出発の時3

「あと坊っちゃま、明日までに地球で役に立ちそうなものを私が用意しておきます。遠距離魔法のライーンは地球に行っても使えますからね!覚えておいてください。困ったらまずライーンです!」


「わかってるよ、たぶん困る事ないと思うけど」


「そーですね、もちろん人間なんかには坊っちゃまをどうする事も出来ないでしょう。しかし亡くなられたお父様の例もありますから」


と、言ってから口を押さえた。


「大丈夫だよ、親父の事は気にしてないよ」


「申し訳ありません」


「いいって!困ったらライーンする!それだけ覚えておけばとりあえず良いよね?」


「はい。その通りでございます。後は成長する度に黙ってても魔力がグングン上がる事でしょう。魔力が上がるまでは無理をなさらずに後の為に地球や人間を観察しておくのも良いでしょう」


「わかった!じゃあ明日に備えてそろそろ寝るよ。寝れるかわからないけど」


ググルの話を遮るように言った。クドクドとうるさい人だなぐらいに思っているようだ。


「はい、それでは失礼します」


ジャラジャラと装飾品を鳴らしながらググルは去って行ったが、長年エミの世話と教育をしてきただけにエミと離れる事が少し寂しげでもある。

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