05 裏事情
「とりあえず、体温や心拍や血圧の数値が正常値に戻ったようだねぇ」
小一時間ほどユーリと語らったのち、瓜子は山科院長からそのような診断結果を聞かされることに相成った。
雑然とした診察室に、瓜子と立松と卯月選手が顔をそろえている。検査結果を読み上げる山科院長は、満面の笑みであった。
「まあもちろん、身体が衰弱しきっていることに変わりはないのだけれども……重要なのは、心臓だからね。弱りきっていた心臓が元気を取り戻して、血液ポンプとして過不足のない働きを見せ始めた。これは大きな一歩であるはずだよ」
「やはり、心のケアが功を奏したのでしょうか?」
「ほんの小一時間で容態に変化が生じたのだから、そう考えるのが妥当だろうね。愛の力は、偉大だよ」
そんな風に語りながら、山科院長は湯呑みの茶をすすった。
「次に必要なのは、栄養だ。点滴の輸液をちょいと調節して……それで胃腸の消化機能を回復させるのが、当面の目標かな。長い闘いになるだろうけど、焦らずに一歩ずつだ。そちらの娘さんのおかげで、光明が見えたように思うよ」
立松が無言のまま、瓜子の背中を叩いてくる。
まだまだ情緒の定まっていない瓜子は、どのような顔をすればいいかもわからなかった。
「それで、あの……自分はこれから、どうすればいいっすか? できれば、ユーリさんに付き添ってあげたいんすけど……」
「うーん。それはちょっと、経過観察が必要かなぁ。薬も過ぎれば毒だからねぇ。しばらくは、毎日二時間ずつ面会するという方向でどうだろう? それで桃園さんの負担にならないようだったら、ちょっとずつ時間をのばしていくっていう感じでさ」
「そうっすか……院長先生がそう仰るなら、それに従います」
そんな風に言ってから、瓜子はおずおずと付け加えた。
「それで、あの……今日はまだ一時間ぐらいしかお会いしてないんで、もう一時間は居座ってもいいっすか?」
「うんうん。桃園さんも、今のところは元気そうだからね。こちらからも、是非ともお願いするよ」
すると、立松が真剣な面持ちで身を乗り出した。
「それで、回復の見込みはあるのかい? そちらさんは、アスリートの機能回復に定評があるってんだろう?」
「それは、卯月くんの評価かな? とりあえず桃園さんは頭蓋骨の骨折のみならず、右前腕尺骨および肋骨の骨折に左肩および左膝の靭帯損傷というダメージも負っている。そちらの予後は決して悪くないのに、体重が激減して内臓器官が衰弱するという、あまり前例のない症状であるのだよ。前例のない患者に対して、あまり安請け合いはできないけれど……さっきも言った通り、光明は見えたからね。あとはこちらも、全力で治療に取り組むだけさ」
そこで、瓜子も身を乗り出すことになった。
「どうか、ユーリさんのことをお願いします。自分にできることがあったら、何でもしますので」
「うんうん。毎日面会してくれるというだけで、こちらは大助かりだよ。当院は交通の不便さで知られているわけだけど、何も問題はないのかな?」
「はい。どうにかして、通ってみせます。幸い、時間だけは自由がききますんで」
瓜子がそのように答えたとき、診察室の内線電話が電子音を響かせた。
山科院長は「はいはい」と受話器を取り上げる。そうして相手の声を聞きながら、不思議そうに小首を傾げた。
「卯月くん。君の妹さんと僕の娘が連れ立って来院したようだけど、何か約束でもしていたのかな?」
「いえ。弥生子には連絡もしていませんが」
「それじゃあうちの看護師から情報が漏れたのかな。まったく、守秘義務もへったくれもないねぇ」
山科院長は皺深い顔で笑いながら、身を起こした。
「まあ、院内で暴れられたら大惨事だから、出迎えるとしようか。くれぐれも、兄妹喧嘩は控えておくれよ?」
「善処します」と、卯月選手も立ち上がる。
瓜子は腰を浮かせながら、慌てて問い質すことになった。
「や、弥生子さんがいらしたんですか? それに、院長先生の娘さんってのは……?」
「俺たちは、親父の代から家族ぐるみのおつきあいだったんです。ただ、あまり口外はしていなかったんで……きっと立松さんも、ご存じではなかったでしょうね」
「ああ。だけどようやく、腑に落ちたよ。やっぱりそういうことだったんだな」
立松も、仏頂面で立ち上がる。
そうして廊下に向かいながら、瓜子は(まさか……)とひとりで胸を騒がせることになった。
そうして待合室に出てみると、見覚えのある面々がずらりと立ち並んでいる。赤星弥生子と六丸と、そして――メディカルトレーナーの是々柄だ。
「やあやあ、おひさしぶり。顔をあわせるのは、いったい何年ぶりだろうねぇ?」
「さあ? 普段は別に、用事もないっすからね」
笑顔の山科院長を軽くいなして、是々柄は瓜子のほうに目を向けてきた。分厚い遠視用の眼鏡で巨大化された、ぎょろりとした目だ。そして彼女は山科院長と同じく、瓜子よりも小柄であった。
「も、もしかして、お二人はご家族だったんすか?」
「ええ。生物学上は、そういうことになるっすね。戸籍上は、二十年前から赤の他人っすけど」
是々柄は、えんじ色のジャージに包まれた肩をひょいっとすくめる。赤茶けた髪を無造作にくくった、一見では野暮ったい姿であるが――眼鏡を外せば超絶的な美人であり、だぶだぶのジャージを脱ぐと超絶的なプロポーションであることを、瓜子は最初の合同合宿で思い知らされている。それでもって、年齢不詳である彼女は外見以上にお年を召しているはずであった。
「……そこの粗忽者がこちらに桃園さんを転院させたと聞きつけて、やむなく押しかけることになったんだ。決して桃園さんに迷惑はかけないと約束するので、どうか容赦してもらいたい」
と、赤星弥生子も若武者めいた面持ちで瓜子に目礼をしてくる。そのすらりとした身体には、ひさびさに青白い電光めいたオーラがバチバチと弾け散っていた。
「それでどうして、弥生子たちが押しかけることになったんだ? 山科院長の手腕に関しては、お前もわきまえているだろう?」
卯月選手が平坦な口調で呼びかけると、赤星弥生子はたちまち日本刀の切っ先めいた眼光をそちらに突きつけた。
「そもそもどうして、お前が桃園さんの転院に関わっているんだ? もう『アクセル・ロード』は終了しているのだし、そうでなくともコーチ役の領分ではないだろう」
「こちらにはこちらの事情がある。この件に関してはお前たちのほうが部外者なんだから、口をつつしんでもらいたい」
そんな風に答えてから、卯月選手はやおら「あ、いや」と大きな手の平をかざした。
「うっかり強い言葉を返してしまった。俺も今は、平常の精神状態ではないんだ。決して喧嘩を売っているわけではないので、どうか誤解しないでもらいたい」
「……お前はそこにそうして立っているだけで、喧嘩を売っているも同然だ」
「お前にそのように罵られると、俺はますます平静でいられなくなってしまう。おたがいに、TPOをわきまえるべきじゃないか?」
そのように語る間も、卯月選手はのんびりとした口調だ。それがいっそう赤星弥生子を苛立たせているのは明白であった。
「待て待て。お前さんたちが暴れ出したら、誰にも止められねえよ。ちっとは落ち着いて、状況を整理させてくれ」
立松が渋面で進み出て、両者の間に割って入った。それだけで、賞賛に値する勇敢さであろう。
「まず、是々柄。この山科院長は、お前さんの親父さんだってんだな?」
「ええ。生物学上は」
「で、赤星家は家族ぐるみでつきあいがあったって?」
「はい。そもそもうちの馬鹿な父親は、膝を壊した際に山科院長のお世話になっていたんです。あいつが数年ばかり選手活動を延命できたのも、山科院長の手腕でしょうね」
そのように説明してくれたのは、赤星弥生子だ。
山科院長は、笑顔でうんうんとうなずいている。
「なるほど。そいつは俺も、知らなかったよ。大吾さんは膝の治療に関して、いつもこそこそしてたもんな。俺が知ってるのは、そちらの六丸くんが面倒を見てたことぐらいだ」
「僕はあくまで整体師ですからね。大吾さんの膝に関しても、本格的な治療を施したのはそちらの山科院長という御方であるそうですよ」
六丸はひとりのんびりと微笑みながら、そのように応じた。相変わらず、子犬のような風情の若者である。
「で、ここからは俺の推測だが……是々柄は、この親父さんに反感を持ってるってことなのかな?」
「いえいえ。反感と呼べるほどの関心は持ってないっすよ。もう二十年も前に縁を切った間柄なんで」
是々柄は、いかにもどうでもよさげな面持ちでそのように言いたてた。
「だけどまあ、医者としての手腕と人間としての品性に相互関係はないっすからね。大吾さんが故障したときには、しかたなくそいつを紹介することになったっす。あたしにとっては、赤星家のお人たちが生き甲斐だったっすから」
「ずいぶん複雑な人間関係が入り乱れてるってことは、理解したよ。だけどな、こいつはやっぱり赤星道場のいざこざとは無関係の話だ。不承不承、今回は卯月の側につかせていただくよ」
立松は表情を引き締めつつ、そのように言いつのった。
「まあ、俺も最初に話を聞いたときは、血圧を上げた立場だが……今となっては、卯月に感謝してる。きっと桃園さんは北米に留まってたら、危なかっただろう。卯月が荒療治で無理やり帰国させてくれたから、何とか回復の目処が立ったんだ」
「……つまりそれだけ、桃園さんの容体が深刻だったというわけですね」
赤星弥生子もまた、いっそう鋭い面持ちとなった。
「こいつが山科医院を頼るということはよほどの事態なのだろうと、私も覚悟を固めていました。ただ、それが本当にベストの選択であったのか、それが不明であったためにこうして駆けつけることになったんです。こいつの判断ミスで、桃園さんにもしものことがあったら……私は、誰にも顔向けできませんので」
「ふん。誰にもの筆頭は、猪狩なんだろうけどな」
「……猪狩さんを含む、プレスマン道場の方々です」
と、赤星弥生子はほんのり頬を染めた。
「ですが、そこにこいつの判断ミスはなかったと、立松さんたちはそのように判断しているのですね?」
「ああ。帰国させた件に関してはな。こちらの病院に関しては、まったく情報が足りてないからよ」
「……アスリートの機能回復に関しては、山科院長の右に出るものはないでしょう。そこに心配はないかと思われます」
「でも、ユーリさんの行く末が気がかりなんすよ」と、是々柄が口をはさんだ。
「なんせそいつは、顔に縫い目のある闇医者ばりに法外な治療費をふんだくることで有名なんすからね。そいつの口車に乗せられたら、ユーリさんが破産しちゃうっすよ」
立松がぎょっとした様子で振り返ると、山科院長は「いやいや」と屈託なく微笑んだ。
「それは保険の適用外になるような治療が重なったときの話だよ。何も私腹を肥やすために、法外な治療費をふっかけてるわけじゃないさ」
「だから、そんな治療ばっかりを推し進める医者の倫理観はどうなのかって話っすよ」
「僕はいつでも、ベストの選択肢を提示しているだけさ。最後に選ぶのは、患者本人だよ」
「あんたはそれで、何人の患者を破産に追い込んだんすか? 健康を餌にして患者を追い込むなんて、悪魔の所業っすよ」
老眼鏡と遠視用の眼鏡でそれぞれ巨大化した親子の目が、同じ高さからおたがいを見つめる。
そこで声をあげたのは、赤星弥生子であった。
「そういう事情があったため、うちの馬鹿な父親もサキさんから膝の治療の相談を受けたとき、こちらの山科医院を紹介することは避けたのでしょう。それで次善の策として、こちらの六丸を紹介することになったわけですね」
「ああ。そんな治療費を捻出できるなら、最初から海外の専門医を頼ってただろうからな。しかし、破産の危険があるぐらいの治療費ってのは……それで弥生子ちゃんたちも、心配して駆けつけることになったってわけか」
立松が悩ましげな声をあげると、卯月選手が何でもない風に発言した。
「治療費に関しては、俺がすべて受け持つことになっています。だから、ぜーさんや弥生子が心配する必要はありません」
瓜子は立松と一緒に、息を呑むことになった。
「そ、それってどういう話なんすか? 卯月選手がそんな損をかぶる理由はないでしょう?」
「俺も山科院長と同様に、ベストの選択肢を自分に提示したに過ぎません。ユーリさんは、こちらで治療を受けるのがベストだと判断したまでです」
「……そうして今度は、お前が桃園さんの債鬼になるというわけか? 桃園さんに大きな貸しを作って、それでどうする目論見なんだ?」
赤星弥生子が殺気の塊と化して、卯月選手に詰め寄ろうとする。
いっぽう卯月選手は仏像めいた面持ちのまま、小さく息をついた。
「俺がそのように非道な人間だと思われているのは、心苦しくてならない。ましてやそれが、実の妹とあってはな」
「家族の縁は、とっくに切っている。いいから、答えろ。お前は、何を企んでいるんだ?」
「何を企んでいるかと聞かれれば、それは格闘技界の活性化だな。ユーリさんは百年にひとりの逸材だろうから、ここで終わらせるわけにはいかないんだ」
卯月選手は、糸のような目で妹を見つめた。
「そちらに『アクセル・ロード』の話を持ち掛ける際にも、同じような話を語った覚えがあるのだが……本当はお前にだって同じぐらいの資質が秘められているのに、お前はそれを赤星道場と《レッド・キング》のためだけに費やしている。それなら俺は、ユーリさんや猪狩さんに期待をかけるしかない。格闘技界の未来を担うのは、ユーリさんや猪狩さんのようなカリスマ的存在であるはずだ」
赤星弥生子は、ぎりっと奥歯を噛み鳴らした。
それにはかまわず、卯月選手は淡々と言いつのる。
「だから俺は、ユーリさんをベストの環境で治療させたいと願った。それ以外に、企みはない」
「で、でも……ユーリさんは、それを了承してるんすか? そんな多額の治療費を卯月選手に支払ってもらうなんて、ユーリさんは心苦しいと思いますよ」
瓜子がそのように口をはさむと、卯月選手は逞しい首を傾げた。
「それは、ユーリさんの精神的な負担になってしまうでしょうか?」
「え、ええ、まあ、それは額によるでしょうけど……」
「でしたら、いずれ返済してただきましょう。それなら、負担にはならないはずです」
そう言って、卯月選手はわずかに口もとをほころばせた。
「俺はそれなりの資産を有していますが、それはいずれも格闘技の試合で得た報酬です。ユーリさんが俺以上の活躍をすれば、それ以上の資産を手にできるでしょうからね。……そう考えれば、ユーリさんも選手としての復帰にいっそう意欲的になれるのではないでしょうか?」
瓜子は脱力し、そのはずみでつい笑ってしまった。
「卯月選手って、本当に破天荒っすね。それじゃあ弥生子さんが心配するのも当然っすよ」
「そうですか。弥生子を心配させてしまうのは、心苦しくてなりません」
「やかましい」と兄の言葉を一刀両断してから、赤星弥生子は瓜子に向きなおってきた。
「……猪狩さんも、こいつの言い分に納得しているのかい?」
「それを決めるのは、ユーリさんっすよ。ユーリさんが納得して、卯月選手の提案を受け入れるなら……自分は全力で、ユーリさんをサポートするだけです」
「そうか」と、赤星弥生子はまぶたを閉ざした。
どことなく、微笑むのをこらえているような仕草である。
「それなら、部外者である私たちが口出しをする筋合いはない。場を騒がせてしまって、申し訳なかったね」
「いえ、とんでもありません。ユーリさんを心配して駆けつけてくれたんですから、ありがたい限りっすよ」
「俺もそう思っている」と卯月選手が発言すると、赤星弥生子は再び「やかましい」と切り捨てた。
「それではもう、余計な口出しはしないと約束するけれども……桃園さんは、まだ面会を許されるような容態ではないのでしょうか?」
「うんうん。今のところは、そちらの猪狩さんのみに限定しておくべきだろうねぇ。せっかく安定した心がまた揺らいでしまったら、今度こそ取り返しがつかないだろうからさ」
山科院長が笑顔でそのように応じると、赤星弥生子は「そうですか」と首肯した。
「猪狩さんは、これから面会するところだったのかな? そうだとしたら、お邪魔をしてしまって申し訳なかったね」
「いえ。裏事情もきちんと把握することができたんで、弥生子さんたちには感謝しています。きっと弥生子さんたちが来なかったら、卯月選手は何も説明してくれなかったんでしょうしね」
「うん。こいつこそ、人としての道理や倫理観というものが欠落しているからね」
「……猪狩さんと交流が深まるのはけっこうなことだが、俺をダシにするのは勘弁してもらいたい」
そんなやりとりを経て、瓜子は再びユーリのもとを目指すことになった。
立松は待合室に留まって、もうしばらく赤星弥生子たちと情報交換に励むそうだ。病室の前まで付き添ってくれたのは、山科院長ただひとりであった。
「何度も言う通り、心のケアに関しては専門外だからね。桃園さんの心をどんな風にケアするかは、君におまかせするよ」
「はい。自分だって、何をどうしたらいいのかさっぱりわかりませんけど……全力で、ユーリさんを支えてみせます」
山科院長は「うんうん」と笑いながら、再び病室のドアをノックした。
それで出てきた看護師と交代で、瓜子が入室する。先刻と同じベッドに座したユーリは、また壁の絵を見つめていた。
「おやすみのところ、すみません。面会は一日に二時間っていう制限をつけられちゃったんで……あと一時間ぐらい、ご一緒させてもらっていいですか?」
ユーリは瓜子のほうを振り返り、なんとも言えない面持ちで微笑んだ。
「それはもちろん、うり坊ちゃんとはいつまでも一緒にいたいところでありますけれども……さっきから、痛いぐらいに心臓が跳ね回っちゃってるんだよねぇ……」
「あはは。だから、面会時間を制限されちゃうんでしょうね」
瓜子は目もとににじむものを手の甲でぬぐいつつ、ベッドの脇の椅子に腰を下ろした。
ユーリはわずかに面を伏せつつ、上目づかいに瓜子のほうを見つめている。もちろんその身は無惨に痩せ細ったままであったが――その瞳には、かつてのユーリと変わらない無邪気さがあふれかえっていた。
きっとユーリは、もう大丈夫だ。
たとえ何ヶ月かかろうとも、ユーリは元気になってくれるだろう。そして再び大暴れして、世界中を騒がせてくれるはずだ。
ならば、瓜子にできることはひとつしかない。
ユーリの存在を支えながら、ユーリの帰るべき場所を守るのだ。
《アクセル・ファイト》の不本意な結果によって混乱状態に陥ってしまった、日本の女子格闘技界を守り抜く――天使のように微笑むユーリと見つめ合いながら、瓜子はひそかにそんな決意を固めることに相成ったのだった。
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