09 白き怪物とプレスマシーン
レフェリーのもとでルール確認に及び、軽く拳をタッチさせたのち、ついに試合が開始された。
ユーリはアップライトのスタイルでぴょこぴょこと前進し、ジェニー選手は――クラウチングのスタイルで勢いよく突進した。
「いきなり、そうきたか」
立松が、張り詰めた声をあげる。
もとより打たれ強いジェニー選手は、インファイトの乱打戦を得意にしている。どんなに殴られても同じだけ殴り返せば、いずれ打たれ強い自分のほうがポイントを取れるという、そんなスタイルであるのだ。頑丈な肉体を活かしたインファイターというのは《アクセル・ジャパン》で対戦したパット選手とも通ずるもののあるスタイルであるが、ジェニー選手はそれ以上に愚直なイメージであった。
そんなジェニー選手に対して、ユーリはふわりと右足を持ち上げる。
ユーリには珍しい、前蹴りのモーションだ。ジェニー選手は真っ直ぐ突っ込んでくることが多いというデータであったため、とりわけ前蹴りに磨きがかけられたのである。
ユーリの肉感的な足が真っ直ぐにのばされて、ジェニー選手の腹を撃ち抜く。
しかしジェニー選手の突進が止まらなかったため、押し倒されそうになったユーリはたたらを踏みつつ体勢を整えることになった。
そこに、ジェニー選手の左右のフックが叩きつけられる。
ユーリは最初から固く頭部を守っていたが、それでも上体が揺らぐほどの力強い攻撃であった。
「おいおい、桃園さんの前蹴りをくらって、ダメージはないのかよ?」
立松がいっそう張り詰めた声をあげると、鞠山選手が「ふふん」と鼻を鳴らした。
「やっぱりピンク頭は、間合いの取り方がめためただわね。蹴りがヒットする前に足がのびきってたから、あれじゃあ威力も半減だわよ」
「ああ、そうか……しかし相手が突っ込んできたから、カウンターの威力も加算されるはずなのにな」
「そこは『プレスマシーン』の頑丈さだわね。確かにこれは、ゆっくりじっくり押し潰すような風情なんだわよ」
亀のように縮こまったユーリに対して、ジェニー選手は左右の拳を叩きつけていく。ただ、勢いまかせという印象ではなく、堅実にガードの隙間を狙おうとしているように見受けられた。
これが、突進型のインファイターでありながらラフファイターとは呼ばれないゆえんであるらしい。こう見えて、彼女はパンチの種類も豊富であり、攻撃の緩急にも長けているという評価であったのだった。
よってユーリも、ガードの隙間からいい攻撃をもらってしまっている。頭を守れば腹、腹を守れば頭、正面を締めればフック、左右に開けば左ジャブと、ジェニー選手は的確に打ち分けているのだ。これは確かに、どっしりとした肉体や厳つい容姿からは想像しにくい、緻密な動きであった。
「うわー、いかにも重そうなパンチッスね! あんまりくらうと、まずいッスよー!」
マットに座った瓜子の身を横から支えてくれている蝉川日和が、やきもきした様子で声をあげた。
瓜子は最初から、ぐっと口もとを引き結んでユーリの姿を見守っている。ユーリも序盤は苦戦を強いられることが多いので、多少の劣勢で心を乱すわけにはいかなかった。
(頑張ってください、ユーリさん。稽古をつけてくれたエイミー選手やランズ選手に比べたら、このていどの乱打戦は――)
瓜子がそのように考えかけたとき、モニターから新たな歓声がわきたった。
ユーリがひょいっと繰り出した左ジャブが、ジェニー選手の鼻っ柱を叩いたのだ。
しかし打たれ強いジェニー選手は左ジャブで怯むことなく、自らも左フックのモーションを見せる。
すると――それより早く、ユーリの右拳がジェニー選手の顔面を撃ち抜いた。
今度は強烈な、右ストレートである。さしものジェニー選手が動きを止めると、ユーリは跳ねるような足取りで後方に下がった。
大歓声が渦を巻き、瓜子はほっと息をつく。
そして蝉川日和は「やったやったー!」と無邪気な声を張り上げた。
「すっげー綺麗なワンツーだったッスね! ユーリさんのワンツーがクリーンヒットしたとこなんて、初めて見たかもしれないッス!」
「ふん。リーチはピンク頭のほうがまさってるんだわから、相手の拳が届くならこっちだって届くだわね。それに加えて、判断の遅いピンク頭が反撃できるぐらい、相手の動きがスローモーなんだわよ」
「ああ。もっとやみくもな乱打戦のほうが、桃園さんは苦手だろうな。相手の堅実なスタイルに救われたってところか」
しかしまだまだ、ワンツーを返しただけのことである。頑強なる肉体を持つジェニー選手は何事もなかったかのようにユーリを追いかけ始めた。
その足取りも、鋭さはないが力強い。それこそスイッチを入れられたプレス機のように、真っ直ぐよどみなく相手に近づいていくのだ。その迷いのなさは、相対する人間にとって大きなプレッシャーになるのではないかと思われた。
ただユーリは、そういう人間らしい可愛げが欠落している。
さらにユーリには、頼もしきセコンド陣がついているのだ。おそらくそのセコンド陣が下した指示は――蹴り技のコンビネーションであった。
ジェニー選手が間合いに入る前からユーリは優美なる右ミドルを繰り出し、さらに左ミドルに繋げた。
前進を止めなかったジェニー選手は、右腕で左ミドルをブロックする。そしていくぶん上体を揺らしつつも同じペースで前進して、ユーリに右フックを叩き込んだ。
ユーリはあらかじめ頭部をガードしていたので、その右フックも何とかブロックする。
そしてジェニー選手がさらに左フックのモーションを見せると、それよりも早く右膝を突き出した。
相手と組み合っていない状態で膝蹴りを繰り出すムエタイの技、テンカオである。ジョンから習い覚えた技であるが、ユーリがそれを試合で使うのは実にひさびさのことだ。おそらくは、それもセコンドの指示なのだろうと思われた。
そのテンカオが、ジェニー選手の腹部に突き刺さる。
それでジェニー選手が動きを止めたため、またユーリは距離を取ることができた。
しかしジェニー選手は怯んだ様子もなく、また前進する。
ユーリが左ローを繰り出すと、それも命中した。
その一撃に耐えたジェニー選手は、右フックを射出する。
ユーリもガードを固めていたが、それでも軸を乱されるぐらいの破壊力であった。
そして――ユーリの右フックも、ジェニー選手の頭部を守る左腕にヒットした。
それでジェニー選手が上体を揺らすと、ユーリはまたぴょこぴょこと後退する。そしてジェニー選手がそれを追いかけるという、同じ光景が繰り返された。
「おいおい、何だかおかしな感じだな。いつになく桃園さんの攻撃も当たってるみたいだが……これは、どっちのペースなんだ?」
「ペースで言ったら、そりゃあジェニーのペースだろうだわね。こうやって、くらってもくらっても前進するのがジェニーのスタイルだって、なんべんも聞かされただわよ?」
「そりゃまあそうなんだが……うーん、モニター越しじゃあどっちのダメージが深いのかもわからんな。頼んだぞ、ジョン、サキ」
立松はいくぶん困惑気味の声をあげており、瓜子もまた緊迫して拳を握り込んでいた。立松が言う通り、どちらが優勢であるのかまったく判断がつかないのだ。それは、ユーリの攻撃をここまでまともにくらって怯まない選手が、これまで存在しなかったためであった。
(他の攻撃はともかく、テンカオはクリーンヒットしたはずだ。ユーリさんの怪力で膝蹴りをクリーンヒットされて、怯みもしないなんて……そんなの、非常識だよ)
これが、頑丈さに特化したジェニー選手の恐ろしさなのだろうか。
ジェニー選手の顔や挙動から、ダメージのほどを推し量ることはまったくできなかった。
そんなジェニー選手に対して、再びユーリのコンビネーションが発動される。
今度は、右ハイから入る豪快なコンビネーションだ。
通常なら、これもバックステップでかわされるところである。しかしジェニー選手は前進を止めず、頭を沈めてハイキックを回避しつつ、そのまま接近しようとした。
その右脇腹に、レバーブローが繰り出される。ユーリのコンビネーションの、第二撃である。
ジェニー選手はそれを右腕でブロックしたのちに、左フックを繰り出した。
ユーリはガードを固めていたが、その外側からテンプルを撃ち抜かれてしまう。
ユーリはぐらりと倒れかかり、瓜子は声もなく息を呑んだ。
その倒れかかる方向に、今度は右フックが射出される。
しかしそれは、空を切った。ユーリが前進したために、打点が外れたのだ。
至近距離からさらに間合いを詰めたユーリは、両手でジェニー選手の後頭部につかみかかる。
ユーリの得意な、首相撲である。ジェニー選手はすぐさま首を振ったが、ユーリの怪力のロックは外れなかった。
ユーリは全身を躍動させて、ジェニー選手の身を左右に揺さぶる。
そして絶妙のタイミングで、左の膝蹴りを振り上げた。組んだ状態であれば、ユーリも適切な攻撃を出すことがかなうのだ。
その膝蹴りは、レバーを守ったジェニー選手の右腕に叩きつけられる。
さらにユーリは右膝も振り上げて、今度は左腕に痛撃を与えた。
遥かなる昔日、ユーリが『ピーチ=ストーム・アックス』と名付けた、強烈な膝蹴りである。人外の怪力と柔軟性を有するユーリは、首相撲からの膝蹴りがひときわ強烈であるのだ。腕でガードしたならば、その腕に深いダメージが残されるはずであった。
ジェニー選手は激しく身をよじり、首のロックをわずかにゆるめた上で、ひと息にユーリを突き放す。やはりあちらも、尋常ならざる腕力を持っているのだ。さしものユーリも首相撲を解除されて、後退することになった。
そんなユーリに向かって、ジェニー選手はまた前進する。
本当に、一定のリズムの愚直な前進だ。その愚直さに、瓜子は今度こそ背筋が寒くなってしまった。
(これじゃあ自分の攻撃がまったく無意味なんじゃないかって、メンタルを削られそうだ。……でも……)
ジェニー選手が相対しているのは、白き怪物たるユーリなのである。
いつしかユーリは、菩薩像のように静謐な表情になっていた。その目は半眼に閉ざされて、目の前の相手に慈愛の眼差しを投げかけているかのようである。
ユーリは、右ミドルを繰り出した。
ジェニー選手は前進を止めず、それを左腕でブロックする。
ユーリは左フックを、ジェニー選手は右アッパーを繰り出した。
どちらも、クリーンヒットであったが――ユーリは力なくよろめいただけで、倒れなかった。さすがにジェニー選手も、腕にダメージが溜まっているのだろうと思われた。
しかしジェニー選手は、ダメージの溜まった腕で左のレバーブローを繰り出す。
ユーリは頭を守っていたため、それもクリーンヒットした。やはりジェニー選手の攻撃は、的確であるのだ。
だが、ユーリは倒れない。右アッパーとレバーブローをクリーンヒットさせてもダウンを取れないというのは、やはりジェニー選手の両腕にダメージが溜まっている証拠であった。
ユーリはふらつきながら後退し、ジェニー選手は愚直に追いかける。
ユーリが意を決したように立ち止まると、ジェニー選手はすかさず右フックを繰り出した。
しかしそれよりも早く、ユーリの白い膝が振り上げられる。再びの、テンカオである。
そのテンカオがクリーンヒットしたため、ジェニー選手の右フックは途中で失速した。
その力ない右フックを左腕でガードしてから、ユーリは左ジャブを繰り出す。
その左ジャブが二回で、次は右ストレート、そして最後は左のボディアッパーだ。これもユーリが習得したコンビネーションのひとつであった。
ジェニー選手は二発の左ジャブを顔面で受けつつ、右ストレートとボディアッパーはガードしてみせた。
もはや身体の頑丈さだけで受け止めるのは危険だと判じたのだろう。ユーリのほうもダメージの蓄積で動きが鈍っているため、これだけ至近距離でもガードできたのだろうと思われた。
しかしそれでも、ユーリの膂力で振るわれる攻撃である。左ジャブだけでジェニー選手の右目尻は切れて、数々の攻撃をブロックした左右の前腕はすでに青黒く変色していた。
そして、次に動いたのは――ユーリである。
ユーリは動きが鈍っていたが、ジェニー選手もついに動きが鈍り始めたのだ。
ユーリは再び首相撲を取って、左右の膝蹴りを叩き込んだ。
ジェニー選手は青黒い両腕で、それをガードする。
するとユーリは自分から首相撲を解除して、離れ際に右肘を叩き込んだ。この近年でジョンから習い覚えた、ムエタイの技である。
ユーリが試合でこの攻撃を見せたのは、初めてのことだ。ジェニー選手はもともとディフェンスに重きを置いていないはずであるし、現在は動きが鈍っているため、そんな攻撃を出す余地が生まれたのだろうと思われた。
左のこめかみに肘打ちをくらったジェニー選手は、ぐらりと倒れかかる。
そのこめかみから血が噴き出して、肩にまで滴った。
しかしジェニー選手は倒れることなく、また前に出ようとする。
そこに、ユーリの右フックが叩きつけられた。
ユーリは間合いを測ることを何より苦手にしているのに、ジェニー選手が前進を止めないためにことごとくヒットしてしまうのだ。
その右フックの衝撃で、赤い血がぱっと弾け散る。
さらに、ユーリのレバーブローが右脇腹に突き刺さった。これも、コンビネーションであったのだ。
ジェニー選手はほとんど倒れかかるようにして、右フックを繰り出す。
それを左腕でガードしたユーリは、三たび首相撲で捕らえようとした。
ジェニー選手は狂ったように身をよじり、何とかその拘束から脱出する。
そして、ジェニー選手は前進し――そこに、ユーリの右ハイが飛ばされた。
絵のように美しいユーリのハイキックが、ジェニー選手の左頬にクリーンヒットする。
赤い血が、先刻よりも激しい勢いで飛び散った。
そうしてジェニー選手は、初めて自ら後退し――
ユーリは、ふわりと前進した。
ユーリの右腕が、美しい弧を描いてジェニー選手に迫り寄る。
オーバースイングの右フックである。その勢いに押されるようにして上体をのけぞらせつつ、ジェニー選手は青黒い前腕で血まみれの顔面を守ろうとした。
だが――ユーリの右腕は美しい弧を描きながら、ジェニー選手の頭部ではなく足もとにのばされた。
ユーリはすでに、深い前屈の姿勢を取っている。そうしてジェニー選手の両足を抱え込み、右肩で腹部を押しながら、恐ろしく優美な両足タックルを成功させた。
ユーリはすかさず横合いに回り、サイドポジションを確保する。
そしてニーオンザベリーから、マウントポジションである。何もかもが、流れる水のように優美でなめらかであった。
ジェニー選手は激しく腰を突き上げたが、ユーリはその勢いを逃がしつつ、相手の右腕をひっつかむ。
そしてジェニー選手が両腕をロックすると、一瞬の停滞もなく一発のパウンドを叩きつけた。
叩いたのは左のこめかみであったため、また血飛沫が弾け散る。
さらにユーリが逆側の腕を振り上げると、ジェニー選手は強引に身をよじり、うつ伏せとなって、力まかせに立ち上がろうとした。
しかし相手は、ユーリである。ジェニー選手が立ち上がった頃には、その胴体に両足が回されて、首には右腕を回されていた。
立った状態で、チョークスリーパーの体勢が完成する。
ジェニー選手はだらだらと血をこぼしながら前屈みの姿勢となり、勢いをつけて後方に倒れ込んだ。
ユーリの背中が、マットに叩きつけられる。
しかししょせんは、悪あがきである。そのていどの衝撃で、ユーリの拘束がゆるむはずもなく――ユーリは下になった状態で、ジェニー選手の首を一気に引き絞った。
ジェニー選手は弓のように身をのけぞらせたのち、ユーリの腕をタップする。
ユーリは技を解除して、試合終了のブザーが鳴らされた。
「よし、やった! ……あ、おい、なんだよ!」
快哉の声をあげかけた立松が、ぴしゃんと自分の膝を叩く。
画面がいきなり、試合のリピート映像に切り替えられたのだ。それはユーリがオーバーフックをフェイントにして両足タックルを決めるシーンの、スロー映像であった。
さらに、テイクダウンを取ってからサイドポジション、ニーオンザベリー、マウントポジションと、次から次にポジションを移行させていくシーンに、一発のパウンドからジェニー選手がうつ伏せになって立ち上がるシーンまで、ついさっき見たばかりの光景が延々と繰り返された。
「……おそらくこれは、ピンク頭が介抱されているところを隠してるんだわね」
鞠山選手の言葉に、瓜子は唇を噛むことになった。もしもユーリがまた意識を失ってしまっていたのならば、医療スタッフが駆けつけているはずであるのだ。
「放映では、ここに解説のコメントがかぶせられてるはずなんだわよ。視聴者も、べつだん不自然とは思わないだろうだわね」
「視聴者なんざ、どうでもいい! 俺たちにはその画面を見せてくれよ!」
立松がそのようにわめいたとき、マットに叩きつけられたユーリがジェニー選手からタップを奪い――リピート映像が終了した。
画面はすみやかに、ライブ中継へと切り替えられる。
ユーリは――マットの上で、きょとんと座り込んでいた。
その左右には、黒いポロシャツ姿の医療スタッフが控えている。そして本日も、ベッドサイドモニタが持ち出されていた。
「どうやら今日も意識を失って、しかるのちにあっさり目が覚めたみたいだわね。まったく、周囲の人間をやきもきさせる物体だわよ」
「ああ……だけどまあ、何事もなく起きてくれたんだから、それを喜ぶしかねえだろう」
そう言って、立松は瓜子の肩に手を置いてきた。
「だからお前さんも、心配するな。それより、桃園さんの一本勝ちを喜んでやろうじゃねえか」
瓜子が「押忍」と答えると、蝉川日和が「あいやー」とおかしな声をあげた。
「猪狩さん、やっと喋ってくれたッスねー。ずーっと無言だったから、ちょっと心配だったッスよー」
そういえば瓜子はユーリの入場が始まってから、口を開いた覚えがなかった。それぐらい、モニターの様子に集中していたのだ。
ユーリはいくぶん眉を下げながら立ち上がり、レフェリーに右腕を上げられる。客席では、ずっと歓声が爆発を繰り返していた。
ジェニー選手は血まみれの姿で倒れ伏したまま、リングドクターの診察を受けている。
彼女は初めて、一本負けを喫することになったのだ。瓜子は不安の思いをねじ伏せて、モニターのユーリに笑いかけることにした。
(おめでとうございます、ユーリさん。そんな心配そうな顔をしなくっても、誰も怒ってませんってば)
しかし実際に笑顔と言葉を届けるまで、ユーリが不安の思いを消すことはないだろう。瓜子としては、一刻も早くその時間がやってくることを待つしかないようであった。
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