母がお世話になったご近所にお礼状

私達夫婦と同居する前、母は一人住まいでした。小さな家に長年住み続け、地域には同年代の顔見知りの高齢者も多く、買い物に出掛ければ必ず誰かと会い、おしゃべりを楽しみます。メリハリのある生活に満足していました。


ただ、母はめっぽう機械に弱く蛍光灯ひとつ交換する事が出来ません。


ある日、冷蔵庫の野菜室を思い切り引き出してしまい元通りに納める事ができなくなりました。ちょっと持ち上げれば…と、何でもないことが、もうパニック状態。

ご近所に駆け込んだ様です。


翌日、私に母から電話があり、事の顛末を話します。


実家には定期的に訪ねていますが、その御近所に翌日お礼に伺うことは出来ません。

私からお礼状をすぐに送付しました。こちらの感謝の気持ちも届くだろうと思えます。


………

前略ごめんください

先日は母がお世話になりまして有難うございました。

聞けば、夜遅くお宅へ駆け込み、ご無理を聞いて頂いた様で、はなはだ申し訳なく、お恥ずかしい限りです。 心よりお詫び申し上げます。


これぐらいの事、と思うのですが 機械にめっぽう弱い母の事、途方に暮れてしまったのでしょう。 ありがとうございました。


〇〇様とは、道で会えばお互い話し込んで時間を忘れる、と母は楽しそうに話します。


常日頃から親しくして頂けるご近所の方がいらっしゃる事は、母にとって幸せなことと感謝申し上げます。

娘二人いましても、すぐに飛んで行ける距離ではありませんので、本当に心強い限りです。

今後共、何卒宜しくお願い申し上げます。

取り急ぎ、お礼とお詫びまで申し上げます。

有難うございました。


草々

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