三百六十一話 キッシュ司令長官への報告
……長いキス。
因みに<仙丹法・鯰想>はもう解いている。
「ぷはぁ、息が止まるだろうっ」
「すまん」
「……ううん、嬉しいから別にいい」
キッシュは恥ずかしそうに微笑む。
俺の背中に腕を回して、そっと身を寄せてくる。
自然に抱擁。鎧越しだが……キッシュの温もりを感じた。
しかし、間近でキッシュが着ている鎧を見たら……。
小さく裂けている箇所があった。
僅かに捲れた部分もあり、そこから青痣が覗かせる。
そんな視線に気付いたキッシュは微笑む。
「大丈夫」と小声を出して両腕の力を緩めて、少し身を引いたキッシュ。
傍で頭を下げているキサラを一瞥した。
キッシュは、一瞬、不安気な表情を浮かべていたが、瞬きをしてから、俺を見つめてくる。
翡翠の宝石を思わせる薄緑色の瞳。
そこに俺が映っている。
透明感のある肌と小さな唇……。
その唇が切なく動いた。
「……わたしも彼女と同様に頭を下げるべきか?」
笑いながら、
「バカいうな、お前は俺の友だろう?」
「そうだな。大事な友だ――」
笑顔で応えたキッシュは少し背伸びをするように身を寄せてくる。
耳から感じる彼女の息が心地いい。
すると「……明星サイデイルの願いは本当だった……」と小さい声が耳に響く。
続けて「寂しかった……寂しかったんだ――」と、心の内に溜めていた思いを吐き出すように喋りながら俺の首に唇を当て押しつけてきた。
俺はくすぐったい思いを感じながら……。
そのキッシュの背中から細い項を指で撫でていると……。
くすぐったかったのか「ん……」と色っぽい声を上げたキッシュ。
首を少し傾けてから「……シュウヤの匂いだ」と呟く。
彼女が微笑んでいると分かる声音。
再び、俺の首に口づけをしたキッシュは「好きだ……」と、小さい声音で告白をしてくれた。
胸が切なくなると同時に胸に熱が宿る。
俺も応えよう。
愛しい長耳に「……だぞ」と呟く。
「え? 今、なんて?」
「いいから――」
心が態度に表れているだろう照れを隠すようにキッシュのことを強く抱きしめた。
しかし、ここは丘でオークの死体が複数転がっている。
長いハグは似合わない。
キッシュの両肩に手を当てた。キッシュも俺の気持ちと同じなのか頷く。
自らの肩を労るように俺の手の甲へ優しく掌を乗せたキッシュ。
そのまま微笑みを浮かべながら振り向くと、丘の周囲を確認するように歩いていった。
「……シュウヤが倒した半透明のオークが最後だったようだ」
キッシュはオークの死体から使えそうな装備品をチェックしながら語る。
「半透明のオーク。仲間の死体を喰うとか……」
「あぁ異常なオーク。あそこに魔導の檻もある。たぶん、半透明のオークはあの檻から解放されたのだと思うが、司令官のオークの死体もあるし」
キッシュの言葉通り、その視線の先には檻があった。
谷の中央のやや左に刻まれた谷底道がある。
そこの奥に巨大檻が残雪を抱えるように屹立していた。
檻の手前では角を生やした大柄のオークと、小柄のオークたちが死んでいる。
大柄のオークは他とは違う。
鮮やかな原色が目立つ上衣と豪華な長袴系をはいていた。
キッシュの話すように、あの大柄の死体は指揮官のオークだと思う。
「頭蓋が貫かれている死に方か。半透明のオークの触手でも頭部に喰らったような感じだな。司令官は半透明のオークの制御に失敗したのかもしれない」
「……知恵があるからこその失敗か」
「そのようだ」
キッシュと会話しながら、俺は丘を上がる。
「しかし、あの急な三対一の状況下でよく冷静に対処できたな?」
「なあに、いつものことだ」
と、調子よく語り、
少しだけ跳躍――そのまま片足の爪先から地面に着地した。
「……シュウヤ、その足下から繋がる綺麗な液体は、水の鱗粉か?」
キッシュが指摘したようにアーゼンのブーツの足裏から水飛沫が散っていた。
水飛沫は光を反射し虹の光を帯びていて綺麗だ。
「……ヘルメと一体化した新技の名残だな」
片足を上げて、ブーツの裏を見ながら答えていた。
俺の成長と共にヘルメも成長していたという証拠かな?
「精霊ヘルメ様と一体化!? 何というか」
キッシュは動揺して、またキサラを見た。
「どうした?」
「こんな美しい魔女キサラが、慇懃な態度で従うのも納得がいくと考えてな」
キッシュはキサラと俺を見比べるように逡巡しながら話す。
「そうか?」
「……自覚がないようだが、そうだとも。わたし、いや、皆のために未知のオークにも懼れず勇猛果敢に立ち向かう。そして、無双の槍武術で圧倒的な勝利を収める姿。さらには耀く水の道を悠然と小道でも散歩するように飄々と歩く姿……精霊様と一体化したのだから当たり前なのだが、神々しい雰囲気であった」
キッシュは双眸を揺らし、吟遊詩人の歌のように感嘆と感想を述べていた。
しっかし、おおげさなキッシュだ。
ま、仕方ないかもな。
俺と再会した喜びに加えて、自らも軍勢を退ける活躍をしていたようだし。
昂揚とした気分でハイになっているに違いない。
「……言い過ぎだ。子供たちにお伽話を聞かせすぎたな?」
「……その照れる仕草と表情は愛しい友の顔だがな? だが、精霊様も“マハハイム大陸全域を支配する神聖ルシヴァル大帝国を築く偉大な閣下なのですよ”と仰っていた手前もある」
ヘルメ……尻だけじゃなくルシヴァルの帝国話を展開していたのか。
そこで足下を神秘的な水場に変えていた液体ヘルメが蠢く。
俺の両足から腰、胸の表面を覆うように素早く伝い上がる。
瞬時に左目の内部へと、ちゅるんと滑らかな水音を立てながら納まっていた。
キッシュが気付かない速度。
キサラはまばたきを繰り返していたから、気付いたか。
「……帝国云々はあくまでもヘルメ個人の考えだ。俺には俺の目標がある――」
丘の一部に片足を乗せて、魔槍杖バルドークごと右手を斜め上へ伸ばす。
紅矛で太陽を突くような構えだ。
そして、その太陽を真横から斬るようにゆっくりと横へ動かした。
紅斧刃の波紋に太陽の光が反射し、煌めく。
反対側の丘を反射した紅斧刃の光が曳航していく。
そんな紅色の光の帆船のような光を生み出した紅斧刃の刃を良く見ようとと、魔槍杖バルドークを傾けて、凝視した。
波紋の表面に、薄らと毛細血管のような無数の糸で構成されたような髑髏の印が刻まれていた。魔女槍にあったモノに似ている。
「目標か……」
と、キッシュは俺の言葉を反芻して、呟く。
しかし、いつ、紅斧刃の表面にこんなモノが……。
――キサラが持つ魔女槍を思わず確認。
キサラは頭を下げているから、気付いていない。
魔女槍は何も答えない。柄の孔から出ている、槍嬰のような無数の糸か、フィラメントの群のようなモノは、ただの髪の毛のように下に垂れては、風にそよいでいた。
……<牙衝>で作った半透明オークの孔から迸っていた血を瞬時に吸った件といい、キサラと戦っていた時もシュミハザーの時も、魔槍杖バルドークは反応を示していた。
……ザガ&ボン。
この魔槍杖バルドークは独自進化を始めたようだぞ……。
と、考えながら――<刺突>を繰り出す。
紅矛が宙を突く<刺突>から魔槍杖バルドークの柄を震わせるように右へと薙ぐように斜めへと振り降ろす。
――魔槍杖バルドークをコンパクトに扱うことを意識しながら右手を手前に引く。
体幹のブレを利用するように斧刃の打ち下ろすタイミングを微妙にずらしていく。
自然と訓練を開始。
――スロザの禿げ親父に、この魔槍杖を鑑定して貰った時を思い出す。
そのスロザは呪神テンガルン・ブブバに呪われている。
――俺も呪神ココッブルゥンドズゥ様に呪われているから、気が合うかもしれない。
魔槍杖バルドークを左手に持ち替えた。
腰を落とし左腕で正拳突きを行うように――魔槍杖バルドークを突き出す。
そして、引く、槍使いの引き際は重要。
そんなことを考えつつ、<刺突>の連続突きから、左回し蹴りを行い、宙に跳躍――。
両手持ちの魔槍杖バルドークを背中側へと運ぶ。
魔槍杖バルドークを相対した相手に見せないテクニックを行う。
左の肩口を少し下げて前に出る機動から、その左の背中ごと突出するようなイメージで体ごと螺旋させた魔槍杖バルドークを振り下ろし着地。
同時に、魔槍杖バルドークの鑑定の内容を思い出していると――。
キッシュはうっとりと女の表情を浮かべながら、
「初めて出会ったころと変わらず……今も
「――そうだ。師匠から
と、キッシュに答えながら、魔槍杖の柄を肩で担ぐように下ろした。
「シュウヤ様にお師匠様が!?」
キサラは驚いたような印象だ。
まだアキレス師匠のことは話をしていない。
「その暗緑色を基調とした布素材の上服も特殊そうだ」
キッシュの言葉に反応し、背中を向けながら横に、一回転を行い、
「ハルホンクという名が付く
と説明した。キッシュたちは、
「
確かに綺麗な模様だ。
アウター系のアメカジ風とも言えるかもしれない。
「その軍服を思わせる襟の下から胸下まで均等に並ぶ真鍮を思わせる釦と金具も似合う。先ほどの紫色の魔竜王鎧と外套とは違うのだな? 今は半袖気味なのか? 鎖骨と首周りも露出している」
キッシュは俺の神話級防護服のハルホンクを語ってくれた。
「はは、また惚れ直したか?」
調子に乗ってヘルメのような尻を強調したようなポーズを作る。
「ふふ、あ、それはお尻愛という奴か? まだ精霊様には修行が足らないと言われたが……」
「ポーズを作っておいて、なんだが、とりあえず尻の話題はおいておこうか」
『閣下……もったいない』
ヘルメの言葉は無視。
「はは、それもそうだな。槍の話に戻すとして、その尻を活かした格好からでも、槍武術の技術の一端は芸術。そしてシュウヤの目標とは、自分の強い信念を貫き通すように、やはり槍使いか?」
そんな当たり前の問いをあえて聞いてきたキッシュに対して、ポーズを解き、振り向く。
その振り向きざまに魔槍杖バルドークの後端、竜魔石の塊をアーゼンのブーツの甲で掬い上げるように蹴り――宙へと放った。
宙空で勢い良く時計回りに回転を続けている魔槍杖バルドークの柄を左手で掴む。
「――当然だ。大事なのは高みを目指そうとする心根だ。尊敬する師匠から教わった槍を元に、俺独自の槍道を模索したい。正直言えば、もう一つ、二つ、大事な指針があるがな?」
と、悪ふざけをするような笑みを作る。
「それは分かる。ロロと女だろう?」
「さすが、俺のことはよーく把握しているな」
「……ふふ、女好きの部分は
じっとりとした双眸で俺を見つめてから、キサラをまた一瞥したキッシュ。
……やはり、キッシュもキサラが気になるか。
美人で修道服が似合うキサラの巨大おっぱいさん。
普通は気になるよな。
「……ハハハ」
「シュウヤ、乾いた笑い声を出しても誤魔化されない……」
嫉妬気味のキッシュさんだ。
キサラを警戒している?
話を変えよう。
「……ま、女好きや槍武術の他にも目標というか、やりたいことはいっぱいある。鏡の探索、ヴィーネとミスティが残っている魔霧の渦森、アキレス師匠にも会いたいし、ヘカトレイルで冒険者依頼を受けるのもいいかなと」
「お師匠様に、依頼か」
キッシュは頷く。
『わたしの故郷がある場所……』
そうだな。ヘルメの故郷でもある。
彼女が長いこと俺の尻に住んでいた前は……。
『わたしは、しがない“外れ精霊”。名は水の妖精ヘルメ。一年に一回、この季節一日だけ命を得ることのできる。この湖の精霊です』
あの言葉は、まだ昨日のように覚えている。
ヘルメも生まれ故郷を見れば、自らの成長を実感できるだろう。
『……そうだな、戻ってみたいか?』
『湖はもうないと思いますが、見たいです』
『おう。なら、いつか師匠のところに戻ったら一緒に行こう!』
『はい!』
ヘルメとの念話を終わらせたタイミングで、もう一度周りを見る。
んじゃ、戻りながらオークの件を含めて報告しますか。
「それじゃキサラも立て、キッシュも戻ろうか」
「はい」
「了解、これから忙しくなるぞ。オークの肉は食料。子供たちも喜ぶだろう。そして、オークの装備品はこの村の大事な軍資金となるからな」
『閣下! キッシュは司令長官として、お尻愛として頑張りましたから、口付け以外にも、言葉としても褒めてあげてください』
『そうみたいだ、ま、お尻愛に関してはしらんが』
俺は気を取り直して、キッシュを見る。
「さすがは村長、いや、司令長官殿――」
と、司令長官キッシュへ向けて半ば本気の師匠譲りの『ラ・ケラーダ』の挨拶を行う。
「む、気にしていることを」
「慣れないってか? 気にするな、可愛いキッシュ司令長官殿」
笑いながらも、オークの死体から青く煌びやかに装飾された鎧をはぎ取る。
キサラも俺と同様にオークたちから使えそうな品物を取り外していった。
「……からかっているように聞こえるぞ」
「いやいや、そんなことはないから、しかし、オークにも鎧作りの職人が居るのか?」
青い鎧の歩兵オーク、こちらの黒い鎧のほうは、重装歩兵か?
弓を持って氷刃の杭に体を貫かれて死んでいるのは黄い鎧の軽装兵。
色分けされた軍隊オーク。
「知らないし、知りたくもない……」
ま、殺し合いを行う敵の内情なんて関係ないよな。
知恵があるとはいえ、オークはモンスターだ。
回収をしながら一つの丘を越えたところで、
「助けたアッリとタークだが、ヴァンパイアのヴァルマスク家の一党、ここから距離があるが拠点を持っていた者たちに誘拐されていたんだ」
「……相手が吸血鬼の一族とは、道理で見つからないわけだ」
一応は俺からもトン爺たちの存在を話しておいた方がいいだろう。
「……んで、その、子供たち以外にも助けた方々が居たりする……古代狼族も……」
「古代狼族ぅ? また、とんでもない者を……」
「あぁ……」
さすがにハイグリアは無理か。
「一緒に連れているということは安全なんだろう……が、色々と争いある一族との噂は耳にしている。わたしは喰われたくないぞ……」
「安全だと思う。害どころか味方を守ってくれた。噂は噂、ま、実際に喰われている冒険者も居るんだろうから何ともいえないが……」
キッシュは目を泳がせてしまった。
「……俺の連れている古代狼族は別だと思う。くだらないレッテルを貼り、差別をする糞野郎な人族のように、偏見に満ちた濁った目では見ないでほしい。見た目は女獣人なのは変わらないから」
分かってほしくてつい真摯に語る。
「……分かった。正直聞くだけでは不安だが、シュウヤが言うんだ。信用しよう。しかし、シュウヤらしい。遠慮した言い方での報告……あ、もしやわたしの村に?」
「その通り、察しが速くて助かる」
「いいぞ。古代狼族だろうが、どんな種族だろうが、害がないのなら人員は大事だ。喜んで受け入れるさ」
アッリとタークが話をしていた通り。
優しいキッシュ村長は受け入れてくれた。
キッシュはいい女だな。
「……よかった、詳しくは後で話をしよう。ってことで話を変えて、最初にも聞いたんだが、オークがここに攻めてくる理由だ。あれから何かオークのことで掴めたか?」
「オークの組織だった動きから推察すると……」
キッシュはサイデイル村の奥に聳える小山を見る。
「オークたちも祖先に纏わるハーデルレンデの祭壇が目的かもしれない」
「アッリとタークから聞いたが、あの蠱宮のような穴から続く地下、祭壇が目的か」
魔霧の渦森、樹海、ベンラック村の近辺、地形はそれぞれ違うが、色々とこの辺りはカオスだからな。
祭壇が目的ならトロールの鳴き声もソレ関係かもしれない。
「……ハーデルレンデの祭壇だが、信憑性は高いと思うが、確実にあるとは断言ができない」
「実際に見たわけじゃないと?」
「そうだ。遠い昔にペルヘカラインの古道に続いている洞穴なら見たことがある。伝説の言い伝えによると【ベファリッツ大帝国の古代神殿】と【ハーデルレンデの失った祭壇】があると聞いていたのみ」
「伝説か……」
改めてサイデイル村の奥を見た。
麓近くの白と黒の屏風岩が爪で切断されたような削れた痕がある。
今も小さい岩石の崩落がありそう。
下には窪んだ幅広い岩テラスがあり、大小様々な墓が並んでいた。
あの墓はキッシュのご先祖様、親兄弟、親戚たちだろうか。
あまり深くツッコんで聞けない話題だ。
「……とはいえ、わたしは伝説を信じている。昔、あの頂上付近には魔竜王によって破壊された一族の『蜂たちの黄昏岩場』の象徴があったからな。だから一族の
キッシュは頬にあるマークを指差していた。
蜂と地下のフレーズから……。
まさかとは、思うが……とある神を思い出す。
天凛堂で戦った神を。
ガルロと契約をしていた地底神ロルガと関係が?
キッシュの先祖のエルフたちは地底神ロルガを信奉していた?
蜂闇のロルガとも名乗っていたっけか。
「……蜂か、ロルガという名は聞いたことがあるか?」
「知らない」
知らないか。ま、寿命が長いエルフ。
相当前のできごとだろうし、関係があったとしても知らなくて当然か。
俺の勘違いで、まったく見当違いもありえる。
まぁ、ペルヘカライン大回廊には繋がっているのは確実っぽいし、地底神ロルガとは違う旧神系の神とかが関係しているかもしれないな。
「で、トロールの声もその祭壇が目当てかな」
「たぶん、そうだとは思うが、依然として声のみ、謎だ」
そこでキッシュの村に続く岩が見えてくる。
「さぁて、そろそろ皆を乗せたロロが到着する」
「凜々しいロロ! でも先ほど語っていた……皆か。まさか、キサラの他にも……」
女の勘が働いたキッシュは目を細めて聞いてくる。
キサラは沈黙を続けながらも微笑んでいた。
「そうかもしれない。さ、キサラも向かうぞ――」
「はっ――」
「あ、速い――」
キッシュをおいて丘を駆け上がって、振り返る。
キサラは抱拳の仕草から素晴らしい挙措の動きで背中に羽があるような跳躍をしていた。
空中に階段があるような機動だ。
魅せるね。
そのまま本当にパンチラを魅せながら俺の真上に立つキサラ。
パンツ食い込み委員会が発動しかけるが、我慢。
背後から遅れて、キッシュがエロ顔の俺にツッコミを入れるような速度で駆け上がってくるのが見えた。
「キサラ~待ってくれ」
闇鯨ロターゼの声が聞こえたが、姿の確認はしない。
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