春休みのはじまり編

あらすじ

 アカデミーを運営する組織・教皇庁きょうこうちょうのトップである教皇エレナ・フォルトゥスの誘拐事件が解決して一週間が経過する頃――


 教皇庁はともにアカデミーを運営するおおとりグループとの関係が今までにないほど悪化していた。


 そんな中、最近アカデミー都市内で発生している事件で暗躍している仮面の男・ヘルメスが動きはじめる。


 ヘルメスに対抗するため、人手が足りない制輝軍せいきぐんに頼まれた風紀委員が協力することになるが――


〇登場人物


七瀬幸太郎ななせ こうたろう

・主人公。輝石きせきを扱える資格を持ちながらも、輝石を武輝ぶきに変化させることのできないアカデミー設立以来の落ちこぼれ。アカデミー都市を守る風紀委員に所属しているが、大して役に立ってない。


セラ・ヴァイスハルト

・主人公の同級生であり、風紀委員に所属しているショートヘアーの凛々しい少女。輝石使いとしてアカデミー都市でもトップクラスの実力を持ち、凛々しい容姿と誰にでも優しい性格で男女年齢問わずに人気がある。同年代と比べてかなり大人びているが、実は負けず嫌いで意地っ張りな性格で、子供っぽいところがある。


鳳麗華おおとり れいか

・主人公の同級生であり、風紀委員を設立した張本人の、一部の髪が癖でロールしている金髪ロングヘアーの少女。鳳グループトップの娘であり、お嬢様。見た目だけならお嬢様であり、スタイルも顔立ちも美しいので美少女なのだが、所構わず機嫌がよくなると高笑いをする癖があるせいでその美貌をすべて台無しにしている。


白葉しろばノエル

・アカデミー都市内を駐屯している国から派遣された輝石使いのみで構成された組織・制輝軍を率いている短めの白髪の髪を赤いリボンで束ねたミステリアスで冷たい雰囲気を身に纏う少女。一週間前の事件で対応が悪かった制輝軍の責任を受け、現在謹慎処分中。私情を排して与えられた任務を最優先に考え、忠実に遂行する機会のような性格をしている。セラとあまり仲がよろしくない。


白葉クロノ

・ノエルの一つ年下の弟である、性別以外ノエルと変わらぬ容姿の少年。姉と同じく与えられた任務を迷わずに遂行するはずだったが、一週間前の事件で自分に与えられた任務を放棄する。その結果、姉と交戦してしまい、負傷する。一週間経過した現在でも、姉との戦いで追った怪我が原因で意識不明のまま。


リクト・フォルトゥス

・教皇庁トップの息子であるが、少女と見紛うほどの外見の持ち主。煌石こうせきと呼ばれる輝石以上の力を持ち、輝石を生み出す力を持つ『ティアストーン』を操れる力を持つ、次期教皇最有力候補の一人。クロノと友人であり、主人公には憧れ以上の感情を抱いている。


伊波大和いなみ やまと

・中性的で美しい外見の麗華の幼馴染。現在は風紀委員に協力しているが、かつてアカデミー都市を守るために存在していた輝動隊きどうたいの隊長を務めていた。麗華などをからかうのが趣味。


ティアリナ・フリューゲル

・セラの幼馴染である銀髪セミロングヘアーのクールな美女。自他ともに厳しい性格をしており、輝石の力を扱えない幸太郎のために訓練を行っている。常に冷静沈着な性格をしているが、かなりの負けず嫌い。そして、プロテインが好き。


久住優輝くすみ ゆうき

・セラ、ティアの幼馴染である、整いながらも少し幼さの残る顔立ちの青年。数年前の事件が原因で思うように身体を動かせなかったが、周囲の支えがあってようやく本調子に戻る。


御柴巴みしば ともえ

・麗華と大和の幼馴染であり、鳳グループトップの秘書を務めている父を持つ、長い髪を後ろ手に束ねた落ち着いた雰囲気を身に纏う美女。ティアと同級生であり、友人の間柄。怒ると怖く、初心なため性的な話になると気になりつつも一気に恥ずかしがって何もできなくなってしまう。


サラサ・デュール

・アカデミー中等部一年でありながらも輝石使いの実力が高く、風紀委員に所属している赤茶色のセミロングヘアーの、褐色肌の強面の少女。麗華の使用人兼ボディガードを務めている父がいる。口下手で無口だが、心優しく、母性的な性格をしている。


アリス・オズワルド

・制輝軍に所属している、プラチナブロンドの髪をショートボブヘアーにした、人形のように可憐でありながらも冷めた雰囲気を身に纏う少女。アカデミー都市内で自他ともに『天才』と認められている父を持つ。父とは長年関係が悪かったが、ほんの少しだけ改善している。ヘルメスを捕えるために風紀委員に協力を求めた。


銀城美咲ぎんじょう みさき

・輝石使いの犯罪者や輝石に関わる事件を起こした罪人を収容する特区と呼ばれる施設で看守長を務めていたが、制輝軍の協力者となったボサボサでありながらも艶のあるロングヘアーの美女。実は良いところのお嬢様。


プルメイラ・ルーベリア

・リクトと同じく次期教皇最有力候補の世間知らずのわがまま娘。一週間前の事件でアカデミー都市から追放された母とともに、アカデミー都市から離れようとしたところで襲撃される。寸でのところで鳳グループの人間に助け出され、現在鳳グループが保護している。


アリシア・ルーベリア

・プリムの母親であり、教皇庁上層部である枢機卿を務めていた妖艶な女性。一週間前に教皇誘拐事件を引き起こした人物であったが、失敗。アカデミー都市から追放されたのち、永久追放される処分が決まった。しかし、アカデミー都市から離れる際に襲撃され、現在娘とともに鳳グループに保護されている。


鳳大悟おおとり だいご

・麗華の父であり、鳳グループの社長を務めている。上に立つ者としていっさいの市場を排しているが、娘と大和には少しだけ甘い。秘密主義者であり、周囲にはもちろん娘にも隠している秘密が多くある。


御柴克也みしば かつや

・大悟の秘書を務めている、大悟と同い年でありながらも、娘の巴と年が変わらないように見える若々しい外見の男。秘密の多い大悟に不信を感じながらも、彼に信じてついてきている。


萌乃薫もえの かおる

・鳳グループ上層部であり、アカデミーで行為を務めている妖艶な雰囲気な女性――ではなく、女性と見紛うほどの美しい外見の男性。大和の前に輝動隊隊長を務めていた人物であり、辣腕を振っていた。


ヴィクター・オズワルド

・アリスの父であり、アカデミー都市内のセキュリティを構築した一人である自他ともに認める天才。興奮すると麗華と同じく高笑いをする癖があり、登場する際に変なポーズを決める。


エレナ・フォルトゥス

・リクトの母であり、教皇庁トップである教皇を務めている年齢不詳で神秘的な雰囲気を身に纏う栗毛の髪をロングヘアーにした美女。ティアストーンを扱う力に長けており、その力は周囲の輝石を触れずとも反応させるほどの力を持っている。力と美貌と統率力に、教皇庁の人間はもちろん、それ以外の人にも尊敬の念を集める偉大な人。教皇として感情を排しているが、実は結構抜けていて、天然な性格。


ヘルメス

・最近アカデミーで発生している事件の裏にいる仮面をつけた謎の男。伝説の煌石・『賢者の石』を手に入れることを目的している。


アルバート・ブライト

・ヘルメスの協力者であり、ヴィクターと同じく天才と評されていた人物。輝石で動く輝械人形と呼ばれる、煌石を扱える人間を部品として扱って動かすガードロボットをヴィクターとともに開発して、自分一人で完成させた。ヴィクターとは古い付き合いであり、同じ人物を師として崇めていた。一週間前の事件でアリスに捕えられ、現在は特区に収容されている。


ファントム

・六年前にアカデミーで実力のある輝石使いを襲った事件の犯人であり、『死神』と呼ばれた男。優輝と同じ顔をしていて、長年優輝に成りすまして、かつての治安維持部隊である輝士団きしだんと呼ばれる組織を束ね、アカデミー最高戦力と評されていた人物。セラたちの活躍によって二年前に倒され、その身は砕けたガラスのようになって消滅した。ヘルメスとつながりがある。

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