第2話

「……ん。」


少女は目を覚ます。自身が横たわっているのは何となく理解できた。ただ、それだけしか理解出来なかった。

しかし辺りは暗く、目覚めたばかりだろうか?少女の視界はボンヤリと歪んでいる。


「ここ、は……?」


次第に視界が開けてくる。完全に焦点が定まった時の事だった。


「やぁ。お目覚めですか!」


少女の目の前に、自分を上から覗き込むような形で見ている男がいた。


「きゃあああああっ!?」


少女は慌てて飛び起きる。そして脱兎のごとく、自分を覗き込んでいた男と距離を取る。


「おやおや……。そんな態度を取られるとワタクシ傷付いてしまいますよ……。」


タキシードにシルクハットを被り紳士風の出で立ちをしている男は、しゃがみこみわざとらしく『しょんぼり』してみせる。


その姿を見て、少女はより動揺する。


(何なの……っていうか、誰なの!?)


突然ワケの分からない場所に居て、知らない男が目の前に居て……何が何だか分からず思考が追い付いてこない。


そんな少女の気持ちを見透かしたかの様に、わざとらしくしょんぼりしていた男は立ち上がり、大袈裟な身振りで少女へと向き直る。

そしてゆっくりと語り始めた。

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分岐点の死神様 @stardust

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