七百九十一話 沸騎士たちとヘルメの成長にガルモデウス
ヘルメが左目から外に出るとすぐに女体化して一礼。
細い左手を左斜め前に伸ばし、右手を右斜め前に向けた。
常闇の水精霊ヘルメ立ちの実行だ。
ニコッと笑顔を寄越す。ピンと伸びた長い睫毛が魅力的。
キューティクルが保たれていて艶がいい。
腰がくびれて長細い足がすらりと伸びていた。
やはり、抜群にスタイルがいい。
そんなヘルメさんだが、真面目な表情に変化した。
「ヘルメ、沸騎士たちと訓練をしたいのか?」
「はい。閣下を見事に守った、あの盾と剣の扱いを見て心が滾りました。苦手な横移動も、その遅さを利用する囮の戦術は実に見事。〝閣下防衛骨甲陣〟も着実に進化を果たしていると分かります」
「沸騎士たち独自の戦闘技術か」
「はい、尊敬します」
たしかに盾の動きは見事。蒸気的な魔力の煙も活かしていた。
防御力の高そうな星屑のマントも映えるし、立派な騎士。リスペクトだ。
「闇神リヴォグラフも沸騎士たちの動きを見て、魔界騎士と勘違いしたからな」
「はい、閣下と沸騎士たちの強い絆の
ヘルメは、俺の
その指輪型の魔具とも呼ばれている魔道具を見せながら頷いて、
「この
「その〝閣下と沸騎士たちの魔界セブドラの領域〟は、一種の修業場所と同じ。その修業場所の魔界セブドラでの戦いが、沸騎士たちの大いなる糧となっているからこその、あの動きだと分かります」
「あぁ、沸騎士たちは、セラで倒れても復活する。そして、魔界セブドラで倒れても復活するようだからな。復活には多少時間が掛かるようだが」
「はい。倒れてもえんどれすに経験を引き継げるのは大きい。煙の魔力で隠れることが多いですが、体を構成する骨のようなモノも硬くなっているように見えます」
ヘルメの言葉に頷いた。
「その閣下と沸騎士たちの魔界セブドラの領域に、サイデイルの初期に建てた砦的な門を建てに、いつか向かうのですね」
「おう。沸騎士たちも城を建設してほしいとか言ってたからな。いつかの話だが、サイデイルを復興させたように魔界セブドラにも拠点は作るつもりだ」
「ふふ。沸騎士たちと閣下の領域が羨ましい」
「――領域か。それを言ったら、俺たちもそうだろう?」
「わたしたち……センティアの部屋ですか?」
「いや、少し抽象的だったか」
「あ、わたしたちが今いる、この世界ですね」
「そうだ。今、生きているこの世界が、俺たちにとっては心身を修練する場所でもあるってことを言いたかった」
そう発言すると、ヘルメが微笑む。
いつになく女神っぽいから、魅了される。
「ふふ、閣下の言葉は深いです。ラ・ケラーダの精神にも通じますね――」
あはは、思わず破顔。
同時に、そのヘルメのアメイジングなポーズが……。
塔烈中立都市セナアプアが作る銀色の夜景に似合う。
……ヘルメのラ・ケラーダのポージングか。
素敵すぎる。
そのヘルメは素敵なポージングを解いた。
沸騎士たちを見やると、
「閣下のために働き続けている沸騎士たちは忠義の騎士。名を付けるとしたら武装親衛騎士団。または、近衛騎士団。その団長に相応しい存在が、黒沸騎士ゼメタスと赤沸騎士アドモスでしょうか」
武装親衛騎士団か。
野望が好きなヘルメが好きそうな名前だ。
が、真面目なヘルメだ。ふざけていないだろう。大事な仲間、戦友の沸騎士たちを誇らし気に見ている。
しかし、ゾルもいいアイテムを持っていた。
一級の魔術師で魔道具を扱う能力は高かった。
そして、ミスティの兄のゾルが持っていた
元は指輪の古い魔具。
それで俺の魔力を吸収し変化した。
そして、サビード・ケンツィルは、この俺が装備する
そう思考すると、ヘルメが、沸騎士たちの訓練する様子を見て、数回頷いてから、
「わたしも参加してきます」
「おう」
「ふふ。そして、閣下に告げていませんでしたが、新しいスキルを披露します」
「ん?」
「ふふ、獲得したのは<滄溟・氷闇剣>です――」
左手を氷の剣に変える。
そのままくびれた腰を活かすような見事なスピンで身を翻すと、シュッと音を響かせつつ右手を闇の剣に変えた。
正直、腕の変化より、ヘルメのダイナミックボディを見ているほうが嬉しかったりするが、言わない。
しかし、<滄溟・氷闇剣>か。
渋い名前だ。
そして、前の氷と闇の腕剣よりも、魔法の質が上がっている。
剣の形も少し変化していた。
魔法の練度も高くなっているのか。
「剣腕のパワーアップか、カッコいい。ヘルメ女王閣下と呼んだほうがいいかな?」
「ふふ、閣下。ノリませんからね。冗談はダメです。でも、ありがとうございます」
レベッカならノリツッコミのパターンだが、ヘルメらしい。
「おう。素敵なヘルメと沸騎士たちの訓練を見るとしよう」
「はい!」
ヘルメはその場で横回転。
体から放出する水飛沫が煌めいた。
その魔法の腕剣を擁したヘルメは背中から水飛沫を発して速やかに沸騎士たちの下へと向かう。
背中に備えたスラスターから水素が噴射しているようにも見えた。エセルジャッジメント魔貝噴射を修理して使ったら、俺もあんな風に噴射させられるんだろうか。
そして、
「沸騎士たち――ひさしぶりに一緒に訓練をしましょう」
「承知! 精霊様との熱き訓練を!」
「承知! 精霊様との訓練は我らの成長に繋がる!」
「ふふ。行きますよ!」
掛け声が響く。
そのヘルメは噴流のような水飛沫を背中から発する前傾姿勢で、華麗に黒沸騎士ゼメタスとの間合いを詰めた。
おぉ、格好いい。
思わず口笛を鳴らした。
同時に右腕から戦闘のBGMが響いてくる。
ヘルメと沸騎士たちの剣戟音に合わせた音楽。
アクセルマギナも気が利く。
その戦闘型デバイスの上に浮かぶアクセルマギナ。
ホログラム映像で小さいが本物にしか見えない。
軍人風の衣装が似合う。
そのアクセルマギナは敬礼を寄越す。
そんなアクセルマギナの眼前には、フォド・ワン・マインド・フィフィスエレメント・クリスタルが浮いていた。
半透明の細かなウィンドウも隣に浮いている。
そのウィンドウの枠の内部に表示されているメーター類の値が上下していた。
そして、アクセルマギナの背景にある恒星系のミニチュアモデルは少し変化していた。
本物の星系の映像に見える。
この人工知能アクセルマギナを造り上げたナパーム統合軍惑星同盟の銀河騎士マスター評議会。
そして、その
博士は優れた技術者だったと思うが、実は
そんな思いで、アクセルマギナの美しい背景の宇宙を見ていると、ヘルメと沸騎士たちの訓練が激しくなった。
自然とヘルメと沸騎士たちに視線を向けた。
ヘルメが、黒沸騎士ゼメタスの胴体に向けて氷の剣を振るう。
その腕を振るう速度はかなり速い。
ゼメタスの右脇腹から腹を両断する勢いだ。
対する黒沸騎士ゼメタスは、星屑のマントを輝かせつつ骨盾を掲げるや、
「――精霊様の斬撃を受けさせていただく!」
気合いの入った声。
ほぼ同時に、ヘルメの氷の剣の斬撃を骨盾で受け止めた。
衝撃波が両者を襲うところが、また。
黒沸騎士ゼメタスの体から魔力の煙が噴き上がった。
その煙を星屑のマントが吸収して輝いた。
攻撃が受け止められたヘルメの横顔は険しいが、素敵な女性だ。
あ、そんな顔に沸騎士たちのぼあぼあの魔力がかかる。
ヘルメの姿は見えにくくなった。
そのヘルメが、
「――ゼメタス、見事な反応です」
黒沸騎士ゼメタスを褒める。
と右斜めに前進したようだ。ぼあぼあとした煙を右から突破――そのヘルメの右手の闇の剣がぶれた。
――突き技か。
闇の剣の<刺突>と呼ぶべき速度の切っ先が赤沸騎士アドモスの首下に向かう。
赤沸騎士アドモスは、赤い骨製の方盾を振るう。
ヘルメの闇の剣は、その赤い骨製の方盾と衝突――。
ヘルメの闇の剣は外に弾かれた。
ヘルメは衝撃で右腕が横にもっていかれた。
体勢が崩れると、見事なおっぱいさんがプルルンと揺れていた。
「――くっ、力強い! アドモスもよく弾きました!」
「――精霊様、隙あり!」
「精霊様ァァ」
ゼメタスが骨剣を振るう。
アドモスも反撃の骨剣を突き出す。
ヘルメの上半身に沸騎士たちの攻撃が見事に決まったかと思われたが――ヘルメは常闇の水精霊だ。
ヘルメは瞬時に人型を保ったまま上半身の一部を液体化。
沸騎士たちの攻撃は、ヘルメの上半身を何事もなくすり抜けた。
そのヘルメが、
「ふふ。いい攻撃でした――」
そう発言すると体がブレた。
左右に移動しつつ、
「ぴゅっぴゅっですよ~」
黒沸騎士ゼメタスと赤沸騎士ゼメタスに水をかける。
沸騎士たちが体から出していた蒸気の魔力を、その水で散らした可憐なヘルメは、再び氷の剣と闇の剣を振るう。
沸騎士たちも素早く対応。
骨盾と骨剣を振るって、ヘルメの腕剣の攻撃を幾度も防いだ。
ヘルメが躍動。
両腕がぶれるたびに長い髪が揺らぐ。
――水滴のような髪留めが可愛い。
ヘルメには薄い蒼色の羽衣が似合うなぁ。
その羽衣の下の競泳水着と似た魔法の衣装も良い。
グラマラスな肉体に合う魔法の衣装は魅惑度が高すぎる。
そして、魔法の腕剣を振るうたびにグラマラスな体から水滴が周囲に散る。露出中の肌も煌めいた。
まさに水も滴るいい女。
息を呑む美しさだ。
美しいヘルメの攻撃を何度も防ぐ沸騎士たちも見事。
だが、横の移動が極端に少ないことがネックか。
そして、たまに横移動を行った場合の動きは遅い。
しかし、前後の動きは異常な速さだ。
ヘルメの二振りの魔法剣と衝突した骨剣と骨盾から目映い火花が散った。
「――沸騎士たち! 魔界セブドラでの戦いは、いい糧となっているようですね!」
「――はい! 魔界セブドラは、敢争! 敢戦! 敢死!」
「戦場は常! 私たちは閣下の尖兵!」
「――うむ。我らの鎧は魔界で散る度に鍛え直される!」
「おう! 百万、千万、百錬、千練!」
気魂ある沸騎士たちはそう叫びつつ、骨剣と骨盾を振るいまくる。
ヘルメも応えるように剣腕を振るった。
凄い、最古参の眷属同士の戦いか。
激しい衝突が続いた。
ヘルメは沸騎士から熱の勢いを感じたのか表情を一瞬曇らせると、距離を取った。
アクセルマギナが奏でるBGMも渋い曲調に変化した。
すると、沸騎士たちは、頭突きを行うようにドカドカと足音を立てつつ突進。
ヘルメはその沸騎士たちの気概に押された。
「きゃっ」
珍しい、動揺したのか。
岩群青色の髪の毛の一部と、肩と腹を切られた。髪の毛は水となって消えたが、肩と腹から血飛沫的な水が迸る。
速度が増した沸騎士たちは、
「アドモス! 今だ! 精霊様に魔界セブドラでの修業の成果を! <悪式・亜連骨突>!」
「おう! ゼメタス! <魔人武術・悪速剣>!」
骨剣のスキルか。
沸騎士たちのスキルの攻撃をヘルメは、
「<珠碧二属・百花繚乱>――」
煌めく魔法の花々を咲かせる魔法の剣スキルか。受け流し用ってわけじゃないと思うが、その<珠碧二属・百花繚乱>の魔法の剣の連続斬りで沸騎士たちの攻撃を往なした。
沸騎士たちは構わず――。
「「ウォォォ」」
凄い気迫。
自身の骨の体が壊れる勢いで、数十手に及ぶ連続攻撃を繰り出した。
沸騎士たちの成長を感じさせる連続攻撃だ。
が、ヘルメも強い。
腕剣の魔法剣の表面に<珠瑠の花>を混ぜていた。
<珠碧二属・百花繚乱>は<珠瑠の花>の派生技かな?
沸騎士たちの攻撃を正確に往なし、反撃を行う。
沸騎士たちの骨盾を削り、脇腹を星屑のマントごと切断。
両腕の魔法の剣の扱いは凄い技術だ。
常闇の水精霊ヘルメも確実に強くなっている。
その華麗なヘルメだったが、魔力を消費したのか、俄に体の動きを止める。
いや、誘う動きか。
赤沸騎士アドモスの袈裟斬りが――。
黒沸騎士ゼメタスのシールドバッシュが――。
それぞれの攻撃がヘルメの体に決まるかと思われた。
その直後。
ヘルメは体から水飛沫を発して体が消える。
否、液体と化した。
「ぬぁぁぁんと!?」
「そうであった!」
液体ヘルメはスライム的な動きで――。
元魔法学院の屋上の床を速やかに移動し、沸騎士たちの背後を取りつつ女体化するや、無数の《
その連続した《
沸騎士たちはさく岩機のドリルを背中に受け続けているように激しく揺れていた。
「「ぐぁぁ」」
踏ん張っていたが吹き飛ぶ。
その沸騎士たちは全身から蒸気のような魔力の煙を発しつつ元魔法学院の屋上の床に片足の膝を突けて着地。
ゆっくりと立ち上がりつつ、これまたゆっくりと身を翻すと、
「一本、いや、百本取られました。さすがは精霊様!」
「うむぅ。見事な背後取りからの攻撃でしたぞ!」
と叫ぶ。
ヘルメは両手を指揮者のように振るいつつ、美しい色合いの魔力をその両手から放ちながら、元の両腕に戻していた。
その常闇の水精霊ヘルメは、
「ふふ、ありがとう! 沸騎士たち、訓練をもう少し続けますか?」
「承知! お願い申す!」
「いざ、参る!」
沸騎士たちは中央で魔法の剣腕を構えたヘルメの下に突進。
絵になる訓練が再び始まった。
沙がいたら、
『妾たちも訓練に参加だ』
『外に出せ』
そんなことを言いそうだが、今ごろはもう魔塔ゲルハットに到着している頃かな。
俺も夜景を見ながら……。
訓練をしようか。
夜王の傘セイヴァルトを右手で握りつつ爪先回転で後退。
再び、爪先回転から――。
半歩の姿勢で動きを止めた。
そこから体を正面に向けたまま斜め後方に移動する風槍流『風蝉』の歩法を実行してから、爪先半回転。
元魔法学院の屋上の端を視界に確認。
そして、左手に夜王の傘セイヴァルトを移して、その左手から魔力を夜王の傘セイヴァルトに送ると、傘が開いた。
その開いた夜王の傘セイヴァルトの中棒を肩に当てつつ動きを止める。
ヘルメたちを見てから、
「ヘルメと沸騎士たち。俺はセンティアの部屋の屋根を見ながら周囲を見る。ガルモデウスが来るかも知れないから、あまり激しい訓練はするなよ」
「「はい!」」
「分かりました!」
ヘルメと沸騎士たちの返事を聞いてから跳躍――。
開いた夜王の傘セイヴァルトの露先が自然とゆっくり回る。
下ろくろを中心に漆黒の生地も回転していた。
受骨と親骨も縁が凹凸に変化して
露先の鴉と戦旗の飾りが遠心力で横に靡きつつ煌めいていた。
夜王の傘セイヴァルトには飛行能力があるようだ。
これは便利だ――。
塔烈中立都市セナアプアと眼下の皆を眺めた。
常闇の水精霊ヘルメの水を浴びた沸騎士たちは、魔力を得たように頭蓋骨が輝いている。
しかし、この元ドリサン魔法学院に浮遊岩か。
右のほうには、古代インドの核戦争で滅びたとされる古代遺跡のような残骸がある。
石の街か。
再び、元魔法学院の屋上に視線を戻す。
センティアの部屋の屋上には……。
細い腕と手に、その掌に猿と雉が乗っている絵が刻まれてあった。
へぇ、ナスカの大地上絵の簡易版って印象だ。
そのセンティアの部屋がある元魔法学院の屋上から骨の橋で繋がっている骨の祭壇は今にも崩れそうだったが、俺たちが入ってもビクともしなかった。
意外にしっかりした骨組みだった。
あの骨の祭壇の中に……。
夜王の傘セイヴァルトと怪魔王ヴァルアンの勾玉に変化した黒い墓石があった。
怪夜魔族と怪魔魔族の集落がこの浮遊岩にあった?
それとも先に皆と話したように魔迷宮の中に囚われていた説が正しいのかな。
しかし、リフルの管理する魔迷宮は、いつ頃この浮遊岩にできたんだろう。
闇神リヴォグラフと悪夢の女神ヴァーミナ様が戦っていた宙空は結界的な印象だった。
魔法学院は【幻瞑暗黒回廊】と繋がっているから、何らかの事故で、【幻瞑暗黒回廊】から洩れた魔迷宮が魔法学院の内側から発生したのかな。
そう予測すると……。
近付いてくる魔素を感知。
素早い――。
ガルモデウスか?
下のヘルメたちも気付いて、飛来してくる魔素を見る――。
魔素は一つ。
フードを被った大魔術師風の人物だ。
片手に杖を持ちつつ、頭の上に鏡、周囲に魔石のようなモノを浮かばせて、飛行術を駆使している。
魔靴ジャックポポスではないようだ。
エセルジャッジメント魔貝噴射でもない。
見た目と体内魔素の運用から、確実に凄腕。大魔術師級と認識。
俺はわざと、夜王の傘セイヴァルトを持ったまま浮いて待機した。
飛来した人物は、ヘルメたちとセンティアの部屋、ドリサン魔法学院の跡地を凝視しつつ、俺に近付いてくる。
攻撃はしてこない。
交渉するつもりか。
それとも……。
その人物は、
「ここに魔迷宮があったはずじゃが……」
「先ほどまでありました。あなたは?」
戦う素振りを見せない人物にそう尋ねた。ローブを深くかぶっていた人物は、面を上げた。
俺を見る双眸の色合いは紺碧。
眉毛が白い。
皺もある、お爺さんか。
紺碧の双眸には六芒星の魔法陣が浮かぶ。
その六芒星の内側を照らすような光芒は紺碧の魔眼から時々発せられていた。
そして、両頬から唇のほうまである時計の針のような細い揉みあげが、クルクルと回っていた。
「……わしはガルモデウス。そなたは?」
「俺はシュウヤ。貴方が異端者ガルモデウスですか」
「ふむ。わしを知っていたか……シュウヤが魔迷宮を潰したのじゃな?」
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