エピローグ
時刻は日が沈みきり、闇が支配する夜――
人気がない場所にティアリナ・フリューゲルは立っていた――血走った眼をして、自身の武輝である大剣を手にして。
そして、目の前にいる人物――武輝である刀を握って顔を俯かせている久住優輝を睨んだ。
「お前さえ……お前さえいなければ……」
幼馴染である優輝に向かって、ティアはドスの利いた低い声で怨嗟の言葉を吐き捨てる。
優輝は何も言わずにティアの言葉を受け止め、身を震わせながら武輝である刀を握り締める。
ティアは輝動隊の証である黒いジャケットを脱ぎ捨て、アスファルトの地面にヒビが入るほど力強い一歩を踏み込む。
両手で持った大剣を振りかぶりながらティアは優輝との間合いを一気に詰める。
優輝は身を震わせ、顔を俯かせたまま微動だにすることはなかった。
優輝は自身に迫るティアに、いっさいの抵抗をする様子はない。
ただ、懺悔するように顔を俯かせているだけだった。
優輝の命を奪うつもりで、ティアは自身の武輝を振り下ろす――
幼馴染に向かって、いっさいの躊躇いなく。
武輝を振り下ろしたティアの表情は、殺意と憎悪に満ち溢れていた。
――――つづく――――
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