旧王都 リアと恋心 2

 ハーニーは悩んでいた。急に夢に出た雪原とあの青い花は気になる。全く身に覚えのない風景だ。失った記憶に関係している可能性は高い。また、一夜を共にしたサキのことも気になる。

 しかし、それらよりも身近かつ不安を呼ぶ問題が発生したのだ。

 昨日の朝、ハーニーは崖下から助け出され旧王都まで連れられた。旧王都に着くとハーニーは身元の照会などで夜まで拘束された。結局身元は分からず無駄な時間だったのだが、問題に気付いたのはその後。疲れ切ったハーニーが貸し与えられた宿屋の一室に入った時のことだ。

 リアが部屋で待っていることは、自分がいない間ユーゴとネリーが面倒をみてくれたことと一緒に聞かされていた。「お前がいなかった理由はちょっと用事があっただけってことにしといたからな!」とユーゴから伝えられていたのだ。だからいつもの調子で顔を合わせようとしていたのだが。

 「ハーニー! おかえりー!」とリアは駆け寄ってきて抱き付いてきた。

 一日ぶりだから寂しかったのだろう。父親を亡くしたばかりのリアにとっては長い時間だ。今でもたまに夜泣き出すことがあるし、甘えたがるのは何もおかしくない。

 だが初めはべったりくっついて離れようとしなかったのが、少しすると妙によそよそしくなったのだ。気づかないところで怒らせてしまったかと思えば、そうでもないらしい。リアは遠慮がちにしながら、誘惑を我慢するようにこちらをちらちら窺ってきていた。

 「どうしたの?」と聞けば「な、なんでもないよっ」と返ってくる。

 水を飲もうと立ち上がると「あっ……」と声を上げて不安そうにする。その度安心させようと声をかけるのだが、その度々にリアは瞳をキラキラさせた。

 寝る時もいつもと違った。部屋には大きなベッド一つしかなく共用するしかないのだが、身体の小さなリアなら一緒に寝るのに不都合はない。それなのにやたらと距離を取るので何度もベッドから落ちそうになっていた。危ないから、と言って傍に寄ってもらうと急に大人しくなって今度はぴったりくっついて離れない。全体的に挙動不審なのだ。

 原因を一晩考えても、セツに相談しても分からない。成長の過程であることなんだろうか。それすらも自分の子供時代の記憶の欠如で分からない。

 どうしようもなくなって一人で抱え込むことをやめたのだった。


「──って感じなんだ。昨日から突然で……二人はどう思う?」


 時刻は午前10時頃。宿泊している宿屋の一階にある酒場にハーニーはいた。酒場といっても昼は食事処をやっているらしく、若者の存在は目立たない。

 部屋の隅にあるテーブルをネリーとユーゴで囲んでいる。


「そりゃまた妙だなあ」


 そう言ったのはユーゴ。そして周囲を見回す。


「というか、リアちゃんは一緒じゃないけど大丈夫なのか?」

「ああ、リアは二階の僕たちの部屋で寝てるよ。なんだか寝不足だったみたい。……ユーゴって意外とそういう気遣いできるよね」

「気づいちゃうんだよなあやっぱ!」

「分かったから」


 とても嬉しそうにするユーゴに苦笑い。でもこういう一面があるから相談できるのだ。


「しっかし、リアちゃんがねー。俺が一緒にいた時は何ともなかったけどなー」

「突然なんだよ。理由なくこうなるものかな」

「ねえ、それって……」

「ん、ネリーには分かった?」


 ネリーを見るが視線はぶつかり合わない。さっと目を離される。


「……何でもない」

「……?」


 ネリーの煮え切らない態度は珍しい。……いや、最近こういうことが多い気がする。目が合いそうになったら避けられるような。そしてこういう時ネリーはぼおっとし始めるのだ。

 ほら、今みたいに。

 そっと小声でユーゴに話しかける。


「なんかネリーも変じゃない? 心ここにあらずって感じだ」

「そうかー? ……そうかもな。よし、試してみよう」


 ユーゴは前のめりになってわざとらしい口調で言う。


「なんだなんだぼおっとして。ハーニーが無事だったのが嬉しすぎて話もできないのかー?」

「っ! どうして私が! 適当なこと言わないでよね!」

「だって話聞いてないだろ?」

「話なら聞いてる」

「ホントかよ?」

「……」


 返事はなく、ネリーはどこを見ているのか分からない。

 ユーゴが真顔で顎を撫でる。


「本当におかしいな。いつもなら焦げてるはずだ」

「何が……? というかなんでからかう時いつも僕を引き合いに出すんだよ」

「まあいいさ。この際ネリーは放っておこうぜ」

「そうはいかないよ。心配だ」


 今度はハーニーが尋ねた。


「ネリー、なんだかいつもと違う気がするんだけど……何かあった?」


 ネリーがビクッと震えた。不安そうな上目遣いを向けてくる。


「えっ? そ、そんなにおかしい?」

「そりゃあもう。どう見たって変だよ」


 態度が普段と違うのは明らかだ。なのにネリーはそれを聞いて愕然とした。


「そんな……! ううっ、やっぱりやらなきゃよかった……」


 ネリーが両手で顔を隠した。


「ええっ! そんな泣くこと……」

「別に泣いてはいないけど」


 確かに声は泣いていなかった。


「それじゃあどうして顔を隠すのさ?」

「だって変なんでしょ……」

「顔が変だなんて言ってないよ。変なのは態度だよ」

「態度? ああ、態度ね」


 ほっとした様子でネリーは顔を隠すのをやめた。


「そうだよ。なんか静かだし、上の空だし、それに心なしか顔は赤いような……ん?」

「え、なに?」


 違和感を覚えて、ネリーに顔を近づけてまじまじと見る。


「う、うう?」


 ネリーは顔を一層紅くして離れようとする。

 少し気を付けて見れば違和感の正体はすぐに分かった。


「ああ! なんかいつもと違う気がしてたけど、やっと分かった! お化粧してるからだ」

「くっ!」


 ネリーは歯噛みした。何かを悔しさで誤魔化すように言う。


「さすが、人の顔色を窺うことに関しては最強ね……! これを見破るなんて……!」

「ものすごい不名誉だよねそれ」


 ユーゴが遅れて手を叩きながら納得する。


「おー! 言われてみれば確かにうっすら化粧してるな! なんだよー、色気づいちゃって。さては可愛く見せたい相手が──熱ッ! 見てたかハーニー! やっぱり焦げたじゃねーか!」

「うるさいのよあんたは! これはあの、あれよ。気分転換! 他意は……ないはず。あるとしてもそれは私のせいじゃない。責任は私にないの!」


 正直何を言っているのか分からない。


「ま、まあ、私のことはいいでしょ。放っておいて。今気にするべきはリアちゃんのことよ」

「お前が言うのかよ……」

「ぼおっとしてたかもしれないことは謝るけど、話を全く聞いてなかったわけじゃないから。心当たりだって……ある」


 含みがあるネリーは落ち着かない様子。


「心当たりって?」

「私が思うに……」

「うん」

「おそらく……たぶんなんだけど……」

「うん……?」

「……ああっ、んー、言っていいことなの? これ」

「もったいつけるほどのことなのか……」


 それほどの問題。まさか重病?

 そんな心配が表情に出ていたのかもしれない。ネリーはこちらの顔を見て諦めたようにため息を吐いた。


「分かった。言う。言うからそんな顔しないで。……違うかもしれないけど、恋心が芽生えたのかもしれないわ」

「リアが? 誰に?」

「そんなの、一番親しいんだからハーニーじゃないの。リアちゃんがハーニーを好きになる理由なんて十分あるはずよ。……リアちゃんが、よ?」

「分かってるよ。他に誰がいるのさ」

「さ、さあ。知らない。そんなこと。私には関係ないから。関係ない……」


 ぶつぶつ独り言ちるネリーはちょっと怖い。


「それにしても、リアが僕にだって? そんな突然になるものかな」

「なる! ちょっとしたことでその片鱗に気付いてしまうことなんてあるものよ!」

「なんで僕のこと睨むんだよ……」

「に、睨んでない。うん。睨んでない」

「……」


 どう見ても普通の調子じゃない。いや、もしかしたら恋愛に関して熱弁するような一面があったのかもしれない。……うーん、でもやっぱり今までの印象からは考えづらいな。

 それはそれで心配に思っていると、不意にユーゴがつぶやいた。


「待てよ……そういえば俺、心当たりがあるかもしれねー」

「どういうこと?」


 ハーニーが尋ねるとユーゴは至って真顔で話し始めた。


「いやさ、お前が行方不明の間リアちゃんの面倒見てただろ? 見てたんだよ俺。その時リアちゃんとこんな話になってさ……」


 ユーゴはその時を再現するかのごとく語り始めた。





 その時ネリーはいなくて俺とリアちゃんの二人だったんだよ。……そんな目で見るなよ。変なことなんかしてないって。俺は年上が好きなんだっつーの。まあいいや。それでさ、リアちゃんが言ったんだよ。


『ハーニーまだ帰ってこないの?』


 すっげー心配そうにな。そりゃそうだよな。一人にされたら怖いに決まってる。

 で、ハーニーが戦場で行方不明とは言えないだろ? だからテキトーにちょっと用事があって遅れてるって伝えたんだ。そんで話を続けないと寂しそうだから俺から聞いたんだよ。


『ハーニーがいないと寂しい?』


 聞くべきじゃなかったかもしれないけど、気になってつい、な。すると『うん。でも最近変なんだよ』って返ってきたんだ。俺はてっきりハーニーが変なのかと思って喜んで聞いたんだが、話を聞いてみればリアちゃんの方らしい。


『最近ハーニーといても寂しい』


 そう言うんだよ。そりゃあさ、父親亡くしたばかりなんだから当然かなって思ったさ。だけど、どうもそれだけじゃないみたいで、原因はネリーにある風なこと言うわけよ。いやー、なるほどと思ったね。今までハーニーはリアちゃんだけのものだったのに、突然現れた女が仲良くなってるんだ。不安にもなるよな。でもリアちゃんはネリーのことも気に入ってるらしくて、悪く思っちゃうことを申し訳なく感じてるんだよ。そんで色々ごちゃ混ぜになって辛そうにするもんだから、俺が言ったんだよ。


『それは独占欲って言って、誰にも取られたくないって思うことを言うのさ。それは後ろめたく思うかもしれないけど、誰にでもあるものだからおかしくなんかないんだぞ。ま、簡単に言えば恋みたいなもんだ』


 するとリアちゃんは『恋って何?』と聞いてきた。そこで経験豊富な俺は悩める少女を見極めて言ってのけたわけだ。


『今リアちゃんが感じてる気持ちのことさ!』


 リアちゃんはすげー嬉しそうにしてな! もっと知りたいって言うから、色々話してあげた。もちろん健康的な内容な! そんで本を買ってきて渡した。近くで売ってた少女向けの恋物語のやつ。

 もしかするとこれが関係してるかもしれないぜ……!





「それって間違いなくユーゴが原因だよね! どうして最初から言わないんだよ!」

「わりーわりー。忘れてた」


 悪びれずに笑う姿は腹立たしい。


「でもそんな簡単に恋するかな。人に言われてすぐに変わったりするもの?」

「違うのよハーニー。きっと元々あった気持ちなの。でもその感情の源を、名前を知らなかった。それに名前を与えられたら頭だって理解する。ああ、恋なんだ、って。それで、そう思い始めたら終わりなのよ……たぶん」

「ふうむ。すごい説得力だ……」

「むしろ逆に聞くけどよ、ハーニーはなんで恋ってことにしたくないんだ? どちらにせよいつかこうなってたと思うぜ、俺は」

「だって……もしそうなら僕はどうすればいいのか分からない。僕はリアを守っていくって決めたけど、恋愛とかになったらどうすればいいか……大体リアはまだ10歳だよ? それなのにどう対応すればいいのさ」

「真面目に考えすぎだろ。幼い時から許嫁なんてよくある話だし、そもそも誰だって小さいころに誰かを好きになるもの……あ、そうか。お前は記憶がないんだっけか」

「ごめん」


 ユーゴは気遣いなのか、豪放に言った。


「誰もが通る道なんだって。何となく人を好きになるなんてのはさ。お前だってたぶんあったはずだぜ。それと、今回の場合相手は小さいんだから真剣に相手しなくてもいいんじゃないか」

「それって失礼じゃない? 小さくても気持ちは嘘じゃないんだから、真面目に向かい合うべきだと思う。……どうすればいいのか分からないけど」

「お前恋愛経験は……ないよなあ。どうすればいいか分からないってのはもう全部に対してなのな」

「うん……」


 実際のところ、リアを守るということだってはっきりと分かっていない。どうすればいいか、なんて最適解は見つからない。皆等しくそうなのかもしれないけど、たった3年しか記憶がないのだから、少しは仕方ないと思う。いや、そう思いたい。……結局言い訳なんだろうけれど。


「少し席を外すわ。すぐ戻るから待ってて」


 ネリーがそう言って立ち上がった。酒場を出ていってしまう。


「どうしたんだろ」

「怒らせたんじゃないのか?」

「僕が?」


 ユーゴは返事をしなかった。眉を寄せて考え込んでいる。真剣な面持ちはネリーではなくリアのことを考えてくれているらしい。なんだかんだで優しいのがユーゴだ。やがて口を開いた。


「なんつーか、気にしなくてもいいのかもな」

「えっ、なんで?」

「だってお前適当にあしらえないじゃん。実際その方がいいのは確かだし、真面目に相手するならおかしいことにもならないと思うぜ。お前、リアちゃん傷つけるつもりなんてないだろ?」

「もちろん」

「な? リアちゃんに気を遣って気持ちもないのに付き合ったりしないだろ?」

「もちろん。……ってリアはまだ10歳だってば」

「そこは置いといてだって。年齢差なんて大した問題じゃないだろ。5年経ったら15歳だぞ?」

「確かに状況は変わりそうだ……」

「だから細かいことは気にするな! お前が女の子にする態度を、同じようにリアちゃんに向けてやればいいんだ」

「え? 女に子にする態度って?」

「あん? そりゃネリーに対するような態度だよ」

「……?」

「嘘だろ……」


 ユーゴが目を見張って大げさに驚いた。


「まさかお前誰に対しても同じ態度なのか!?」

「ま、まあ特には。でも目上の人にはちゃんと──」

「そういう話じゃねー! 逆にすげーよ。少しは意識するだろ」

「少しは意識するけど……でも今ってそれどころじゃないから」

「そうだけどよ! じゃ、じゃああれは何だ。さっきネリーの化粧に気付いただろ」

「うん」

「あれもなに、気付いただけ?」

「うん。あ、いつもより可愛いなと思ったよ」


 ユーゴが指を突き付けて声を張り上げた。


「思ってるならなぜ言わない! 言えば喜ぶだろ! 俺だったら言うぞ! ……いや、ネリーは好みじゃないから言わないかも……いや、そんなことどうでもいい! 思ったなら言えよ!」


 非難の目に動揺しながら答える。


「だ、だってそんなこと言ったら気を悪くするかもしれないじゃないか。なんだこいつ、ご機嫌取りなんかしやがって。男らしくないな、とか」

「お前それやり取り見てる奴の話か! ネリー以外の人の目のことか!」


 勢いに怖気づきながら頷く。

 ユーゴは呆れた。


「全方位顔色窺い男かお前は……。いいんだって知らない奴のことなんて。俺のことも気にしなくていい。なんせ俺は女に困ってないからな!」

「うーん」

「そういう時周りは気にするなって。大切な奴だけ大切にすればいいんだよ。相手が喜ぶと思ったらやっときゃいいのよ」

「そういうものかな」

「そういうものなんだよっ。俺、お前より年上なんだから言うこと聞いとけ! 兄貴分の言葉だぞ!」

「兄貴分か……分かった。そうしとく。ありがとう」

「おう、気にするな!」


 満更でもなさそうにユーゴははにかんだ。

 軽薄なところはあっても根は優しいのがユーゴだ。リアが嫌わないのも頷ける。

……でも、それならどうしてこんな軽薄そうなんだろうか。要所で真面目なあたり、軽薄な面が素ではない気がする。素顔を見せるのが恥ずかしいんだろうか。

 考えごとをしてると不意に横から声が飛んできた。


「ただいま。話、つけてきたから」


 ネリーが戻ってきていた。さきほどとは違い落ち着いているように見える。時間を置いて調子を取り戻したらしい。


「話って何の?」

「今晩リアちゃんを連れてうちに来ていいから。私の保護者とその家族がいるけど、許可は今とってきた。晩御飯のお誘いね」

 どうしてそんなことを? 

 単純な疑問を口にする前にネリーが説明してくれる。

「どうせハーニーのことだから、結局どうすればいいのか分からないでしょ? 面と向かったら何言えばいいのか分からなくなったりとか。そうなりそうだから、私なりの気遣いってわけ」

「……確かに」

「それにもし気に入ってくれたなら私のところでリアちゃんが過ごせるようにしてもいいしね。どうしたってハーニーが一緒にいれない時があるでしょ? うちはリアちゃんに近い年の女の子が二人いるし、いいかなって思うんだけど」

「リアと同年代の子が?」

「そ。クレールおばさんっていう人がお母さんで、双子の娘がいるのよ。父親は出稼ぎで年に数回しか帰ってこない感じ。どう? リアちゃんが居心地いいかも含めて、来ない?」

「うん。いいね。行くよ」

「じゃあ決まりね」


 ネリーがそう言ってにこやかに笑った。そこには慈愛の色があって、リアのことに焦点を向けてくれていることが分かって嬉しい。


「ほー、ハーニーはネリーの家で晩飯かー。俺は?」

「来たいの? いいけど」

「いいのかよ!」


 なぜか拍子抜けしたようにユーゴは叫んで、首を振った。


「楽しそうだけど俺はいいや。そんなたくさん行っても鬱陶しいだけだろうし、それに用事があるからなー!」


 ネリーが冷めた目を向ける。


「また女遊び?」

「遊んでなんかないさ。いつだって本気。俺のことを気に入って寄ってくるから、毎回ちゃんと相手してるわけよ。ハーニーと同じだぜ」


 それはリアに対して真面目に向かい合うことに被せて言ったのだろうが、話を聞いていないネリーは表情を硬くして目を細めた。


「ハーニー……まさか……」

「違うっ! 僕は何も──」

『崖の下の洞窟で一緒だった女の人はどうなんでしょうか』

「なにっ!? 今それを言うっ!?」


 久々に喋ったと思えば余計なことを……!


「へえ? 崖の下であの女の人と一緒だったの……?」

「おいおい聞いてねーぞそんな面白そうなこと。これは話してもらわないとな」

「勘弁してよ……」


 仮にも戦争相手の国の人間。助けてしまったことなど、どう話せばいいか分からず肩を落とすしかない。

 しどろもどろに釈明している間、ネリーはずっと不機嫌で、ユーゴは対照的に楽し気だった。そしてネリーにはサキを助けたことを「甘い」と言われてしまったのだった。

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