第四楽章
そのあと、大した取り決めもせぬまま各々の家に帰った。
うん?なんだ、また、あの気色悪い夢か?”違う”既視感や親近感は同じだがなんだこのドス黒い色は?まるで、血が固まったかの様な。頭が痛い。ぐっ‥‥‥‥‥‥。
その後、目が覚めた。それから数時間後。
放課後俺たちは三島の家に集まった。
「ちょっと、どうして私の家なのよ!」
「じゃーねーだろこの3人の家の中で唯一全員が知ってんだからよ。」
「嫌よ、それならあなた達の家を私に開示すればいいだけの話でしょうに。」
「うぐ、それもそうだが。」
俺たちは三島の家に一度上がってるが三島は上がってないだろ?いいのか、年頃の乙女が同年代の好きでもない男の部屋に上がり込んで?
「なかなか痛いところ突いてくるわね。でも、それの逆も成り立つ筈でしょう?」
‥‥‥そうだな。
「いいとこだったのに何で納得してんだよ暮斗テメェ!」
「うるさいわね、これだから馬鹿は。」
「何だと!三島!いくら命の恩人だとしても寛容仕切れなねーな馬鹿とはなんだ馬鹿とは!」
もういいだろう。俺たちは馬鹿騒ぎしに来たわけじゃない。次からは俺の部屋ですればいいだけの話だろう。それに、名ばかりの同盟では意味がない、ちゃんと内容を決めよう。
「お、おう。」
「わ、分かったわ。」
まず、同盟の内容からだ‥‥‥。。
あらかた内容がまとまったところで、18時になり今日はお開きとなった。
今日の俺は何処かおかしかった。それこそ、自分で気づくほどには。
その頃の俺は多分これから起こることに対して危機感を抱いていたのかもしれない、この街で暗躍するナニカに対して。
昨日はあの夢を見なかった。俺以外特に変わったところがなかったからかもしれない。
今日は俺の家で同盟の内容決めをする。にしても、何故こいつらはこんなにもソワソワしているのだろうか。
「暮斗お前本当にここに住んでんのか?」
ああ、何故だ?
「いや、人ってこんなに生活感出さずに生きていけるもんなんだなと思ってな。」
「本当に白崎くんの部屋は生活感無いわよね。ここまで無いと逆に落ち着かないのよね。」
そんなものか?
「そんなものよ。」
まぁ、そんな事は置いといてちゃっちゃと内容決めをするか。粗方俺の方でまとめた内容がコレだ。
[ 同盟の内容
同盟参加者 白崎暮斗 櫻井浩太 三島和美
同盟内容
参加者が窮地に陥った場合問答無用で助けに向かう。
お互いを高めあう為チカラの使い方を教えあう。
お互いのチカラを明かす。
お互いの念いを明かす。
参加者のチカラ
白崎暮斗 未だ不明
櫻井浩太 炎を操る
三島和美 傷を癒す
参加者の念い
白崎暮斗 未だ不明
櫻井浩太 友情を守り抜きたい
三島和美 誰も傷つかなければいいのに]
ざっとこんなものだろう。どうだ?
「いいんじゃない。でも、あなた本当に自分のチカラがどんなのかわかってないわけ?」
ああ、こないだ浩太が起きるまで何度もして見せただろう。
「そうだったわね。」
「じゃ、これで終わりでいいだろ?あぁーめんどくさかった。」
「まだ方針決定が残ってるわ。これについては、私が考えてきたわ。」
どんなのだ?
「こんなのよ。」
[同盟の方針
できるだけ敵対勢力を自分では作らない。
新たな同盟参加者は全員ないしは過半数の了承が無ければならないものとする。]
「まぁこんなものかな。あとで必要そうなら足せばいいし。」
そうだな、こんなものだろう。浩太はさっきから喋ってないがどうした?
「だー、俺にはヨクワカランだからそういう事はお前らでやってくれ。」
「何よ櫻井くんあなたもしかして頭使うの苦手?」
「そうだよ。馬鹿で悪かったな!」
「何よ。そこまで行ってないじゃない!」
なんだか痴話喧嘩を見ているみたいだな。今日も平和だな。
歯車は依然として回り続ける。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます