新年度のはじまり編

あらすじ

 前回の騒動から一週間後――


 意識を失っていた七瀬幸太郎ななせ こうたろうもすっかり目覚めて元気になり、彼の周囲はいつものような活気も戻ってきた。


 友人たちとの時間をゆっくり楽しんだ後、いよいよ幸太郎はアカデミーと世界の未来をかけた最後の戦いに挑むことになる。


 大勢の友人や仲間たちとともに最後の決戦に向かい、そして――


〇登場人物


七瀬幸太郎

・主人公。前回の騒動で元の日常に戻り、その日常を心行くまでに堪能して若干調子に乗っている。勝ち目の薄い最後の戦いに全員が不安を抱いている中、彼一人だけが勝利を確信している。扱える者に武輝ぶきと呼ばれる力を与える輝石きせきを扱える人間を集めたアカデミー都市に通っていたが、本人は輝石使いではない。モテ期到来したのかもしれないと調子に乗っている。


セラ・ヴァイスハルト

・アカデミー都市の治安を守る風紀委員に所属している、ショートヘアーの凛々しい外見の少女で主人公と同級生。その容姿と輝石使いとしての高い実力で、異性同性年齢問わずに人気がある。主人公には色々と恩があるので、彼を守ることを決めているが、それ以外にも色々と情熱的な感情を抱いている。しかし、最近の調子に乗っている彼に呆れている。


鳳麗華おおとり れいか

・アカデミーを守る風紀委員を設立した張本人であり、アカデミーを運営する組織の一つ、鳳グループトップの娘。一部の髪が癖でロールしている美しい金髪ロングヘア―に、抜群のスタイルと、外見だけなら美少女なのだが、所構わずに大音量で笑い声を上げるその性格でそんなに人気がない。今回の騒動を解決すれば、アカデミーの支配者となる自身の野望に一歩近づくと思い、やる気に満ちている。


ティアリナ・フリューゲル

・セラの幼馴染の一人である、銀髪の髪をセミロングに伸ばしたクールビューティー。自他ともに厳しい性格をしており、輝石使いとして日々厳しい修行を行っており、決戦が近づいてその修行もかなり厳しくなっている。最近の悩みとしては、両親からお見合いの話が何度も来ているということ。


伊波大和いなみ やまと

・中性的な外見で、常に含みのある軽い笑みを浮かべている中性的な外見の麗華の幼馴染。頭脳労働派を自称しており、肉体労働派の麗華たちのように前線に出て戦いたくはないのだが、それでも輝石使いとしての実力はかなり高い。最近、主人公のベッドの中に潜り込むのが日課となっている。


白葉しろばノエル

・白髪の短めの髪を赤いリボンで結い上げた、感情の起伏が乏しい少女であり、セラの遺伝子と輝石の力が合わさって生まれたイミテーションと呼ばれる存在。純粋な正確なために何でもスポンジのように吸収してしまう。幸太郎を守るために傍におり、守るために幸太郎が眠るベッドの中に侵入している。誰にも言っていないが、幸太郎は父のようなにおいがしているため、ちょっと気に入っている。


白葉クロノ

・ノエルの弟であり、姉のノエルと似ている外見の少女と思わせる容姿の少年。姉と同じく感情の起伏が乏しいが、姉と比べると感情を表に出すことが多い。懐の深さのレベルはまさに男母オカン級であり、その懐深さに主人公は甘えている。そんな主人公に呆れながらも、甘えさせている。


サラサ・デュール

・セラたちと同じく風紀委員に所属している、目つきが鋭い赤茶色の髪と褐色肌の少女。セラたちよりも年下で、中等部でありながらも風紀委員として多くの活躍をしている少女。鋭い目つきと強面で誤解されがちだが、争いを嫌う誰よりも優しい少女。そんな彼女の優しさに主人公は甘えている。年上でありながらも甘えてくる主人公に、サラサは進んで甘えさせている。


御柴巴みしば ともえ

・ティアたちの同級生であり、鳳グループに所属している艶のある長い黒髪を後ろ手に結った、上品な雰囲気が漂う美女。ティアと同等レベルの実力を持つ輝石使いであると同時に、カリスマ性が高く、かつて大勢の仲間を引き連れていた過去がある。文武両道の完璧超人であるが、異性と付き合った経験は皆無で初心。そのため、大好きなちょっとえっちな小説のワンシーンを思い浮かべながら、変な妄想に耽ることがある。


アリス・オズワルド

・風紀委員とともにアカデミーの治安を守る、国から派遣された組織である制輝軍せいきぐんを束ねている少女。プラチナブロンドの髪をショートボブにした、人形のような外見だが、冷めきった雰囲気と態度でそれを台無しにしてしまっている。父と同じく機械弄りと開発が得意であり、制輝軍が所有するガードロボットのメンテナンスと強化を行っている。ビームライフルよりもロケットパンチ派。年下に甘える主人公に呆れていながらも、教育ママ的な優しさを見せることが多々ある。


銀城美咲ぎんじょう みさき

・制輝軍に協力している、ちょっとえっちなおねーさん。元々は輝石使いの犯罪者や、輝石に関わる事件を起こした犯罪者たちを収容する施設・特区とっくで看守長を務めていた。制輝軍の活動をよくサボっているが、それでも実力はトップクラス。スポンジのように吸収する純真無垢なノエルとクロノに偏った知識を与えては、アリスに注意されている。


リクト・フォルトゥス

・癖のある柔らかそうな栗色の髪の少女と見紛うほど可憐な少年、というか、最早少女なのではないかと思われる。教皇庁トップである教皇の息子であり、自身も教皇である母と同様、輝石以上の力を持つ煌石こうせきを扱える資格を持ち、次期教皇最有力候補とされているほど高い資質を持っている。全キャラクターの中で一番女子力が高く、母性レベルもMAXで主人公からは『男母おかあさん』と呼ばれている。


久住優輝くすみ ゆうき

・セラとティアの幼馴染である、少し幼さが残る顔立ちをしている白髪交じりの頭の青年。父は伝説の聖輝士せいきしと呼ばれている人物であるが、関係はあまり良好ではない。しかし、父に憧れている自分もいるため、矛盾した思いを抱えて素直になれないでいる。異性の気配をまったく感じさせなければ、本人たちも気にしている様子のないティアと、妹分のセラを心配している。


水月沙菜みづき さな

・三つ編みおさげの眼鏡をかけた地味目な、しかし、よく見れば整った顔立ちをしている女性。奥手な性格ながらも優輝との関係は良好であり、清い関係を続けている。父子関係がよろしくない優輝を心配している。全キャラクターの中でもトップのスタイルの良さ。


プリメイラ・ルーベリア

・リクトと同じく次期教皇最有力候補の世間知らずなお嬢様。しかし、カリスマ性は高く、発言力があり、人をしっかり導く力を持っている。リクトのことに淡い感情を抱いているのだが、当の本人は主人公にご執心であるために、よく主人公に嫉妬して厳しい態度を取っている。しかし、何だかんだ言って主人公をよく甘やかしている。


エレナ・フォルトゥス

・リクトの母であり、教皇庁トップの神秘的な雰囲気を放ち、感情をいっさい表に出すことはしないが――実際は天然ボケのナチュラルサディスト。輝石を生み出す力を持つ煌石・ティアストーンの力を扱うのに誰よりも高い力を持っている。教皇として多忙な日々を過ごしているが、それ以外はしっかりとリクトの母を務めている。最近ますますたおやかになった息子に、ハァハァしている。


アリシア・ルーベリア

・プリムの母であり、色々あって教皇庁幹部の枢機卿から、鳳グループ幹部になってしまった妖艶な雰囲気を放つ女性。娘には劣るが、それでも煌石を扱う高い資質を持っており、かつてはエレナとともに次期教皇の座を最後まで争っていた。わがまま放題だが、それなりの常識は持っているとともに統率力もエレナ並にある。鬱陶しく思いつつも娘にはそれなりに期待している節を見せており、リクトに対しては生まれた時から知っているためそれなりに気にかけて、女性らしくなっている彼にハァハァしている。


鳳大悟おおとり だいご

・鳳グループのトップであり、麗華の父親。上に立つ者としていっさいの私情を排して客観的かつ的確な意見を述べている。エレナとは長い付き合いであり、苦楽を共にして強い信頼で結ばれた友人関係。麗華の母とは、政略結婚させられた関係であるが、最終的に大悟の方が妻の気風の良さに惚れ込み、最終的には自分からプロポーズしたという情熱的な一面もある。若い時は結構ヤンチャしていたらしい。


刈谷祥かりや しょう

・派手なほど金に染めた髪をオールバックにして、待ち合わせ場所にできるほど奇抜を遥かに通り越しているファッションセンスの持ち主の青年。主人公の兄貴分であり、友人。かつて存在していた輝士団きしだんとともにアカデミーを守っていた輝動隊きどうたいで『狂犬』と恐れられていた人物。数多くの事件を解決して活躍してきたのだが――モテない。最近、決戦を前にして盛大にフラれてしまった。


大道共慈だいどう きょうじ

・かつてのアカデミーの治安を機動隊とともに守っていた輝士団に所属していた精悍な顔つきの坊主頭の青年。性格がまったく違う刈谷とは長い付き合いで友人関係。モテない刈谷とは違い、清廉潔白な性格のために非常に女性に人気がある。しかし、幼馴染の許嫁がいる。許嫁とは近日中に祝言を行うつもりである。それまでは清い関係を続けており、いまだにチューをしたことはない。


ヴィクター・オズワルド

・アカデミー都市内のセキュリティを構築し、戦闘用ガードロボットを開発し、輝石使いたちにもダメージを与えられる非殺傷型の武器・ショックガンを開発した自他ともに認める天才マッドサイエンティスト。アリスの父親であり、娘を溺愛している。妻との関係は良好であり、年がら年中ラブラブしている。それに辟易して、娘は家を離れてしまった。


御柴克也みしば かつや

・巴の父であり、鳳グループトップの秘書を務めている、大悟と同い年とは思えないほど若々しい外見の人物。作中一番の苦労人であり、連日続いた事件の後始末をすべて行うとともに、大悟とエレナの無理難題を何とか現実させようと奔走している。理想を求めるために家族を犠牲にしてきたが、妻との関係は良好。しかし、娘との関係はあまり良好ではない。しかし、娘のことは誰よりも大切に思っており、昔娘からもらったお守り袋を今でも大切に持っている。男の気配がまったくない娘を心配しながらも、男ができたら徹底的に『話し合い』をするつもりでいる。


萌乃薫もえの かおる

・アカデミーの校医を務めるとともに、鳳グループ幹部を務めているスレンダーな美女――ではなく、美男子。今は主人公の主治医を務め、彼の身体に異常がないかヴィクターとともに毎日身体の隅々まで、満遍なくチェックしている。昔のヤンチャをしていた頃の克也に惚れ込んでいる。輝動隊の初代隊長であり、輝石使いの実力もかなり高く、当時の彼を知る人物――特に刈谷は畏怖の念を抱いている。


ドレイク・デュール

・サラサの父であり、麗華のボディガード兼使用人を務める、スキンヘッドの屈強な体格の大男。仕事柄感情を表に出すことはしないが、愛娘のことになると饒舌になる。髪は剃っているだけであり、剃らなければふさふさ頭。娘がいる克也とは仲が良く、よく一緒に行動している。


ジェリコ・サーペンス

・アリシアに心酔している、彼女のボディガードを務めている爬虫類を思わせる顔立ちの男。物事の流れを読む力に長けており、状況把握を瞬時にできる。ドレイクとはかつての同僚で先輩後輩関係だった。今でこそ立場は異なるが、ドレイクのことを今でも尊敬している。ドレイク、克也に飲みに誘われることが多く、愚痴を聞かされることが多い。


貴原康たかはら こう

・主人公のクラスメイトである、嫌味なほど整った顔立ちの少年。自分が下に見た人間を徹底的に見下す嫌な性格をしているが、一本筋が通った性格をしている。セラに憧れているとともに恋慕しており、何度もアタックしているがその都度玉砕している。最近、セラと主人公の間から何かを感じ取り、焦りと嫉妬心を抱いているとともに、どこかスッキリとした感情を抱いている。数少ない三人の友人がいる。その三人から毎日のようにからかわれ、怒っているが、貴原にとって日常の一部となってしまっている。


久住宗仁くすみ そうじん

・優輝の父であり、教皇庁に認められた輝石使いである輝士の中でも、実力と実績が認められた輝士にしかなれない『聖輝士』の称号が与えられている人物。聖輝士として数多くの事件を解決し、教皇庁の危機を救ってきたので伝説の聖輝士と呼ばれて周囲からの尊敬を集めており、宗仁の名前を知らない輝石使いはいない。セラ、ティア、優輝は幼い頃に彼の下で厳しい修行を受けていた。その修行の厳しさのあまり、三人からは若干恨まれている。


ヘルメス

・ノエルとクロノを生み出した父であるとともに、本人もイミテーション。過去にアカデミー都市内で多くの事件を引き起こし、混乱を招いていたが今は共通した目的のためにアカデミーに協力している。目的達成のためならば自分の命をかける覚悟をしている。意外に綺麗好きであるとともに、料理が得意。


ファントム

・三度アカデミー都市内で事件を引き起こし、大勢の実力者たちを倒してきた実力から『死神』と呼ばれた人物であり、イミテーション。セラ、優輝、ティアの仇敵であり、ファントムも何度も自分の前に立ちはだかってきた三人に恨みを抱いている。自分の望みの姿に慣れなかったが、唯一無二の自分の姿を得て満足しており、かつてのような自分の存在を周囲に刻み付けようとする狂気染みた執着心は失われてしまっている。


アルトマン・リートレイド

・すべての黒幕

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る