第十楽章
そうだ、よく考えれば、なぜ赤羽は俺のチカラを知っているんだ?やはり、わからない。
「この話はぁ、最後の修行を終えればきちんとお話しますよぉ、ですのでぇ、今すぐ始めましょう。」
最後の修行?そういえば、そうだったな。で、なんなんだ、最後の修行とやらは?
「なぁに、簡単な話ですよぉ。ただぁ、私と戦ってくれればぁ、良いだけの話ですからぁ。」
分かった。戦ってお前を倒せば良いんだな?なら、すぐ始めよう。
「そうですねぇ。」
風が吹いた。
ガハッ‥!
気づいた時には、赤羽の拳が脇腹を殴打していた。
こいつ、速い。しかも、目で追えないほどに。
刹那の出来事だった。
しかも、重い。それも、段違いに。
100メートルほど、なんの補助もなしに、吹き飛ばされた。
勝てるか?
さっきの赤羽と同じ芸当を俺はできない。
俺に、できるか?
あいつを捉えることが。
やるしかない。赤羽から何としてでも、聞き出さなければ。
「そこまでですかぁ。余りぃ、飛びませんでしたねぇ。」
仕掛けるなら、今しかない、攻撃がどうなっているか確かめている今しか。
「!!、すぐに動けるとはぁ。」
俺の繰り出した拳は、赤羽に弾かれていた。
「やりますねぇ。やはりぃ、使いますかぁ。」
「第一の技
刹那、無数の刃物群が形成された。
第一の
決死の技が発動していることを、確認する。
「はぁ、やはり、終わってしまいましたかぁ。すこしはぁ、期待したのですがねぇ。」
赤羽は、肩を少し落として、その場を去ろうとして、背を向けて歩き出した時。
まぁ、待てよ。俺はまだ、死んじゃいないぞ。
ゾッとする。生命の危機というか。本能に訴えかけるような恐怖から。その場から、光速で飛びのいた。
そこには、髪が少し白くなったが、紛れもなく、白崎暮斗である筈の者が立っていた。
「まだぁ、生きていたのですかぁ。あの技はぁ、あなたには消せない筈なのですがねぇ。どうやって生き延びたのですぅ?」
おいおい、まだ戦闘中だろう。いくら、絶対殺したという確信があり、それにも関わらず生き残っていたから、と言って人に方法を聞くのはどうかと思うぞ?
「いつになくぅ、饒舌ですねぇ。これ以上の目覚めはぁ、存在しない筈なのですがねぇ?どういうことですかぁ?」
だから、さっきから言ってんだろ。まだ戦闘中だぞ?さぁ、第二ラウンドと行こうか?赤羽宗次郎サン?いや、こういったほうが良いか第四代目【世界】サン?
歯車は回りに廻り遂には融点を超え、混ざり合った。
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