出発の時4
そのあたりまで思い出し昨日あまり眠れなかったんだと考えているとウトウトと眠ってしまった。
どれぐらい眠ったのだろうか。どこかに向かっている気配がない。到着したであろう事は気配でわかる。ユラユラ揺れる揺り籠が止まった事に気付き目覚めてしまう赤ん坊のように少し不機嫌にゆっくりと目を開けた。
目覚めた赤ん坊ならばここで泣き出すのが普通である。エミもこの後泣きたくなる。
何故ならばエミが到着したその場所は新幹線の通るレールの真上だったからだ。
すると誰かが軽快な音と共にやたら大きな声で話しかけてきた。
「ピンポンパンポーン……間もなく上り列車が通過いたします。ご注意ください」
女性の声だということは予習してきたのでわかる、寝起きの不機嫌さは一気に消え、待ちに待った秋葉原の女の子を一目見ようと中から箱の蓋を上に押し上げた。
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