(6)

 頬が、目尻が、眉間の上が、引き攣っている。


 自覚があるくらいだから、クイーンが見れば一目瞭然だ。しかし、とても隠しきれなかった。

「お待たせ。エースさん」

 寸分の不自然さも垣間見せず、フワリと腰掛けるクイーンは、僕とは違って笑顔を湛えていた。

 生きている……生きている?

 神の存在を信じないのと同じくらい、幽霊や亡霊の存在も信じない僕だったが、今はクイーンを、この世ならざるものなのではないかと疑っていた。

 生きている?

 間違いない。生きている。

「どうして……」

 僕は、ようやく呟いた。

 クイーンは答えないまま、右手を前にまっすぐ差し出し、僕に着席するよう促した。僕は、腰から落ちるように座った。

 クイーンは背筋を伸ばして、得意げに胸を張る。

「名演技だったでしょう?」

「演技……」

「そう。タイトルを付けるならば、そうね……欲望に殺された女、といったところかしら」

 緊迫したブザーの音を思い出す。

 液晶テレビの中で繰り広げられた、あの地獄絵図。

 あれが、演技だったというのか?

「でも――最後まで見なかったでしょう? 私の名演技を。まあ、無理もないわね。生きた人間の首を掻っ切られる場面なんて、私でも直視できないわ」

 確かに、僕は首にナイフがあてられた時点で消してしまった。彼女が完全に絶命した所は、まったく確認していない。つまり、クイーンが処刑された、というのは、単に僕の思い込みでしかなかったのである。

「……卑怯じゃないか」

 クイーンの為に叫んだこと、泣いたことが馬鹿馬鹿しく思えて、僕は自然と棘のある口調になっていた。

 それを聞いたクイーンは、やや表情を強張らせた。

「卑怯? 人を殺すことが許されているゲームで、この程度のことが卑怯かしら?」

 僕は、狂言に協力したコンダクターたちを睨み付けた。

 バンダナを巻いた死刑囚たちは、我、関せぬという態度を決め込んで、二人の間に立っていた。

「あ、でも、卑怯ついでにもうひとつ……いま、午後三時四十五分よ」

 それがどうした――と訊ね返す前に、僕は強い目眩に襲われた。

 午後三時に流れた、ジョーカータイム終了の放送。

 そのときも、おかしいとは思った。しかし、それ以上疑うことはなかった。僕は、時計が遅れたのだと早計な判断をした。

 簡単なことだ。

 ヘッドボードの時計は、壊れていなかったのだ。

「ただ、制限時間のタイマーはこちら側で一時間ほど操作させてもらったけどね」

 第一セットが終わったとき、タイマーはいつまでも「00:00:00」で止まっていた。

 しかし、第二セットが始まって部屋に戻ると、また七時間をカウントダウンし始めていたのだった。

 プレイタイム中に、誰かが各人の部屋に入ってセットし直したという事実はなかった。

 だからそれは、コンダクターが別の部屋から遠隔で操作できるタイマーなのだ。

 そういう仕組みならば、嘘のタイムオーバーを作ることなど、造作ないだろう。

「ジョーカーが失格になったときの処分を忠実に再現してもらったわ」

 クイーンは、思い出話を語るように楽しげだった。

 卑怯じゃないか――そんなセリフは無意味だ。

 忸怩たる思いが、腹の中を蹴りまわす。

 全ては、僕の正誤判断の結果なのだ。

 目の前にある時間を「誤」としたことも、コンダクターの嘘を「正」としたことも。

 テーブルを殴りかけた拳を押さえ、僕は乱れた声で訊ねた。

「どうして、そんな手の込んだことを?」

「篭城から強制的に投降させるには、こうするしかない。午後四時に失格者が処刑された、もう殺される心配はない。プレイタイムも始まることだし、そろそろ出ようかなぁ……って油断したところを」

 クイーンは指でピストルの形を作り、撃った。

 でも、クイーンが失格になったと信じた僕は、しばらく部屋で泣いていた。すぐに表には出られなかった。

 だから……助かったのか。

「で、私のシナリオに乗ってくれたのが、ジャックさんだった」

 そういうことだ。

 僕とクイーンがここにいるということは、考えるまでもなく、ジャックが殺されたのである。

 クイーンの偽装に惑わされ、クイーンの為に泣いたことで、僕は助かった……怪我の功名、ということか。

「確認したければ、ジャックの部屋を覗いてくればいいわ。ベッドの上で倒れているから」

「いや……死んだのなら、それでいい。けど、どうしても納得できないことがある」

「答えられる範囲なら」

「コンダクターまで巻き込んで大芝居を打った理由は分かった。けど、そもそもジョーカーにならなければ、こんなことをする必要もないじゃないか。第二セットで、君は故意にジョーカーを引いたとしか、僕には思えない。どうしてそんな、危険な道を選んだ?」

 クイーンは、右手の小指の爪を左手の親指の腹で擦っている。何かを言いあぐねている心情が伝わってきた。それはつまり、答えられる範囲ではある、ということだ。

 僕が待っていると、クイーンは諦めて口を開いた。

「ジャックがジョーカーになっていたら、エースさんか私の、どちらかが間違いなく殺されていた」

「そ……まさか……」

「そうなったら、私は自分を守り切る自信はあるけれど、エースさんに、果たしてそれが出来たかしら?」

 出来る、と力強く断言できる人間ならば、クイーンは訊いてこないだろう。

 僕は、無言で項垂れた。

「それともう一つ。逆にエースさんがジョーカーになっていたら、もっと助からないことになっていた。私にとっても、困ったことになっていたし……だから、どちらの事態も回避する為には、私がジョーカーになるしかなかった」

 自分が見縊られたことに対しては、特に怒る気持ちも沸いてこなかった。しかし、どちらの想定も、机上の空論だ。

「そんなこと、始まってみないと分からないだろう? それだけの為に……自分を危険に晒すなんて」

 僕が眉間に皺を寄せて身を乗り出すと、クイーンは首を横に振った。

「エースさんがジョーカーになっていたらどうなっていたかは兎も角、ジャックがジョーカーになっていたら、どちらかが死んでいた可能性は充分あった」

「それは……」

「エースさんはまだ気付いていないみたいだけど、このゲームには、ジョーカーの救済策として用意された、とっておきの武器が存在するのよ」

 クイーンは、コンダクターの方を見て、彼らがまだ動き出さないことを確認した。そして、口の端をニヤリと持ち上げる。

「知ったら、生きた心地がしないかもね」

 上目遣いで僕を見据えたまま、徐に片手をテーブルの下に隠して、何かを探り始めた。

 そして、握り締めた手をテーブルの数センチ上で保持したまま、指を広げた。

 金属の細い棒が一本ずつ、机に落下していく。

 微妙に互いの間隔を開けて、三本目が着地した時点で、クイーンの手は空になった。

 落ちてきた金属は、だった。

「ジョーカーにとって、最強の武器」

 クイーンは、一番近くに落ちた一本を指で押さえて、粘土を伸ばすように転がした。

 僕は、頭の中で様々なことを思い出していく。

 これは、武器庫の鍵穴に差さってあった鍵だ。

 僕も触れている。そして、武器庫の鍵穴が壊れているのだと思ったやつだ。

 使い物にならないし、あってもなくても大勢に影響ないと考え、無視していた、こいつが……。

 驚きも悔しさも鉄のように固まって、僕は無感情な蝋人形と化した。

「回らない筈よね。だって、こいつは元から、チェストの鍵じゃないのだから。でも、そこで無視してしまったら、ジョーカーに勝ち目はない。ジョーカーならば尚更、じゃあどこの鍵か、って考えて、小さな突破口を探すくらいでなければ」

 じゃあ、どこの鍵か……?

 疑問に辿り着けば、答えは至極簡単なものだ。

 各人の部屋は、皆同じ間取りのデザインだ。

 窓は、

 ユニットバスのドアは、内側からドアノブの

 デスクの引き出しは、武器庫とは違って引き出し。

 候補を消していくと、僕たちが動ける範囲内で、鍵がある場所は、ただ一つ――。

 だけだ。

 僕の呆けた顔を見て、クイーンは、こめかみを指で押さえながら苦笑する。

「エースさんが頭の中に浮かんだ答え、きっと正解よ。つまり、ジョーカーが誰であるかにもよるけれど、私たちは安全なようで、実は全然安全ではない部屋に押し込まれていた、というわけ」

 僕は、必死で記憶を巻き戻していく。

 第一セット前のリハーサル時。

 オールド・メイドの予行演習を終え、ジョーカーになった者と、そうでない者へのルールとアドバイスとして、主催者はこう忠告したのだった。


 ――部屋に戻った後は、まずカードを確認することをおすすめする。ジョーカーを持たなかった者は、取り敢えずは安全を確保出来たと、一段落すればいい。


 ――それは、真に安全ではないから気をつけるように、という意味を暗に伝えていたのだ。

 つい数時間前、風呂に浸かり、その後さらに惰眠まで貪ってしまったことを振り返ると、いま生きていることが奇跡に思えてくる。

「もし、ジョーカーが、部屋の鍵をという武器を知ってしまっていたら、全員が、いつ殺されてもおかしくない状況にいた、ということか」

 僕がヒートアップしていくのに反比例して、クイーンはますます冷静になっていく。

「合鍵……ではないわよ。一人ひとりの部屋に与えられた鍵は、どこか一つのドアしか開けられないみたいだから」

 簡単に打ち明けてくれるが、その結果を知った背景には、とんでもない冒険があることに、僕は慄然としてしまう。

「確かめたのか?」

「ええ。まずは自分の部屋のドアに合うかどうか試してみた。当たり前だけど、鍵は回りもしなかった」

「じゃあ、結局どこの鍵だったんだ?」

「キング」

 微笑を浮かべながら、クイーンは即答した。

 長らく硬直していた背筋が軋んだ。同時に、信じる心にも、ビシビシと音を立てて罅が入っていった。

「君は……」

 どうにか絞り出すが、崩れ出した欠片がセリフの続きを埋めていってしまう。

 そのセリフを、クイーンが代読してくれた。

「ジャックを、私たちから少しでも離す為に、キングの部屋に鍵を差し込んだままにして、誘導した」

 クイーンは、ずっと指先でいじっていた鍵を摘み上げ、下手投げで寄越した。艶を失った、銅色の細い鍵が、ぴったり僕の手元に落ちた。

 裁判ならば、逃れようのないレベルの計画的犯行。

 しかし、その作戦のお陰で、僕もクイーンも生き残ることが出来たのだ。

 そして、ここまでクイーンが語った鍵の事実を組み立てていくと、彼女が危険を冒してまで僕の部屋へやって来た理由も、何となく理解できた。

 クイーンの部屋に、キングの部屋の鍵があったということは、ジャックの部屋にある鍵は、僕か、クイーンの部屋の鍵が与えられていると考えられる。

 だから、万が一、ジャックが第一セットで鍵のことに気付いた時の保険として、クイーンは僕と二人でいようとしたのだ。二対一ならば、返り討ちにできるから……。

 しかし、疑問は完全に氷解したわけではなかった。

「それなら、どうして僕の部屋に来たときに教えてくれなかったんだ? あのとき君は、惜しげもなく色んな推理を聞かせてくれた。その中で、鍵のことだけは何故教えてくれなかったんだ?」

「勘違いしないで。私はあなたを助けるために戦っているわけじゃないのよ。私は、私の方法で、私の戦いをしているだけ。どうしてそんな、命に関わるような情報まで教える必要があるの? あなたは自分の戦いの中で、自分なりの作戦を立てて、知恵を絞って、色んな情報を知るべきなのよ。これを見付けられなかったのは、あなたの落ち度。私は関係ない」

 クイーンの目元に、怒りの色が滲んでいた。

 屁理屈でも何でもなく、正論だった。

 僕たちはタッグを組んで戦ってきたわけでもなければ、ゲームに参加するまでは赤の他人なのである。そんな見ず知らずの人間と、六時間でも共に居てくれたことだけでも感謝しなければならない。それなのに……。

「……ごめんなさい」

 先に謝ったのは、クイーンだった。謝罪まで先手を取られると、僕はもう立場がなかった。

「でも、兎に角ね、この鍵はゲームにとって――いえ、ジョーカーにとって、最重要アイテムだっていうことは分かったでしょう?」

 僕は、母親に諭される子供のように深く頷いた。

「この鍵さえあれば、ジョーカーという役目は恐れるに足りない。だから第二セットは、鍵のことを知ったジャックを絶対にジョーカーにしてはいけなかった。そして鍵のことを全然知らないエースさんは当然、ジョーカーになってはいけない。そうすると、私がジョーカーになるしかないじゃない」

 第二セットのプレイタイムで、始めにジョーカーを持っていたのは僕だった。ジャックがジョーカーを持って行ってくれた時、僕は本当に救われた気持ちになった。しかし、ジャック側からしてみれば、ジョーカーを取ろうと取るまいと、どちらでも良かったのだろう。寧ろ、人殺しの特権を得られるジョーカーを引きたかった可能性もある。

 クイーンは、自らの命を賭けて、それを阻止したのだ。

「でも、クイーンはもう鍵を持っていない。最重要アイテムを持たずにジョーカータイムをクリアするなんて自殺行為じゃないか」

「私は生きてるわ」

 クイーンは腰に手を当てて、わざとらしく胸を張った。先程の怒りが嘘のようだ。

 僕は、その落差になかなか付いていくことが出来ず、頭の中は簡単な整理しか出来ない。

「そうじゃなくて……勝算があってやったのか、ということ」

「あった。尤も、なくてもやってたわよ。やらないという選択肢はなかった」

 別の道を歩いていたら、どんな未来が待っていたか。

 それは誰にも分からないし、確実なことなど、一つとして存在しない。

 すべての未来が、結果論なのである。

「勝算がなくても……」

 僕は、中途半端な捨て身の精神ではない、彼女の覚悟を復唱した。

 やはり、僕にはこのゲームに参加する資格などなかったのだろう。

「どうして……そこまでして」

 僕は、腫れ物に触れる覚悟で訊ねた。

 晴天だったクイーンの表情が一転、徐々に曇っていく。そして、懐かしい過去を回想しているような、ぼんやりとした眼になって僕の頭上を眺めた。

「どうして? どうしてかしらね……」

 やはり、触れてはいけないことだったのか。

 僕は、コンダクターの方に意識を避難させた。

 コンダクターは、腕時計を気にしていた。

 そうだ。もうすぐ第三セットが始まるのだ。

 僕とクイーンの、最後の戦いが。

 どちらかが死に、どちらかが七億円を手にする。

 いや――そう考えるのは、もう嫌だった。

 どちらかが負ける。

 そして、どちらかが生き残る。

 何の慰めにもならないけれど、こっちの表現の方が、断然いい。

『第二セットで使用したカードを回収する。テーブルの上に出してもらおう』

 黒バンダナの手元の音楽プレーヤーが、その時を告げた。

 僕は、ポケットに入れていたカードをテーブルに伏せると、クイーンを一瞥した。

 彼女の意識は、この場に帰ってきていた。

 カードを、ワンピースの何処かから出してきたが、僕とは違って、二枚とも表向きでテーブルに置いた。

 自転車に乗った、惚けた王様――ジョーカーが、再びホールに呪いをかけようとしている。

 緑バンダナが、四枚を回収する。

 そのとき、クイーンがいきなり席を立った。

 放置されていた三本の鍵を掻き集めると、クイーン、キング、そして僕の部屋のドアの鍵穴に差していった。

 彼女の歩いた後が、残像となって残っていく。

 黒いワンピースが、風に棚引く一筋の太い黒煙のように、このホールを囲んでいった。

 一周したとき、それは巨大な黒い輪となって、邪な意思を持ったうねりを立てて自らの力で動き出す。

 まさかとは思ったけれど、そいつは、やはり、あの蛇だった。

 欲望の重みに押し潰された、敗者の無念を喰らってきた蛇は、醜いまでに肥大化していた。もはや頭上を泳げない、地を這うしかない、大蛇。

 再び僕の正面に戻ってきたとき、クイーンは歯を覗かせて悪い笑顔を作る。

「これで、お互いにフェアよ」

 鍵を抜いて部屋に持ち込まない限り、僕にもクイーンにも安全地帯は存在しなくなった。

「誓えるか? 鍵には触れないって」

 僕が声を低くして睨みつけると、彼女は一瞬も迷うことなく頷いた。

「あなたこそ、変な真似をしたら死ぬからね」

 鼻では笑ったものの、僕には、クイーンが想定している、このゲームの許容範囲を理解できていない、と痛感した。

 何がフェアで、何が変な真似なのか?

 これまでの彼女の戦い方が明らかになるにつれ、認めざるを得ないレベルの差。首が疲れるくらいに天を仰いでも、クイーンの姿はない。

 それくらい、僕は底辺にいるのだ。

 愚直に地面を駆け回り、敵から生き長らえようとする兵士に、空から当然のように爆弾の雨を降らせる敵兵。

 僕はそれを、フェアではないと批判できるだろうか。変な真似だと叫べるだろうか。

 キングとジャックも、同じように声を荒らげただろう。

 絨毯爆撃なんて卑怯だ――と。

 だが、それは想定していなかった方の負けなのである。

 でも、それくらいのレベルが普通なのだとも思う。

 運が悪いわけでも、誰かが卑怯なわけでもない。

 ただ、クイーンだけが別格なのだ。

 そんな彼女も、最後のセットを目前にして、少し落ち着きがない様子だった。

 俯きながら、「あと少し――」と、暗示をかけるように小声で呟いている。

 そして最後に、

「あと少し……あと少しで終わる」

 そう、はっきりと声にし、配られたカードを平手で叩き続けた。

 顔を上げたクイーンと、改めて対峙する。

 挑発か、憎悪か、嘲笑か……あるいは、それらが綯い交ぜになった表情か。

 彼女の顔には、複雑な厚化粧が施されていた。

 そこへ、無機質な眼球と、割れた舌が重なる。

 鏡面のように滑らかだった皮膚が、少しずつひび割れ、艶のない鱗へと変形していく。

 威嚇して、萎縮させ、僕の圧倒的な敗北を目論む、蛇。

「絶対……勝ってやる」

 僕は、目いっぱい強がった。

 眼前の、クイーンの異変が、冷静さに欠けだしている前兆なのだとしたら、まだ望みはある。

 生きたい、という欲望を失わない限り、僕は死なない。

 覚悟をどうにか揺さぶろうと、クイーンの――蛇の口から牙が剥き出て、敵意を示す。

 そして、口角だけが上下し、掠れた声で訊ねてくるのだった。


〈面白くなってきただろう? 人生〉


 現実なのか、幻なのか、もう区別が付かなかった。

 本当にクイーンが発したものなのであれば、やはり彼女こそ、化けの皮を被った蛇なのかもしれない。

 そこまで言うのなら、とことん面白がってやる。

 僕は、汗ばむ手にカードを持った。


『それでは、第三セット――最後のプレイタイムを開始する』

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