肉食男子?

弁当の蓋を開けると4分の1程がキャベツの千切り、残りは白いご飯の上に程よく焦げた肉が敷き詰めてあり、角にきゅうりの漬物が少々。ありさはお弁当を開けて食べ始めたがエミの視線に気がついた。明らかにずっと食べる様子を見られている。


「あっ!ごめんなさい!それじゃ食べれないですよね?私ばかり食べてしまって、慣れてなくてごめんなさい」


ありさは少し慌てて着ぐるみが邪魔で手も使えないだろうとエミの前の座席背後に付いているテーブルを倒した。お弁当の包みも剥いてペットボトルのお茶の蓋も開けた。割り箸も割って用意してあげた。自分は役に立ったと満足気だが不安がある。これをどーやってエミは食べるのだろうか?


「着ぐるみ脱がずに食べれます?やっぱり現地で着たほうが良かったんじゃないですかね?」


「その木の棒はそーやって使うんですね」


エミは器用に箸を使い弁当を食べ始めた。


「えーーー!!!」

「えーーー!!!」


二人同時に声をあげた。


「うまい!!!」

「うまい!!!」


「日本のお肉ってこんなにうまいんですか!?」

「着ててもそんなに食べるのうまいんですか!?」


「感動です!」

「感動です!」


お互いの言葉が自分の感情を言葉にする事に夢中になりほとんど聞こえていない。

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