『ダンテの不思議な旅』5〔メデューサーの恐怖〕前編

~遂に超大物、怪物メデュ―サー登場!~


〇地獄門の手前の死人沼

  地獄門の入り口には死亡の橋と言う いや~な名の橋がかかっていて

  その手前の土の中には無数の人間(男性)が顔だけ出して埋まっている

(1)変態霊

〇痴漢の森

ダンテ「これは知っているぞ やつらを踏んで通るんだな」と呟いていると

モーモ「違うよ、それは生前痴漢だった亡者達が埋まってるのさ」

 通りすがりの鷹が飛んできて呟く

ダンテ「あれは、この前ミーナと話していた鷹、おーい鷹」

モーモ「モーモだ」

ダンテ 「ではモーモ、なんでこんなところに埋まっているんだ」

モーモ「こいつらは前世で変態や痴漢だった亡者たちさ、この辺は仔鬼の娘の

 通り道な物で、多分、誰かが教えたんだろう、ほらそう言った者たちは

 横の繋がりがあるからさ」

  行ってるうちにプリシラ♀と言う子鬼がやってくる

モーモ「まぁ見てなって、面白い事が起こるから」

 ダンテの右肩にとまって,話す、モーモ

プリシラ♀「ちぇっ、なんでいつもあたいだけお使いなのさ」

 プンプン怒りながらこちらにやってくる子鬼

「ウへへへへへへ~え」

プリシラ♀「ぎゃああ、変態ぃい」

 鬼は泣き叫びながら,来た道を引き返していった、それもそのはず

 例の地点を渡ろうとした時、下半身の部分やお尻を大きく開けっ広げた

 数十人の変態霊が彼方此方から その部分を見せるためだけに

 一斉に現れたからだった

ダンテ「なるほど 死んでも変態やってるわけだ、だが弱ったなあ、どうやって

 渡ればいいんだ」

モーモ「簡単さ踏んづけて渡りればいいのさ、大丈夫 彼らは一回の瞬間に集中してるから 最低5分は

 出てこないから今の内さ、ただし少しでも踏み外すと底なし沼に落っこちるから気を付けな じゃーな人間」

 キーィ、キーィ

 そう言うと、そのまま飛んでいくモーモ  ダンテは亡者の顔を『バシバシッ』と踏んづけて渡った。

亡者1「グぇー」

亡者2「キエー」

 しかし今度はダンテの前に立ちはだかったの2~3キロにわたって渡されて

 いるは細長い丸太だった、しかも下は落ちると瞬間に零度以上で凍り付く

 湖であった

ダンテ「・・これが、最後の難関、死亡の橋かっ」

  これまでたくさんの戦場を駆けまわっていたダンテもこれにはさすがに

  ため息をついた、

ダンテ「これはこんな分厚いオーバーを着たままじゃあ小回りが利かないよな

 だけど(ブルブルブル)この寒さには・・・ええーいままよ

 勇気が試されているんだ、魔王に会うには勇気が必要って事なら多少の

 寒さ位」

  そう決意しコートを脱ぎ棄て手と足で丸太を挟み思い切って渡るダンテ

 だが丸太は『クルクル』回りおまけに尋常でない寒さで手が思うように動かない

 ダメ押しに 〔スベルクリン〕と言う液体が煮られていると言う徹底ぶり

 これにはさしものダンテもお手上げだった。

ダンテ「だっだめだぁ,落ちる―」

 ツルリン

 『ウワ―』

 真っ逆さまに落ちるダンテ、しかしダンテが死を思た時浮かんだのは、共に

 戦った恋人ベアトリーチェでは無かった

ダンテも「もっ、もうだめか」

 さすがのダンテも今度こそはダメかと諦めていた

(2)メデュ―サ

  バサ―ッ、バサーッ

 彼方からと蝙蝠の翼をもった青色の怪物が飛んできて

 ダンテを救う

青い怪物「魔王様が呼んでおられる、お前は守られているのだ」

ダンテ「なっ何が何だか分からんが、とにかく助かった」

  ダンテは緊張を解すため、怪物の背中の上でミーナに教わった

  歌を口ずさんだ

ダンテ「ポーニーテール♪」

青い怪物「その歌、何て曲か知らんが、良い曲だな」

ダンテ「・・・こいつはひょっとすると良い奴かもしれない」

 心の中で呟くダンテ

 ギヤ―、ギヤ―

青い怪物「奴が、来るぞ」

ダンテ「奴って何が」

青い怪物「メデュ―サだ」

ダンテ「メッ、メデユーサー、一体何者だ」

青い怪物「何者でもいいからとにかく目を瞑れ」

ダンテ「怪物、お前は」

青い怪物「俺はとっくに目を閉じている」

ダンテ「目を閉じてるって」

青い怪物「しーっ、奴が来るぞー」

メデユーサ「ギヤアアアア」

N『メデュ―サ、それは蛇の髪の毛と胴体、コウモリの羽を持った太古の

  怪物であった』

メデューサ「グオオオオオオオ」

 ドバ―

炎を吐きかけるメデュ―サ、それを巧みに交わす青い怪物

メデューサ「ギャアアア」

 バシーン

青い怪物「ギヤアアアアア」

 キーン

ドカーン

メデュ―サの蛇の胴体に打たれ 岩場に落下する怪物

ダンテ「うおおおおおおお」

 ダダ―ン

 その勢いで、ダンテも大きく飛ばされる

〇亜神(あじん)の岩場に開いてある洞窟

 しばらくして、岩場の割れ目の中で目を覚ますダンテ」

イサム仙人「どうやらこの割れ目には入ってこれん用じゃな」

ダンテ「ううーん、ここはどこだ あれからどれ位たったんだ?」

イサム仙人「そうさな、30分くらいかな」

ダンテ「あなたは・・・あなたはイサムさんどうしてここに」

イサム仙人「いやぁ実はおまえさんの事はさっきから見ておったんだが」

ダンテ「へっ、見てたって いつから」

イサム仙人「そうさな 桃色の鷹と喋ってる辺りからかな」

ダンテ「見てたんならもっと早く出て来てくださいよ全く

 それはそうとあの青い怪物大丈夫かなぁ、生きていればよいけど」

イサム仙人「人の心配より、今はどうやってここを脱出するかを

 考えんといかん」

  イサム仙人が忠告するまでもなく、メデューサが岩場の周りを何度も

  旋回していた

ダンテ「諦めてくれると良いけど」

イサム仙人「そう都合よくわな、それよりダンテ決して奴の目を見るんじゃあない

 ぞ、ゴルゴンの一族は見た物を全て石に代えてしまうからな」

ダンテ「何だいそのゴルゴンてのは?」

イサム仙人「蛇の髪と身体を持った不死の魔女さ、もっとも一番下のメデュ―サは

 昔はとある国の姫なんだけどな」

ダンテ「それがなんでまた、あんな化け物に」

イサム仙人「まぁ人生にはいろいろあるってことさ」

ダンテ「あっ、ありすぎだろ あれじゃあ化け物じゃねーか」

イサム仙人「シー,また奴が来るぞー」

 キーン

メデュ―サは相変わらず岩山の周りを旋回していた

ダンテ「もーう、しつこいやつ」

 がガーン

ダンテ「なっ何だぁ」

イサム仙人「危ないダンテ」

 ドーン

ダンテ「仙人、いきなり何をっ」

 ドカーン

 イサム仙人がダンテを突き飛ばした後に、大きな岩が 頭上から

 落ちてくる

ダンテ「うわぁああ、こっこっ、こっこぉ」

イサム仙人「ニワトリの真似かのう」

ダンテ「こっこっこっこっコケッコォ、私はイタリアの・・じゃなくて

 これは」

イサム仙人「どうやら、この岩山を崩し始めたらしいな」

 地獄葉巻をふかしながら言う仙人

ダンテ「おっ落ち着いてる場ですか 逃げる」

 カーン

今度は頭上に開いた穴から、黄金の盾と刀が落ちてくる

ダンテ「痛かぁ、何でこんな物まで降ってくんの」

イサム仙人「この亜神(あじん)の岩山は海賊ウ―ロックの宝の隠し場所と言う噂があったんじゃ

 しかしこの数世紀誰も見つけられんかった、それがこのタイミングで

 現れたと言うことは」

ダンテ「…ひょっとして俺に戦えって事ですが?」

イサム仙人「チャランチャラン、チャラ~ン大当たりじゃあ正解おめでとう

 君こそヒーローだ、イヨッ大統領やるねぇ、そう言えばあのミーナと

 言う娘とは、もうヤッタかのォ」

ダンテ「ばっバカ言わないで下さいよ、ミーナとはそんなんじゃあないから それに

 あんな怪物と戦える訳ないじゃないですか_」

 ガガガーン

  二人が言い合ってる間にも 上から無数の岩が降ってくる

イサム仙人「いかん、  金柑 熱燗でいっぱいおーたまらんのぉ 等と言ってる場合じゃ無かった

  続きはここを脱出してからじゃ、ついてこい人間」

ダンテ「そうだ話し合ってる場合じゃ無かった」

N『イサム仙人と共に脱出を図るダンテ、外では怪物メデュ―サの

 咆哮が轟いていた』

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