三話 異世界サバイバル
ん? 冷たい……顔に何か当たってる。
「水滴?」
俺は頬を触り、目を開けた。
「げっ、真っ暗闇だ……」
さっき、『はい』を選択したはず。
異世界へ転生したのか?
と言うか、ここ何処だよ。
真っ暗すぎて……洞窟だろうか?
寝ながら体を触るが……どこも痛くない、生地から服と分かる。
前と同じなら、胸にクソ食らえとプリントされたダサいTシャツだと思う。
体と服は無事だ。少しほっとする。
とりあえず起きるか。
地面に手をつけて立ち上がった。
真っ暗の視界は変わらない。
白い世界の後は暗い世界とか、いったいどうなってるんだ、まったく……。
とりあえず、確認だ。
暗闇に手を伸ばしてみた。先には空間があるようだ。
恐る恐る、足も出してみる。
暗闇の前方を藁でも掴むかのように手を動かしながら、慎重に足を前へと進めた。
そして、少し前に進むと横に動かしていた左手に何かがぶつかった。
――指先からひんやりした岩の感触。
左の掌で、点字を触るように表面を触っていく。
岩壁のようだ。ここ、意外に狭い洞窟か?
左手で壁を伝いながら前へと歩く。
……暗すぎて怖い。
けど、この左手に感じる冷たい感触は本物の岩壁だ。
冷たいけど、ありがたいと思うほどだった。
慎重に暗闇の中を歩んでゆく。
左にある壁を頼りに、徐々にその左の壁に体重をかけていると、
「――あっ」
思わず、ぬけた声を発して姿勢を崩す。
左の壁が無くなって、左手が宙を舞い、転んでしまった。
こう暗いとどうしようもない。
膝に手を付きながらゆっくりと立ち上がる。
壁の支えがなくなると不安だ。
「何でもいい。とりあえず、前に進むしかない……」
暗闇の世界を誤魔化すように呟く。
前へ前へと足を進めた。
数歩暗闇を進んだとき、今度は急に体が沈む――。
「えっ!?」
さらに気が抜けた声を発しながら、一気に下へ転がり落ちた。
――柔らかい。土か……。
転がった先は湿った土の地面のようで柔らかかった。
どうやら急勾配の坂道だったようだ。
「崖だったらどうなっていたか」
今回は膝を少し擦っただけで済んだけど。
今後は気を付けよう。
柔らかい地面から立ち上がり、暗闇に目を向けた。
お、光?
上の方に、不思議な光が見えていた。
暗闇に浮かぶ淡い光。
小さく点々と光る物が頭上に広がっていた。
思わず息を飲む。
「……光だ」
淡い光は横壁にもあったので、光に近付いていく。
ぼんやりとした淡い光。
これ、苔か? 岩についた湿った苔と茸が光っているのか。
触ってみよ。
指先で――ちょいっと引っ掻ける。指先が苔で光った。
苔はネバネバして、腐った生物のような臭いがする。
臭っ、腐ったキャベツかよ?
どうやら、何かの粘菌系の生物らしい……。
光を発する苔に茸か。ナショジオやTVで見たことがある。
不思議な光だ。
一つ一つは小さな光苔の点に過ぎないけど……その小さな光が無数に集まり光源を作り出している。
暗闇の洞窟の天井に小さい点が群れて散らばり、星空のように輝いていた。
星空が近い、浮いているように感じる。
目が慣れてくると、朧気に洞窟の全体像が分かってきた。
窪みがあり、凹凸激しい歪な形をしている。
奥の方では、光の強度は弱くなり淡い光が幻想的に光っていた。
明るさが一定じゃないけど、あの奥に行くしかないだろう。
俺は光に導かれるように歩いていく。
曲がりくねった狭い道。
人一人がやっと通れるぐらいの狭まった岩洞窟。
その蛇道のような狭い洞窟を、左右の壁に手をぴったりと付けて体を冷たい岩肌に密着させながら進んだ。
僅かな光だが、少しでも明るいと、少しだけ安心する。
安心するよ。指が臭いまんまだけど。
暫く歩くと、狭い洞窟から広い洞窟へと変わっていた。
天井や横壁には、淡い蛍光色の明かりが残っている。それが奥へまだ続いているので助かった。
すると、突き当たりの曲がり角から、更なる明るい灯りが見え隠れしているのが目に入ってくる。
一瞬感極まった。
「――地上か!?」
やっと地上だよっ、地上だぁぁぁぁッ!
暗い洞窟から抜け出せる――。
俺は喜びながら、その光が示す曲がり角へと走り出す。
だが、光へ近付くにつれ、様子がおかしいことに気付く。
「何だ?」
激しく争う音が聞こえてきた。
ぶつかり合う音、叫び声に濁声――人間の声ではない?
明かりに影が大きく差しこみ、横壁にはたくさんの影が揺れ動く。
まるで、影絵の芝居のように、ゆらゆらと黒影が動いていた。
恐る恐る、曲がった先を覗く。
そこには、地上などは無く……。
巨大な赤黒い怪物と小さい緑の怪物たちが戦っているところだった。
巨大な赤黒い怪物。
うへぇ、赤黒い怪物の後ろ姿が強烈なインパクトを持っていた。
背の筋肉が異常に膨れていて盛り上がっている。
見ただけで女の子が妊娠しちゃいそう。
非常に筋肉が発達している。
呻き声と吠えているような重低音は迫力があった。
赤黒い怪物の太い両手には、鋭く尖る三角錐の石が握られていた。
その三角錐の石を器用に使いこなしながら、緑色の怪物たちと戦っている。
床に散らばっている松明の灯りが、赤と緑の怪物同士の戦いを、より鮮明に映し出していた。
「グオオォ! グブボォッ、ブギュ!!」
「ゴイヅヤバイ」「ニゲロッ」「イヤダッ、ゴイヅゴロズ」
緑色の怪物たちが話す言語は聞き取れたが、赤黒い怪物は何を言っているのか分からない。
緑色の怪物たちはそれぞれ違う防具を身に纏い、手には長剣や長槍の武器を持ち、必死に振り回し、赤黒い怪物に突き刺しては、斬りつけていく。
赤黒い怪物は確実にダメージを負っているかに見えた。
が、むしろ逆に赤黒い怪物を怒らせる結果となったようだ……。
緑の怪物たちは一匹ずつ確実に殺されている。
緑の怪物たちは赤黒い怪物に押されていく。
また一匹喰いちぎられているし。
押されているどころか、捕食者と餌に近い構図となっている。
赤黒い怪物は唸りを挙げ巨腕を振り回した。
太い手に握られた鋭く尖った石が、また緑の怪物に迫る。
鋭く尖る石の先端が――緑の怪物の胸に吸い込まれていた。
緑の怪物は痛みの叫び声を発する。
だが、赤黒い怪物はそんなのお構い無しだ。
胸に刺さった石ごと緑の怪物を持ち上げていた。
赤黒い怪物はそのまま、ふがふがと大きな鼻孔を動かし、緑の怪物の頭を嗅いでいる。
臭いで選別しているのか?
すると、赤黒い怪物は何か文句を言うように、
「ゴアボファッッ――」
咆哮。尖った石を引き抜く。
コイツはいらない。
というように、投げっぱなしジャーマンよろしく、
死体を空中高く投げ捨てている。
赤黒い怪物は他の獲物を探すつもりか……。
大きい白色の眼球をぎょろっと動かした。
周囲で戦う緑色の怪物たちを大きい眼球は捉えた。
手頃な獲物を見つけた赤黒い怪物は、口を大きく広げる。
又もや咆哮を発して一気に跳躍――。
また、尖った三角錐の石を緑の怪物の腹へと突き刺していた。
刺された緑の怪物はまだ生きている。
胸元でギラつくような赤黒い怪物の巨腕を、必死に自らの手で叩き、叫んで、もがいていた。
が、その必死の抵抗虚しく……。
赤黒い怪物の巨腕がしなって動くと、さっきと同様に緑の怪物を頭上高く持ち上げていた。
あの巨腕の筋肉は岩の塊がごつごつと何個も密集している感じだ。
近接戦では脅威だな。
赤黒い怪物の筋肉腕に持ち上げられた緑色の怪物から流れた血が肩から腰に滴り落ちる。
そんな筋肉腕で持ち上げた緑色の怪物の頭部を、赤黒い怪物は自らの鼻元に運ぶ――。
ふがふがと頭部の匂いを嗅ぐ。
次の瞬間――その緑色の頭部を齧っていた。
むしゃむしゃと噛む音と骨の砕ける音。
俺が隠れているところまで響いてくる。
ありゃぁヤバイ……。
逃げるにしても、暗い道を戻るか?
だが――あの松明は欲しい。
あの先はまだ洞窟が続いているだろうし、怪物たちに近付くのは怖いが……。
突っ走れば……松明を取ったら左に更に突っ走る感じで行くか。
怪物は怪物に任せればいい、しかし、行き止まりだったら……。。
そんなことを考えてる最中にも、赤黒い怪物は動く。
うはっ、また赤黒い怪物が緑の怪物を串刺しに……。
いずれこっちにも来そうだ。
道が続くことを祈り、走ることにする。
自然と唾を呑む。
意気込むように短く「よしっ」と小さく声を発して、怪物たちの争う場所に駆けた――。
「ナンダ?」「ナンダァ?」「人族ダ」「ブゴォォォ」
最初に気付いたのは、複数いる緑の怪物たちだった。
しかし、赤黒い怪物は俺のことを無視している。
と言うか、まったく俺に気付いていない。
赤黒い怪物は緑の怪物たちを構わず襲う。
緑の怪物たちは、隙をつかれたように次々と殺されていった。
イエスッ、チャンス。
俺はその隙に、落ちている松明を一つ拾い、奥へと走り逃げ出した。
やりぃぃぃぃ、成功!!
左の通路を駆ける、駆ける。
道は続いてるうぅぅ。地面は凸凹して歩きにくいけど。
だが、そんなの関係ねぇ。逃げるが勝ち。今は逃げる!
必死に――走って逃げていた。
あんな赤黒い巨大な怪物と対面したくないし。
だから、駆けて、駆けて、少しの坂も駆けあがる。
燃え盛る松明の火が消えそうになるぐらい走り続けた。
走った先は幸いにして洞窟が続いている。凸凹の激しい地面を過ぎると、斜め下へ傾斜した道に変わっていた。
まだ背後が心配だ。
俺は走るのを止めずに、傾斜を下っていく。
三十分ぐらい走っただろうか?
俺は走りながら、全く息切れしていないことに気付く。
「あれ?」
そう疑問に思う声を発しながら足を止めた。
後ろを振り返り、怪物たちが追ってこないのを確認。
改めて、俺自身を確認することにした。
片手に持つ松明の火が、まだゆらゆらと燃えている。
その松明の灯りが、洞窟の壁に俺の影を映す。
巨大な影が誕生していた。
ヒィッ――その影に一瞬だが、びびってしまう。
アホか。
しかし、この無尽蔵なスタミナ……。
そう、俺は人間ではない。
光魔セイヴァルトという名前の新種族。
「あっ……」
そこで、思い出す。
そう、転生前にポケットを見るようにという文字が浮かんでいたのを。
さっそくポケットをチェック。
ポケットの中には一枚の折れた紙に、数枚のコインが入っていた。
折れた紙を拡げて、目を通す。
□■□■
今、貴方が立っている地域はオセベリア大草原、グリフォン丘、又は、ドラゴン崖と呼ばれる地域の筈です。
□■□■
――ん、草原、丘、崖?
いきなり間違っている情報に目が点になるが、我慢して読み続けた。
□■□■
南に行くと【オセベリア王国】の【王都グロムハイム】があります。
東に行くと【迷宮都市ペルネーテ】へと辿り着きます。
西には【大湖都市ルルザック】があります。
もし、違っていたら、特異点転移失敗事象です。
多少の誤差は付き物ですので、ご了承ください。
世界その物は同じはずですので……。
数枚のコインですが、銀貨三枚に大銅貨三枚があると思います。
その地域における大体の貨幣価値は粒鉄<鉄貨<小銅貨<大銅貨<銀貨<金貨<白金貨<大白金貨に分かれています。
十枚の小銅貨=一枚の大銅貨。
十枚の大銅貨=一枚の銀貨。
十枚の銀貨=一枚の金貨。
十枚の金貨=一枚の白金貨。
そして、百枚の白金貨=一枚の大白金貨。
だいたいの貨幣価値はこんな具合のはずです。
因みに遠く離れた地域では、その硬貨が使えないこともあり得ますのでご注意ください。
□■□■
これは大銅貨が千円ということか?
一枚の銀貨で一万円。
すると、三万三千円の所持金か。
大白金貨ってのは桁が違う……。
全く違うかもだけど。
またそこで、手紙の続きの文に目を通した。
□■□■
最後に小さな特典があります。
ステータスやスキルステータスと言葉を発するか念じるだけで、自分自身の能力がある程度の目安となって見えて簡易説明がつく特典です。
簡単なスキル等の説明がされますが、これはスキルではないので、あくまでも簡単な説明のみとなります。その簡易ステータス表示のスクリーンは他人には全く見えませんので、ご安心を。
貴方の脳が分かりやすく簡易ステータス表示として貴方に見せているだけですので。
それでは、良き人生を。
因みにこの紙は最後の字を読みますと、自動的に――
□■□■
と読み終わった瞬間、ボンッという音と共に紙切れが一瞬にして燃えた。
「ぬおっ!?」
こんなスパイ映画のような小細工用意しやがって……。
舐めてるな……。
「転生させた神、見ているのか? 答えろよッ!」
自嘲気味に大きく声を出す。
だが、当たり前のように反応はなく、声は虚しく洞窟内を響いていくだけ。
何にも反応無しか。
あんな白い空間まで用意して、何故俺なんだろう?
ま、今さらそんなこと考えても仕方がない。
自ら『はい』を選択したのは俺だ。
〝神は偉大なる作者で、人間はただその演出者に過ぎない〟
何てこむずかしい言葉もあるしな。
そんな言葉で心に湧いた怒りや愚痴のような感情をむりやり誤魔化しながら、ポケットに入っていた一枚の銅貨を掴む。
銅貨を親指で跳ね上げ、宙で回転させる。
その銅貨を掴み、表か裏か。と銅貨を確認。
表かな?
人差し指で挟みながら火に近づけ、じっくりと観察。
雑な作りだが、人の顔っぽい輪郭も作られてある。
裏側には馬のような形が描かれてあった。
その銅貨を調べながら、俺の腕先へ視線を移す。
――視線の先は時計。
「――あっ」
そういえば腕時計の存在を完全に失念していた。
ちゃんと秒針が動いている。
小さいボタンを押すと、眩しい光。久しぶりの光らしい光だ。
「松明……」
あんな必死に松明取らなくても良かった……。
この時計、ショック耐性の防水ソーラー内蔵だ。
この世界でも動くはずだ。
時計は地球時間で朝の八時を少し回った時間を差している。
地球時間が分かったところで、しょうがないが……。
あ、時間の進み具合が同じなら計るのには使えるか?
それに、今は何よりもこの光が嬉しい。
そして、キラリと光るこの硬貨もいつか役に立つことを祈ろう。
「だが、果たして、人間のいる地域にたどりつけるんだろうか……」
ここは地下世界。しかも、モンスターがウヨウヨいる。
燃えた紙には東に迷宮都市とか書いてあったが……。
確実に場所が違う。
これ、失敗だろ。
特異点転移失敗事象とか書いてあったけどさ。
特異点とは、ブラックホールの中で起きている現象のことだったはずだ。
詳しくは分からないが……。
転生で現れる地点の座標が狂ったとか、かな?
と言うか、なんで転生させといて位置情報を失敗すんだよ……。
思い描いていた異世界ライフと違いすぎる。
まぁ、某有名RPGのように石の中に転移しちゃって全滅、南無――。
と、そんな風にならないでよかったと喜ぶべきか。
「だがなぁ、マップがあるわけでもなく方向も分からない」
誤魔化そうとした怒りが、疑問と共にふつふつと湧き上がってくる。
しかし、暗い洞窟が現実だ。我慢するしかない。
はぁ……。
まずは、何かできることから探すか。
そこで〝特典があります〟の文字を思い出す。
ステータスで自分をチェックしてみる事にした。
「ステータス」
ボソッと言うと、目の前に半透明なスクリーンが出現した。
名前:シュウヤ・カガリ
年齢:20
称号:異界の漂流者
種族:光魔セイヴァルト
戦闘職業:鎖使い
筋力3.0敏捷4.0体力3.0魔力7.0器用5.0精神7.0運3.0
状態:平穏
「おぉぉ、不思議だ……スクリーンが表示されている」
ゲームみたいだけど、リアルで半透明なステータス画面。
文字が光ってるし、これ、本当に他人には見えないんだろうか?
燃えちゃった紙には俺の脳が理解しやすいように投影させていると書かれていたけど。
転生時に脳まで弄くられたか?
体を構成し直すとかあったしな……。
まぁ、何にせよ、今はちゃんと意識があるし、生きてる。
そして、ステータス画面に表示されている文字にタッチしていく。
称号に異界の漂流者と出てる。
詳細を見とこう。タッチ。
※異界の漂流者※
異界から次元を渡った魂に刻まれる称号で、時空属性が得られる。
時空属性ね……わからん。
まずは分かることを優先しよう。
「スキルステータス」
取得スキル:なし
恒久スキル:<真祖の血脈>:<魅了の魔眼>:<天賦の魔才>:<光闇の奔流>:<吸血>:<不死能力>:<身体能力増加>:<魔法能力増加>:<腸超吸収>
エクストラスキル:<翻訳即是>:<光の授印>:<鎖の因子>:<脳魔脊髄革命>
やはり表示された。
<身体能力増加>と<魔法能力増加>か。
魔法は当然わからない。魔法のことは後回し。
その点、身体能力は簡単に解りそうだ。
先ほど全力気味に走ったが、まったく息切れしない。
異常なスタミナに体も軽く感じる。
この異世界の星が地球と重力が違う可能性もあるが……。
そうではなく、重力が地球と同じぐらいと仮定すると、俺がヴァンパイア系の身体能力を手に入れたから、という可能性もある。
Tシャツを捲って体を確認。
腕回りも太くなっているし、胸筋も分厚く、腹筋も割れている。
が、筋肉ごつごつといったボディビルダーではない。
前腕も太くなり、二の腕も、前より確実に太くしなやかだ。
無駄のない筋肉と言えばいいか。
「何か試すか」
松明を岩壁の隙間に差して、辺りに石がないか探す。
地面にちょうど良く、拳大の石が落ちていた。
それを拾って、壁に投げつけてみる。
――石は壁に衝突。
何気ない投げ方だったが、鈍器が当たる鈍い衝突音が響く。
投げた石は砕けて、その一部が岩壁にめり込んでいた。
「こりゃすげぇ」
石が強力な武器になる。
身体能力が尋常ではないほど上がっているようだ。
今は武器を持ってないから、この石を持っていこう。
先ほどの怪物対策や緊急時にも使える。
もう一つ石を拾い、左のポケットの中へ突っ込む。
他に武器になるものが無いかと、もう一度スキルを確認することにした。
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