エピ009「告白」

登校中に誰かが、俺の背中をひっぱたいた。 振り返ると「相田」だ、

相田が、部活以外で俺に話しかけてくるのは結構レアである。



宗次朗:「いってーな、何だよ、」

相田:「ああー、私も宗次朗と同じ振られ組かー」


相田:「いっその事、振られ者通しで付き合っちゃう?」

宗次朗:「有り得ないな、」


宗次朗:「今は寂しさとか悔しさとか弱気になっててそんな事言ってるが、立ち直った途端に俺の事なんか見向きもしなくなるのは火を見るよりも明らかだからな。」


相田:「えー、私優しいよぉ、つくすよぉ、こんな良い子手に入れられるチャンス、もう一生ないかもよぉ、」


俺は軽く学園のヒロインをシカトして歩き続ける。



相田:「アンタ頑なに恋愛しないとか言いきっちゃってるけどさ、一生結婚しないつもり?」

宗次朗:「所詮結婚は費用対効果で打算的に決定されるものであって、恋愛とは全く別のものだからな。つまり、恋愛など出来なくとも、結婚しようと思えばいつでも出来ると言う事だ。」


宗次朗:「大体結婚は経済活動なんだ、そこに自己主張をむりやり押し付けようとする恋愛をごっちゃにするから、上手くいかなくなるんだ。」


相田:「あんた一体何歳なの?」


登校中の早美都を発見! ここんところ、何だか俺の事を避けている?気がする



宗次朗:「おはよう、」

早美都:「あ、おはよう。 相田さんも、…おはよう。」


宗次朗:「最近部活来ないけど、何かあったのか?」

早美都:「別に、大した事じゃないから、気にしないで。」


宗次朗:「ふーん」


放課後、部活に行くと、今日は先輩が来ていた。



宗次朗:「ちーす、先輩昨日一昨日って、何かあったんですか?」

博美:「いやぁ、実は風邪をこじらせちゃってね、39度の熱でやすんでたんだ。」


宗次朗:「風邪? 合宿の後ですか?」

博美:「うん、合宿で撮影した写真のRAWデータの現像やってたら止まんなくなっちゃてね、結局丸2日徹夜になっちゃって、気が付いたら倒れてたみたい。」


相田:「あー見たい、どんな写真撮ったんです?」


先輩、SDカードをPCに差し込んで、

楽しそうな宗次朗と、早美都と、先輩の写真



相田:「いいなぁ、私も行けばよかったなぁ、」

博美:「あれ、相田ちゃんは彼氏とデートだったんじゃなかったの?」


何だ、ばれてんジャン。」



相田:「あんな奴、こっちから三行半突き付けてやりましたよ。」


だから、何故女子はいつも、最終局面でそういう攻撃行動に出るんだ?



宗次朗:「先輩、合宿の後、早美都の様子が何か変なんですけど、何か知りませんか?」

博美:「さあ、特に心当たりないな、」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る