第四章 各々の戦い(『門田VS川上』)
『門田VS川上』
仲間達を見送った後、僕は川上の相手を続けている。川上は投擲武器を使い門田の攻撃範囲外からずっと攻撃を行ない自分に近づけさせないようにしている。
「調教、調教!」
「くそ・・・・・・」
前に出て一回でもこっちの攻撃を繰り出せたならまだ勝機があるがこのままだとこっちのスタミナが先に切れてしまう。鞭で糸の先にある刃をはたき落とすが、すぐに回収してその反動を使ってまた攻撃をしてきて休まる時がない、しかも自由に操れるようで前は勿論上や右、後ろからも攻撃が飛んできて神経もすり減っていく。
「さぁ早く本当の愛を知りなさい!!」
「本当の愛を知るのになんでこんなに攻撃してくるのかな!?」
訳の分からない攻撃がまだまだ続く。同じループを回避するために徐々に後退し城の曲がり角をうまく使って一気に距離を稼ぐ。そして道端に転がっている石を投げる準備をする。
石を投げてその石を砕いた隙に近寄って攻撃をくらわせる、これで勝負をつけよう。
だが追いついてきてもいいほどの十分な時間が経過したのに何故か川上は目の前に現れなかった。そして不思議に思いゆっくりと鞭を構えながら近づいていく。そしてのぞき込もうとした時左手のひらに激痛を伴った。
「うぁぁああああああああ!」
激痛の箇所を見てみると手のひらから血がどくどくとあふれ出している。あまりの痛さと感覚を失ったため僕は持っていた鞭と石を地面に捨てる形になりその場にうずくまってしまう。
「調教の第一段階かんりょ~う」
僕の後ろにはさっき撒いたと思っていた川上が立っていた。そして川上の直ぐ横の城の壁に穴が開いている。どうやら川上はそこから現れて攻撃をしたようだ。
「い、痛い」
「そうですよ、男同士が愛し合わないと皆の反感をかってしまい痛い目に遭ってしまうんです」
「くそ、どうやって後ろから・・・・・・」
僕はポケットからハンカチを取り出して自分自身で応急処置を行なう。もう左手は使えないだろう。僕は根気だけで鞭を持って立ち上がりながら川上が何をしたのかを考える。
壁は見た感じ壊したという感じではない、壊したのなら周りにひびが入っているだろうが、人一人が通れるほどの大きさの長丸が壁に綺麗に開いている。この状況で考えられるのはこいつの固定魔法だろう。だが穴を開ける固定魔法か、それとも狙った範囲内で物体を消滅させるような魔法か・・・・・・
「あ、これですか?」
僕が川上が出てきた穴を見ていたのに気づいたのだろう、川上は穴の近くに行って薄気味悪い笑顔をずっと浮かべたままこちらを向く。
「見ててくださいね」
そして川上は穴の開いていない普通の状態の壁を触る。すると触った部分から黒く変化していき最終的には塵となってしまった。
「なかなかに良い能力だね・・・・・・」
まずい、自由に遠距離から攻撃できて逃げても逃げても曲がり角なんて関係ない能力があるんじゃあ逃げ場も勝ち目も薄い・・・・・・
相手に負けないためにも少し強がって言ってみるがそこまで動じることもなく川上は楽しそうに自分の能力について話し始める。
「本当に良い能力ですよね、私この能力があってよかったなって思うんです。この『腐』の能力があって」
「腐?」
「はい、言葉通り『腐』です。能力発動中に意識した物を触って腐らせる事ができるんです」
「なるほど、だから壁が腐って最終的に塵になったと言うことだね」
「だが迂闊すぎないかい、敵にそんな情報を与えて」
普通は固定魔法は最終手段として話さない物だが川上は簡単にその内容を話した。普通ではありえないことだ、だがそれを聞き返すと川上はキョトンとした顔になり笑い始めた。
「くっ、くっひひひひひひひ!貴方は何を言ってるんですか~私に勝てるわけありませんよ。これは、けっさく、くひっ!」
「僕には勝てない・・・・・・?」
ほう、言ってくれるじゃないか・・・・・・一応は学園の中でも実力者の僕に対して勝てないと豪語するのか・・・・・・
「あれ、どうしました? もしかして本当に・・・・・・?くっ、くひっ!や、やっばい」
ずっと笑って僕を馬鹿にしている川上を見て僕は久々に自分の頭に血が上っていくのを感じてしまった。
「なら・・・・・・見せてあげますよ。僕の本気をね」
そして僕は右手で鞭を振るい、川上の頬ぎりぎりをかすめて傷を負わせる。僕の鞭によって切れた傷から血が少量出てくる。その血を指で確認して川上は先程とは違い最初の方に見せていた不気味な笑いに変え、投擲武器を構える。
そして相手に主導権を握らせないようにする為に俺から今度は攻撃を仕掛ける。
投擲武器を投げさせないようにしなければならない、なら狙うのは投げる時に使っている右腕だ。この右腕を使えなくさえすればまだ勝機はある。手首をスナップさせて絡め取るのではなく叩くように攻撃をする、だがそう簡単にもいかずに避けられてしまう。だがそれで引いてしまうとさっきと一緒で開いての攻撃に押され続けてしまう状況になってしまうので前に前進しながら今度は糸を持っている手を直接狙って攻撃を行なう。これを続けるが川上は不気味な笑みのままこちらを見ている状態で避けているので余計に頭に血が上ってしまう。
「くっ、くひ、当たってない、ですねぇ!」
だが川上は避けながら起用に攻撃をしてくる。僕は鞭での攻撃を止めるわけにはいかないので軌道を読みながら避ける。このままだと絶対に僕の方がばててしまうと考えどうにかしようと頭を巡らせていると川上は投擲武器を使うのを止めて左手に統一して持った、そしてフリーになった手で魔方陣を描き始める。
「くそっ!」
僕も魔方陣を描いて応戦しないといけないがさっき川上にやられたせいで左手には力が入らず第一式の魔方陣すら描ける余力はない。魔方陣を描く集中を途切れさせて魔法を撃たせないようにしようとするが綺麗に避けて全く攻撃が当たる気配がない。
「はい、完成ですよぉ!スプラッシュ!」
「くっ!」
川上は僕の目の前に魔方陣を移動させ魔法を発動した。そして魔方陣から雨のような水滴が僕にぶつかり、その量と水圧から目を閉じて動きも止めてしまう。魔方から逃れるために即座に横に飛び出す。そして辺りを警戒するがすでに川上の姿はなくなっていた。だがはっきりと気配は感じる。
どこから来る・・・・・・
だが完璧に隠れているようでどこにいるかは全くつかめない。こうなったら仕方がない。固定魔法には固定魔法で対抗する。
(シル『魅了』を使えるかい?)
(魔力を使う暇なんてなかったからな、今なら余裕さ)
(よし、なら頼んだよ)
僕は自分の契約精霊に語りかけ固定魔法を使う準備を始める。僕の固定魔法である魅了は特定の異性を自分の虜にできる能力だ。だがこの魔法を使うには使用者が相手の姿を捕らえ目を合わせ5秒待たなければならない。後はどうやって相手をおびき出すかだ。
おびき出すために俺は元々戦っていた城門前を目指す。その移動中どこから狙われても対応できるように常に全方面に気を配りながら走る。そして城門前に辿り着く寸前で後ろから殺気を感じ鞭を使ってそれを叩き返す。そして振り返ってみるが城の一部が腐敗した形跡が残っているだけだった、どうやら握り拳程度の大きさから武器を使って攻撃してきたようだ。
そして攻撃してきてくれたおかげで城の中に今いることは分かった。
「出てきなよ、面と向かって戦うのが怖い?」
我ながら安っぽい挑発だとは思うがここでどんな手を使ってでも川上と目を合わせるように動かないと駄目だ。そしてこの挑発で出てきてくれるか・・・・・・
「ほら、倒せるの?とかそっちが馬鹿にしてきたのに怖じ気づいたかな?」
僕は分かりやすい煽り方をする、そして一番最初に現れた時と同じ城門前からゆっくりと現れる。
「安っぽい挑発だけど乗って上げる。出てきて上げたよ」
よし、相手をおびき出すことには成功した。後は状況を見てできる限り近くで魅了を使い、これ以上傷をつけずに捕らえてみせる。
「いくぞ」
そして僕は鞭を構えながら川上の方に走って向かう。川上も勿論ボーッと立っているわけはなく投擲武器で攻撃をしてくる。
ここは無理矢理にでも押し通って目を・・・・・・!
僕は飛んでくる刃を避けることなく前に走る。そして刃は左肩に刺さる、左手も未だに痛む、歯を噛みしめることによって痛みを我慢し前に進み川上の頭を鷲掴みして無理矢理に目を合わせる。
「女性の頭を鷲掴みするのは主義に反するんだけどね」
「くひっ、ここからどうするの?」
「僕の固定魔法をお見せしよう、魅了!」
僕は固定魔法を発動させる。そして魅了に掛かった川上は一瞬ボーとした後に瞬きを一回すると人が変わったかのように僕に抱きついてくる。
「あれ、門田さんだ!あ・・・・・・すごい血!大変、直ぐに止血しないと!!」
「え・・・・・・?」
僕は信じられない物を見てしまった。魅了に掛かった人は自分が異性をおとすときに使う手段を用いて発動者に迫るのだが、あの川上が異性に対してはこんなに積極的だとは・・・・・・
そして川上はポケットなどを探すがどうやら止血するための物は見つからなかったんだろう、悲しそうに瞳を潤ませながらこちらを見て言う。
「すいません・・・・・・私何ももってなくて、ごめんなさい、くすん」
おう、これは・・・・・・色んな女子に成績が良かったり顔が良かったりしてチヤホヤされてきたがここまであからさまなのは初めて見た・・・・・・
思わぬ以上に魅了が効いていたため僕自身もびっくりしてしまっている。だがこれは逆にチャンスであろう、これだったら抵抗されずにこの戦いを終わらせる事が可能だ。
「大丈夫だよ、でもどうしても心配なら街まで行って治療班を呼んできてくれたら嬉しいな」
俺は川上にお願いをする、だが川上は下を向いて反応がなくなる。
「川上、さん・・・・・・?」
「・・・・・・い」
「え?」
「きもちわるい、あぁぁぁあああああああああ気持ち悪い!!」
「うごっ!」
さっきまで僕を抱きしめていた腕が離れ右手につくられた川上の拳が僕の鳩尾に直撃する。そして僕は勝手に足が後退して地面に倒れてしまった。
「な、なんで・・・・・・」
「油断しました、まさか目を見ちゃいけない魔法だったなんて。くひっ、まぁ私には結果的には効かなかったって事で」
川上は首を鳴らしながら倒れている俺の方に近づき見下ろしてくる。
「私の固定魔法は腐って言ったでしょう。私の恋心なんかもとっくの昔に腐ってますし、自分の中に腐じゃない物が生まれたなら私の体の中にいる腐達が犯すんで毒みたいな攻撃も精神攻撃も効かないんですよ」
「ウソだろ・・・・・・」
川上には僕の固定魔法は効かないわけではないが時間さえ経過すれば自分が今持っている恋心をつぶしに腐が動くのか・・・・・・そして僕の固定魔法をだす発動する条件を知られてしまったためもう魅了は使えない。
くそっ、すぐにでも捕らえておくべきだった!
「くっくひっ、さぁ調教を始めますよぉ・・・・・・」
やばい、これは本当にやばい。命の危険以上に何か分からない感情の危険をものすごく感じている。
川上が投擲武器の先についている刃を手で持ち、よだれを垂らし拭きながら息も荒くなりながら見下ろしている。
お父さんお母さん僕を生んでくれてありがとうございます、そして変わってしまう僕をこれからも愛してください・・・・・・
「はぁぁぁあああああああああああああ!」
両親に感謝し新しい自分に出会う事に覚悟を決めていた時に中庭に入るための門からものすごい早さで飛んできた人が川上にぶつかりそのまま城の壁にぶつかり中まで入っていった。
「先輩、大丈夫っすか!」
「え、あ、うん」
ターナル魔法学院の制服を着た生徒は僕に肩を貸し、その肩をありがたく使わせて貰いながらその場に立ち上がる。
「君は・・・・・・」
「あ、俺は真白の親友の坂本智彦です。後今先輩を助けたのが真白の幼なじみである暁紗雪です」
「真白君の・・・・・・」
ここに今来たと言うことは学院長があの時先に僕たちを行かせて事前に手配していたんだろう。何はともあれ本当に感謝だ・・・・・・
「ありがとう」
二人が突っ込んでいった壁から一人が走りながら出て来てこっちに向かってくる。その女の子もターナル魔法学院の制服を着ているこの子が暁君だろう。
「お二人は下がっていてください!」
暁君は僕と智彦君の前に立ち長刀を構えて川上が入っている壁の方を見る。僕は智彦君の助けを借りながら後ろに下がる。
「暁君気をつけるんだ、川上は色んな物を腐らせる事ができて、どこからでも相手を狙う投擲武器を使ってくるぞ!」
僕がそう助言をした瞬間に壁から刃が飛び出してくる。そしてその刃は暁君を狙って真っ直ぐ突っ込んでいく。
「はいっ!」
暁君は長刀を落ち着いて振るい刃を弾く、だが敵が見えていない今、反撃ができない為どうしようもない。
「先輩、一人で立てますか?」
「あ、あぁ・・・・・・なんとかね」
そう言うと智彦君は僕から手を離して暁君の側に寄っていく。
「紗雪ちゃん、ここは俺に任してシロの所に行きな」
「・・・・・・はい、ではここは坂本君にお任せします」
暁君は敵の攻撃を一度跳ね返し城門に向かって走る。そして智彦君は魔方陣を描きバックアップを行なう準備をする。だが川上もこれ以上先に行かせないようにするために投擲武器を用いて攻撃の手を緩めない。だが暁君も見事な捌き方で川上の攻撃に一回も当たることなく進んでいく。
「ファイヤーボール!」
そして魔方陣を描き終えた智彦君は第一式魔法を今武器が飛んできた方に向かって放った。そして中々の練度のファイヤーボールは壁にぶつかり爆発を起こす。その爆風と煙で何も見えなくなる中暁君は城の中に消えていった。
「智彦君、暁君は無事なのか!」
「大丈夫っすよ、紗雪ちゃんはシロのためなら異常な力発揮しますから」
こっちを向いて笑いながら智彦君は言う。
そして暁君と入れ替わるように煙の中から川上が姿を現した。
「くそ、2度も通られた・・・・・・くひっ、けど嬉しいのは二人の男だ・・・・・・くひひっ!」
川上は最初通られた事が悔しかったのか顔をしかめていたが、思い出したかのように僕と智彦君を見てまたも気持ちの悪い笑みを浮かべる。
「僕はこの相手が苦手だ・・・・・・」
「俺もっす・・・・・・」
即座に相手の危険性が分かったのだろう、智彦君も僕のつぶやきに同意して一歩引いてしまっている。これは暁君を先に行かせたのは本当に失敗な気がする。そしてそのまま川上は智彦君に近づいてきて攻撃範囲内ぎりぎりで武器を構える。智彦君もメリケンサックを両手につけて戦闘を行なう。
遠距離武器に超近距離武器、相性は最悪だ。だが理事長がサポートメンバーとしてチームに入れているんだ、さっきの暁君のように智彦君も強いはず。
「二人まとめて調教!!」
川上は今までと全く同じように、刃のついた糸を振り回して攻撃をしてくる。智彦君も弾くが弾いた瞬間川上は攻撃を変化させ前に出れないようにしてくる。
どうにかあの攻撃を止めないと僕達に勝ちはない。智彦君は落ち着いて敵の攻撃を防ぐ事ができているがこのままだといつか集中力と体力が切れてダメージを受け始めるはずだ。
「後輩にそんな事させるわけにはいかないよね」
僕は魔法でバックアップを行なうために魔方陣を右手で描く。
(シル、川上の攻撃が通らないほどの頑丈な岩を作ることはできると思う?)
(不可能だね。あいつの腐の能力は魔法でも例外でないはずさ、けど目くらましくらいにはなると思うぜ)
(それで十分、感謝するよ)
「さぁこれでまた一歩調教に近づくわよ!ウォーターウィップ!」
川上は俺に目くらましをした時のように片手で魔方陣を描き攻撃に合わせて魔法を発動させた。魔方陣から水の細長くしなる鞭のような物が智彦君の右腕を縛り動かせない状態になってしまう。そして智彦君がガードできない右側から川上は攻撃を仕掛ける。その攻撃をぎりぎり左手のメリケンサックにぶつけることで防ぐ。
「くひっ、ゆっくりじっくり腐らせてあげるからね・・・・・・くひひ」
「いや、マジで結構っす・・・・・・」
さっきまであの相手をしていたと思うと今更ながら良くできたなと自分を褒めたくなる。そんな事を考えながら第5式の魔法陣を描きあげる。
「智彦君なんとか反撃してくれ!そして避けてくれ」
「へっ!ちょっと先輩待って!」
「グラン・ニードル!」
魔方陣から放たれた一つの光が川上の前の地面に吸い込まれ地面が揺れて目の前に大きな土の壁を作ってしまう。この魔法のおかげでウォータウィップは解除される。自由になった智彦君は改めて構える。
「固定魔法発動『炎症』!はぁぁああああああああああ!」
智彦君は固定魔法を発動させた、魔力を外に思いっきり解放して智彦君の周りに火がまとわりつく、そして智彦君は火に包まれてしまった。
「うぉぉおおおおおおおおお!」
そして体中を燃やした状態で智彦君は高くジャンプし目くらましになっている僕の土の壁を壊し、奥にいる川上まで攻撃を与えた。僕の魔法も消え埃が舞っている中、もう火が纏わり付いていない智彦君がゆっくりとでてきた。ふらふらとおぼつかない足取りで体から煙をたたせて出てきた。
「智彦君!」
だいぶ自由に動けるまでに回復した僕は智彦君の所までゆっくりと近づく。舞っていた埃が消えその場にはクレーターができており力の中心地には川上が倒れていた。
「智彦君!」
智彦君の体を少し浮かし名前を呼び続ける。
「痛ってぇ・・・・・・」
よく見たら体中がひどい火傷で早く治療をしないと手遅れになる可能性もある。一応の応急処置として僕の魔力を使い簡単な治癒魔法を使う。ここから街に戻るには遠すぎる、なら回復しながら光子君の所まで向かった方がいいだろう。
「良くやった智彦君、だが少し治療したら動いてもらって回復してもらいに行くからな」
「うっ・・・・・・」
どうやら治癒魔法が効いているのだろう智彦君は徐々に痛がる反応が少なくなった。これで安心だと一息つこうとした時に川上の倒れている方向から土を踏みしめる音が聞こえた。
「ちょ、ちょうきょ・・・・・・」
すぐに川上の方を見ると川上はあの強力な攻撃を受けても立ち上がりこちらに向かって来ていた。
やばい、この状況でまたあの攻撃を受けたら勝つ事なんて・・・・・・
「ちょうきょ・・・・・・っ!?」
どんどんと近づいてきていた川上は僕達を見た瞬間動きが止まったままこっちをガン見している。
「体をまさぐっ、くひっ!!」
そして川上は笑いながら鼻血を出して良い笑顔で散っていった。そして最初はぴくぴくしていたが直ぐに動きが止まり気絶したようだ。
理由は分からないが、いや、考えたくないが良かった・・・・・・
「よし、じゃあ向かうとしよう」
僕は智彦君を背負い、川上をしっかりと鞭で縛っておき、暁君を追う形で真白君達の元へ向かうために走った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます