非日常回帰編

あらすじ

 半年前の事件以降、大きな騒動もなく平和になったアカデミー都市で、いつもと変わらぬ日常を過ごしていたセラ・ヴァイスハルト。


 アカデミー都市の中央に建っていた、アカデミーを運営する組織、教皇庁本部と鳳グループ本社の解体が終わり、新年度が控える中――


 アカデミー上層部は一般社会にも輝石きせき煌石こうせきの理解を深めさせるために、教皇庁と鳳グループが保有していた煌石を一般公開することに決めた。


 しかし、その決定には色々と裏があり――


 平和な日常が脆くも崩れ去ることになり、セラは仲間たちとともに迫る困難へと立ち向かうことになる。


〇登場人物

セラ・ヴァイスハルト

・アカデミーの治安を維持する風紀委員に所属している、ショート―ヘアーの凛々しい外見の少女。外見だけではなく、誰にでも分け隔てなく接する優しい性格と、輝石使いとして高い実力を持っているため、異性同性年齢問わず人気がある。大学部進学が間近に迫り、将来について考えはじめている。


鳳麗華おおとり れいか

・癖で一部の髪がロールしている、美しく煌く金糸の髪を伸ばした、上品というよりも胡散臭い雰囲気がする美少女。風紀委員を設立した張本人であり、アカデミーを教皇庁とともに運営する鳳グループトップの娘。笑い声がうるさく、傲岸不遜な性格のため友人は少ない。最近ラーメンに凝っている。


伊波大和いなみ やまと

・中性的な外見の麗華の幼馴染。軽薄な笑みを常に浮かべており、他人、特に幼馴染の麗華をからかうことが趣味。そのために麗華と同じく友人は少ない。攻めは得意だが、受け手に回ると途端に逆転してしまう。


ティアリナ・フリューゲル

・セラの幼馴染である、銀色の髪をセミロングに伸ばしたクールビューティ―。幼い頃から自己鍛錬をしてきたため、輝石使いの実力はアカデミーでも、世界でもトップクラスなのだが、そのせいで恋愛事には無頓着。そのため、両親に将来のことを不安視されている。


久住優輝くすみ ゆうき

・セラ、ティアの幼馴染である、精悍だが、少し幼さが残る顔立ちをしている青年。恋愛事に関してまだ奥手だが、最近同棲をはじめたという話がある。しかし、本人曰く至って健全で清い関係であるとのこと。


リクト・フォルトゥス

・癖のある栗色の髪の、華奢な体躯で少女と見紛うほど可憐な外見の少年。教皇庁トップである教皇が母であり、自身も輝石を生み出す煌石・ティアストーンの力を扱うことができる次期教皇最有力候補。その可憐な外見は異性だけではなく、同性をも魅了してしまっている。


白葉しろばノエル

・風紀委員とともにアカデミーの治安を守っている制輝軍せいきぐんを束ねていた、短めの白髪の髪を赤いリボンで結い上げた無表情の少女。感情の起伏が乏しかったが、だいぶ感情を見せるようになり、周囲から得られる偏った知識を純粋に吸収している。半年前の事件で父が亡くなったと判断されているが、一人だけ淡い期待を抱いている。


白葉クロノ

・ノエルの弟。姉と顔立ちも雰囲気もそっくりであり、友人であるリクトと同じく少女と見紛うほどの可憐な外見のため、異性同性問わずに人気が高い。半年前に亡くなったとされている父については、姉とは対照的に生存を期待していない。


アリス・オズワルド

・ノエルが去った後の制輝軍を束ねている、プラチナブロンドの髪をショートボブにした、人形のように可憐だが、冷たい雰囲気を纏っている少女。常識人であり、苦労人でもあるが、感情表現が僅かに豊かになったノエルを見て、ハァハァすることがたまにある。


銀城美咲ぎんじょう みさき

・制輝軍の協力者である、ボサボサだが艶のあるロングヘア―の、ちょっとエッチなおねーさん。ノエルやクロノに偏った知識を与えている張本人であり、その都度アリスに注意されている。


サラサ・デュール

・中等部でありながらも、風紀委員に所属して活躍している褐色肌の少女。鋭い目つきと強面のせいで誤解されがちだが、心優しく、母性的な性格の少女。奥手な自分のことを十分に理解しており、そんな自分を変えようと努力している。


水月沙菜みづき さな

・三つ編みおさげの地味目な、しかし、よく見れば整った顔立ちをしている少女。優輝とは清い関係を続けているが、最近になって暮らしている寮の近所ではじまった工事の騒音がうるさいため、優輝が暮らしている寮の部屋で寝泊まりをして半同棲生活を送っている。一応、まだ清く、正しい関係である。


御柴巴みしば ともえ

・麗華と大和の幼馴染であり、艶のある長い黒髪を後ろ手に結った大人びた、それでいて上品な美女。引き締まった体格の割には健啖家であり、最近忙しいために食べる量が増えてしまっているが、その分動いているので体重の変化は特にない――本人曰く。


プリメイラ・ルーベリア

・リクトと同じ煌石を扱う高い資質を持つ、次期教皇最有力候補の髪をツインテールに結った明朗快活な少女。麗華以上にわがままな性格で、世間知らずだが、言いたいことはしっかりと言って、統率力もある。かつて自分を救ってくれたリクトに淡い想いを抱いているが、その想いにまったく気づかれていない。


エレナ・フォルトゥス

・リクトの母であり、教皇庁トップの栗色のロングヘア―を三つ編みにした、年齢不詳な外見で、神秘的な雰囲気を身に纏う女性。煌石一般公開の件に関して、誰よりも積極的で、推し進めている。トップとして常に私情を排して厳しい態度を取っているが――実は、会議中に居眠りしたり、サボっていたりする。


鳳大悟おおとり だいご

・麗華の父であり、鳳グループのトップ。煌石一般公開の件に関して、メリットはあると思っているが、慎重な考えを示している。実年齢よりも老けたように見られるが、後ろ手に撫でつけた髪を下すとかなり若い外見になる。


御柴克也みしば かつや

・巴の父親であり、大悟の秘書を務める苦労人。最近世間で出回っている今まで公開したことのない、煌石が一般公開されるという噂で騒いでいる世間の対応に追われている。トップ二人の無茶な要求に応えるために奔走している屈指の苦労人。


萌乃薫もえの かおる

・アカデミーの校医を務め、鳳グループの幹部も兼任している妖艶な美女――ではなく、美男子。煌石一般公開の噂が出回って騒ぐ世間の裏で暗躍している組織を独自の情報網を使って調査している。美容にかなり気を遣っており、怪しげな美容グッズも集めている。


ヴィクター・オズワルド

・アカデミー都市のセキュリティを構築するとともに、アカデミー都市内を徘徊する警備用ガードロボットや、非殺傷武器で今や世界中の警察機構に採用されているショックガンなど、様々なものを発明した自他ともに認める天才であり、アリスの父。娘との仲が前よりも良好になり、昔のように一緒にお風呂に入ってくれないかと思っている。


アリシア・ルーベリア

・プリムの母親であり、元々は教皇庁の幹部である枢機卿だったが、色々あって鳳グループ幹部となった妖艶な美女。エレナとは長い付き合いの腐れ縁で、お互い言いたいことをはっきり言える仲。萌乃と同じく、独自の情報網を使って色々と調査中。いい歳したツンデレ。


大道共慈だいどう きょうじ

・坊主頭の屈強な体格の青年。許嫁との関係も良好であり、相変わらず清い関係を続けているが、優輝と沙菜が同棲しているという話を聞いて、少し羨むとともに自分も一歩踏み出さなければならないと思いはじめている。


刈谷祥かりや しょう

・趣味が悪いというよりも、最早変態と思えるような風貌の青年であり、かつては『狂犬』と呼ばれて恐れられていた。以外にも性格が正反対な大道とは友人関係である。最近、気になっている女性に即アタックして、轟沈した。爆裂純情チェリーボーイ。


貴原康たかはら こう

・セラの同級生である嫌味なほど整った顔立ちをした少年。セラに憧れを抱いているが、自分よりも下と見た人間をとことん見下している性格をしているためセラには嫌われている。しかし、めげずにセラにアタックし続けている。バレンタインデーが近いこともあり、セラに猛烈にアピールを続けているが、空振りしている。


ドレイク・デュール

・サラサの父であり、麗華の使用人兼ボディガードであるスキンヘッドの大男。娘以上に強面で寡黙だが、娘のことになると饒舌になる親バカ。最近、娘が昔と比べて大人びて、ベタベタしてこなくなったことを嬉しく思うとともに、寂しく思っている。


ジェリコ・サーペンス

・アリシアのボディガードを務めている、長身の細面の男。我が道を突き進むアリシアの考え方に同調して心酔しており、彼女の命令にしか従わない。ドレイクとは元同僚の関係であり、彼を尊敬している。いい年して独身であるため、お節介にもドレイクとアリシアに心配されて見合い相手を用意されているのが最近の悩み。


アルトマン・リートレイド

・輝石やと煌石研究の第一人者であり、ヴィクターの学問の師匠。伝説の煌石である賢者の石を求めていたが、賢者の石が教皇庁が作り出したおとぎ話であることを知って暴走。半年前の事件で大勢の人間を巻き込んで自爆しようとするが失敗し、生死不明となる。半年間に渡る捜索の結果、生きてはいないと判断されている。


久住宗仁くすみ そうじん

・久住優輝の父親であり、教皇庁に認められた輝石使いである輝士きしの中でも、実力と実績が認められたものにしか与えられない聖輝士の称号を持つ。数々の事件を解決して世界を救ってきた伝説の聖輝士せいきしであり、世界中の輝石使いたちから尊敬されている。現在は山奥に暮らして隠居している。

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