マミーストライキ01
どうも不知火 火夜です。
小学校に通うごく普通の女の子ですが最近変な知り合いが増えました。
それは近くにある高校に通っている人みたいなんですけどとても変わっています。
けど私の大事なキーホルダーを見つけくれたいい人ではあるんですけど言動が少しいただけません。
勝手な予想ですが私にあんなに優しくしてくれることからして世に言うロリコンという可能性がありそうです。
「あ、久しぶりだね」
「まさか小学生だけでなく中学生もいけるとはロリコンレベルが高いですね」
ロリコンというのがどの範疇からで中学生も入るのか分からないけど。
「人をロリコン扱いするな。僕はただ妹を迎えに来ただけだよ。いや、迎えに来させられたかな」
「妹さんがいたんですか。ならロリコン兼シスコンという変態のエキスパートさんでしたか」
どっちもいけるなんて引くとかそういうレベルを飛び越えて逆に尊敬に値します。
「だから僕に変な要素を付け足さないでくれ。それにしても今帰り?」
「今日はお姉ちゃんと一緒にお買い物をするのでこうして何処かの誰かさんのようにここまで足を運んだわけです」
お姉ちゃんはテニス部で次期部長と言われていたり、風紀委員長としての仕事があったりで忙しいので今日みたいに早く帰れるのは珍しいので楽しみにしてたんです。
「ここまでってそれほど距離はないだろ。僕なんか一旦家に帰ったのにこうして駆り出されてるんだぜ」
なんて言われてもどの辺に家があるかなんて知らないから大変さが伝わってきません。でも断らないのがなんかこの人らしいです。
「不幸自慢は結構です。知り合いだと思われたくないのであまり近づかないでください」
ここにはたまに来るからテニス部の人や風紀委員の人たちとはちょっとした顔見知りなのでその人たちに変な誤解はされたくない。
「はいはい。僕は中入るけど火夜ちゃんのお姉さん呼んでこようか?」
「結構です。もう少しで来るはずなので」
授業も三者面談で早く終わるらしいのでこうやっていちいち家に帰らず、直接ここまで来たんです。少しくらい待ってみせますとも。
「そう……最近何か体に異変とかあったらどんな些細なことでもお姉さんとかに言うんだぞ。病気ってのは本人でも気づかないこともあるからな」
「ご注意ありがとうございます。確かにこんな可愛い私ですから男だけでなく、菌する自然と寄って来てしまいますから」
「既に変わった病気になってるのは分かったけど知らない人に付いて行ったり夜に出歩かないようにしてーー」
「もお、私のお母さんじゃないんですからそんなにワーワー言わないでください。これ以上言うと怒りますよ」
「ごめん。それじゃあまた今度」
呆気ないですけど目的は私ではなく、妹さんだから仕方ないですね。
「ええ、捕まらないように気をつけてください」
ようやく行きました。本当に何なんでしょう? 会ったらやたら私の体調を気にするし、こっちが強気に出るとそそくさと逃げていくし。
年上なのに情けない人です。
さて、一人になってしまいました。あんな人でもいなくなると寂しいものです。けど私ももう小学校四年生。待つのなんて楽勝です。
でも暇なので校門から出ていく人たちを見ていたら気になる人を見かけました。
とても綺麗な肌の人。でもその肌は制服と大量の包帯で隠れてしまっている。
ケガでもしたのでしょうか? それも包帯は体中にあったから事故にあったのかも。
「待った?」
考えている内にお姉ちゃんが来てしまいました。
とにかく、今は久しぶりの二人での買い物を楽しまないと。
「ううん、さっ行こ」
お洋服を見て回って、帰りにスーパーで買い物してそれでご飯をつくって早速お姉ちゃんに気になっていたことを質問してみます。
「ねえ、お姉ちゃん。実はお姉ちゃんが来る前に包帯をぐるぐる巻いている人がいたんだけどあの人何かあったの?」
「多分、霧場さんだと思うけど別に事故に遭ったとかじゃなくていつもああなの。私たちは慣れちゃって」
「ふ〜ん。、でもケガとかしてないのに包帯してるなんておかしいよ」
「確かにね。だから学校の七不思議になってるの。心ない人はみんなの気を引くためだとか言ってるけど私はそうは思わない。だって何度かお話したことあるけどとてもいい人だったから」
「もしかして虐待やイジメとかされてるとか……」
考えたくはないけどテレビでよく見るからお姉ちゃんのいる学校でもそういったのがあってもおかしくはないのかも。
「大丈夫だよ。一人暮らしをはじめて一年になるし、学校のみんなはいい人ばかりだから」
「けどそれなら尚更あの包帯の下がどうなってるか気になってきちゃったな」
肌綺麗だったし、あの人にどうやったらそんな風になるか聞いてみたい。
「だ、駄目だよ! 霧場さんにも迷惑がかかるし、そういうのは」
「お姉ちゃん?」
いつもは冷静なお姉ちゃんがこうも取り乱すなんて……。その光景で言葉を失ってしまった。
「急に大きな声出してごめんね。でも、やっぱり自分が気にしていることを掘り返されたら嫌でしょ?」
気にしていること。
それはお姉ちゃんにも私にもあることで確かにそれを聞かれたりすると困る。
先生も「自分がやられて嫌なことは人にしてはいけない」って言ってたしお姉ちゃんが言うように何もしないのがいいのかも……。
「うん」
少し空気が悪くなっちゃった。これは私のせいだから私がどうにかしないと。ちょうどいいネタもあるし。
「そうだ、今日ねお姉ちゃんが来る前に校門であの人に会ったよ。あのキーホルダーを見つけてくれた伏見っていう人。学校に入ってったみたいだけどお姉ちゃん会ってない?」
「へ、ヘェー全然気づかなかったなぁー。すれ違いになっちゃったかな?」
怪しい。
目が泳いでるし、何だか喋り方はもぎこちない。お姉ちゃんがこういう時は大抵嘘をついている時。
つまりあの後二人が会っていたことになる。そして霧場さんの包帯について興味を持ったらお姉ちゃんは慌てていた。
これらからあの人が中学校に来たのは妹さんを迎えに来たのではなく、それを調査するため。
ふふん。この見た目は小学校四年生、頭脳は大人ドン引きの名探偵を騙そうたってそうはいきません。
こうなったら徹底的に包帯の謎を解いてみせる。
真実ははいつも一つってじっちゃんが言っていた。
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