『ダンテの不思議な旅』4マダラ姫の復讐

第3の門(地獄釜)

(1)マダラ姫

  地獄港に着いた私達は、AあまりにもK(怖い)T(所)

 48番工場を見学していた、地獄で最も優れたこの48番工場は

  地獄に落ちた者たちの『シゴキ・エナジー』で起動していると言う。

  ここでは様々な色の鬼達が亡者(魂)をベルトコンベアーに乗せ

  別の鬼達が大きなタライで団子のように捏ねそれをまたコンベアーで送り

  さらに別の鬼が霊棒を挿しこみ再びタライに乗せるそしてポログロ・トッパー

  と言うバッタと耳ズクの相の子の様な怪物がそれをペロペロキャンディの

 ようにしゃぶるのだ、怪物がしゃぶり終えると直ぐ復元されそれが

永遠に繰り返させるのである。

〇工場周辺

  ミーナ達は第3層の中央にある地獄第13工場を班長コッチン・ポー

  の案内で見学していた

ダンテ「凄いなあ、地獄と言うイメージはもっと原始的だとおもっていたんだが

 何か自分が考えていたより ずっと科学的だなあ」

 そう言って 下を除きこもうとするダンテ

コッチン・ポー「あっ見学者はむやみにのぞき込まないでください」

  バナナみたいな顔をしたコッチン・ポーが厳しく注意を促す

コッチン・ポー「この前も良太郎とかいう見学者が落っこちて

 イマジン(異界霊)と混ざってしまって、大変だったんだから

 俺参上 とか言っちゃってさァ」

 体中から滝の様に溢れるバナナ汁を吹き吹き話す班長、工場の下には

 混合流と言う川が流れていた

 赤ベエ「ウオーッと」

  ドっボーン

 言ってるそばから何人かの鬼達が足を滑らせては 亡者と化していた

 赤ベエ「黒ベえ認ちゃん助けてくれーぇ」

 ブクブク、ブクブクブク

 泡と共に深く沈んでいく、やがてしばらくすると 何人かの鬼の体を

 取り込んだ魔物が川の中から現われる

マラダ姫「おーっホッホッほっほっほっほ、遂に復活したぞ、ラーマォダめ

 貴様への恨み生涯忘れぬぞ」

 ギャオ―

パチパチパチ

マラダ姫が放つ気の力によって、工場の彼方此方で火花が起こる

コッチン・ポー「泡ワワワワワ、あれはマダラ姫ェ!!」

 ビックリ仰天してへたり込むコッチン・ポー、下半身からは

 恐怖のあまり多量のバナナ汁?が溢れ出ていた

ミーナ「あれが伝説のマラダ姫なの?」

ダンテ「マラダ姫って」

ミーナ「マラダ姫はね・・」

コッチン・ポー「そんな説明より、皆さんは逃げてくださいそれっ鬼連隊

 一斉にかかれぃ」

鬼連隊「キキ―」

マダラ姫「グオオオオおお」

  ドバーンドバーン、ズバババババ

 コッチン・ポーの号令で一斉にマラダ姫に飛び掛かった工場親衛隊の鬼連隊

 達だったが マラダ姫が体から伸びた無数の棘によって全員一瞬にして

 消え去った

アルマ♂「オノレーマダラ姫、では俺たちは当然・・・逃げるぞ

  退却だァあ」

ジン♀「みんなぁ隊長の命令だから 仕方なく・・・逃げろー」

オニヤンマ隊「ハイ、喜んで それー」

 一方の勇敢に向かっていったかに見えたオニヤンマ隊は、隊長アルマと

  副隊長ジンの号令で一斉に退却する

コッチン・ポー「ばかものお前たち、それでも昆虫軍人か」

ダンテ「ギエっ凄ぇ、奴は一体何者」

ミーナ「荊の国で生まれたマラダ姫は生まれた時から体中にある蛸の吸盤の

 ような奇妙なマラダのせいで それを忌み嫌う両親によって、暗い地下牢で

 世間から隔絶されて育ったようです」

ダンテ「なるほどそれであんなひねくれちゃったわけね」

ミーナ『マダラ姫の精神は日に日に歪み、邪神ヒュードランと結びつき

 こうとしていました、仕方なく旅の道士に頼んで千本カンチョウの刑に

  処したそうです」

ダンテ「せっ千本カンチョウそれは凄い じゃなくて 旅の道士ってまさか

 イサム仙人では?」

ミーナ「まっまさか、道士はほかにもいるしさ、いくら何でもハハハ」

 ~おのれ―、この恨み、忘れぬぞー生涯に渡ってこの国を呪ってやろう~

コッチン・ポー「とにかくそのことを深く恨んだマダラ姫はその後も

 死霊となって荊の国に祟ったそうですそのために荊の国は、日も差さず

 生き物さえも住めなくなりました」

ミーナ「でも今よりちょうど90年程前、ヤナホイ(妖精神の長)様の使いで

 荊の国を訪れた若き戦士によって肥溜湖(こえだめこ)に

 封印されたそうです」

 ドカーン、バリバリバリ

コッチン・ポー「いついかん、このままでは工場が持たないぞ」

ダンテ「どっ、どうしようか」

ミーナ「どうするって、こうするのよ テヤァァァ シルクレッド・ファイ

 ヤー」

 赤い剣を翳してマダラ姫に飛び掛かる片翼のミーナ

マラダ姫「邪魔をするな娘え」

 ボワーァ

ミーナ「きゃあああアア」

 右手から凄まじい風を出し、ミーナを吹き飛ばすマラダ

ミーナ「ウぅぅう」

 ストーン

3メートル向こうの壁に激突し、地面に落っこちるミーナ

ミーナ「痛ててててて、乱暴ねェ さすが我がまま姫」

ダンテ「みっミーナァ、大丈夫か、一体どうしたら」

ミーナ「なっ何とかね」

チンコロリ「ヤッツケ・コロ(こうなったら僕がやっつけるコロ)」

ミーナ「気持ちは嬉しいけど、あんたじゃ無理よ」

マラダ姫「ダンテよ私の復讐を邪魔する奴は たとえ貴様でも 容赦はしない」

ミーナ「マダラ姫さん、あなたを封印したのちも荊の国は結局蘇らなかった

 もうあなたの復讐は終わりにしませんか」

マダラ姫「黙れ娘、我が復讐は今やこの世界全部じゃ」

ダンテ「そっそんな無茶苦茶な」

マダラ姫「ええーい問答無用、この建物もろとも死ぬが良いーダンテ」

 ボワー

マダラ姫の両腕から妖しい光りが集まる

ミーナ「させない シルクレッド・バリアー」

 剣を媒体に結界(バリア)を張るミーナ

マラダ姫「貴様ごときちっぽけな結界など物の役には立たぬは」

 バリバリバリ、ドカーン

 姫の下半身である蛇と植物の胴体からの一撃でミーナの結界(バリア)は

 一瞬にして砕け散る

ミーナ「きゃああああ」

ダンテ「うおおおおお」

その勢いで再び飛ばされるミーナ、落下した上からダンテも降ってくる

ミーナ「うっそ、ダンテ」

ダンテ「みっミーナ」

 ぶちゅううううう

 唇と唇が重なり合う

マダラ姫「ほーお、見せつけてくれるねェ」

 額をピクピクさせて激しく怒るマダラ姫

ダンテ「苦っ、これまでかぁ」

ミーナ「そっそうね、ウフン」

チンコロリ「ワラコロリ(ミーナ、顔が笑ってるコロ)」

ミーナ「ごめんねおじさん守れなくて」

ダンテ「いいさ、どうせあの森で死ぬつもりだったし」

ミーナ「へっ、どういう事?」

ダンテ「だけど ミーナに会って、色んな旅ができて もう少し生きるって

 言うのも悪くは無いかなって思えたんだ」

ミーナ「おっ、おじさん」

ダンテ「ミーナ」

 見つめ合う二人、段々近寄って行く

チンコロリ「ソンコロリ(そんな場合じゃあないコロ)」

マダラ姫「ウギャアアアアアアアア」

ダンテ「なっ何だ、一体」

ミーナ「さっさあ」

 その時、植物の化身であるマダラ姫の肉体が段々枯れはじめる」

ザーラの声「マダラ姫よ お前に地獄を壊させる訳にはいかない

それにその者は魔王さまに導かれし者誰であれ、手出しは許さん」

マダラ姫「だっ黙れーい、ザーラ、貴様などにわらわの復讐の・・

 邪魔は・・・ させぬぞおおおお、ウオオオオオオオオオ

 ぎゃあぁあぁ!」

  シユウウウウウウウウウ

ポト―ン ポト―ン

 マラダ姫の体が枯れて、次々に川に落ちていく

ダンテ「こっこれはいったい?」

コッチン・ポー「おそらくザザーラの力でっしょう」

ダンテ「ザザーラ」

N『第三層には性欲の塔と言うのがありその中に魔女ザザーラが色魔となって

 住みついていて亡者や鬼達をその色気で誘い生命力を吸い取っているのだと

 言う、セル・フローディアと言う土星のような輪を持った惑星の王女

 (巨乳神)だったザザーラはその星を襲った 巨魔ゴルゴーンの吐き出した

 光線を受けて赤毛に蛇の顔をもった怪物に変貌した、他の住人達も皆

 巨乳獣となってザザーラに使え、刃向かった者達はみな

  地獄の生き人形と化すのだと言う』

マダラ姫「おのれザザーラァ、ダンテ ミーナよ まだわらわは

 負けたわけではない・・ぞ~~~、ぎゃああアアアアア」

 断末魔をあげて消えていくマダラ姫

ダンテ「どうやら終わったみたいだな」

ミーナ「マダラ姫、今度生まれてくるときは 清い心をもって

 生まれてくるんだよ」

 マダラ姫が消えた湖(工場内だけど)に祈るミーナ

(2)ミーナとマダラ姫の奇妙な対決!

同・極悪食堂

  ダンテ達が巡業員が食事をする部屋で昼食をとっている

ダンテ「おっこの蝙蝠焼きとか言う奴、中々行けるぞ」

チンコロリ「ヒコロロン(そうかニャ、おいらはこっちの火の粉の山って

 お菓子の方が美味しいコロ)」

 工場で昼食の蝙蝠焼きをいただいた後、いよいよミーナとの旅も

ミーナ「私は断然 ドラゴンのシッポ焼きが良い,ムシャムシャムシャ」

 工場で食事を済ませた後、いよいよミーナとの旅も終点を迎えようとしていた

〇裸眼荒野

ミーナ「さあ、この先はいよいよ最下層 獄界さ、俺の案内もここまでだ 

 後は1人でいきな」

 ブチュウぅ

 ダンテに縋りつく様にキスをするミーナ

  『ポッ』

ダンテ「いやぁ、き今日は暑いなあ」

ミーナは「ばーか、なーに赤くなってんだよここでの挨拶だよ 」

チンコロリ「マッスグポー(まっすぐ行くなり)」

ミーナ「僕おじさんと旅した事絶対忘れないよ」

ダンテ「それは俺も同じだ」

 再び近寄る両者

チンコロリ「ヤルコロリ(結局、またやるのね)

 ドバーン

 その時一面に周囲の土が舞い上がる

マダラ姫(メイド・バージョン)「おっほっほっほっほっほ、我蘇りたり」

ダンテ「しっしつこいってか、何でお前そんなカッコしてんだ?」

マダラ姫「もちろんお客さんたちの魂をもらいうけるためでございます

 それフーリ振り、フーリ振りっと」

 丁重に挨拶すると、後ろを向きキュートなお尻を振り始めるマダラ姫」

ミーナ「なーにやって・・んのぁあああ」

ダンテ「うおおおおおおおおお」

 ボワンボワンボワン、ボワンボワン

 マダラ姫のお尻から出る超音波は生き物の脳に作用し、悲鳴を上げる

 ダンテ、ミーナ、チンコロリの3人

ダンテ「ヒヤアア、あっ頭が割れるように痛いっ」

チンコロリ「タマコロリ(こりゃあかなわないコロ)

 ミーナの頭から落ちて、地面を左右にコロコロするチンコロリ

マダラ姫「見たかこれで霊魔力 尻魔千(しりません)、お前たちもこれで

 わらわの虜になれ、ホッホッほっほっほっほっほっほ」

 高笑いをするマダラ

ダンテ「苦ゥゥ、何とかならないのかミーナ」

ミーナ「よーしこうなったら」

 バサッ

 赤いTシャツを翻すと、ウサギ耳とシッポが現れる

ミーナ「魔力返しーい、モーミ揉み、それモーミ揉み」

 巨乳を両手で激しく揉み始めるミーナ、マダラの霊魔力が押し返されていく」

マダラ「くそー魔力返し返しぃ、フーリ振り、フーリ振り」

ミーナ「何の、魔力 返し返し返しぃ、モーミ揉み、それモーミ揉み」

 ボワワワワ₋ン

 両方の魔力が激しくぶつかり合う

ダンテ「これは」

チンコロリ「ジゲコロリ「次元を超えた名勝負だコロ)」

 二人の奇妙な戦いは20時間にも及んだ

マダラ姫「わっわっ、わらわの負けじゃ」

スー

消えていくマラダ姫の怨念体

ミーナ「フーウ、なんとか勝てたか そう言ってぐったりするミーナ」

〇夢(回想)

〇不思議界 ミレーネ地方にあるポニー王国、第一神殿内

 ウサギ耳とシッポを付けたミーナ王女が頭に友達のチンコロリを

 乗せ、宮殿内に入る そこには母クララ パンダバウム・アリステア(60)

 がモモと言う少年と待っていた。

ミーナ「ママ一体何の用なの、せっかくAKBのライブ見てたのに」

クララ「勉強を抜け出してですか」

ミーナ「しー(すい)ません、その事はあとで謝るよ」

クララ「いえ今日はその事ではないのです、今日からあなたは天使見習い

 としてアトラント(神の国)に昇る準備をするのです」

ミーナ「天使見習いって、僕なんかがなんで」

クララ「詳しくはおいおい分かります、いいですねすぐにこのモーモ様と

 一緒に出掛けるのです」

モーモ「大丈夫天使見習いって言っても最初は黄泉の渡し人から

 だろうから、気楽にやれば良いよ」

ミーナ「よっ黄泉ってそれ地獄じゃないの」

 ブルブル震えだすミーナ

〇戻る

  眠ってるミーナをダンテとチンコロリが心配そうに見つめていた

ミーナ「何よ2りして見つめちゃってさあ」

ダンテ「気が付いたかミーナ、あんまり目を覚まさないから心配したぞ」

ミーナ「夢をみてたんだ ここに来ることになった日の事を

  (あの時は不安だったけど、今はここにきて良かった)」

ミーナ「さてと、こっから先はいよいよ最下層 獄界さ、僕の案内もここまでだ 

 後はおじさん1人でいきなじゃーな」

  そう言って笑い去って行くミーナとチンコロリ、だが途中でミーナは

  振り返りここちらに向かって右手を挙げる

ミーナ「1番 ミーナ・アリステア、歌いますおじさん聞いてね♪」

  そう言うと、ミーナは歌いはじめる

ミーナ「1.23.4I want you! I need you!

 I love you!頭の中,ガンガン鳴ってるMUSIC ヘビーローテーション

 ポップコーンが 弾けるように好きという文字が躍る 顔や声を

 想うだけで 居ても立ってもいられない,こんな気持ちになれるって

 僕はついているね I want you! I need you! I love you!

 君に会えて ドンドン近づくその距離に MAX ハイテンション」

  ライドナイ、ライドナイ、ライドンタイム♬

  地獄中のケモノや妖怪たちも ミーナの歌に合われて踊り出す

 ミーナ「I want you! I need you! I love you!ハートの奥

 ジャンジャン溢れる愛しさは ヘビーローテーション♪」

チンコロリ「コロコロ~・チンコロリ(ヘビーローテーション♪)」

 パチパチパチパチ

 ミーナの綺麗な歌声に、何度も拍手を送るダンテ

ミーナ「おじさーんあたし・・・・」

 カアーカアー,カアー

 歌い終えたミーナは何か叫んでるようだったが、その言葉は南に飛んでいく

 しらけ鳥の鳴き声にかき消されて聞き取れなかった

チンコロリ「コロロコ・リン(またあえるといいなりね)」

 コロリは呟いたが、ミーナは何故か答えなかった

ダンテ「ふう、とうとう行っちゃったか」

 ダンテはミーナが用意してくれたオ―バ・オーバーを着て獄界にある 

 地獄門を目指したのだった。

ミーナ「この先は そいつを着ないと神様だって凍えちゃうんだぜ!」

  と笑うミーナの事を思い出しながら 

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