葵 ありさ3

「また!?多めに選択バサミしたほうが良いんじゃない!?」


望の仕事はモデルとホスト。性別は女性だが整った顔立ちと高めの身長に加えサバサバした性格と豊富な話題の持ち主。試しにカツラを被ってホストクラブへ体験入店してみたら予想以上にウケてしまい、そのままホストを続けていたら今では地元のその世界では有名になってしまった。無料で配布される夜の雑誌の表紙にも何度かなった。そんな望にありさは中学生の頃から憧れ続けている。


パパッと塩で味付けしたおかゆを作って望の寝室へ運んだ。料理は得意な方ではないのだがこの程度ならばそつなく作れる。


望はベッドから起き上がりおかゆを食べながらありさに紙袋を渡した。


「はい、プレゼント、着てみて」


「え?え?なんで?」


誕生日もほど遠いし、思い当たる事が全くないありさは戸惑いながら紙袋を受け取り中を覗き込む。


望は少しニヤニヤとしているがありさは気付かない。


「まあとにかく今すぐ着替えてみてよ」


「う、うん」


言われるがままありさは素直に着替えた。袋を覗き込んだ時点である程度の予想は出来ていたのだが、着替え終わって望に言った。


「これ作業服やんけ!!」


ソーシャルゲームで全国のゲーム仲間とチャットしたりするからなのか、ありさは時折関西弁が出る。もちろん似非関西弁の為イントネーションも使い方もかなり滅茶苦茶である事が多い。






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