お出掛けください(お悔やみの手紙)
短大時代からの友人です。
結婚せずお母さんと二人で暮らしていました。年に1度会っては、積もる話に花が咲きます。解決できない悩み、時間の流れに任せるしかない問題ばかりを、とりとめもなく話し続けます。
お母様が亡くなったと聞き、お香典にお悔やみの手紙を添えて送りました。
ところが、お悔やみ状の決まり事を後々知ることになり、この手紙で3つの間違いをしでかしています。
・重ね言葉「繰返し…」を使わない。
・「追伸」は書かない。
・「句読点」は使わない。
………
ご母堂様ご逝去のお電話には、本当に驚きました。深く哀悼の意を捧げます。
以前から入退院を繰返されているのは伺っていました。看病介護されるあなたのご苦労は大変なものがありましたでしょうに、愚痴ひとつ聞きませんでした。
頭が下がります。
尽くすだけの手は尽くされ、覚悟の上のことではありましたでしょうが、淋しさひとしおでいらっしゃいましょう。
気が緩んで、今度は貴方が倒れない様 くれぐれもお体大切に。
気分が晴れないときは、またお出掛けください。
お会いできる機会があるといいですね。
同封しましたご香料、心ばかりですがご霊前にお供えください。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。 合掌
追伸
身辺が落ち着かれる頃、拙宅にお越しください。まだ6カ月先の話ですが娘が出産でこちらに帰ってきます。暫く居ると思いますので是非赤ちゃんを見に来て下さい。
お待ちしています。
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