第9話 本心はどこに

「はぁ⁉泊まるのか⁉帰れよ!」

包丁片手にマスターが来る。

「父さん!包丁持ちながらこっちこないで!怖い!」

「なんですかー!泊っちゃいけないんですかー!」

「いいんじゃない?たまには。ルコ嬢もいるしね。僕浮凪の様子見てくるよ。」

これから起こるであろう。マスターvs未咲のとばっちりを受けないようにこの場を離れる。ルコはここにいても大丈夫だろう。マスターがきっちり守るだろうし。


「少し多かったかな…。」

刻杜は浮凪が眠っているベットの端に座る。

「やっぱり浮凪との任務が楽しいよ。未咲さんとでも楽しいけどさ。」

眠っている浮凪に話かける。

ドアの向こうからは、凄まじい音が鳴っている。やっぱりルコ嬢もこっちに連れてくればよかったかな?いや、浮凪は寝顔を見られるのが嫌いだ。

「浮凪早く目覚ましてね。」

しばらくするとドアの向こうから音が聞こえなくなった。

終わったかな。様子見に行こう。お腹も減ったし。

ドアを開けるとすごい光景が広がっていた。

椅子とテーブルはすべて壊れている。壁には銃弾の跡がある。ルコが顔を出しているカウンターは唯一破壊を免れていた。

「マスター、未咲さん、暴れすぎですよ…。ルコ嬢大丈夫?」

ルコには大したケガはなかった。

「これは私の勝ちでいいよね。」

「いいや、おれの勝ちだ。」

僕から見ればどっちが勝ちでもいいと思う。二人はボロボロだし、体力の限界らしく横たわっている。

「マスター、ごはん作ってありますか?まさか作ってないとは言わせませんよ?」

さっきマスターが包丁をもっていたと言う事は、作ってたんだと思うんだけど…

「あ!二人分は準備できてるはずだ。」

「じゃぁ、僕とルコ嬢で食べますね。」

二人の眼が驚きで開かれる。

「おい!待てよ。」

「刻杜、ひどくない?」

二人から抗議が上がるが、刻杜は無視をする。

「二人とも自業自得って言葉知ってる?マスターも未咲さんを泊めればいいものをさ、で未咲さんはすぐ実弾使わないでください。」


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