05 黒き悪夢とマッド・ピエロ

「それじゃー、あたしも行ってくるかな! 絶対KOしてみせるから、見逃さないでよー?」


 そんな元気いっぱいの言葉を残して、灰原選手は控え室を出ていった。

 モニター上では、いよいよメイとイリア選手の対戦である。

 しかしその前に、まずは『オーギュスト』のパフォーマンスであった。


 今回も、奇怪なダンスを見せているのは三名のみだ。きらきらと照り輝くシルクハットとダークスーツを纏ったイリア選手と二名のダンサーは、花道を行きつ戻りつしながらマリオネットさながらのダンスを観客たちに見せつけた。


 今回は花道のど真ん中で楽曲が終了し、イリア選手だけが電池切れを起こしたかのように倒れ伏す。

 すると、二名のダンサーがあたふたとした様子で周囲を見回してから、イリア選手を抱えて退場する。その滑稽な姿に、観客席からは笑いの声があげられていた。


 それからしばらく無音の状態が続いて、まさか本当にイリア選手の身に何かあったのでは――と、客席がざわめくのを見計らったようなタイミングで、古めかしいワルツのBGMが流される。それと同時に再登場したイリア選手は入場口でダークスーツを一気に剥ぎ取ると、何事もなかった様子で花道を闊歩し始めた。


「……何回見ても、こいつのパフォーマンスだけは鼻につくだわね。わたいもさっさと再戦したいところだわよ」


 ベンチ席で寝釈迦の体勢を取った鞠山選手が、そのように言いたてていた。鞠山選手はずいぶんな昔にイリア選手と対戦して、判定負けを喫していたのである。そうして中堅の壁を打ち破ったイリア選手はとんとん拍子でトップ街道をひた走り、現在に至るのだった。


 覆面姿のイリア選手がカクカクとした動きでケージインすると、客席からはいっそうの歓声がわき起こる。やはりもともと邪道の立場であったイリア選手はチーム・フレアに加入したこともマイナスイメージになることなく、これまで通りの人気を博しているようであった。


『赤コーナーより、メイ=ナイトメア選手の入場です!』


 リングアナウンサーの宣言とともに、おどろおどろしいBGMが流され始めた。

 そのBGMに相応しい迫力を纏ったメイが入場すると、客席にはこれまでと変わらない歓声が巻き起こる。そのさまに、瓜子はほっと息をつくことになった。


「メイさんにも、ブーイングがあげられたりはしないみたいっすね。ちょっと心配だったんで、ほっとしました」


「ふふん。メイさんはお前さんの強さにあやかって、うちに入門したわけだからな。お前さんが人気者なぶん、メイさんへの風当たりもやわらぐだろうさ」


 立松は、そんな風に言っていた。

 メイがプレスマン道場に入門したいきさつは鞠山選手の動画チャンネルやユーリのブログでも取り沙汰されていたため、それなりに周知されているはずであるのだ。とりわけユーリのブログにおいては、『なんと、うり坊ちゃんと二連戦したメイちゃまがチーム・フレアを脱退して、プレスマン道場に入門いたしました! これからは、仲良くお稽古にはげみたいと思いまぁす☆』という一文とともに、ユーリと瓜子とメイの画像が掲載され、非常に好意的なコメントを集めることがかなっていたのだった。


(まあ千駄ヶ谷さんとしては、チーム・フレアのメンバーがこっちの軍門にくだったってことをアピールしたかったんだろうけど……それでメイさんの悪いイメージが払拭されたんだから、結果オーライだよな)


 そんな思いにひたりながら、瓜子はメイの姿を見守った。

 ウェアを脱いでボディチェックを受けたメイは、ひたひたとケージに踏み込んでいく。メイの試合衣装はハーフトップとファイトショーツで、カラーリングは赤と黄色だ。それに黒を加えれば、メイがもともと着用していた試合衣装と同じカラーリングであり――最近になって知ったのだが、その三色は彼女の一族の民族旗に由来するのだという話であった。


『第五試合、ストロー級、五十二キロ以下契約、五分三ラウンドを開始いたします!』


 リングアナウンサーが、朗々たる声音で宣言した。


『青コーナー、百六十八センチ、五十一・九キログラム、カポエイラスクール・トロンコ所属……イリア=アルマーダ!』


 イリア選手は全身でウェーブの動きを披露して、観客たちにアピールをする。彼女の試合衣装はタンクトップとファイトショーツで、カラーリングは赤と緑のクリスマスカラーであった。


『赤コーナー、百五十二センチ、五十一・九キログラム、新宿プレスマン道場所属……メイ=ナイトメア!』


 メイはいっさい不動のまま、イリア選手の姿をにらみ据えている。その石仮面のごとき無表情と黒く燃える双眸は、初めて出会った頃そのままの迫力であった。


 ちなみにメイはいまだにプロ契約を結んでおらずに一般門下生の立場であったが、それでも新宿プレスマン道場の所属と紹介されるのが通例である。ユーリが長らく所属フリーであったのは、選手活動のマネージメントもスターゲイトに一任しており、プレスマン道場はあくまでトレーニングの場というスタンスであったためであった。


 ケージの中央に招かれた両名は、上と下からおたがいの姿を見つめ合う。

 瓜子と同じ背丈であるメイは、イリア選手と十六センチ差だ。傍目にはこれほどの身長差になってしまうのかと、瓜子はあらためて大きな感慨を噛みしめることになった。


(あたしもイリア選手とのリーチ差には苦しめられたけど……でも、メイさんの突進力はあたし以上だから、きっと大丈夫だ)


 レフェリーがグローブタッチをうながすと、メイは素直に両手の拳を差し出し、イリア選手はコミカルに一礼しながら自分の拳をタッチさせた。


 客席には、いよいよ歓声が渦を巻いている。唯一無二のファイトスタイルを有するイリア選手と、数々の日本人選手を葬ってきたメイでは、いったいどのような試合が繰り広げられることになるのか――そんな期待が高まっているのだろう。


 両名はケージ際まで引き下がり、ついにブザーが鳴らされた。

 メイはしなやかな足取りでケージの中央に進み出て、イリア選手は――カポエイラ流のステップ、ジンガであった。


「ふん。まずはそう来たか」と、立松が低い声をこぼす。

 イリア選手は無造作に歩いたり、MMA流のファイティングポーズを取ったりと、ここ数ヶ月でさまざまな姿を見せていたのだ。それらのすべてに対策を練らないといけないセコンド陣の心労は、想像するに有り余った。


 ジンガとは深く上体を倒しつつ、両手を左右に大きく振りながら移動する、きわめて奇妙なステップである。足も大きく開かれているため、一歩の踏み込みが大きく、前後よりも左右の動きに適している。なおかつ、イリア選手は軟体動物のように動きがやわらかいため、相対した選手はどのように攻めるべきか幻惑されてならないのだった。


(こればっかりは、実戦で呼吸をつかむしかないもんな。頑張ってください、メイさん)


 メイは間合いの外で、慎重にステップを踏んでいる。いかに突進力に優れたメイでも、いきなりイリア選手の間合いに踏み込むのは危険なことであるのだ。どれだけ闘争心をたぎらせていても、メイは冷静であるようであった。


 イリア選手はメイを挑発するように、ふわりふわりと左右にステップを踏んでいる。しかし時おりテンポチェンジをしたりダブルステップを踏んだりするために、タイミングをつかむのも容易ではなかった。


 イリア選手の動きはダンスそのものの優雅さであるため、観客たちもまだ焦れている様子はない。メイがどのようにこの動きを攻略するのかと、期待を高めているかのようだ。

 フェンスの向こうでは、サキがしきりに言葉を飛ばしている。サキはサブセコンドの立場であったが、イリア選手との対戦経験を有しているために、もっとも有効な助言を与えられるはずであった。


 メイはあくまで慎重に、前後のステップを刻んでいる。かなうことならば、相手に先に攻撃を出させたいところであろう。それをかわせば、メイの突進力でひと息に距離を潰せるはずであるのだ。


 しかし、イリア選手はゆらゆらと動くばかりで、まったく手を出そうとしない。メイが危うい距離にまで踏み込んでも、すっと身を引いて逃げてしまうのだ。

 おたがいにステップを踏むばかりで一分ばかりの時間が経過すると、さすがに客席には焦れたような声があがり始めた。


(これは、我慢くらべかな)


 と、瓜子がそのように考えたとき――イリア選手が、新たなアクションを見せた。

 ジンガのステップはそのままに、メイの周囲を回り始めたのだ。

 メイのアウトサイドを取ろうという動きである。メイは相手と正対できるように身体の向きを修正しつつ、これまでよりも大きく間合いを取り始めた。


「なんだか……微妙にペースをつかまれちまった感じがするな」


 立松の言う通り、メイの動きに乱れが見られた。相手の動きを警戒するあまり、下がりすぎているように見受けられるのだ。

 いっぽうイリア選手は、ゆったりとした大きな動きでメイを追い詰めていく。ピエロの覆面姿と相まって、それは不気味な怪物めいた姿に見えてしまった。


 それから逃げようとするメイもまたステップがせわしなくなり、ときおりフェンスにぶつかりそうになってしまう。いまだおたがいに一発の攻撃も出していないというのに、完全にメイが追われる側になってしまっていた。


「よくねえな。メイさんは左右のステップがちっとばっかり甘いから……そこを突かれたか」


 メイはドレッドヘアを振り乱しながら、ケージの内を逃げ惑った。

 あれほどに広いケージが、とても狭苦しく感じられてしまう。それだけメイが、フェンス際に追い込まれてしまっているということだ。


 そうしてついに、メイの背中がフェンスに触れかけたとき――イリア選手の長身が旋回した。

 腰をねじってから蹴り足を飛ばす後ろ回し蹴り、「アルマーダ」である。


 メイの背後には、もはやスペースがない。そしてイリア選手の蹴り足は、メイの逃げる先をふさぐ格好で放たれた。

 メイは両腕で、しっかりと頭をガードしている。

 そのガードの外側から、イリア選手の右かかとがメイの右こめかみを撃ち抜いた。


 メイは背中からフェンスに叩きつけられ、そのままへたり込む。

 イリア選手は、勢い込んでメイのもとに躍りかかるかと思われたが――弾かれたような勢いで、バックステップを踏んだ。

 その足もとに、黒い風のようなものが走り抜ける。メイのほうこそが、イリア選手の足もとに跳びかかっていたのだ。しかしその手は空を切り、メイは前のめりに突っ伏すことになった。


 安全な距離まで逃げのびたイリア選手は安堵の息をつく芝居をしてから、ちょいちょいと指先でメイを招く仕草を見せる。レフェリーもまた、メイに『スタンド!』を要求した。


「くそ、グラウンドには付き合わねえか。メイさんは、早くも正念場だぞ」


 メイはすみやかに立ち上がったが、上体がわずかに揺れていた。こめかみにクリーンヒットをくらって、脳震盪を起こしてしまったのだろう。これでは、瓜子とイリア選手の試合の再現であった。


『ファイト!』という試合再開の声が告げられると、イリア選手はMMAのファイティングスタイルでステップを踏み始める。

 そして、そこから繰り出されたのは――なんと、メイの左膝を正面から狙う関節蹴りであった。


 イリア選手がこれほど地味な蹴り技を使うのは、初めてのことである。

 そして関節蹴りというのは、もっとも地味でもっとも危険な攻撃であるのだ。メイは何とか直撃だけはまぬがれたものの、ふらつく足取りで後ずさることになった。


 イリア選手は軽やかにステップを踏んで、今度はサイドキックを放ってくる。

 メイは右腕で腹部をガードしたが、その前腕にダメージが溜まるほどの深い当たりであった。


 関節蹴りもサイドキックも、カポエイラとは縁もゆかりもない攻撃だ。

 格闘技に本腰を入れると公言していたイリア選手は、じわじわと持ち技を増やしつつあったのだった。


 イリア選手は遠い距離から、なおも足技を飛ばし続ける。

 お次は瓜子の試合でも見せた、ミドルからハイに変化するブラジリアンキックだ。

 メイはしっかりガードしていたが、そこで反撃できるほどの力は復活していなかった。


「残り時間は……まだ二分もありやがるのか。ここをしのげるかどうかだな」


 立松のつぶやきを聞きながら、瓜子も手に汗を握る思いであった。

 メイの目は、まだまったく死んでいない。しかし頭部のダメージから回復していないのは明白で、自分から動くこともまったくできなくなってしまっていた。


 それでもイリア選手は不用意に近づこうとはせず、遠い距離から足技ばかりを飛ばしている。普段のメイであれば、それをガードしてすぐに距離を詰められるだけの瞬発力を有しているのだが――現在は、防御をするだけで手一杯の様子であった。


 大歓声の中、イリア選手はカポエイラ流の前蹴りを射出する。

 胸もとを蹴り抜かれたメイはたたらを踏んで、再びフェンスに背中をぶつけた。

 そしてそのままフェンスにもたれて、動かなくなってしまう。肩は大きく上下して、呼吸も荒くなっていた。


 そろそろ限界が近いのかと、レフェリーも厳しい眼差しになっている。

 安全性を重視するレフェリングであれば、レフェリーストップも間近であるはずであった。


 しかしイリア選手は恐ろしいほどの慎重さで、メイの余力を探るようにしばし動きを止め――それから、再びのサイドキックを繰り出した。

 あくまでも、遠い間合いからメイを仕留めようというつもりであるのだ。


 メイは両腕を交差させて、イリア選手のサイドキックをガードした。

 そして、イリア選手が蹴り足を引くのにあわせて――メイの身体が、宙に舞った。ただ跳躍したのではなく、背後のフェンスを蹴って、イリア選手に躍りかかったのだ。


 蹴り足の戻りきっていなかったイリア選手は、片足だけで後方に跳びすさる。

 メイの繰り出した右拳は、それで空振りすることになった。

 しかし、メイが着地したのは――一歩でパンチの届く距離だ。


 メイはほとんど倒れ込むような勢いで前進して、左のジャブを繰り出した。

 この四ヶ月間、プレスマン道場で磨き抜いてきた左ジャブである。

 メイの左拳は、小気味よくイリア選手の右頬を叩いた。


 イリア選手は、さらに後方に逃げようとする。

 メイはふらつく足取りで、それを追いかけた。

 両者の距離は、広がりも縮まりもしない。いくぶん平常心を失ったイリア選手といまだダメージの残されているメイの歩調は、ほぼ互角であった。


 メイは上体を泳がせるようにして、今度は右のフックを放つ。

 間合いに変わりはないので、これは当たる攻撃だ。

 しかし、イリア選手もただ打たれはしなかった。カウンターで、左膝を振り上げたのだ。


 メイの右拳はイリア選手の顔面をとらえ、イリア選手の左膝はメイの腹にめりこんだ。

 メイは不屈の闘志を見せて、さらに左拳を振りかぶる。

 その風圧に押されるようにして、イリア選手は逆側に上体を倒した。


 側転の格好で蹴りを繰り出す、「シバータ」だ。

 メイの右フックは虚空を走り抜け、イリア選手の右足はすねのあたりがメイの側頭部にヒットした。


 距離が詰まっているために、決してクリーンヒットではない。

 ただ、もともと頭部にダメージを負っていたメイは上体をぐらつかせた。

 状態をぐらつかせながら、メイは左拳を繰り出した。


 側転を完遂させたイリア選手の顔面に、再びメイの左ジャブがヒットする。

 そしてさらに、メイの右拳がイリア選手の腹にめり込んだ。「シバータ」をくらってなお、メイは左ジャブから右ボディのコンビネーションを見せたのだ。


 ダメージを負っている上に姿勢も乱れているため、メイの化け物じみたパンチ力も半減以下であろう。

 ただし、イリア選手は決して打たれ強い選手ではない。もともと細身である上に、試合でもほとんど殴られた経験がないために、「痛みに弱い」と目されているのだ。


 その推測を裏付けるように、イリア選手が動きを止めていた。

 そこに三たび、メイの左ジャブが繰り出される。

 そして今度は、右のフックに繋げられた。

 メイがもっとも得意にする右フックが、イリア選手の下顎を撃ち抜く。


 さらにメイは、左のフックをも繰り出したが――その拳は、うなりをあげて空を切った。

 イリア選手がすとんと垂直に腰を落としたため、空振りしてしまったのだ。


 メイは猛然とイリア選手にのしかかろうとしたが、レフェリーが横合いからその身を抱きとめた。

 マットにへたり込んだイリア選手は、そのまま棒のように倒れ込んでしまう。

 下顎への右フックで、イリア選手はすでに意識を飛ばされていたのだ。


「やったやったー!」と、ユーリが瓜子のウェアの裾を引っ張ってくる。

 瓜子は詰めていた息を大きく吐き出してから、ユーリのほうに拳を差し出してみせた。


「やりましたね」


「やってくれたよー!」


 おたがいにバンデージを巻いた瓜子とユーリの拳が、ぐっと密着する。

 そんな中、試合結果がコールされた。


『一ラウンド、四分二秒、右フックにより、メイ=ナイトメア選手のKO勝利です!』


 客席も控え室も、歓声に包まれた。

 立松や愛音はもちろん、小柴選手や多賀崎選手も喜色をあらわにしてくれている。あまり素直でない鞠山選手は寝転がったままにんまりと笑うばかりであり、来栖選手や魅々香選手はリアクションも控えめであったが――それでも数多くの人々が、メイの勝利を祝福してくれていた。


 モニター上ではサキがメイの首に腕をからめつつ、ダメージを受けた頭部に氷嚢をあてがっている。柳原とサイトーは、笑顔でメイに何か呼びかけていた。

 そうして大歓声に包まれたメイは、どこか当惑顔である。

 これまでのメイは養父によって専属のコーチ陣を斡旋されていたが、そちらはあくまでビジネスライクな関係であったため、勝利の喜びを分かち合うようなこともなかったのだ。


(これで控え室に戻ってきたら、メイさんはいっそう面食らうんだろうな)


 それを想像しただけで、瓜子はいっそう温かい気持ちになることができた。

 そうしてプレスマン道場に入門したメイは、大きな苦境に立たされつつも初陣を勝利で飾ることがかなったのだった。

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