日常回帰編

あらすじ

 爆発、襲撃、破壊――これらの事件が一週間の内にアカデミー都市内で多発し、実行犯はすべてアルトマン・リートレイドだった。


 アカデミー都市内にいる全戦力を使ってアルトマンを捕らえようとするが、アルトマンは捕まらず、周囲を挑発するように事件を繰り返し発生させていた。


 アカデミーからも、世界からも狙われているアルトマンを捕らえるために、大勢の人間が躍起になっている中――かつて、アルトマンの協力者であり、父と慕っていた白葉しろばノエルが行方不明になる。


 何も言わずに突然消えたノエルに疑いの目が向けられる中、七瀬幸太郎ななせ こうたろうは彼女を信じ、行方を捜すことになる。


 ――そして、最後の戦いがはじまる。


〇登場人物

七瀬幸太郎

・主人公。資格がある者に力を与える輝石きせきを扱える資質を持ちながらも、輝石を武輝ぶきに変化させることのできない落ちこぼれ。アカデミー都市の治安を守る風紀委員に所属している。


白葉ノエル

・風紀委員とともにアカデミー都市内の治安を守っている制輝軍せいきぐんを束ねていた、短めの白髪の髪を赤いリボンで結い上げた少女。常に感情を感じさせない無表情の少女であり、私情に流されることは滅多にないが、父と慕っていたアルトマンを探すために、独自に行動をはじめる。


白葉クロノ

・ノエルの弟。姉と顔立ちも雰囲気もそっくりで不愛想だが、姉よりも少しだけ感情的で、人間味がある。そして、意外にも甘やかし上手。


セラ・ヴァイスハルト

・幸太郎の同級生であり、彼と同じく風紀委員に所属しているショートヘアーの凛々しい少女。耳たぶに触られるのが弱点。


鳳麗華おおとり れいか

・煌く金髪の一部が癖でロールしている、ロングヘア―の美少女。風紀委員を設立した張本人であり、アカデミーを運営する鳳グループトップの娘。腋とうなじが弱点。


伊波大和いなみ やまと

・麗華の幼馴染。麗華や周囲の人間をからかうのが趣味だが、くすぐられると立場が逆転してしまう。


ティアリナ・フリューゲル

・セラの幼馴染である、銀髪の髪をセミロングに伸ばした美女。臨時として主人公のクラスの担任を務めている。


ヴィクター・オズワルド

・アカデミー都市内のセキュリティシステムや、都市内を徘徊するガードロボットを設計した自他ともに認める天才。幸太郎の持つ力について調査している途中に襲撃され、生死の境を彷徨う重傷を負い、現在も意識不明。


萌乃薫もえの かおる

・鳳グループ幹部とアカデミーの校医を兼任している美女――ではなく、美青年。ヴィクターとともに幸太郎の力について調査していたが、襲撃され、彼と同じく重傷を負い、現在も意識不明。


御柴巴みしば ともえ

・麗華と大和の幼馴染であり、ティアと同級生の長い髪を後ろ手に結った大人びた美女で、カリスマ性も高いのだが、ちょっとエッチな本や小説などで得た知識で常日頃から妄想を繰り広げている初心な性格の持ち主。


リクト・フォルトゥス

・教皇庁トップである教皇の息子であり、煌石こうせきと呼ばれる輝石以上の力を持つ石を扱える高い資質を持った次期教皇最有力候補。少女と見紛うほどの外見であり、男母さんと呼べるほどの女子力の持ち主。


プリメイラ・ルーベリア

・リクトと同じく次期教皇最有力候補のツインテールの少女。明朗快活で言いたいことは正直に言う世間知らずのわがまま少女だが、それなりに頭が切れ、先のことを見通す力もある。年齢的にはまだ初等部の少女だが、中等部までの勉強はしていて頭が良く、女子力はないが母性レベルは高し。


サラサ・デュール

・中等部にいながらも、風紀委員に所属している褐色肌の少女。目つきと顔つきが悪く、寡黙なせいで誤解されがちだが、人見知りなだけであって、性格はいたって温厚で心優しい少女。最近心身ともに大人っぽくなり、幸太郎を母のように甘やかす。


アリス・オズワルド

・制輝軍を去ったノエルに代わって制輝軍を束ねているプラチナブロンドの髪をショートボブにした人形のような可憐な外見の少女なのだが、冷めた態度と毒舌でそれを台無しにしている。父であるヴィクターとは仲が悪いが、父が襲われた一件でだいぶ頭に血が上っている。


銀城美咲ぎんじょう みさき

・制輝軍の協力者であり、アリスのフォローをする、ボサボサでありながらも艶のある髪をロングヘア―に伸ばした、ちょっとエッチなおねーさん。適当なことを言って、仕事もサボることも多いが、輝石使いとしての実力はアカデミー都市内でトップクラス。


久住優輝くすみ ゆうき

・セラとティアの幼馴染。朴念仁だったが、最近ようやく女心というものを理解してきて、ワンステップ踏み出そうと思っている。


大道共慈だいどう きょうじ

・坊主頭の長身の青年。許嫁がいて、そろそろ祝言を挙げようとしている。正式な夫婦になるまでは清いお付き合いを続けている。


水月沙菜みづき さな

・三つ編みおさげの眼鏡をかけた地味目な少女なのだが、よく見れば整った顔立ちをしている美少女。優輝に恋心を抱いており、今ではお互いに意識しあっている。そんな優輝もようやく彼女の気持ちを理解することができて、お互いにワンステップ踏み出そうと思っている。


刈谷祥かりや しょう

・派手を通り越して奇抜な髪型とファッションの青年であり、幸太郎の良き兄貴分。『狂犬』と呼ばれているほど凶悪で実力の高い輝石使いであり、悪知恵も働いて卑怯な戦法も得意。性格が真逆だが大道とは親友同士。しかし、彼と違って女性関係には恵まれず、彼女いない歴=年齢。


ドレイク・デュール

・麗華のボディガード兼使用人を務め、サラサの父親であるスキンヘッドの大男。強面で寡黙だが、娘のことになると饒舌になる。最近、娘がちょっと大人っぽくなったことに嬉しく思いつつも、寂しさを感じている模様。


鳳大悟おおとり だいご

・アカデミーを教皇庁とともに運営する鳳グループのトップ。常に冷静沈着で感情を表に出すことはなく、私情に流されない。最近、花嫁修業をしている麗華と大和が作ってくれる手料理のせいで胃腸の調子がよくない。


エレナ・フォルトゥス

・教皇庁トップの教皇であり、輝石を生み出す煌石・ティアストーンの力を扱うのに長けた煌石使い。神秘的でミステリアスな雰囲気を身に纏い、トップとして辣腕を振るっているが、実は天然ボケ気味であり、家庭的で料理が上手い。


御柴克也みしば かつや

・大悟の秘書兼鳳グループ幹部。立場的に厄介事と面倒事を任されることが多くて苦労人だったが、鳳グループと教皇庁が協力関係を築いたことによって更に仕事が増えてしまって苦労する羽目になってしまった。家庭よりも仕事を優先してきたため、娘の巴には嫌われているが、妻との仲はかなり良好。若々しい外見をしているが、最近苦労し過ぎてストレスをため込んでいるため、白髪が少し増えた髪の将来を不安視している。


アリシア・ルーベリア

・元教皇庁幹部の枢機卿だったが、色々あって鳳グループの幹部として働いている。娘のプリム以上に我が道を突き進むタイプであり、アカデミーのトップであるエレナと大悟の立場を虎視眈々と狙っている油断のならない美女。しかし、大悟とエレナが築いたアカデミーの現状を悔しいながらも認めている。


貴原康たかはら こう

・幸太郎たちの同級生。嫌味なほど整った顔立ちをしているが、自分よりも下に見た相手をとことん見下す高慢な性格の持ち主。セラに憧れて、言い寄っているがその性格が災いして本人からは嫌われている。しかし、性格が悪いながらも気高い信念を持っており、その点だけはセラに認められている。


ジェリコ・サーペンス

・アリシアのボディガード。我が道を突き進むアリシアの行動力と考えに心酔している。物事の流れを読む力に長けており、その力で状況を的確に見抜いているためアリシアは重宝している。ドレイクとは元同僚で、尊敬している。


アルトマン・リートレイド

・輝石や煌石研究の第一人者であり、生命を操るとされている賢者の石の力を持っている。アカデミーで発生した事件の裏で暗躍していたが、今になって表立って激しく動いて事件を起こしている。ヴィクターと萌乃を襲った犯人と断定されている。


久住宗仁くすみ そうじん

・久住優輝の父親であり、伝説の聖輝士と呼ばれた人物、そして、セラ、ティア、優輝の師匠。アルトマンとは同門の師であり、友人関係だった。

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