夜明けの海 (1)
ちゃぷん、こぽっ。
のどかな水音を大地へ響かせながら、田畑の果てまで張り巡らされた水路を伝って、冷たい水は土に染み、春の野を潤おす。
田植えの季節がやってくると、農夫も兵も関係がなくなる。老いた夫婦も子供も、鍬さばきが似つかわしくない大男も、みな総出で手仕事の歌を口ずさみ、声を掛け合いながら稲の世話をするので、出雲の野は、一年で一番騒々しい季節を迎えた。
でも、大賑わいの野と違って、狭霧がいた場所は、とても静かだ。
そこは、特別な者にしか入ることを許されない王領――
その日は、心依姫が手伝いに訪れていた。
かがめていた腰を伸ばした心依姫は、薬草園を見渡して、ほうと吐息した。
「きれい……出雲の薬草園って、本当によくできてる」
その草園は、決して広くなかった。でも、畝や、囲いで細かく仕切られた黒土には、さまざまな薬草が植えられている。緑の葉や、赤い葉をつけるもの、蔓を伸ばして広がるもの、青い実をつけているもの。色も形もまちまちで、それは、多くの種類の薬草がここにあるということを意味した。
「ここへ来るまでに通った里でも、水面が光ってきらきらしていて、水路がとてもきれいでした。
「そう? でも、宗像には出雲にはない薬草がたくさん生えていたよ? それぞれよ。草にも、故郷や住みたい場所があるのよ、きっと」
手仕事がひと段落つくと、狭霧もかがめていた腰を上げて、心依姫の姿を探した。
心依姫の手は土いじりを手伝ったせいで泥色に染まっていて、どこかへ植えられるのを待つ緑の苗を持ったままだった。腰をおろして、仕事を続けようとする心依姫の手元に視線がいきつくと、狭霧は「あっ」と唇をひらいた。
「心依姫、それはそっちに植えちゃ駄目よ」
「――そうなんですか?」
「心依姫が持っている蜻蛉蔓はね、そこにもともと植えてある草と仲が悪いの。一緒に植えるとうまく育たないんだって」
「そうなんですか? 草にも、仲がいいとか悪いってあるんですね……」
「うん、わたしも知らなかったんだけどね、教えてもらってから山を歩くと、たしかにそうなの。豆と芋が一緒に植わっていたりとか、葡萄の木の下の地面はおおばこが茂っていたりとか……。それに、木や草花にも、強いのと大人しいのがあるみたいなの。意地悪なのや、したたかなのや――」
「意地悪に、したたか? なんだか人みたいですね」
「そうなの。面白いでしょう? 人の手で草園にする時は、ちゃんと見てあげないといけないみたいなの。……それは、こっちにもらうね」
手を伸ばし合って緑の苗を受け取ると、狭霧は足元の土の隙間にそれを植え込んだ。
苗を手渡すついでに心依姫は狭霧のそばに寄っていたが、さまざまな薬草を見分けつつ植え込む場所を探す狭霧の手つきを覗きこむと、ほうと感嘆の息をついた。
「見事ですね。さすがは薬師というか……」
「そんなことないわ。事代もほかの薬師も忙しいから、留守番を任せてもらってるだけなの」
「でも――狭霧様ほど働いている姫君は、ほかに見かけませんし……」
「心依姫のほうこそ、わざわざ手伝いに来てくれてるじゃない。――あぁあー、泥だらけにさせちゃったね」
「平気ですよ、土いじりくらい。沖ノ島で巫女をしていた時は、島には巫女以外の人がほとんどいなかったから、なんでもしましたもの。手仕事をしながらみんなでお喋りをするのが、一番の楽しみだったんですよ?」
春の日差しに似合うふうに二人でくすくす笑い合っていると、ふいに、草園には慌ただしい雰囲気が飛び込んできた。まだ遠い場所から、心依姫を探す声も届き始める。
「姫様ぁ、おられますか?
ひっそりと静かな薬草園に響く大きな呼び声に、恥ずかしそうに顔を赤くしながら、心依姫は小さく断った。
「……ばあやです」
「ああ、文凪さん」
大声をあげながらやって来るのは、文凪という女性で、心依姫の世話をするのに宗像からついてきた侍女だった。狭霧も何度か会ったことがあるが、心依姫のもとの乳母という話で、齢は、心依姫の母親とそう変わらないのだとか。
ふっくらと丸みを帯びた身体つきをする女人が林の木立の陰から姿を現すと、文凪は、そこでにこやかに笑んで出迎える狭霧へせわしなく会釈をする。それから、彼女が仕える幼い姫君の真正面へ歩み寄り、満面の笑みを浮かべた。
「姫様、お帰りのお支度をなさってください。いま、雲宮から使いの者が! 今日……!」
文凪は、喜ばしい知らせを少しでも早く、と息を切らしてやって来た風だった。だが、心依姫の姿をまじまじと見ると、声は途切れてしまう。文凪は、天を仰ぐような仕草をした。
「姫様……なんという格好を! 指は土だらけ、腕まくりをして、裳まで着崩して……!」
文凪が嘆いたとおり、土いじりをしていた心依姫の格好は少々汚れていて、異国から嫁いできた姫君という風ではなかった。
「いいですか、心依様、あなたは宗像の誇りとしてここにいらっしゃるのですよ? そのように泥まみれになったり、膝を出すような、薄汚くてはしたないお姿では……!」
「ば、ばあや……!」
なおも説教をしようとする文凪を、心依姫は慌てて抑える。心依姫の目は、隣に立つ狭霧をちらちらと気にしていた。汚くてはしたないと、文凪が叱った心依姫以上の格好を、狭霧はしていたのだから。
狭霧の袖は、たすきをかけて上げられ、二の腕から先があらわになっていた。本来ならくるぶしの位置まで垂れている長い裳も、膝頭が出るまで、裾が帯にねじ込まれている。もとから土いじりをするつもりだったので、泥がつこうが汚れようが、そのまま川に入ってじゃぶじゃぶ洗えてしまう格好で、姿は出雲の野で田植えに励む農婦とほとんど変わらない。狭霧も武王の娘で、血筋だけを見れば、出雲の誇りと呼ばれてもおかしくない身の上なのだが――。
心依姫の懸命の目配せに気づくと、文凪ははっと顔色を変えた。
「あ、そ、その……狭霧様を悪くいったわけでは……!」
「いいのよ、気にしないから。それより、心依姫に急ぎの用があったのではないの? 使いの者が、とか……」
「それそれ! そうです、そうなんです」
これ幸いと調子よく話を逸らした文凪は、さっそく心依姫へ顔を向けた。
「今夕、離宮に高比古様がお見えになるそうですよ。いま、使いの者が……!」
「ええっ、兄様が……?」
「すぐに戻って、お支度をなさってください。館に飾るお花はなんにします? 高比古様の寝着の支度も、まだ手を付けていないんです。きっとあなたがやりたがるだろうと……」
「寝着の支度? 絶対にやっては駄目、私がやるの! 兄様のものは、全部私が……! 急がなくちゃ。お食事はなさるかしら。お酒は……」
頬を赤らめた心依姫は、そわそわと薬草園を立ち去ろうとした。でも、はっと真顔に戻ると、もじもじと狭霧を見て、居心地悪そうに身体をすくめた。
「す、すみません……」
「どうして謝るの? ……高比古はあなたに優しい?」
心依姫は恥ずかしそうにうつむいていたが、狭霧からにこにこと笑いかけられると、嬉しそうに口元をほころばせる。
「ええ、とても……。その、お喋りはあまりお好きではないようで、自分の話をなさることはあまりないのですが、私が話し始めると、じっと耳を傾けてくださいます。……わかるんです。あの方はとてもお優しい方、お心が広くて、それに……」
はじめこそしどろもどろだったが、しだいに、口調は強くなっていく。頬を真っ赤にさせながら、心依姫は、次から次へと胸に秘めた高比古への想いを話した。
「兄様は
たしかに、高比古の顔は整っているほうだ。笹の葉を彷彿とさせる涼しげな目元や、ともすれば娘にも化けられそうな白い肌は、つい見入ってしまうほどで、彼には、不思議と気高い雰囲気もある。
こんなふうに褒めちぎられてもおかしくない若者だとは狭霧も認めるが、狭霧は、つい吹き出してしまった。脳裏に、こんな言葉が浮かんだからだ。
惚れてしまえば、あばたもえくぼ――。
心依姫の隣で、文凪も苦笑いを浮かべた。
「この通り、心依様は高比古様に夢中なんですよ。たしかに、高比古様は見目のいい立派なお方です。あの落ち着きようで十八とは、恐れ入りますよ。ただ……もう少し――」
ふう。文凪はため息をこぼすが、それだけで心依姫は、文凪が何をいおうとしているのかを悟ったらしい。ますます真っ赤になった心依姫は、文凪の口を閉ざそうとした。
「ばあや……!」
「いえ、ばあやは申し上げますよ? こんなことをお頼みできるのは、狭霧様しかいませんもの。狭霧様、どうか高比古様に、一言お伝えください。今日のように心依様の離宮にお泊りになることは時おりありますが、あの方は決して心依姫様に触れようとなさらないんです」
「ばあや!」
「この心依様にですよ? 若くて、肌はぴちぴち! 唇は瑞々しい果実のようで……」
心依姫は耳の先まで真っ赤にして叫んだ。
「ば、ばあや! 違うんです、狭霧様! 絶対にそんなことはいわないでください! 兄様は私がまだ幼いから……!」
文凪の剣幕に対するように、声を大きくした心依姫だが、そこまでいってしまうと、またもや我に返ったようにはっとして、子亀が首を引っ込めるように深くうつむいてしまった。
「いえ、その……私は……。でも……」
心依姫は、結局、そのまま黙り込んでしまった。でも、様子は、先ほどまでとは少し違った。照れ臭そうに赤らんでいた頬の色はしだいに白く戻り、小さな唇はきゅっと結ばれて、寂しそうにしている。
あ……と、ふいに狭霧は、心依姫の胸に生まれた不安を視た気がした。
いまの心依姫と文凪のやり取りを聞けば、きっと心依姫と高比古の仲は、まだそこまで深くないのだ。
狭霧の耳には、厳かな声が蘇っていた。それは、神聖なそよ風が吹きこむ神の森、
『残念だけど、そなたが彼の御子を授かることは、ないね。一生だよ。そなたは彼の家族になれるが、妻にはなれない』
時おり二人で夜を過ごすことはあっても、心依姫と高比古は、あの不気味な神託を跳ね除けられる仲ではないのだ。きっと、心依姫は不安がっているのだ。あの告げが、本当なのではないか、と――。
狭霧の前でじっと動かなくなった心依姫の幼い顔は、曇っていた。
でも、狭霧は、心依姫ほど不安にはならなかった。
(大丈夫よ、心依姫)
狭霧は、高比古のことを思い出していた。
まだ、心依姫が高比古の妻と呼ばれる前のこと。宗像で、狭霧は、高比古から尋ねられたことがあった。
『世話って……何をすればいいんだ。どうすればいいんだ? あんたなら、婿になる奴からどうされたら嬉しい?』
心依姫を娶ることになったものの、女の扱い方なんかさっぱりわからないと、あの時の高比古は、半ば脅えていた。
でも、高比古は、幼い姫を寂しがらせまいと、彼なりに精一杯やっているに違いないのだ。先日、神野で見かけた時にも、高比古は心依姫を気にして、慰めの言葉をかけていた。かつての彼だったら、絶対にそのようなことはしていないのだから――。
狭霧はにこりと笑って、心依姫を勇気づけた。
「大丈夫よ、心依姫。今の話は、絶対に高比古にはしないから」
神野の大巫女の先視なんて、気にしちゃ駄目。
取り越し苦労よ。高比古はちゃんと、あなたのことを考えているから――。
心依姫が口にしなかったので、狭霧も言葉にするのはやめたが、心依姫を見つめた笑顔には、そういう想いを込めた。
「は、はい……」
狭霧の笑顔に応えるように、心依姫の顔が、じわじわと笑顔になっていく。それから、心依姫は、後押しをされたように小さく次の問いをした。
「ねえ、狭霧様。兄様は、いったいどんな姫君がお好きなんでしょうか?」
「え?」
「その……宗像で、いい仲になった娘がいたとお聞きしたのですが……」
宗像で、高比古が好きになった娘――それは、リコのことだ。宗像で彼が出会って、しばらくそばで過ごしていた、美しい奴婢の娘だ。
「聞いたって、高比古の口から?」
「はい……」
返事を聞くと、狭霧には笑いがこみ上げた。いくら目の前で心依姫が暗い顔をしようが、心依姫のそばにいる文凪が、高比古を責めるような渋い顔をしようが、どれもこれも、もはや、幸せの裏側にしか見えなくなった。
あの高比古が、正直に自分のことを告白するなんて。自分から心依姫のそばに寄ろうとしているなんて――。
(やっぱり――高比古は高比古で、一生懸命やっているんだ)
心依姫に近づこうとしている高比古のことを想像すると、狭霧の笑顔はますますにこやかになっていく。その笑顔を、心依姫は不思議そうに見つめていた。
「あの……狭霧様はご存じで? その方はどんな方か、とか」
「うん、そうだな――その人なら、高比古にとても似ていたよ」
「兄様に?」
「――ううん、そんなこと、知らなくたっていいじゃない? 心依姫は心依姫よ。わたしは高比古のことをそこまで知っているわけじゃないけど、嫌なことは嫌とはっきりいう人よ? 自分からあなたの離宮に通っているんだもの。高比古だって、きっとあなたと一緒にいたいのよ」
狭霧がいい切ると、心依姫はほっと息を吐く。それから、照れ臭そうにしながらも、狭霧をじっと見つめた。
「ねえ、狭霧様。あの……姉様とお呼びしても?」
「姉様?」
「はい。沖ノ島では、年上の巫女のことは姉様と呼び合っていたんです。禰宜のことは兄様と……。それで、狭霧様のこともそう呼べないかと思って……狭霧様は、出雲での私の姉様みたいなお方だから――。あ、でも、お嫌でしたらやめます!」
狭霧はくすくすと笑った。
「いいわよ。でも、どうしよう。恥ずかしいな。わたし、妹がいたことがないから」
心依姫から頼まれたのは、他愛もないことだ。断る理由は狭霧になかったし、それに、それで心依姫の……頼る人が誰一人いない異国の地へ移り住んだ若い姫の不安が、少しでも拭えるなら――。
そこまで思って、「いいわよ」と、うなずきかけた時だった。
ふと、狭霧は目をしばたかせた。突然目の前が真っ白になって、たった一瞬のうちに時間が飛んだ気がした。
『狭霧がいうと、人質って言葉も明るく聞こえるね。きっと遠比古(とおひこ)は殺されたんだ。かわいそうに――。異国の地で、頼る人も守ってくれる人もいないまま……』
いまは、一日のうちで太陽が一番高い場所まで上る時間――昼間だ。春の日差しがさんさんと射しこむ薬草園の真ん中に、狭霧は立っている。
それなのに、目の前に浮かぶのは、屋根の下の暗い風景だった。そこで壁に背をつけて微笑む少年の、可愛らしい泣き顔だ。ゴオオッという風の唸り声も聞こえる気がした。そうだ、あれは風がとても強い日だった。かあさまが……須勢理(すせり)が死んだ、あの日は――。
気が遠くなるのが一瞬なら、目が醒めるのも一瞬だった。
「狭霧様?」
心依姫から名を呼ばれた時、狭霧は魂が抜けたようにぼうっとしていた。
また、
はっと気付くと、狭霧はわざと明るい声を出して取り繕った。
「ご、ごめんね――ちょっと日差しで目がくらんじゃったみたい。……姉様か、うん、わかったよ? じゃあ、旅に出ている間、心依姫の姉様として、高比古を見張ってくるからね!」
「はい……姉様」
狭霧が冗談にしていうと、心依姫は、頼もしい相手を前にするようにして、じっと見つめる。それから、心依姫は心細そうに笑った。
「しばらく、寂しくなります。狭霧様も出雲を離れてしまうなんて――」
「わたしはともかく、高比古よ。心依姫が出雲にやってきて一年も経っていないのに、出雲を留守にするなんてね」
「そ、それは仕方ないのです! 兄様は、半年も出雲に留まったのは初めてだとおっしゃっていました。それまではほとんど出雲へ帰らず、ほうぼうへ出向いていたと……」
「そうなんだ?」
「ええ。忙しい方なんです……」
弱々しくつぶやく心依姫の目に、力はなかった。
寂しげにうつむく心依姫は、塞ぎこんでいるように見えていた。なにしろ、恋しい夫がしばらくそばを離れることになったのだ。
可哀そうだ、いたいけだと、心依姫を見下ろす狭霧は、もちろん同情した。でも、口元には、つい笑みが浮かんだ。
先ほどから、心依姫の表情は実によく変わった。高比古に会えると大はしゃぎしたり、真っ赤になって恥ずかしがったり、寂しげに落ち込んだり――。今は憂い顔をしているが、でもそれは、ただ苦しげな顔というわけではなくて、恋をしている娘の顔だ。
可憐なものをいたわるように、狭霧は微笑んだ。
「じゃあ、今日は、会えなくなる時間の分だけ、たくさん高比古と話しておかなくちゃね」
「……はい。お別れに会いに来てくださるんですものね……」
心依姫は濃い眉をひそめて、悲しげに笑っている。でも、暗い表情とは裏腹に、つぶらな瞳はきらきらと輝いていた。
(……やっぱり、かわいい)
高比古を想って一喜一憂する心依姫は、それを見ている狭霧を笑顔にするほど可憐で、可愛らしかった。
その数日後、高比古と狭霧は、出雲を出ることになっていた。
行き先は、
阿多へ向かう一行の主は、狭霧の父である大国主。その旅の話は、狭霧の祖父、賢王と呼ばれて今なお諸王から一目置かれる意見役である、
話がまとまり始めた去年の晩秋、須佐乃男は雲宮を訪れて、老王のために開かれた宴の席で狭霧を誘った。
「狭霧も阿多にいくか? なに、大丈夫だ。宗像もいけたんだ。狭霧ならきっとうまくやる。いやあ、狭霧は賢い!」
陽気な笑顔を浮かべた老王のいい方は狭霧をおだてるようで、からかっているのか本気なのかがよくわからなかった。
須佐乃男は狭霧にとって、会えばいつも構ってくれる優しい祖父だ。
でも実は、須佐乃男からかけられる言葉を鵜呑みにしたことはあまりなかった。
幼い頃から、須佐乃男は狭霧を褒めてばかりで、あまり怒ることがなかった。狭霧がどんないたずらをしようが笑っていたが、時おり笑顔が怖く感じることがあって、須佐乃男が笑うだけで、ぴたりといたずらをやめたこともあった。
笑顔だけど、その向こうでいろいろなことを考えている人――。
狭霧の須佐乃男の印象は、こうだ。
狭霧へ阿多行きをすすめた時も須佐乃男は笑っていたが、目の奥は笑っていなかった。
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