ! なかなか、とち子ちゃんの尻圧は毎度すごいな」
バレー部のとち子の尻をみつめ一人の部員が息を荒げる。
「そうだろう、こっちのあぱ子の肉の詰まった尻もすごいぞ」
尻しか愛せない尻猿が、どや顔で同士に尻の良さを熱弁しはじめる。
その裏では、感動の場面もあった。
「おま、おまえ、これ教頭先生じゃねえか、とうとうやり遂げたんだな」
「ぐっすん、うん、僕やったよ」
熟女好きの気弱ショタことタク君が、教頭先生の胸写真を涙を流し大切そうに撫でている。
そうやってそれぞれが自分の愛する物の写真をみせていく。
突然写真部唯一の女子部員であるふかりが、大きな声をあげる。
「そろそろあたしの自慢のネタを投下しようじゃないか」
そういうとふかりが自信ありげな顔をして、大げさにテーブルの上に写真を叩きつけた。
「あんたらもなかなかやるが、私のこれもそうとうなもんだぞ」
悪い顔をしてニヤリと笑うふかりの眼鏡がきらりと光る。
「おおおおおお」
部室内は一斉に歓喜の声に包まれた。
「ほ、保健のひっこ先生の水着写真じゃねえかあああ、うおおおお」
「なにこの爆乳すげえええ」
「おまえ……、すごいよ」
「これ僕に売ってくれ」
「俺にもっ!」
「ぼ、僕はもう少し年上が……」
同士の反応に気をよくし、しばらく様子を観察するふかり。
「保健のひっこ先生が水着になるところなんてみたことねえよ」
「なんだよこれ、反則だろ! この顔でこんなエロイ体してるなんて……」
癒やし系のおっとりとした優しい顔のひっこ先生の水泳着を着た写真が同士達の手に取られた。
それは大きな胸やお尻、太ももなどを強調するような構図で撮られている。
同士達は初めて見るひっこ先生のエロすぎる体に釘付けになる。
「どーよぉ」
興奮した口調のふかりがどや顔で笑う。
保健の先生ことひっこ先生が水着になることは殆どない。
しかしおっとりした顔立ちのヒッコ先生は意外にも学生時代、水泳部で活躍したという経歴がある。
そのため水泳部顧問のありさ先生の気まぐれで、強引にお手本をみせろと部活に参加させられる時があった。
ふかりは偶然そのチャンスに出くわし、お宝を手にすることができたのである。
「あの癒やし系な顔でおっとりとした優しいヒッコ先生が、こんなエロい体してるなんて……」
一人の部員が今までなんで気がつかなかったと悔しがる。
「ちきちょー」
一人の部員が、めったにないシャッターチャンスを逃がしたことに悔しがる。
「……」
隣では謎の悔しがりをみせ、缶ジュースを握りつぶすものも現れる。
その隣では部室の壁を無言で殴り続ける者もでてきた。
「これは危険だ」
駿河はふかりにひっこ先生の写真をしまうようにいう。
そしてまた鑑賞を続ける部員達。
「ちょっとトイレ」
興奮した面持ちの部員が席を立って部室をでていく。
「先に行っておけよなぁ、あいつ全部の写真みれねえぞ」
ふかりが両手に写真を持ち、なめ回すようにみながらいう。
「おお、これは! 2年C組の可憐 渚ちゃんじゃない!? 生徒会の仕事でなかなかテニス部に来ないのに、レア物……」
渚ちゃんの、手に余るほどの胸と楽しそうにラケットを振るう表情を交互に溜まらなそうにみつめるふかり。
渚ちゃんの破壊力はすさまじく、10分以上渚コレクションを皆鑑賞しあっている。
今回のMVPは渚ちゃんできまりだろう。
ふかりは悔しそうではあるが、ハアハアと渚ちゃんの写真に釘付けになっている。
「ところであいつ戻ってくるの遅くね? トイレでシコってるんじゃねえの」
尻猿が笑いながら皆にいった。
ぎゃははと笑いあう男子部員達。
しかしふかりだけは、様子が違った。
急に顔が赤くなり眼鏡が曇り始めている。
女性の体の美については男子達と共感できるが、ふかりはこの手の話は苦手であった。
彼女は少し曇りはじめた大きなめがねを取って拭きはじめる。
駿河は、そのふかりの姿が可愛くみえて無意識に写真を撮っていた。
「なに?」
意味がわからないと、聞いてくるふかり。
駿河は制服姿の初めて見る女らしいふかりを、可愛いと思ってしまった。
「お前可愛いよ」
ふかりを被写体にしてシャッターを切り続ける駿河。
「はっ?」
何が起きたのか理解に苦しんでいるふかり。
「私? いやいやいやいや」
駿河は、苦笑いをし手を振りまくって、ないないと否定する彼女を愛おしいと感じてしまう。
そんな二人のやりとりをみて、写真部の男達が集まってくる。
「おぉ? なんですか、おや、めがねを取るとこれはなかなか、おまえ! よく見るといいもんもってんじゃねえか……。あっ、いい!」
副部長もふかりを撮影し始めた。その顔は普段興奮しながら女子に向けるふかりの顔と同種のものであった。
「こいつ……。私の体に欲情してやがるのか? やめろっ、やめろよぉー!」
顔を赤らめふかりは困惑する。
「あっ、これいい、これっ……、これいい」
普段ジャージ姿で気づかなかったと、悔しそうに興奮し尻猿がふかりのお尻を撮りまくっている。
「やめろって! やめろっ」
顔をますます赤くして両手でお尻を隠すふかり。
「うお、原石っ、灯台元暮らしとはまさにこのこと」
粘着で女子たちに恐れられている通称憑き麻呂も、カメラを彼女に向けてわけのわからないことをいっている。
もう一人に至ってはふかりの胸にカメラごと顔を埋めるかと思うくらい近づいてきている。
「だからやめろって、おいこいつらなんとかしろ!」
しかし止めるどころか他の部員たちも息を荒げて彼女の胸や尻を撮影し始める。
シャッターを切る音が部屋に響き、フラッシュの光が眩しい。
全部員の視線がふかりの体に、胸に尻に集まっている。
「胸とか撮るんじゃねーよ、こらっ、尻もやめろ!」
彼女は獣と化した元同士たちを、一人ずつ蹴とばしていく。
「あっ、いい。すごく……、いいよ!」
蹴られる事でよけい発情する部員達。
泣きそうな顔で頬を染めふかりが助けてと駿河をみつめた。
駿河はニコニコと笑い彼女にいう。
「ふかり……、可愛いよ」
そんな駿河の答えを聞いてふかりはかぁっと、顔がさらに真っ赤になった。
「そんなことねえし!」
恥ずかしさで涙目になった彼女は、必死に駿河を睨みこむ事によって否定することしかできなかった。
そこへエロい笑いをし憑き麻呂がどこから持ってきたのか、アニメキャラの露出度の高いコスプレ着を持ってふかりに近づいてくる。
「やめろおおおお」
ふかりの悲鳴が部室から響き渡った。
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