Erica
苦しい 生きることが苦しい
社会が嫌いだ
働くのが嫌いだ
責任を持つことが嫌いだ
生きているだけで金が要求される。本当はそんなものは存在しないのに有りもしないものを押しつけて従わせてそんな世の中に反吐がでる。年齢や学歴で差別され、正論が通らない社会に嫌気がさす。
家族が嫌いだ
友達が嫌いだ
人間関係が嫌いだ
自分がこんなに辛く、苦しい思いをしているのは生まれたからだ。生まれなければ良かった。原因をつくった家族を怨んだ。周りは煩わしいほどに面倒くさかった。相手の顔色を窺って媚び諂うのならいっそ孤独であることを選ぶ。ひとりなら誰も傷つけないし、傷つかない。
でも
一番自分が嫌いだ
理不尽な出来事を周りのせいにして正当化することでしか自分を保てない自分がいる。周りの存在を否定しているのにその存在に依存している。
世の中の流れに
周りに
逆らって否定されるのが怖いからだ。
だからもうひとりの自分をつくった。
周りに合わせて決して流れを乱さない自分を。
そしたらいつのまにか自分が無くなり、ひとつの疑問が浮かんだ。
「あれ?なんで生きてるんだろう?」
急に不安がこみ上げて心の底から叫びたくなった。
喉が枯れるほど、
理性が壊れるほど、
叫びたい。
体は不安で震え、呼吸ができないほど、苦しかった。次第に頭は真っ白になり、突然、目の前に家族や友人の顔が浮かび上がった。
なぜだろう…?
あ、そっか。
寂しかったんだ。
ひとりでいることが。
孤独であることが。
心に隙間が空いて塞ぎ込んでしまう。
ひとりでは何もできないから。
だから人は依存するのだろう
社会に 人に
自分ではどうしようもない淋しさを埋めることができるから。
そうすることで生きる意義を見出せるから。
ただ、その答えに行きつくには少し遅すぎた。
翌日、マンションのとある一室で男性の遺体が発見された。
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