第2話 ネクラ勇者、ロリエルフを酒場に連れ込む 後編

 ミーチカはミルク入りのカップを持って立ち上がると、僧侶に近づいていった。

 見せてもらおうか。エルフの交渉術の性能とやらを。

「ねえねえ、カノジョ。今、おひとりですかあ?」

 ちょっとは期待したのに、開口一番それか!

 どこのナンパ師だお前は! 俺は突っ込みたい気持ちを必死で我慢した。

 もっと他に良い声のかけ方があるだろ。俺には思いつかないけど!

「え、あ、あの私、後から《連れ》が来ますから!」

 そんな間抜けなミーチカのアプローチへの僧侶の反応は、ビクッと背筋を伸ばす過剰なものだった。

 ――悲しいかな、それで俺にはわかってしまった。

 ああ、この人、同類だなって……。絶対、《連れ》なんていないよ……。

 キョドってあわあわしていた僧侶だったが、声をかけてきたのがミーチカだと遅れて気づくと、その表情をあっという間にほころばせた。

「あらまあ、かわいいですぅー! お人形さんみたい!」

「む、むぐー!」

 ぎゅっと大きな胸に挟まれて、窒息しそうになるミーチカ。

 あいつ、抜けがけしやがって……! 俺が挟まれたかったのに……!

「お父さんかお母さんと来たんですかー?」

「違うもん! あたし、どっからどう見ても冒険者でしょ!」

 ぷはっと圧迫から抜け出してミーチカが抗議するが、僧侶は全然信じてない。

「またまた、ほら、あそこの席からじっと見てるのがお父さん?」

 兄を通り越して、お父さんきた!

「優しそうなお父さんじゃない。あれ? でもすごく若く見えるけど……あれれー?」

 不思議そうに唇に指を当てる彼女。その仕草も妙に色っぽい。

 そして、俺も彼女同様に「あれ?」って言いたい気分だった。

 あれ、酒場にミーチカを『娘』として連れてくるのって、もしかしてアリなんじゃね?

 子連れの男は、すなわち結婚できる男。甲斐性かいしようのある男であり、男からすれば頼りになり、女からすれば異性として意識せずに付き合える男。

 あとは俺の年齢が若すぎるところだけが問題だが、それはつけヒゲとかでどうとでもなるし。

「アリだ……アリだよ……」

 仲間集めの必勝法キタコレ。

「あ、あの、なにがアリなんでしょうか?」

「うわっ!」

 独り言に突然横槍が入ってビビる。気づけば俺の隣には、すでにさっきの僧侶がやってきていた。

「えっ、な、なにが起きたの?」

 瞬間移動の魔法? いや、考え込んでいて気づかなかっただけか。

「パパがね、神の教えを請いたいんだって、司祭たまに伝えたのー」

 うわ、ミーチカの口調が幼くなっている。僧侶の話に合わせて、娘になりきるとは。これが大自然に身を委ねるということか。しかも意外と演技派。そこまでやれって言ってないけど。

 でも神の教えを請いたいって、どういう誘い方だ。俺、悩みとかなんも考えてないし。無茶ぶりもいいとこだろ!

「私は、司祭のダウリナ・プランジットといいます。冒険者としては僧侶クラスです」

「あ、俺は勇者。クラム・ツリーネイル」

「えっと、ムッツリネイルさん?」

「違います」

 すごいナチュラルに間違えおった。

「私、感激です……!」

 その上、俺のツッコミは完璧にスルー。

「最近、酒場に来ると下品な人たちに言い寄られてばっかりで……」

 そんな格好してりゃ当たり前じゃ――という言葉を、俺はすんでのところで飲み込む。

 この人、エロくて妖艷なのは見た目だけで、中身は重度の天然らしい。

「それなのにあなたは、このうらぶれた酒場で、神の教えを説けとおっしゃるのですね」

 うらぶれたとか、オヤっさんに聞かれたらぶたれるぞ。

「ああ、ヘウレーカ様、ここにも信心深き者がおりました」

「い、いや信心深いってほどのことは……」

 手を振って否定する俺に彼女――ダウリナは、全部わかっていますよと言いたげな気品たっぷりな微笑をくれた。

 うわあ、どきどきしてきた。目を細めると余計にまつ毛長いのが際立つ。そのまつ毛に挟まれたい! あわよくば胸にも挟まれたい!

 上手く会話を弾ませないと。ここは無難に、彼女が信じている神様の話に乗っておくべきだよな……。あんまり興味はないけど。

 ん? そういやさっき、神様の名前を呼んでたよな……。

 確かヘウレーカ様……、そんな神様いたか?

 俺は首をひねる。この国で一般的に崇められているのは最高神シェキエ、

冒険者や騎士なら勝利の神フーディール、市民なら豊穣の神ミロペリトス、商人に人気の金の神バロットなんてのもいるが、ヘウレーカなんて名前聞いたことが……。

 そこまで思い起こして、俺はようやく気づいた。

 ヘウレーカって……それ、暗黒神の一柱ひとはしらじゃねーか!

 死を司る女神ヘウレーカ。別名は悪魔の母、堕落と腐敗を司る死神。

 血と争いを好み、世界を混沌こんとんに陥れたことから、他の神々から百万年の封印を施されたという――

「――まさか、私がヘウレーカ様の御使いだと気づいていませんでした?」

「はあっ! ま、まま、ま、まままままさか」

 なんかトーンが少し低くなりませんでしたか? 気のせいですか?

 おそるおそる表情をうかがうと、彼女はうるうるした瞳で手を組み、訴えかけてきた。

「誤解しないでください。我が母ヘウレーカ様は、本当は慈悲深いお方なんです」

「そ、そうなのか?」

「はい。かつて絶対神シェキエ様や他の神々は、地上が人間種で溢れかえることをおそれ、人間の寿命を短くしてしまいました。その決定に唯一反対されたのがヘウレーカ様なのです。しかし、それが絶対神の不興を招き、暗黒神などと呼ばれるようになってしまって……」

「へえ、初めて聞いた。本当は良い神様なんだな」

「それはもう。ヘウレーカ様は絶対神に向かって、こう仰ったと言われています。『人間が増えすぎるなら、いっそのことみんな男にしてしまえばいい。そうすればいくら愛し合おうと、子供が生まれることはない』と」

「………………んん?」

 なんか今――おかしな方向に行かなかったか?

「ヘウレーカ様の理路整然とした論を聞いた他の神々は、なに一つ反論することができず『アッ――!』と叫んだとか」

 それ、論破されたときの叫び声と違う。

「入信者が最初に教わるヘウレーカ様のお言葉はこうです。『全ての掛け合わせをでなさい。ホモォ』私たちはその意味を味わいながら『ホモォ』と復唱するのです」

「そ、そうですか。それは深いお言葉ですね……」

「はい!」

 屈託なく笑うダウリナ。本気で信じてるんですね、ヘウレーカ様……。

「それで貴方のお悩みとは? 天使に代わり、私が神の御心を届けましょう」

「い、いやあこれといってないというか……」

 ヤバい、ヤバい。俺の全本能が告げている。

 この人とはできる限り早く離れるべきだって。

 別に俺はどこの神様も信じてないし、宗教とか争いの火種にしかならないだろと達観してるし、だからこそ他の人がどんな神様を崇めてても気にならないけど――この人が信じている神様だけはマズいって!

「遠慮することはありません。貴方のしゃべり方には違和感があります。それは本当は聞いて欲しい願いを持っている証拠」

 慈しみ深い表情で仰ってくださったところ恐縮ですが……、しゃべり方に違和感があるのは、元からなんです。

「それに貴方の目は、すっかり輝きを失っているではありませんか。安心してください。私がヘウレーカ様の代わりに悩みを解決して差し上げます」

 ごめんなさい。死んだような瞳も俺の基本スペックです。

「人はひとりでは生きられません。貴方の思慮深さは美徳だと思いますが、ときには誰かに頼ることを学ぶべきです!」

 ……なるほど。ネクラを前向きに捉えると、思慮深いになるのか。

 学びました。これから自己アピールに使わせてもらお。

「それにひとりだと掛け合わせが……ごにょごにょ」

 ん、なんだ? なんかいきなり聞き取れなくなったけど。

 しかし、悩みなあ……。

 そりゃ、俺にだってあるさ。仲間ができないっていう一番の悩みが。

 だけど、この人にそれを知られるわけにはいかない。これはもう絶対に、だ!

 ところが――ここには空気の読めない娘がいた!

「ネクラ勇者のパパはねえ、仲間がほしいんだってー」

「バッ……!」

 ッッツッッッカ野郎!

 ちょ、おま、今までの会話を聞いてなかった? この人は暗黒神をあがめているうえに、その暗黒神は腐っておられるんだぞ!

 あ、こいつめっちゃ世間知らずだしなあ……。

 暗黒神とか腐ってるとか、知るわけないかちくしょおめ!

「あ、あらそうなんですか。ちなみにどんなパーティを組みたいと?」

「お、俺は男だけのパーティを組みたいと思ってまして……」

 だから女性のあなたは仲間には入れられないんだごめんね。

 そういう意味合いを込めてみたつもりだったのだが――

「お、男だけのパーティ。なにそのCPカツプリングパラダイス……。じゅるり……」

 妙に食いついてきた! 神様が神様なら、信者も信者だな!

「じ、実は私もまだ仲間がいないんですよね……。どうでしょう、そのなかにひとりくらい女性を入れてみるというのは……?」

 ダウリナは上目遣いでもじもじしだした!

 顔まで赤らめやがって無駄にかわいい!

「私のこと、いやらしい目で見てくる人はお断りだったんですけど、あなたみたいに信心深い勇者の方になら、誘われてもオッケーしちゃおうかな、な

んて……」

 くっ、めっちゃ誘ってほしそう!

 しかもなんだよ、なんか色々と想像を掻き立てられる言葉遣いしやがって!

 涙をこらえきれない。この人の信仰が変じゃなければ、俺だって、俺だってなあ……!

「ち、ちなみにダ、ダウリナはどんな魔法が得意で……?」

 一旦お茶を濁そう。飲んでるのはお茶ではなくお酒だが。

 僧侶の使う魔法といえば、神聖魔法だ。仲間の体力を回復したり、状態異常を解消したりすることができる魔法が代表格だが、崇める神様によって、他にも得意な分野があったりするのだ。

 例えば勇気の神イオローデならば、戦闘中の恐怖を取り除く魔法。正義の神ジェリドーなら、魔を拒む防御壁の魔法、といったように。

 しかし彼女が崇めるは暗黒神。なにが飛び出すかわかったものでは――

「そ、そうですね。私の得意とする魔法は、お亡くなりになった方の肉体を器とし、そこに仮初かりそめの魂を宿すことで、生前の力を遺憾なく奮っていただくこと、かしら」

「……すっごい綺麗きれいな言い方したけど、それ死体使いネクロマンサーの魔法ですよね!?」

 潤んだ瞳でにこ……って笑っても、だまされないから!

「あとは……、あ! 傷を癒したりとか」

「ああ、ちゃんと回復魔法も使えるんだ」

 安心した。そっちを先に聞きたかった。

「もちろんです。十回に一回くらいは即死しますが」

「死ぬの!?」

「我が母は気まぐ……甘えを許さないお方なので」

 うわあ自分の神様のこと気まぐれって言おうとしたよこの人。

「でも安心してください。死んでも蘇生魔法が使えますから」

「いやいや、一回死んでる時点で全然大丈夫じゃないし」

 しかし、蘇生魔法か。それかなり上位の僧侶しか使えないはずだけど。

 崇めてる神はともかく、実力だけは確かなんだなあ。

「三回に一回くらい、ゾンビとして蘇る可能性がありますが」

「暗黒神ンンン―――!!」

 それ、どう考えても暇を持て余した神々の遊びだろ!

 二つの魔法を合わせると、ゾンビになる確率三十分の一かよ……。

 少しのあいだなら大丈夫だけど、パーティ組んで冒険してたらいつかは腐ったゾンビだ。

「本当に厳しいですよね。思想が腐るだけなら良かったのですが……」

「それならあなたには影響ないですもんね」

 俺はグラスのエール酒を飲み干し、口をぬぐった。

 やれやれ……、ネクラの俺にここまでツッコませるとは……。

 いくらエロい体つきだからって、やっぱこんな子を仲間にするわけにはいかない。

 もはやなりふり構っている場合じゃないよな。

 強制的に仲間にされる呪いでもかけられないうちに、早々に立ち去るべきだ。

「ぉぃ」

 隣で静かにコーヒーミルクを飲んでいる連れに小声で呼びかけ、ちらりと目配せしようとしたのだが――

 ミーチカはドン、とコップをテーブルに叩きつけると、女の子にあるまじき大きなゲップを空中に放った!

「いーね! ヘウレーカたま、なかなかおちゃめ! これからは、パーテーに一人はゾンビがいる時代なのら!」

 俺はぎょっとした。

 な、なにを言っているんだこいつは……。

 まさか、知らないうちにもう呪いをかけられてしまったとでもいうのか……!

 ――いや。

 よく見ると、ミーチカの色白だった顔が、いつの間にか赤くなっている!

「ちょ、ちょっと待て、お前なんで酔ってるんだ?」

 おかしい。こいつはさっきからミルクしか飲んでいなかったはずだが。

 ふと気づくと、彼女のテーブルの上には、飲み干したと思われるコップが大量に置かれていた!

「えっへっへ。あたしたちエルフは、ミルクで酔っぱらえる体質なのら」

「え……、もしかしてさっきから俺のことパパとか呼んでたのも、演技じゃなくて酔っ払ってただけ!?」

 どうりで器用なことできるなと思ってたんだよ!

「てかエルフなの隠さなくていいのかよ!」

 バンバンと俺の背中を叩くミーチカ。

「かたい! かたいなあーネクラさんは! そんならから仲間ができないんらよ!」

「どんだけへべれけだお前!」

「えっと」

 ダウリナの声に、俺はハッとする。しまった。

「お二人は、あのぉ……、親子じゃないんですか?」

 ダウリナは、俺たちが親子だと思ってたんだった。

 ここまで暴露しておいて取り繕うのは、どう考えても不可能だ。

「す、すいません実は……」

 俺は怒られるのを覚悟で、全てを打ち明けることにした。

 ここであきれられれば、きっと仲間になりたいという気持ちも薄れるだろう。

 そんな淡い期待も同時に抱いて。

「そういうことでしたか……」

 騙されていたとわかり、少し残念そうにするダウリナ。

「ごめんなさい。騙すような格好になってしまって……」

「いえいえ、いいんですよ。私、昔から騙されやすい性格ですから」

 うん、暗黒神教にドップリはまってるあたりからもわかるわ、それ。

 ……多分、無防備なんだよな。この子は。

 暗黒神を信じてても、悪い子じゃないのはひしひし伝わってくる。だからパーティ入りを拒むのも良心が痛むっていうか……、ああたちが悪い。

「むしろ安心しました。奥さんがいないならどれだけ妄想しても罪になりませんしね」

 そう言ってにっこり笑う。なんの妄想かは聞かないでおくよ?

「大体ねえ、ダウリナはそんな格好してるから騙されるんらよ! お、男誘ってるみたいな服着ちゃってさ!」

 ミーチカは真っ赤な顔をさらに赤らめた。

 男を誘うとか、恥ずかしいなら口にするなよ。

「そんな格好って……、これはヘウレーカ教司祭の正装ですよ!」

 ……。

 …………。

 はっ。いかんいかん。あやうく改宗するところだった。

「このガーターベルトを発明したのだってヘウレーカ様なんですから!」

 うん、これからは俺もヘウレーカ様とお呼びし……じゃない!

 まじで危ない。

 俺がおっぱい教じゃなくふともも教だったら、戻ってこられなかったぞ。

 これが噂に聞く洗脳――宗教怖い!

「ヘウレーカたま、ヘウレーカたまってうるさいなあ! どんなにヘウレーカたまが偉いか知らないけど、影の剣王たまの方が百万倍かっこいいんらからね!」

 ミーチカがコップを思いっきりテーブルに叩きつけた、そのときだった。

「――あれ、今、俺の友達の名前を呼んだのか?」

 酒を片手に店内をうろついてた男が《影の剣王》という言葉に反応したのだ。

「ほえ? あなた、影の剣王たまのこと知ってるの?」

 近づいてきたのは、三十手前の痩せた男だ。服装は地味ながらも軽く機能的で、盗賊クラスだと一目でわかった。

「知ってるもなにも、あそこにいるのが《影の剣王》こと、ゼイン・ヴェノムだぜ」

 盗賊は、入り口側のテーブルを指さす。そこには槍を壁に立てかけた重装備の戦士と、まだ二十そこそこと思われる優男やさおとこがいた。

 嘘だろ。俺はミーチカの幸運に正直びびった。

 いくらなんでも、いきなり本人と会えるか?

 優男の方は、自分に関する話だとわかったのか、グラスを持って立ち上がる。

「ゼインだ。みんながどう呼んでいるかに興味はない」

 軽金属の鎧に曲刀。イケメンだけに許される長い髪。

 おそらく勇者クラスだろうと思っていると、ご丁寧にゼインは冒険証を取り出してこちらに見せた。

「うひゃ、ランクA」

 思わず奇声が出た。ランクを上げるにはいくつもダンジョンを制覇したり、街を守ったりした功績が必要になる。Aなんて、なかなかなろうと思ってもなれるもんじゃない。

 俺? 俺はDだ。文句あるか。

 ゼインは別に自慢するつもりじゃなかったというように肩をすくめた。

「己の腕を磨こうとしばらく一人で活動してたんだが、そろそろ魔王退治に本腰を入れようかと思ってな。今、パーティを集めているところなんだ」

 ゼインの連れ、戦士と盗賊もまた、冒険証を取り出す。二人ともランクはB。ゼインには劣るものの、一流冒険者として認められるランクだ。

 俺はちらりとミーチカを見やる。あれだけ妄信的な憧れを口にしていたくらいだ。いきなり出会ったりしたら泡でも吹いて倒れるんじゃないか。

 そう思っていると、ミーチカはふらふらとした足取りでゼインに近づき、テーブルの前でがばっと頭を下げた。

「私、魔法士のミーチカです。もももも、もし良かったら、剣王たまの仲間にいれてくだちゃい!」

 噛んでる。超噛んでるよ……。

「だ、だだだ、ダメでちゅか?」

 両手の人差し指を合わせてもじもじするミーチカ。

 見た目の幼さも相まって、あれじゃ断られておしまいだ。

 ところがゼインの反応は、予想とは違った。奴は気さくに笑うと、親指を立てる。

「いいぜ。ちょうど魔法士の枠は空いてるしな」

 いいのかよ! 驚いて思わず立ち上がってしまう。

「ほ、本気ですか? こいつの実力もわからないのに」

 俺が考え直すよう呼びかけても、ゼインの決意は変わらない。

「問題ない。実力がないなら、これからつければいいんだからな」

 うわっ、俺が憧れてたようなセリフを口にしやがった。

 だから噂を聞いたときから、いけ好かない奴なんじゃないかと思ったんだ!

「うひひ。あ、あたしが影の剣王たまのパーティ……。えへ、あへへ」

 あかん、ミーチカがあまりの喜びで精神崩壊起こしかけてる。

「もし良ければ君もどうだい? 僧侶も募集してるんだけど」

 ゼインは、今度はダウリナを誘い始める。

 次から次へと仲間に誘えるなんて、どんだけリア充パワーに満ちあふれて

いるんだ。

「いえ、私は結構です。私には心に決めた方が……」

 うっ、そこでなんで俺を見るの?

 勝手に心に決められても、俺は仲間にはならないよ?

「それは残念」

 断られても、さほど傷ついた様子も見せないゼイン。

「よし、じゃあ新しいパーティで飲みなおしといこう!」

 そう言って仲間たちにパン、と手を叩く。

 くっそう、やっぱり俺は誘われないのか! パーティに二人勇者がいたっていいだろ! ……ダメか!

「ミーチカ君だったね。君もついてくるだろ」

「はっ、はい! 喜んで!」

 こっちには目もくれず、嬉しそうに店を出ていくミーチカ。

「あ、おい……」

 まだスマホンの連絡先も交換してなかったのに。

 愛しの剣王様に会えれば、酒場に入るための使用済み半券はお払い箱ってわけですか。

 俺は椅子に倒れ込むように座った。

「あら? クラムったら振られちゃったの? ざーんねん」

 オヤっさんがからかい半分に声をかけてくる。

「別に最初からパーティ組もうとか思ってないから」

「また強がっちゃって」

「そんなことよりオヤっさん、エール、エールをくれ」

 あーあ。なんか凄く飲みたい気分になっちまったよ。

 さっさと自分だけ仲間を組みやがって。

 裏切り者め。末永く幸せにな。

 俺は妄想する。ミーチカが影の剣王の仲間になって、俺が憧れてたような数々の試練を乗り越え、ついには魔王を倒してちやほやされるところを。

 あいつは英雄として王宮に呼ばれ、こう叫ぶんだ。「あたしが剣王様の仲間になれたのは、昔酒場に入れるように取り計らってくれた人がいるからです!」って。

 おお、欝になろうと始めた妄想だったのに、途中から都合の良い流れにしちゃったぜ。

 心の自己防衛機能すごいな。

「……あのぉ、良かったんでしょうか?」

「なにが?」

 ダウリナの問いかけに、ちょっとイラッとしてしまう。

「いえ、ミーチカちゃんをあの人たちに預けちゃって」

 良くないけど、仕方ないだろ。

「預けるもなにも、俺とあいつは元々仲間でもなんでもない。それにあいつ、影の剣王の仲間になるのが夢だったんだ。それが叶ったんだから、ここは喜ぶべきとこなんだよ」

 そう。なんで素直に喜べないんだよ俺は。

 こういうところがネクラだって言われんだ。

「でもあの人たち、ミーチカちゃんがエルフなのわかってたんじゃないかなって……。それってあの子にとって不本意なことじゃないんでしょうか」

「え……」

 あいつら、ミーチカがエルフだって知ってた? なんで?

「だってミーチカちゃん、結構おっきな声でエルフ、エルフって言ってましたし、それにこっちのテーブルをちょっと見てれば、ミーチカちゃんがエルフだってことはわかったはずです。エルフがミルクで酔うのなんて常識ですから」

「……まじで?」

「はい。ミルクで作ったお酒をエルフ酒、なんて言うくらいですよ?」

 あ、聞いたことあるわその酒。エルフの血でも入ってるのかと思って敬遠してたやつだ。へえ、ミルクのお酒だったのか。

「入ってるのはエルフの唾液らしいですよ。なんでも乳糖を急速に発酵させる酵母が含まれてるんですって」

「俺、また独り言喋ってた?」

「はい」

「でも、相手はボランティアで魔族と戦ってるような奴だぜ。そんな偽善者がミーチカを悪用するなんて――」

 …………ん、なんかおかしくないか?

 俺は遅ればせながら、ゼインが影の剣王であるということに対する、決定的な矛盾に気づく。

 ゼインの冒険証に刻まれたランクはAだった。

 でも、影の剣王が本当に善意だけの勇者で、冒険局に自分の成果を報告してないんだとしたら――ランクがAになってるはずがない!

 …………こりゃ、やばいな……。

 俺は腰の鞄から銀貨の入った革袋を取り出し、テーブルに置いた。

「ありがとう、ダウリナ。これで酒でも飲んでてくれ。俺、ちょっと行ってくる」

「え、えええ!? ま、待ってくださいよぅ!」

 俺は酒場から飛び出し、走り出す。奴らが向かいそうなところはどこだ? 考えれば、きっとわかるはず。

 なにせ俺は、飲み屋だけには詳しいんだ!

 酒場街には、必ず光と影がある。

 武装がなくても安心して飲めるエリアが光なら、油断すれば金を奪われ、命さえ落としかねない、そんなエリアが影。

 そして後者のような場所には大体、悪さをしてもバレない、バレても誰にも咎められない、そんな死角があるもんだ。

「よしよし、完全に酔いつぶれたな」

 暗い路地から、ゼインの声が聞こえた。

「こんなガキが高く売れるのかよ」

「バカだな。ガキだからいいんだよ。エルフは歳をとらない。人間種にしてみれば、永遠の少女だ。需要はいくらでもある」

「ハアハア。ちょっと味見していいか? 俺、これぐらいの齢の子が一番好みなんだよ」

 これはさっきの盗賊の声か。

「な、言ってるそばからここにもいた。遊ぶのはいいが、壊すなよ」

「わかってるって。へへ、エルフちゃん、ぬぎぬぎしましょうねー」

「――待て」

 俺は《光源ライト》の魔法を使って、酒場と酒場にひっそりと通った路地を照らした。

「くっ、な、なんだ?」

 いきなり明るくなった視界に、潜んでいた男たちは驚く。

 奥には影の剣王を名乗っていたゼインとその仲間、それに酔い潰れたエルフの少女。

 ミーチカの膨らみかけた胸元は露わになっていて、酒で赤くなった肌の色も相まって妙な背徳感を醸し出していた。

 しかし俺はそんなものに気をとられるほど、冷静じゃなかった。

「……あのなあ、ユウシャのユウは誘拐のユウじゃねーんだぞ」

 聞いたことはあった。冒険者としての資金稼ぎに、悪事に手を染める奴らもいると。

 無法冒険者アウトサイダー。魔族やモンスターより、よっぽど面倒臭い連中だ。

「……なんだ。誰かと思えば、このエルフと一緒にいたネクラ君か」

 影の剣王をかたっていたゼインには、さっきまでの爽やかさが全くない。

「あぶれ勇者はあぶれ勇者らしく、酒場の隅に帰ったらどうだ?」

 ゼインの言葉に、戦士と盗賊はケタケタ笑う。

「……ああ、俺はあぶれ勇者だ。だから――だからこそ許せないんだよ」

「あ?」

 怪訝けげんな表情に変わった連中に、俺は唾を吐きかける勢いで叫んだ。

「『仲間にしてほしい』っていう、ミーチカの純粋な気持ちを弄んだお前らがな!」

 怒りに任せると、なんでこういう言葉がスラッと出てくるんだろうな。

 普段もこれくらい堂々と喋れれば、仲間集めにも苦労しないのに。

「あっ、クラムさん見つけました! もうっ、置いていかないでください」

 背後からやってきたのはダウリナだった。走って俺を追ってきたらしく、息を切らしながら不満を口にする。だが、目の前の光景を見ると、すぐ押し黙った。

「危ないから下がっていろ」

 俺はそう言うと、さやから長剣を抜き放つ。片手でも両手でも扱える、諸刃のバスタードソードだ。

「あ、相手はランクAとBが三人ですよ? 私も戦います」

 その心意気は嬉しいんだが、声は震えていた。強がっているのが丸わかりだ。

「はっ。パーティも組んでないような低ランクが二人揃ったところで、俺たちに勝てると思ってるのか」

 俺たちを鼻で笑い、戦士は槍を構える。盗賊はミーチカを持ち上げ、盾みたいに後ろに身を隠すと、ナイフをこちらに向ける。

 ゼインはまだ鞘から剣すら抜かず、余裕ぶっている。仲間の二人だけで大丈夫だと思っているんだろう。まあ、そらそう思うわな……。

「そんな頼りない男の味方なんかしても、なんの得もないぞ。どうだ、今からでも俺たちと来ないか?」

 ゼインの性懲りもない誘いを、ダウリナはきっぱりと拒否する。

「貴方たちの掛け合わせには萌えませんから。それに、クラムさんは頼りないところがいいんですよ! 総受け臭がして!」

「ひどい理由だなおい……」

 しかし、こちらの味方についてくれるのは素直に有り難かった。

「ダウリナは僧侶だし、武器を使った戦闘は得意じゃないだろ? 俺に任せてくれ」

 ダウリナは躊躇ちゆうちよしつつも、一歩後ろに引く。狭い路地で自分が加わっても、邪魔になるだけだとわかったのだろう。

「安心してくださいね。もし殺されちゃっても……、私が全力で蘇生しますから」

「それ、三分の一でゾンビになるやつでしょ!?」

 …………まあ、三分の二は生き返れるんだからまだましか。

 そんな風に思ってしまうあたり、ちょっと俺の感覚おかしくなりだしてるかもしれない。

「……あーあ、勘弁してほしいぜ」

 敵対する偽剣王パーティを見据えながら――

 俺、クラム・ツリーネイルは妄想を開始する。

 俺は歴代最強の勇者だ。

 独自に編み出した、この世界で俺だけにしか使えない魔法 《多重高速化マルチアクセラ》を使えば、この姿を捉えることは何人たりともかなわない。

 俺が一度刃を抜けば、相手に見えるのは剣先のきらめきだけ。

 まず倒すのは一番手前にいる戦士。

 戦いのプロフェッショナルだけにまともにやれば厄介な相手だが、俺のスピードの前にはどんな力も無力。

 胴体は鎧に守られているし、俺の長剣はそんなに切れ味が鋭くないから、まあ本気で斬りつけても死にはしないだろう。

 次は盗賊の野郎。ミーチカを盾にしているとはいえ、体格差のせいで首から上は無防備。剣のグリップで軽く首を突いてやれば気絶するか。

 最後は影の剣王を名乗ってるゼインの野郎だが――

「おい、なにをぼーっとしてる!」

 俺の妄想は、ゼインの叫び声によって中断された。

「ん、いや、ちっとばかし妄想を膨らませてたんだ。俺が最強の勇者で、お前らをばっさばっさとなぎ倒すのを思い描いてた」

「はッ。そりゃ幸せな妄想だな」

「ああ。なにせ俺には、妄想を現実にするだけの力が備わってるんだからな」

「あ?」

 馬鹿にした表情を作るゼイン。

 だが、そんなムカつく顔ができるのもここまでだ。

「だから、俺が妄想を開始した時点で――」

 俺は妄想をそのまま実行し、

「――お前らとの戦闘は終了してるって言ってんだよ」

 その続きを口にした。

 戦士と盗賊はその場に倒れ、俺の腕のなかには眠ったままのミーチカが収まっている。

 要した時間、約一秒。酔っ払ってなければもう少し速く動けるんだが、こればっかりは仕方ない。

「は、はあああああああ!?」

 これは、俺の動きを全く目で追えていなかったゼインの声。

 俺は長剣を肩に担ぎ、ため息をつく。

「全く、せっかくの決め台詞が台無しだ。お前が途中で遮るもんだから、妄想が終わってたところまで先に動くことになったじゃないか」

 どうせなら全員一気に始末したかったのに。

「は、はや……」

 ゼインが小便ちびりそうな顔をしているあいだに、俺はダウリナを手招きし、眠ったままのミーチカを預ける。

「今の、強化魔法バフの重ねがけ、ですか……?」

「へえ、よくわかったな」

 驚いた様子でありながら、ダウリナは俺が神速で動けた理由を的確に言い当てていた。

 俺がやったのは、《高速化アクセラ》の重ねがけだ。ただ、残念なのは身体の動きを高速化しても、頭の回転は速くならないこと。

 だから予め自分の行動をイメージしておく必要があった。

 それが妄想。いくらネクラだからって、別に楽しくてやってたわけじゃないんだよ。

「嘘だ! 強化魔法は一種類につき一回目しか効果は出ないはず。何度も同じ魔法をかけたからって、効果が何倍にもなるなんてありえない!」

 自分の見たものが信じられないらしく、ゼインはわめき散らす。

「それはお前らリア充の理屈だろ」

 俺は肩を竦める。ぼっちとリア充じゃ、行動原理がまるで違うんだ。

「ぼっちってのはな、お前らがみんなと楽しく時間使ってるあいだ、コツコツ目立たず、無駄に努力してんだよ。誰かに認められたい、その一心でな」

 それでも《多重高速化マルチ・アクセラ》を体得するのには二年近くかかったし、未だに誰からも認めてもらえてないけどな。

「くそっ!」

 鞘から剣を抜こうとするゼイン。だが、

「おそい」

 その剣先が鞘から出るより早く、俺は奴に一瞬にして剣を叩き込むと、服にしまわれていた冒険証を奪い取った。

「お前みたいな無法者に勇者を名乗られると困るんだよ。ただでさえ勇者はあぶれてるんだからな」

 俺の剣が冒険証を粉々に切り裂いたのと、奴の身体が地面に倒れ込んだのは、ほぼ同時の出来事だった。

 全く、恵まれたリア充が、もっと恵まれようなんて考えるからそうなるんだよ。

「……それで、こいつらが奴隷市と関係を持っていた無法冒険者ですか」

 ダウリナの呼んだ五人の巡回騎士が、倒れたままのゼインたちを見下ろして言う。

「どいつもそれなりに名の知られた冒険者じゃないですか。まさか無法冒険者だったとは……。それにしても、誰がこいつらを倒したんです? もしかしてあなたが一人で?」

「倒したのは、あそこのお方です」

 ダウリナが俺を指さす。本来ならば功績を称えられても良い場面なのだが。

「ええ……? あそこの人ですか? 嘘でしょう。ただの酔っ払いですよあれは」

 俺に向けられたのは、そんなひどい言葉だった。

 なぜかって、俺はそのとき路地の汚れた壁にもたれかかり、盛大にゲロを吐いていたからだ。

「……やっぱり信じられませんよねぇー……」

 頬に手を当てて、ダウリナが苦笑する。

 仕方がないだろう。《多重高速化》の欠点は、酒を飲んだときにやると後で死ぬほど酔いが回るところなんだ。

「はあ……」

 色んなものを吐きだして、頭が冴えてきた俺は、盛大にため息をついた。

「ああ……、またやってしまった……」

 先ほどまでの自分の言動を振り返り、膝を抱えてうずくまる。

 どうして俺は感情がたかぶると格好つけてしまうのか……。そのスタンスを最後まで貫き通せたならまだしも、吐いて終わるんだから締まらない。

 あとから振り返ると、本っ当に鬱になる。

「気分はよくなりましたか?」

 巡回騎士への説明を終えたダウリナが、俺の背中をさすってくれる。

「ああ……、だいぶましになってきた」

「あ、あの、クラムさんの冒険者ランクは、もしかしてAなんですか?」

 躁鬱そううつが激しい俺にうろたえながらも、ダウリナが心底気になった様子で訊ねてくる。

 冒険者ランクの最上位はAだ。ランクAのゼインを倒せたんだから、俺もまた同じくらいのランクなんじゃないかと思ったんだろう。

 でも――

「残念。俺のランクはDだよ」

「D!? だ、だったら、なんでそんなに強いんですか!?」

 そこに触れるか。全然カッコいい理由じゃないから隠しときたかったんだけどな……。

「ランクが上がるとさ、無駄にベテラン扱いされて、パーティ組みにくくなると思わない? だからDになってからはずっと、冒険局に成果報告してないんだ」

 ほら、つまんない理由。きっとダウリナも呆れたに違いない。そう思って目をやると、なぜか彼女は口をパクパクさせていた。

「じ、じゃあ《影の剣王》って、貴方のことなんじゃ……」

 ………………は?

「まっさかあ!」

 ダウリナの推測に、俺は爆笑させられた。

 なに言ってるんだろうねこの人は。

 敵に勝ってからゲロを吐いてる。こんなカッコ悪い剣王がいてたまるかって。本物の影の剣王にも、なにかと比較されてる光の剣帝にも失礼ってもんだ。

「そ、そうですよね。貴方がそうなら、影の剣王というより、影薄い王、ですし……」

「そういうこと。……って、あのな」

 思わず肯定しちゃったけど……、今、別にわざわざディスる必要はなかったよな?

「……調子戻ってきたし、そろそろ戻るか」

 ゼインたちを連れて巡回騎士がいなくなった頃には、ネオブリッジの酒場にもちらほらと閉めるところが出始める時間になっていた。

 眠ったままのミーチカをおぶって、とりあえず《旅の道連れ》亭まで戻ることにした。ダウリナが俺の財布をテーブルにほったらかしたままにしてきたって言うし……。

 まあ、あの店ならオヤっさんが預かっていてくれると思うけど。飲み代分はきっちり抜いて。

「あれー、影の剣王たまはあー?」

 と、俺の背中でミーチカがようやく目覚めた。

 だが、ろれつが回ってないから、まだ酔いが抜けたわけではないらしい。

「影の剣王? ミーチカちゃん、なんの話をしているんですか?」

 ダウリナがそらっとぼける。俺たちは、影の剣王パーティと会ったことは夢だということにすると事前に決めていた。

「そっか。そりゃ夢だよねー。だって、ネクラさんがすっごく強かったのら……」

 ぼそぼそ言うと、またミーチカは眠りにつく。

「ゆめゆめ……。かとー中のかとーであるネクラさんが、カッコよかったなんてありえないんだから……」

 半分寝言みたいだ。

 それにしても、なんだ、カッコよかったって? 

 俺が戦ってるとき、微妙に目が覚めてたんだろうか。

「カッコよかったですって。よかったですね」

「うるさいな」

 からかうように笑うダウリナを叩きたくなったが、あいにくおんぶで手は塞がっている。

「ううん……、ゲロくさー……」

 背中で身体を揺らしながら、余計な寝言を吐くミーチカ。

 俺はため息をつく。全く、今夜は変な奴らと知り合いになってしまった。

 しょうもない出会いはあるのに、どうして俺には仲間ができないんだろ。

 この夜とともに、謎は深まるばかりだ。

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