肉食男子?2
ありさは食べるのが遅い上に一度にあまりたくさんの量を食べられない。少食と言うわけでもないのだが。華奢な子によくありがちな一日に何度も少ない量を食べるタイプだ。今回もキャベツの千切り、漬物は全部食べたが、ご飯とお肉の部分は半分だけ食べて蓋を閉じた。
エミは最初肉だけ食べていたが、肉に付いてくるご飯を食べて美味いと思ったのか、キャベツの千切りと漬物以外は全部食べた。物足りなさそうにありさが半分で蓋を閉じたのを見てありさに尋ねた。
「あれ?それ食べないんですか?」
「はい、もうなんかお腹いっぱいになっちゃいました。良かったら食べます?」
「え?良いんですか?食べたいです!」
ありさは一応聞いてみたものの、まさか本当に食べると言うとは思わなかったのでびっくりした。初対面なのに図々しいとも思う。そしてエミがキャベツを食べてない事が気に入らない。
「キャベツ食べないんですか?好き嫌いはダメですよ?」
弁当箱の隅に入っていたマヨネーズの小袋を開けてキャベツにかけてあげた。
「え?草ですよね?コレ。こんなの食べれないですよ」
エミは星で暮らしている間肉しか食べた事がなかったのだ。草を食べるなんて家畜動物だけだと思っていた。
ありさの拙い経験上好き嫌いが多い人は変な人が多い。とくに野菜を嫌う人。ありさの姉も野菜があまり好きではなく、姉の嫌なところの一つでもあった。自分が野菜好きなので野菜嫌いな人は意見が合わないから変な人と決めつけてしまうのかもしれない。実はありさも野菜は全般的に好きだが、好き嫌いは多い。だが自分に都合悪い事には目を瞑る。
キャベツの事を草とか言って面白いと思ってるのかな?やっぱり野菜嫌いな人は変な人多い。少し意地悪をしよう。
「ダーメですよ、キャベツ全部食べたら私のお弁当も全部あげます、体にも良くないですよ?」
ニヤニヤとしながらエミに言った。
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