05 革命児

『ご存じの通り、タクミ=フレア選手はかつて秋代拓実の名義で、《アトミック・ガールズ》のリングにあがっておりました。その後はいったん決別することになりましたが、このたび《カノン A.G》に復活することが決定されたのです』


 黒澤氏は立ったまま、そのように説明し始めた。

 秋代選手――それとも、タクミ選手と呼ぶべきであろうか。とにかく真っ赤な髪をしたその人物は、黒澤氏のかたわらに腕を組んで立ち並んだ。


 本当に、別人の如き姿である。

 髪の色ばかりでなく、彼女は顔も体形もまったく変容してしまっていたのだった。

 もちろん顔は、メイクの恩恵も大きいのだろう。もとより顔立ちは悪くなかったが、その魅力を最大限に引き出すための入念なメイクが施されているようなのだ。


 ただ一点、明らかにメイクでは変えようもない変化が存在した。

 鼻である。

 彼女の鼻はもっとあぐらをかいており、それがいささか獰猛そうな印象を作っていたはずであった。その鼻が、まるで欧米人のようにシャープになっていたのだ。

 彼女はユーリの膝蹴りで鼻骨を粉砕されていたために、その処置によって鼻の形が変わってしまったのかもしれなかった。


 そして体形に関しても、以前よりうんとシャープになったように感じられる。

 ただし、ウェイトが落ちたという印象はない。以前はもっとレスラーらしく下半身がどっしりしていたのに、今はすっきりとウエストがくびれており、その代わりに腕や肩が発達して、ストライカーのようなシルエットになっていたのだった。


『実のところ、タクミ=フレア選手はもともと九月大会で復帰試合を行う予定となっておりました。その際に、ひとつのコンセプトを打ち出そうと考えていたのですが……それもあわせて、この場で発表させていただきたく思います』


『待ってください。今日は謝罪会見だったのではないのですか? どうもさきほどから、話が先走りすぎているように思うのですが……』


『世間様をお騒がせしてしまったことに関しては、幾重にもお詫びいたします。しかし本日は、新生パラス=アテナと《カノン A.G》のお披露目をすることこそが主題でありました。不健全な運営状況を脱却し、新たな指針を示すことこそが、一番の償いであると任じております』


 記者からの指摘などものともせず、黒澤氏は意気揚々と語らった。


『なおかつ、タクミ=フレア選手の存在も、この場にはきわめて相応しいものだと考えております。彼女が掲げる新たなコンセプトとは――「革命」であるのです』


『革命?』


『はい。《アトミック・ガールズ》は本年のシリーズを「ソウル・レボリューション」などと銘打ちながら、旧態依然の情けない姿しかさらすことはできませんでした。そんな状況を打破するために、タクミ=フレア選手が決起してくれたのです。彼女は今後、《カノン A.G》において革命軍党首の役割を果たすこととなります』


『ちょ、ちょっとお待ちください。革命軍というと、どうしてもプロレスなどを連想してしまうのですが……』


『それで、いっこうにかまいません。MMAの試合に真剣に取り組むという大前提のもと、我々は興行を盛り上げるために最善を尽くさなければならないのです。革命軍という呼称はキャッチーである反面、低俗で軽薄な印象をもたれてしまうやもしれませんが……タクミ=フレア選手はそんなイメージを吹き飛ばすほどの熱い試合を見せてくれるものと、わたしは期待しております』


 記者席は、いっそう激しくざわめいているようだった。

 そんな中、ひとりの記者が発言する。さきほど、ユーリの試合が八百長だったのかと質問した記者であるようだ。


『質問です。革命軍と称するからには、他にもそちらに所属する選手がいるということなのでしょうか?』


『はい。革命軍の正式名称はチーム・フレアといって、リーダーたるタクミ=フレア選手の他にも数名の選手の参加が内定しております』


『そのチーム・フレアは、いったいどのような活動を予定されているのでしょうか?』


『原則としては、対抗戦の形式を取ります。チーム・フレアとは、いわば団体内のヒール的な存在でありますため、他の選手にはそれを打ち倒すための意欲を燃やしていただきたいのです』


 すると、別の記者も声をあげた。


『その前に、おうかがいしたいのですが……そもそも秋代選手は、何年か前にも《アトミック・ガールズ》において分裂騒ぎを起こしていました。この時期にそのようなコンセプトを打ち出すのは、少々……不適切なのではないでしょうか?』


『わたしのことは、せめてタクミって呼んでもらえる? せっかくリングネームをつけたのに苗字呼ばわりじゃあ、興醒めだからさ』


 と、タクミ選手が黒澤氏からマイクを強奪し、初めて発言した。

 その顔には、不敵な微笑がたたえられている。


『それに、わたしがこのコンセプトで活動することは、もっと前から決められてたんだからね。馬鹿な社長が馬鹿な騒ぎを起こしたって、こっちが遠慮する筋合いはないっしょ。だいたいさ、こんな時期だからこそ新たな指針を打ち出すことが有効だろうって、さっき黒澤代表も言ってたよね?』


『何がどのように有効なのでしょう? よければ、ご説明ください』


『だからさ、アトミックの連中はこれまでぬるいルールに浸かってたわけでしょ? そいつらの目を覚ますために、チーム・フレアが暴れ回ってやろうってことさ。さっき対抗戦って言葉が出たけど、もちろんこっちだって天下を取るつもりなんだからね。わたしらに負けたくなかったら、死ぬ気で練習してこいって話だよ』


『……チーム・フレアには、どういった選手が参加する予定なのでしょうか?』


『それは、後日のお楽しみ。ま、次の興行まで二ヶ月近くもあるんだからさ。それまでの間、じっくり楽しませてあげようと思ってるよ』


 すると、記者陣の中からいくぶん反感のこめられた声が飛ばされた。


『黒澤氏はさきほど、ユーリ選手の八百長疑惑に関して否定なさりませんでした。ユーリ選手と対戦経験のある秋代選手は、どのようにお考えなのですか?』


 タクミ選手は同じ笑みを浮かべたまま、声のあがった方向を振り返った。


『……タクミ』


『はい? なんでしょうか?』


『苗字じゃなく、名前で呼べって言ったでしょ? 礼儀を知らない記者さんには何も答える気はないので、そのおつもりで』


 記者陣の姿はカメラに映されていないが、暴言を吐かれた記者はいっそう反感のこもった声を張り上げた。


『では、タクミ選手にご質問いたします。ユーリ選手には、本当に実力が備わっていなかったのでしょうか? あなたが鼻を潰されて一本負けを喫したのも、真剣勝負ではなく台本通りの結果だったのでしょうか?』


『わたしがあいつと対戦したのは、アトミックじゃなくて《NEXT》のリングだよ。《NEXT》で八百長なんて、許されるわけないじゃん。少しは頭を使って発言したら?』


『それではあなたは、実力でユーリ選手に敗北したわけですね?』


『ああ、すっかり油断しちまってたね。沙羅選手にまぐれ勝ちしただけのへっぽこアイドル相手に、トレーニングなんざいらないと思ってたからさ。あんな簡単な試合を取りこぼすなんて、一生の汚点だよ』


 タクミ選手は、すました顔で笑い声をあげた。


『ま、油断したのはわたし自身なんだから、好きなだけ馬鹿にすりゃいいさ。今後はもう、どんなへっぽこ相手でも油断したりはしない。……あと、八百長なんざは死んでも御免だから、そこんところはよろしくね、黒澤代表』


『もちろんです。新生パラス=アテナにおいて、そのような不祥事はもう二度と許しません』


 そうしてマイクは、黒澤氏の手に戻された。

 黒澤氏は満足そうににやつきながら、さらなる爆弾発言を解き放つ。


『チーム・フレアの構想に関しては、以上となりますが……その他にも、《カノン A.G》はティガーおよびカッパージムとの提携も決定されました。それもまた、女子MMAという競技を活性化させ、国内外における選手の活躍を後押しするためのプロジェクトとなります』


 ティガーはドイツ発祥のスポーツウェアブランドで、カッパージムは北米発祥のスポーツジムだ。どちらも日本国内において、それなりの隆盛を誇っている企業であった。


 そうして黒澤氏の口から語られたのは、試合衣装の統一と、MMAスクールの普及である。今後、《アトミック・ガールズ》の――いや、《カノン A.G》の試合衣装はティガーで生産される指定品で統一され、カッパージムにおいてはパラス=アテナ主導のもとにMMAスクールが開催されるのだそうだ。


『ちょ、ちょっと待ってください。それもまた、花咲氏が逮捕される前から進められていた計画ということなのですよね? 逮捕から数日で、そんな提携が成立するとは思えませんし……』


『無論です。ただし、これらのプロジェクトはすべてわたしが責任者であり、花咲氏が関与する機会はありませんでした。よって、氏の逮捕後もつつがなく企画を進めることがかなったのです』


 会見当初は申し訳なさそうな顔をしていた黒澤氏が、今では精力的な実業家の顔で語らっている。


『さらに我々は、某テレビ局との提携も推し進めているさなかとなります。そちらのプロジェクトが締結すれば、《カノン A.G》の試合を民放のテレビ局で放映していただくことも可能になるでしょう。そうして今年か来年の大晦日には、ゴールデンタイムに《カノン A.G》の生放送を――という目標のもとに、我々は尽力しているさなかとなります』


 話が、どんどん大きくなってきた。

 それに比例して、瓜子の心はどんどん冷えていく。黒澤氏は《アトミック・ガールズ》を乗っ取ろうとしているのではないかという、鞠山選手の言葉と――そして、ユーリへのあらぬ疑いを否定しなかった黒澤氏のおかしな態度が、瓜子の心を凍てつかせているのだった。


『ご説明が遅れましたが、《カノン A.G》のカノンとは、宗教における正典の意であります。《アトミック・ガールズ》は恥ずべき過去を打ち捨てて、今度こそ正しい道を突き進むのだと、そのような思いを込めて名付けた次第です。新生パラス=アテナと《カノン A.G》がどのような進化と発展を果たすことができるものか、どうか皆様に見届けていただきたく思います』


 自分自身の言葉に酔いしれているかのように熱っぽく語り、黒澤氏は深々と一礼した。


『以上をもちまして、本日の会見は終了させていただきます。今後の動向に関しては逐次、公式サイトにておしらいたしますので、どうぞよろしくお願いいたします』


『あ、ちょっと! まだ質問が――!』


 そんな言葉を最後に、動画は終了した。

 そして、快調に道路を飛ばしていたボルボも、停車する。


「スタジオ付近のパーキングに到着いたしました。レッスンの開始までまだ多少のゆとりがありますため、取り急ぎ今回の案件に関して話を詰めさせていただけますでしょうか?」


「はいぃ。どうやらユーリは、このクロサワさんという御方にあまり好かれていないようですねぇ」


「好く嫌うという話ではないのでしょう。どうやら黒澤氏は、ユーリ選手のネームバリューを活かすのではなく、それを踏みつけにして新団体の話題性を呼び込もうという方針であるようです。そうして準備された新たな主役が、このタクミ=フレアなる選手であるわけですね」


「ふみゅう。秋代選手は確かにお強かったですけれども、かわゆさだったらユーリの圧勝だと思うんだけどにゃあ」


 ユーリが小首を傾げていると、千駄ヶ谷はバックミラーごしにその姿をねめつけた。


「と、いうよりも――これはそもそも、タクミ=フレア選手の主導で始められたプロジェクトなのではないでしょうか?」


「ふみゅみゅ? それはつまり……クロサワさんじゃなくって、秋代選手がユーリを嫌ってるってことですかぁ?」


「はい。自身が新団体のスターになるために、ユーリ選手の追放を目論んでいるということです。かつては沙羅選手も同じようなスタンスであったように思いますが、あちらはあくまで実力でユーリ選手を打ち負かそうというスタンスでありました。このタクミ=フレア選手というのは……運営陣を取り込むことで、それを成し遂げようとしているのです」


「ちょ、ちょっと待ってください。いくらなんでも、それは飛躍しすぎじゃないっすか? そもそもそれじゃあ、花咲代表の逮捕からして陰謀の一環って話になっちゃいそうですし……」


「黒澤氏は、パラス=アテナの経理部長という役職にありました。そうして花咲氏は、脱税の容疑で逮捕されています。もしも花咲氏がご自身の収入面においても経理部長の黒澤氏を頼っていたとするのなら……そこで何らかの罠を仕掛けることも可能であるやもしれません」


「それならやっぱり、黒澤ってお人が諸悪の根源なんじゃないっすか? いかにも悪人っぽい面がまえをしてましたし」


「顔立ちの美醜で罪をはかることはできません。……それに黒澤氏が首謀者であった場合、ユーリ選手を排斥する理由が見当たらないのです。ユーリ選手はすでにファイターとしてもアイドルとしても名を馳せているのですから、新たな旗頭など準備する必要はないでしょう。むしろ、ユーリ選手とタクミ=フレア選手のライバル路線などを打ち出したほうが、よほど効果的であるかと思われます」


 そんな風に言ってから、千駄ヶ谷は小さく息をついた。


「ともあれ、憶測の域は出ませんし……どの道、協力者は他にいるのでしょう。黒澤氏であれタクミ=フレア選手であれ、ティガーやカッパージムやエイトテレビと提携を結ぶには、あまりに力不足です。他に有力な協力者が存在するとしか思えません」


「エイトテレビ? ああ、テレビ局との提携ってお話ですか。でも、エイトテレビの名前なんて出てましたっけ?」


「……ユーリ選手の八百長疑惑とチーム・フレアの詳細を言及したのは同一人物で、それはエイトテレビに所属する記者であったのです。これもあくまで推測ですが、あの記者はあらかじめ黒澤氏の望む質問を発していたように見受けられました」


 瓜子は思わず、息を呑んでしまう。確かに瓜子もあの際には、チーム・フレアの詳細なんてどうでもいいだろうと苛立たしく感じたのだ。


「黒澤氏の述べたてた理念自体には、それほど大きな齟齬もなかったように思います。ですが、もしも本当に新体制のパラス=アテナがユーリ選手を放逐しようと考えているのなら……こちらも全力であらがわなければなりません」


「そうですねぇ。もしも秋代選手との試合が組まれたら、全力で頑張りまぁす」


 ユーリは、あくまで呑気である。他者からの悪意には、とことんタフなユーリであるのだ。

 そんなユーリの姿を、千駄ヶ谷が再びバックミラーごしに見据えた。


「ユーリ選手。貴女はこれまで以上に、スキャンダルにお気をつけください。あちらはユーリ選手の八百長を示唆してきたぐらいであるのですから、今後も試合場の外でユーリ選手を貶めようと画策するやもしれません」


「はぁい。これまで通り、セイレンケッパクに生きることを誓うユーリちゃんですぅ」


 千駄ヶ谷は無言のまま、瓜子のほうに視線を移してきた。

 が、けっきょく何も語らないまま、ユーリのほうに目を戻す。


「つきましては、一点お伝えしたいことがあるのですが……猪狩さんを同席させたままお話を進めていいものか、ユーリ選手にご判断をお願いしたく思います」


「はにゃ? うり坊ちゃんに隠し事をするつもりなんて、これっぽっちもナッシングなユーリちゃんでありますけれども」


「それでも、ご確認をお願いしたく思います」


 そこで千駄ヶ谷はいったん口を閉ざしてから、言った。


「実は先日……ユーリ選手のご家族のもとに、報道記者が接近したようなのです」


 瞬間――ユーリの顔から、血の気が引いた。

 その身体が小さく震え始め、後部座席でぐらりと倒れかかる。

 瓜子が慌てて支えると、ユーリは反射的にその手を振り払おうとして――その直後に、瓜子の手を握りしめてきた。


「ごめん。大丈夫。……うり坊ちゃんも、一緒に聞いてくれる?」


「はい」と答えながら、瓜子も血の気が下がる思いであった。

 瓜子は、ユーリのご家族など――ユーリに強烈なトラウマを植えつけた、義父の存在しか知らなかったのだ。


「千さん、お話を続けてください。……ユーリの住んでたおうちに、記者さんが来たのですか?」


「はい。その記者は、ユーリ選手がご家庭でどのような存在であったのかと執拗に質問してきたそうですが……ユーリ選手の御父上は、何も答えずに追い返したそうです。そうして、スターゲイトに一報を入れてくださいました。娘もこれだけ有名になると、おかしな人間につきまとわれる機会も増えるだろうから、どうかくれぐれもよろしくお願いいたします、と――」


 ユーリはその怪力でもって、瓜子の手をぎゅうっと握りしめてきた。

 瓜子もまた、力の限りその手を握り返してみせた。


「御父上は、ひどくユーリ選手の身を案じておられたようです。そして――どうか今後も元気に生きてほしいと、そのように伝えてほしいと仰っていました」


 ユーリは固く目をつぶり、震える唇で「はい」と答えた。


「伝言、ありがとうございます。……機会があったら、ユーリはめいっぱい元気に生きているとお伝えください」


「すでに、そのように伝えさせていただきました。御父上も、心から安堵されていたご様子です」


 そんなていどで、その人物の犯した罪が許されるわけもない。

 しかし、それでも――彼はユーリに逃げられた腹いせに、おかしな真似をしたりはしなかった。いきなり押しかけてきたという記者を追い返して、ユーリの身を案じていたのだ。それをせめてもの救いと考えるしかないようだった。


「今後もあちらは、どのような搦め手を使ってくるか知れません。くれぐれも、ご用心を。……猪狩さん。もしも記者陣に接触されたら、すべてスターゲイトを通すように通達してください。私の名刺を、何枚かお渡ししておきます」


「承知しました。おかしな連中は、絶対にユーリさんには近づかせません」


「あなたは、冷静でいてください。間違っても、乱闘騒ぎなど起こさないように」


 そうして千駄ヶ谷は、腕時計で時間を確認した。


「そろそろレッスンの開始時間ですね。私も職務に戻らなければなりません。……ユーリ選手。あちらが何をどのように画策しようとも、貴女の有するスター性を凌駕することは不可能でしょう。貴女がくじけない限り、必ずや状況を打破できるはずです。そのように信じて、己の為すべきことをお果たしください」


 ユーリは「はい」とだけ答えていた。

 千駄ヶ谷はひとつうなずき、エンジンを再始動させる。それを合図に、瓜子とユーリは車外に出た。


 時刻は間もなく午後の四時であるが、七月終わりの空は明るい。

 その燦々とした日差しの下、ユーリはまだ瓜子の手を握りしめていた。


「……うり坊ちゃん、ひとつお伝えしたいことがあったのですけれど」


「はい。何すか?」


 瓜子が見上げると、ユーリは子どものような顔で笑っていた。


「あの動画で八百長がどうのって話になったとき、ユーリのために本気で怒ってくれたでしょ? 千さんの前だったから身をつつしんでいたけれど、ユーリはもう幸せで幸せで胸がはちきれそうだったのだよ」


「ご自慢の胸がはちきれたら、グラビアの仕事もなくなっちゃいますね」


 瓜子が精一杯冗談めかして言うと、ユーリは「あはは」と笑ってくれた。

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