第三楽章

目が醒めると。ここは何処だ?いい匂いがする。ぬいぐるみか?っっ!そんなことより、赤羽は浩太は?どうなった?


そんなことを考えていると、部屋の入り口が開いた。


「あら、目が覚めたの?」


お前は、三島和美?


「そうよ、いくら同級生でも、初対面で友達の命の恩人に”お前”はないんじゃない?」


命の恩人?何の事だ?まさか、お前が赤羽を撃退したのか?


「赤羽?なんか妙に話がかみ合わないわね。その赤羽って人が何なのかは知らないけれど、そこの櫻井くんが血みどろで倒れていて、あなたは無傷とはいえ倒れていたから助けてあげたダケよ。」


三島の指差したほうを見ると確かにさっきまで血みどろだった浩太が”無傷”で寝ていた。


三島が治たのか?


「そうよ、みたところあなた達は転生者ね?」


そうだ。と肯定を示す。


「よかった。なら、私と同盟を組まない?あなた達は組んでるんでしょう?」


同盟何の事だ?


「何の事って。それはないでしょう。チカラの反応を”三”つ感じて見に行って見たらあなた達二人が倒れてたのだから自然とそうなるでしょう?」


浩太が転生者だってことはさっきの戦いで知った。


「はぁ!じゃあ、さっきまでお互い転生者だって知らなかったわけ?」


そうなるな。


「はぁ。この話の続きは櫻井くんが起きてからにしましょう。」


浩太が目覚めるまで待つこと数時間。


「うぅん。ここは何処だ?それより、暮斗は?赤羽は?なんで俺は血みどろだった筈なのに傷が治ってんだ?」


「やっと起きた櫻井くん混乱してるかもしれないけど話を聞いてもらえるかしら?」


「あんたは、三島?なんで、三島がここに?つか、ここ女の部屋じゃね?なんでそんな堂々としてんだよ、暮斗」


浩太が二の句をつごうとした時。


「櫻井くん話を聞いてもらえるかしら?」


と三島が言い知れない威圧感を出したので黙った。


「三島ってこんなに怖い感じの奴だっけ?」


「何か言った?櫻井くん?」


「いえ、ナンデモナイデス。」


その時の三島は赤羽の10倍は怖かったと言う。


「漸く話を進められるわね。簡潔に言います。私たち3人で同盟を組みましょう。因みに拒否権はないから。」


と、一月前に聞いた様なことを言い出した。


「三島、俺はいいが暮斗は、無関係だろ?」


「櫻井くんまだ気付いてなかったの?白崎くんも転生者よ?」


「マジかよ。ちょっと人間不信入りそうだぜ。暮斗も暮斗だぜ、何で転生者だって言わなかった?そんなに俺が信じられないか?」


逆だ。お前がもし、転生者でなかった場合、巻き込んでしまうことになる。俺はお前を巻き込みたくなかっただけだ。


「けっ。そうかよ。まぁ、気使ってくれたんなら。悪い気はしねーな。」


「本題に戻るわよ。私たちで同盟を組みましょう。悪い話じゃないでしょう?」


そうだな。俺はその話に乗る。


「暮斗が乗るってんなら俺もだ。三島」


「なら、満場一致ね。これからよろしくね。」


翌日、何事もなかった様に学校に登校した。

歯車は回り出す。

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