訪問先での子供の失敗を詫びる

昔、親しい人のお宅を訪問したときの事です。

まだ新しいカーペットに、幼稚園児だった息子がジュースをこぼしてしまいます。

奥様は「気にしないで」と言われましたが、帰宅しても「シミになったかも…」と気になります。


『お詫び』と表書きした熨斗袋にお金を入れ手紙と共に送ります。


……………


先日は御宅の真新しいカーペットに、息子がジュースをこぼして仕舞いまして、誠に申し訳ありませんでした。


温かいおもてなしを受け、楽しいひとときでしたのに、何とお詫びしてよいやら言葉が見つかりません。平にお許しください。

あの時は、もう血の気が引く思いで慌てふためくばかりでした。

奥様は「大丈夫、大丈夫」と、すぐ濡れタオルで対応して下さいましたが、シミになってしまったのでは、と気が気ではありません。


何度お詫びしましても元の新しさに戻る訳もなく、落胆された奥様のお気持ちを思いますと胸がつまります。

お詫びの言葉を重ね重ね申し上げる事しか出来ない情けなさでございます。

何卒お許しくださいませ。


同封しました物は、気休め程度でお恥ずかしい限りですが、クリーニングなさる際に少しでもお役に立てて頂けましたら有り難いと存じます。


ここに深くお詫び申し上げます。

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