第3話 人類に希望はあるのか?

N『ここは遥かなる宇宙、火星に駐在する貨物船アスラン12号機は地球の

 移動衛星RIVERに、資源物を運ぶ途中であった』

○地球付近

○宇宙船アスラン12号機内

   冲一也(27)隊員が船長室にいるチーフの紅裕次郎(43)に

   コーヒーを運んでくる

紅「一也か、さすがにここまで来たら落ちつくよな」

冲「そうですね紅チーフ良かったらコーヒーでも一緒に飲もうかなと思いまして」

紅「コーヒーか」

冲「要りませんか」

紅「いや、丁度お前の時間をかけたコーヒーが飲みたいと思ってた所さ」

冲「いやぁ あの容れ方は、昔 大学の先輩から教わった者なんですよ」」

   そう言って満面の笑顔を見せる冲、その時食糧庫の方から冲の後輩

 波光太郎(19)が大慌てで駆けてくる

波「大変です沖先輩、食糧庫にお化けが居ます」

   顔を真っ青にして話す波   

冲「宇宙にお化けか、それは面白いな」

   笑いながら食料庫に確認に行く冲

冲「うっうわー、何だこいつらは」

 ブヨブヨ・ブヨブヨブヨ

   食料庫に溢れる無数の子豚の大群、や

 がて一つの姿に合体する。

冲「ばっ化け物ぉ、ああー」

 『フフフフ、フフフフ』

   冲の体を乗っ取る豚

 騒ぎを聞いて紅たちが駆けつける

紅「一也、今の声は何だ、何があった」

冲「ふっふっふ」

波『うわー先輩、何をするんです』

紅『いやっ光太郎、こいつは一也じゃない』

紅、波「うっ、うわぁあウワ」

  『ブゥブゥブゥ』

   紅と波も豚に変わる

N「アスラン12号機でそんな事が起こって

 いるとは知らないRIVERでは、科学者の敦子アンジェイラが待ちに待った

 一時帰国に備え、 軌道の最終チェックを行っていた」

〇監視衛星RIVER

同・コンピュータールーム

赤毛の美少女敦子アンジェイラ(19)が、椅子に座って最後のデーター

 をコンピューターに打ち込んでいた

 『ビビビビ』

 電子スクリーンが立ち上がり、チーフ  

 の真夏達也(61)から映像が入る

同・スクリーン内

真夏「敦子そろそろ休憩にしたらどうだ」

敦子「チーフこれが終わったら休憩します

 のでそう心配なさらずに]

夏「そうか、じゃーあまり無理するなよ」

敦子「分かった、分かったから邪魔しないで」

   スクリーンを少し睨む敦子

真夏「おおっ怖い、じゃーまた来月な」

   少し寂しい顔をして、通信を切る真夏敦子

敦子「母さん今夜地球に帰りますね、・・・あっちゃんプリゲェ

 てへッてへッテヘヘへ」

 椅子から立ち上がると、鏡の前で両手を頬に当てて顔を緩ませる敦子

敦子「やれやれ、やっと終わったか」

   ビビィ、ビビビビビィ

   休憩に入ろうとした時、再び映像が入

   る」

○電子スクリーン内

真夏「それから敦子、言い忘れたがもう直ぐ資源物資が着くはずだから

 ハッチを開けておけよ」

敦子「了解しましたチーフ」

   おどけた口調でスクリーンのスイッチを切る敦子

   『ファンファン・ファンファン』

   何かがRIVERに近づいた警戒音が聞こえる

敦子「おっ、もう着いたようね」

   ハッチを開ける敦子、暫くしてアスラン12号から冲が箱を抱えて出てくる

冲「あのぉ、これどこに置けば良いんでしょうか

敦子「今、手が離せないのでその辺に適当につんどいてください」

   冲の方を見ずに指示をだす敦子、その背後から忍びよる、豚の目をした冲

冲『フッフッフッフ、今度はお前の体をもらう』

   冲の体が抜け落ち、豚の本体が現れる

敦子『きゃーあ』

   敦子の悲鳴がRIVER内に木霊する

焼き豚「フッフッフッフッフッフッフ」

   焼き豚星人が敦子の体に乗り移る

山里「あのぉ、おはようございます、あっちゃん なんか物凄い声が聞こえたけど

 ゴキブリでも出たの」

   隣の部屋で仮眠をとっていた、同僚の山里良太(36)が心配して

   仮眠室から出てくる

敦子(豚)「ふっふっふ、何でもない、ナンデモナインダヨ」

   豚の目が光せ、そう言う敦子

山里「さてはおまえは、あっちゃんじゃないな」

敦子(豚)「デェェェェ、デロンパッ」

  長い舌が山里を捕える

山里「ゲエエエエエ、う~ん」

   そのまま気絶する山里

同・管理ルーム

   豚の目をした敦子が、部屋に入る

真夏「敦子、さっきの悲鳴はなん・・だ」

 目から朱色の光線を出し、職員たち全員を気絶させる敦子

 ビビビィ

   スクリーン画像が入りマグロ星人からの指令が入る

マグロ「焼き豚星人よ、作戦は順調に進んでおるか」

敦子(豚)「はっ、マグロ様全て順調にございます」

マグロ「ふむ、ならば良い」

   プツン

   通信画像が消える

   ブーンブーンブーン

敦子(豚)「キュキュルキュル・バシーン」

   船内に入って来た蜂を伸ばして蜥蜴の尻尾で巻き取り、口に運ぶ敦子・豚

N『その夜新宿地区で小さな地震があった』

〇新宿区にあるマサヒコの家 深夜1時30

   『ゴゴゴゴゴゴゴ』

マサヒコ「母ちゃん起きてよ、地震だよ」

リツ「何だいマサヒコまだ起きてたのかい早くおやしゅ・・」

   まったく布団から出る気配がないリツ

マサヒコ「母ちゃんそんな事言っている場合じゃーないんだよ 地震だよ

 ほら父ちゃんも起きておくれよ」

藤兵衛「何ぃ地震だって」

   地震と聞いて飛び起きる藤兵衛(58)

マサヒコ「父ちゃん、その顔なんか変だよ」

   獣のような父の顔を見て叫ぶマサヒコ

藤兵衛「俺の貌が変だって、何言いやがるお前だって変だじゃねーか」

リツ「うるさいわねえ、こんな夜中に何騒いでるんだい」

   枕元での二人の騒動で、ようやくリツも布団から出る」

リツ「何がどうしたんだい」

マサヒコ「父ちゃん、母ちゃんもやっぱり変だよ」

藤兵衛「おまえ、その顔はどうしたんだ」

リツ「何言ってんだ、あんた達2人も変な顔しているじゃないの」

   『んっ』

   互いの顔を指差す3人

マサヒコ「うわーぁ」

リツ「豚だー」

藤兵衛「何だってこんな事に」

N『そんなことが起こっているとは知らない

人々は、いつも通りの平和な朝を迎えた』

〇翌朝

同・ASK本部、朝7時

ともみ「おはようみんなところで、昨日新宿の方で小さな地震があった

 らしいのだけど知ってる」

本能 「ああ、そうらしいな」

みなみ「あれっ、新宿って確か沢乃隊長の家の近くでは」

一文字「そうなんですよ、エリいや隊長の家って広いんっすよ」

優子「へーえ、よく知っているわね」

一文字「そりゃーこの前エリと・・いや感ですよ、ただの感」

風見「何や怪し、おますなあ」

   いつも通りにお尻を振りながらエリカが現れる

エリカ「あっルンルンルン・ん、みんなどうしたの そんなに見つめられても

 エリはもう弥樹さまの者」

本能「ギョッ、やはりそう言うことか、じゃなくって隊長顔見て顔」

   驚き気味に言う本能

エリカ「顔ね~え、さては昨夜弥樹さまと焼きそば食べたから

 青海苔でも付いてた」

   腰を振りながら鏡を見る行くエリカ

エリカ「ぎょえー、しっ 信じられない」

   手鏡を握ったまま意識を失うエリカ

本能「たっ、隊長」

一文字「エリっ、エリっ」

風見「一体、どないなっとるんや」

   動揺するASKメンバーたち

   そのときスクリーンが勝手につく

敦子(豚)「ASKの諸君に告ぐ、我々は衛星RIVERを乗っ取った」

   豚の目を光らせそう告げる敦子

ともみ「あっちゃん何言っているの、今夜こっちに着く予定じゃあ無かったの」

みなみ「・ちっ違うあの人、人間じゃない」

本能「しかしあれはどう見ても、敦子隊員だぜ」

優子「確かに外側はその敦子さんみたいでも中身が違うよ」

ともみ「ちょっと2人共さっきから何言ってる訳、あっちゃんだよ、親友の私が

 見間う訳ないじゃない」

敦子(豚)フッフッフ、娘たち良く見抜いた我々は今から24時間以内に

 人類総豚化計画を行う、もし回避したいならコスプレ仮面を我らに引き渡せ

そうすれば特別に人間の姿のまま永久奴隷で勘弁してやる、嫌なら全員皆殺しだ」

一文字「ふざけるなぁ、お前の言う事など信じられるか」

   映像が切り替わり新宿区の人間が全員豚に変わった事を伝え

   再び切り替わる

本能「そっ、そんなぁ」

敦子(豚)「どうだ我々が言ったことが事実だと分かっただろう、コスプレ仮面を引き

 渡すかそれとも、全国民を豚にするかさあてどちらを選ぶか見ものだな

 ブッブブッブッブ」

ともみ「待って、そんな事言われても私たちコスプレ仮面が何処に住んでいるか

 知らないし?」

   通信、無常にも切れる

風見「本能はん、ハッカー経験のあるあんさんならRIVERにアクセス

 出来るんちゃいますか」

本能「ハッカーとは人聞きが悪いな、だが残念ながら無理だ、RIVERには

 特殊なファイヤーヴォールが何重にも張り巡らさせているからな」

風見「では沢乃隊長はどうや、なんせメインプログラムを作った当人やさかい」

本能「ばか、プログラム・コードなんかとっくに書き換えられているだろう

 それに隊長は今それ所じゃ無いだろ、ブタ化が進行しているじゃあないか」

ともみ「なら、どうすれば良いんです」

本能「・分からん 分からんが俺はこれから村雨参謀等に緊急会議を要請

 してみる、皆後を頼んだぞ、それと一文字おまえは良いから隊長に

 付いていてやってくれ」

   悲壮感を漂わせながら言う本能

一文字「嫌です、自分もみんなと一緒にいます」

本能「今の隊長を慰められるのは、残念ながら一文字お前だけみたいだ」

風見「そうや、ワイらの大事な隊長を頼みましたぜ 一文字焼きはん」

一文字「はい、任せてください」

〇翌朝

N『コスプレ仮面を引き渡せば豚にならずに住むそう言った噂が広まり

 ASK本部は朝から苦情電話やメールの対応に追われていた』

ともみ「もしもしこちらASK本部・・

相手「ASKは我々国民を豚にしたくなかったらさっさとコスプレ仮面を

 引き渡すべきだ」

風見「もしもし電話変わったで、用は何やねん」

相手「時間が無いんだろ、早くコスプレ女なんか引き渡しちまえ」

真理子「あちゃー、ASKのページ(PC)の方も苦情のメールで

 パンク状態だよ」

   困惑した顔で真理子が入ってくる

ともみ「みんなあんまりだよ、今まで散々コスプレ仮面に助けてもらった

 癖に」

真理子「みんな本当は心の中では分かってるんじゃないかな

 ただ怖いだけだと思う」

   『チビチビ~』

   と亀も心配そうに頷く

   外では市民の一部や暴走族たちが抗議を続けていた」

同・ASK本部のある土手

野上「おまえら、とっととコスプレ女なんか

 さっさと、引き渡しちまえよ」

   モヒカン頭の青年、野上タケル(17)が大声で喚く

あゆみ「タケルの言う通りだよさっさとやりゃー良いのよ、どうせ宇宙人には

 勝てっこないんだから」

   黒髪の女性工藤あゆみ(18)もバイ

   クに跨って罵倒し、他の者達もプラカードを持って彼らに同調する

同・ASK本部

ともみ「どうしてこんなこと言われなければいけないの私、地球人として

 恥ずかしい彼らは自分の星じゃない地球のために一生懸命戦ってくれたのに」

   両手で顔を覆ってなき崩れるともみ

みなみ「ともみ」

   複雑な思いで見つめるみなみと優子

〇夕方

   会議を終えた本能が村雨参謀(45)と入ってくる

風見「村雨はん、政府の考えは一体どうなっておまんのや」

村雨「残念ながら政府の決定は本部に寄せられた、電話やメールの内容と一緒だ」

真理子「つまりコスプレ仮面を引き渡せと」

風見「それはお受け出来まへんなあ、コスプレ仮面は今までワイらのために

 戦ってくれよった、それを引き渡せとはそないな事ようしまへんわ」

ともみ「私も反対です、もちろん居場所は分からないけど たとえ知っていてもみす

 みす引き渡したりするもんですか」

本能「俺もそう言ってみた、だがコスプレ仮面一人と全国民とどっちが

 大切かと言われたら 俺も、引き下がるしかなかった」

村雨「とにかく政府としても苦渋の決断なんだ、分かってくれ」

風見「村雨はん、あんさんは昔 赤き魔人と恐れられた人や ここは

 ワイらで決着をつけませんか」

村雨「決着ってRIVERにか、その前に豚にされてしまうぞ」

風見「・・・・・」

   無言で答える風見、約束の時間まで5時間を切っていた

村雨「とにかく政府の決定は絶対だ、俺はエリを見舞ってくる」

風見「どないも出来へんのか、どないも」

   壁を叩きながら、悔しがる風見

真理子「あれっ、そう言えばみなみちゃんと優子ちゃんは」

本能「可笑しいな、さっきまでそこにいた筈だけど」

同・治療室

一文字「あっ、これは村雨参謀」

村雨 「エリっ、俺はどうすればいいんだ

 どうすれば」

   治療カプセルの前でそう呟く村雨

エリカ「り・ょ・う、そんな怖い顔り・よ・う・らしく・ないよ・・」

   そう言ってまた意識を失う沢乃

村雨、一文字「おいっ、エリっ、エリ」

○ASK本部がある土手

みなみ「いいわね優子」

優子「うん、覚悟は出来てるよ」

   『ピカピカピカ』

   コスプレリングが輝く

みなみ、優子「コスプレクロース」

  『ピカッ』

   等身大のまま、ASK本部に向かうコスプレ仮面

○ASK本部

   コスプレ仮面が基地に入ってくる

村雨「君はコスプレ仮面」

コスプレ仮面「私を引き渡してください」

村雨「良いのか」

コスプレ仮面「はい、それで皆さんが助かるなら」

村雨「そうか、すまん」

本能「まてよ、参謀」

村雨「今更止めても無駄だぞ」

本能「違う、俺たちも行きます」

村雨「よし、みんなで行こう」

〇土手

   コスプレ仮面を連れてASKがやってくる、その状況を見守る市民たち

本能「聞こえるか、マグロやろう出てきやがれ、どうせ今回の首謀者も

 お前だろぅ」

   怪円盤が上空に姿を現す

マグロ星人「フッフッフッフ、なるほど鋭いな、ではコスプレ仮面を

 置いておとなしく引き下がって貰おう、良いか変な真似はするなよ」

風見「ふん、全員の命がかかっとるんやそんな真似する訳ないやろ

 このあほたん」

   コスプレ仮面を残してその場を離れる本能たち

マグロ星人「フッフッフ、では焼き豚星人よ

 地球人たちを豚に変えるのだ」

ともみ「何ですって」

真理子「約束したじゃない」

マグロ星人「約束だと知らんな、それは私の個人的な発言 約束ではない」

本能「きさま最初から」

   怒りをあらわにするASKメンバー達

〇衛星RIVER内

敦子(豚)「ブタ化光線放射」

  『ブブブブブブブ』

N『ブタ化光線は次々に生物を豚に変えていった、人間たちはコスプレ仮面を

 裏切った事を後悔しながら豚に成っていったそして一ヵ月後東京は巨大な

 養豚場になっていた、豚は自分達がかつては人間だった事さえ忘れて

 いたのだった』

○秋葉原上空

マグロ星人「フフフフフフ、これで地球はわしの物だ、もはやメデイーナ様が

 来るまでもないフッハッハッハッハ」

   円盤の中で高笑いをするマグロ

N『人間たちを豚に変えて丁度2ヶ月たったある時、宇宙の彼方から謎の光が

 降り注いだ、それは 平和を願うコスプレ星人たちが地球に送った

 サイクロン(奇跡)の光だった』

その光線を受けた人々は徐々に人間に戻っていく」

  『ビビビビビビィー』

〇土手

みなみ「優子、私たちいつの間にか人間に戻っているブゥ」

優子「あっ ほんとだ、ブゥ」」 

   海から大亀のミクランに乗って、女性が歌を唄いながら海から現れる」

セブン「遥かな、星がーふるーさとだ」

みなみ「あれは」

優子「浦島太郎、かなぁ」

セブン「いいえ私の名はコスプレセブン、地球上では大鳥麻衣と

 呼ばれていました」

優子 「その麻衣さんが何の御用で」

セブン「何の用とは失礼ねマグロ星人は強敵です、それゆえあなた方には

 それを倒すアイテムを持ってきました」

みなみ「アイテム」

セブン「受け取りなさい」

   そう告げると2枚のカードを2人に投セブン、みなみは勇者を意味する 

   ルビーのカード、優子は太陽を意味するるユリシーズのカード

   それぞれを受け取る

セブン「そのエンドラのカードはこれまでの数倍のパワーが引き出せます」

みなみ「数倍のパワーを」

セブン「その力を使ってあなた達2人が大好きな地球を守りなさい

 分かりましたね、ではまた会う時までさらばじゃ」

みなみ、優子「ありがとうコスプレセブン」

   二人、麻衣と亀さんに手を振る

セブン「すすめ銀河のあくまでもー」

   海原に消えていくセブン

   『ピカピカ』

  とリングが光る

みなみ「ルビー変身」

優子「ユリシーズへんしん」

  カードを天に翳して叫ぶ、みなみ達

  『メモリーオン』

   システムオンが鳴る

N『みなみと優子はエンドラのカードを翳す事によりコスプレパワーが

 全身に漲り、コスプレ仮面に変身するのである』

ルビー「宇宙の果てからやってきた正義の戦士ルビー」

ユリシーズ「変幻自在に悪を切る、太陽の使ユリシーズ」

   空手のポーズを取って現れるウサギの

戦士ルビーと狸の戦士ユリシーズ

W仮面「我らコスプレ仮面シスターズ、あなたのハートをメロりんこしちゃうぞ」

   尻を振り振り返ってピストルを撃つ真似をする独自のポーズが決まる

マグロ星人「フハッハッハッハ、やはり現れたなコプレ仮面

 焼き豚星人よ,今一度地球人たちを豚に変えるのだ」

   円盤から指示を出すが、衛星からは何の反応も無い

マグロ星人「どうした焼き豚星人、何かあったのか」

   円盤内で怒鳴るマグロ星人

N『その少し前サイクロンの光を浴びたRIVERでも異変が起こっていた」

○RIVER内

敦子(豚)「何だ、この溶けるような光は」

   『ウッ、ウッ』

   その体から何度もダブリ、やがて敦子の体が抜け落ちる

焼き豚「しっしまった外れたか、ならば今度は死ね 娘よ」

敦子「そうはいかなくてよ」

   『ハッ、ヤァー』

   パンチを決める敦子

   『ブタ―』

   怯む焼き豚星人に、さらに廻し蹴り

   を繰り出す敦子

敦子「死ねーブタ野郎」

焼き豚「ちっ、調子に乗るな」

   『シュバー』

   酢豚(すぶた)を吐き出す焼き豚

敦子「おっっと、危ない」

   必死でかわす敦子、コックピットの一部が『ジュワー』と溶ける

焼き豚「我らに歯向かった事を、後悔して死ぬが良い」

   敦子の首を右手で吊り上げる焼き豚

敦子「うっうっ、息が 出来・ない」

焼き豚「フッフッフッフッフッフ」

〇秋葉原

ルビー「どうやら手違いがあったみたいね」

マグロ「ならば出でよ、ギュードーン2号」

   円盤から赤い色の光が地上に放たれる

ギュー2号『ギャーォー』

   その光の中から出現する2号

ユリシーズ「まずは私からいくよ、コスプレ アタック」

回転して2号に突進するコスプレ仮面

ギュー2号『ぷぷぅ』

   後ろ向きになってガスを噴射するギュ

   ―2号に、一撃で市民たちは失神

ユリシーズ「くっ、臭っ」

ルビー「何なのこのガスは」

   手で口を押さえながら聞くルビー

ギュー2号「驚いたか、わしのガスはスカン 

 クの数千倍の威力があるのだ」

   ユリシーズに又がり、再びガスを噴出ギュー2号

ギュー2号『ぷぷぅ』

ユリシーズ「ああーん、もう最低」

ギュー2号「今度はそっちだ」

   『ぷぷぅ』

   ルビーにも噴射する、ギュ―2号

ルビー「もーう、勘弁してよ あんた何食ってんのよ?」

   『ピコンピコンピコン』

   コスプレタイマーがなる

N『コスプレ仮面は地球上では4分8秒間しか居られないのだ

 もしタイマーが切れればその体は分解されるのである』

〇ASK本部

   ASKのメンバーはブタ化の影響で動 

 けなかったが、ただ一人動けるものがいた

ビーナ「ポイント秋葉原0120、目標牛丼 

 怪獣 発射―」

〇秋葉原

   『ダダーン』

   分子破壊ミサイルがギュー2号に向かって放たれる

ギュー2号『ギャーォー』

   ミサイルの炸裂によって苦しみだす

   ギュー2号

ルビー「いまだ、ダイヤモンド・ソード」

   ヨロヨロっと立ち上がって腕のコスブレッドを剣に変えるルビー

マグロ「何をしている、牛丼分身だ」

   円盤からの光線を受けて、パワーアップするギュー2号

ギュー2号「影牛丼」

   『ギューギュー』

   黒い分身たちが本体とともにルビーの周りを ぐるぐる回る

ユリシーズ「る、ルビー」

   ガスを直接顔に受けた為、まだ回復していないユリシーズが心配する

ルビー「優子は黙って見てて」

   目を閉じ、剣を時計回りにゆっくり回す、ルビー

ルビー「本物はそこだ、必殺唐竹崩し」

   「ズバーン」

   ルビーが切断したお腹から、大量の牛丼液がこぼれる」

ギュー2号『ギャー』

ユリシーズ「こっ、今度は私の出番だよ」

   ふらつきがらも立ち上がるユリシーズ

ユリシーズ「ローリング・チャンタマー」

   ズドーン

男性達「出た、チャンタマ・蹴り」

ギュ―2号「ギヤアアア」

ユリシーズ「ユリシーズの盾」

   コスブレッドを小リスのエンブレムが 

   付いた円盤状の盾に変える

ユリシーズ「必殺会いたかったぁブーメラン」

   盾の周りからギザギザの刃(カッター)が飛び出しギュー2号 目掛けて

   投げる、ユリシーズ

   『ブシュブシュブシュ』

ギュ―2号「あらまぁ」

   カッターブーメランは7色に輝きギュー2号の両腕を切り落とす

ルビー「今だ、いくよユリシ―ズ」

ユリシーズ「うんルビー」

W仮面「ダブル・コスプレキック」

   肩を組んでジャンプし、空中でCのポ

   ーズを決め 怪獣めがけて落下する 

ギュー2号「ギュードーン、バリアー」

   牛丼汁の波動が怪獣を包み、コスプレ仮面に向かって放たれる

ルビー、ユリシーズ「てやーあ」

    ルビーとユリシーズの足が摩擦で赤く光り、光の壁を次々とぶち抜く

   『バア―ン、バーン、ズバババ』

ギュー2号「ギャー、牛丼もっと食べようね」

   ドバーン

   大閃光が起こる

マグロ「くそーマグロ大変身」

   円盤から出て巨大化するマグロ

N『一方、RIVERでも壮絶な戦いが続いていた』

敦子「あっ、あっ・あっー,タアーァ]

   意識を失ったと見せかけて焼き豚星人に蹴りを入れる敦子

焼き豚「ブター」

   パネルのほうに再び吹っ飛ぶ、焼き豚

焼き豚「おのれー味な真似を、豚矢でも喰らえー」

   『ババー』

   敦子に毒矢を放つ

山里「あっちゃん、危ない」

   山里が敦子を突き飛ばし矢をお腹の中央に受ける

敦子「良太さん」

山里「あっちゃん、無事でよかった 僕ずっと前から あっちゃんの事を」

敦子「うん、わかってたよ」

山里「あっちゃん・・」

 そのまま絶命する山里、そのとき膨大な怒りが敦子の全身を覆う

敦子「あ~んた絶対許してあげない」

   敦子、山里が持っていたノヴァーバズーカーを手に取り闘士を込める

敦子 「いくよ良太、3・2・1発射―」

   ドキューン

焼き豚『おっ、おのれー』

   キューン

   光となって逃げていく焼き豚

敦子「逃がさないわよ、おいでQちゃん」

Qちゃん『アイよお』

   どこからか、黄色いスペースボートが降りてくる

敦子「Qちゃん、あの豚さんを追うわよ」

Qちゃん「任せなはれ」

   キーン

   筋斗雲の如く巧みにボートを操る敦子

〇宇宙空間

焼き豚「しつこい奴、行けっお前達」

   ゴーゴゴ―

   ピラニアの怪物、ガロスたちがドクロ型のボートを操り、敦子に迫る

敦子「聖剣シルクレッド・ハイドラ」

   ビーイイィン

   腕のシルクレッドQから敦子の手に黄色い光りの剣が、放出される

レッド・ガロス「キエエエエエエ」

敦子「エイ、ヤー、トオォー」

   「ギエエエエ」

   その場で消滅するガロス達

ヒュウウウウ。ブっちゅうぅぅ

   ガロスの顔の一体が飛んできて、敦子の唇を奪う

   「グワっパー』

   パチッ。パチッ

   怪物と目が合い、暫く停止する両者

敦子「ふっざけんなよ」

   バーン

   敦子、鉄拳で顔を吹っ飛ばす 

焼き豚「おのれ―、勝負だ娘」

   方向を変え、勝負を挑む焼き豚

 敦子「望むところよ」

   キーン、キイ―ン

敦子「Qちゃん、決めるよ」

Qちゃん「オーライ、敦子」

焼き豚「ウオオオオオ、負けてたまるかぁ」

敦子「ファイナル・フラッシュ」

   ビィィィィィィィィーン」

   敦子、巨大な豚の顔をシルクレッドハイドラで切り裂き、剣を持った右手

   を水平にするポーズを決める 

Qちゃん「やったぜ」 

焼き豚「おーのーれーえ、全国の焼き豚食品バンザーイ」

   ドバーン

  後方で大爆発する焼き豚

〇RIVER内

敦子「良太さんやったよ」

   涙を流し矢を抜こうとするが、矢はペンダントで

   止まっていて直ぐに目を覚ます山里

敦子「りょ、良太さん」

   戸惑い気味に言う敦子

山里「あっ、あれっそうかおばあちゃんの形見のペンダントが守ってくれたのか」

敦子「よっ、良かった」

   涙を拭う敦子

真夏「とにかく終わったな」

   そこに、真夏が現れる

山里「真夏チーフ」

敦子「いえまだよ」

   RIVERのゼノン砲をピンポイントで地上のマグロ星人にあわせる敦子

敦子「いくわよ、ゼノン砲発射ぁ」

〇秋葉原 

マグロ「何故だ、何ゆえおまえたちは地球人 

 を守るのだ、人間は誰一人味方しなかったではないか」

ルビー「人は誰も弱虫なんだよ、でもほんの少しの勇気さえあれば変われるん

 だって私は思うんだ」

ユリシーズ「優子も、そう信じてる」

   そのときRIVERからゼノン砲がマグロ星人に放たれる

  『ババババババー』

マグロ「人間を信じているだと、ふっふ甘いなわしは人間は しん・ じ・ぬ ぞ・・」

   そう言いながら溶けていくマグロ星人

〇RIVER内

敦子「やったーあ、良太さんだーい好き」

   あからさまに山里に飛びつく敦子

山里「しっ、しあわせ」

   照れまくる山里

〇秋葉原

ルビー「それじゃー勝利のポーズいっとこ」

ユリシーズ「そうだね」

N『2人はいつものように尻をパンパンパンと叩いた、でもその時

 沢山の人たちが後ろを向きパンパンパンと返したのだった それは人々の

 何よりの感謝の印であっった』

野上「俺たち今まで、自分の事しか考えられなくなってたんだ 世の中は大体そんな もんだしそれが普通だと思っていた」

あゆみ「でも、これからは違います 何事も誠意を持って行えば

 通じるって、あなたたち2人が教えてくれたから、コスプレ仮面

 ありがとう」

  タケルとあゆみが人々を代表して話す

野上、あゆみ「コスプレ仮面ありがとう」

人々『コスプレ仮面ありがとう』

   全員の感謝の声が周囲に木霊する

W仮面「みんなー」

   その後コスプレ仮面と人達とのパンパンの応酬が、しばらく続いた

本能「素晴らしい光景ですね」

村雨「ああ、我々人間と彼ら宇宙人達との

 理屈を超えた交流が始まるかもしれん」

   『ピコンピコンピコン』

   コスプレタイマーの鳴る音

ルビー「ショワッチュ」

ユリシーズ「ショワッチュ」

   大空に飛び立つ、二人

小春「ちゃハ また失敗かぁ、使えない奴(キュルルル・ピーピー)

 あっまたお腹が・・・」

   ビルの影から見つめる小春

〇数日後

〇ASK本部  午後6時

   本能が辺りをキョロキョロしながら部屋に入ってくる

本能「ともちん、例の書類どこいったか知らないか ん、他のみんなは」

ともみ「医務室よ、私もこれから行くところだけど」

本能「むっ、医務室 そうか」

   医務室に向かう本能とともみドアの前には山寺、真理子、

   みなみ、優子の4人がいた

同・医務室

本能「みんな様子はどうだ」

山寺「しー今いい所だから黙って」

同・室内

   ベッドに横になったエリカに、一文字が話しかける

一文字「エリ」

エリカ「なあに、弥樹さま」

一文字「・俺が守ってやる、これからもどんな時でも 俺がエリを守ってやる」

エリカ「・うれしー弥樹ちゃん、その言葉 ・・ずっと待ってた」

〇外

山寺「よし、ここで愛のテーマーだ」

   MDをプレーヤーに入れる山寺

   『ジャン・ジャ カ・ジャーン』

   部屋中に、結婚式のテーマーが流れる

真理子「あっ、やまちゃんのばか それはちょっと早いよ」

山寺「いけない、間違えたこっちだ」

   MDを入れなおす山寺

〇室内

エリカ「この音楽は確か、ある愛の唄のテーマだわ」

一文字「エリ」

真理子「いまだ弥樹ちゃんブチュと行けもう何やってるの

 じれったいなあこうするんだよ、こう」

   身振り手振りで興奮する真理子

みなみ「あのぉ、真理子さん聞こえるよ」

真理子「しー(すい)ません」

N『愛を育む2人、そして それを応援する仲間達だった』

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