兄
俺は昔から、たくさんのものを得るために血のにじむような努力をしてきた。周りは俺を天才と呼んだ。秀才とは呼ばなかった。
そんな俺にはとても仲の良い双子の弟がいた。
でも昔、その弟に頼まれた植物の世話は精一杯やっても上手く行かなかった。
ほとんどを殺してしまった。
しかし弟は、俺を怒らずに抱きしめてくれた。
弟は体が弱かったから俺が守ってやらなくてはと思った。そのために強くなったが、周りは弟を俺と比べ、あいつを責めた。弱弱しい、兄とは大違いだ、草ばかり見て女のようだ、などと。
あいつが弱いのは俺のせいでもあるのだ。
双子とは、必ずどちらかが身体的に劣るものだと先生に聞いた。
母の腹の中で、あいつの分まで大きくなってしまったのは俺なのだ。
だからこそ、俺は弟を守る。
あの優しい笑顔も、綺麗な心も、何もかも。
そのために、神となった今、桜木になった弟の力となるように、人を食らう。
お前の為だったら、手段も選ばない。
今からまた一人、お前の力となるように男を食らう。
さあ、
「オソトヘオイデ」
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