エピ005「ヒロインの本性」

「相田」が結構腹黒い女で有る事は数日の内に露見した。

最も、俺以外に誰かほかの人間が居るところでは、完璧に猫を被っているのだが。


偶々俺一人きりで本を読んでいた部室に「相田」が現れる。

「相田」は毎日の日課の様に、ラブレターをもらった相手に「ごめんなさい」してから部活に現れるのだった。


「相田」、他に誰も居ないのを確認して。



相田:「あータルイ、」

宗次朗:「お前、彼氏居るのばらせば、言い寄られなくって済むんじゃねえの?」


相田:「そんなの解ってるわよ、でも、別の高校の中学からの彼氏とか、なんか重くない? キモくない? 変な奴とか思われるの嫌なんだよね、」


宗次朗:「別に、お互いに上手くやってるなら、他人にどう思われたって構わないんじゃねえの?」


「相田」、伊豆の観光スポット満載の雑誌をカバンから引っ張り出して、



相田:「へへーん、GWに二人で撮影旅行行くんだ、泊りで、」

宗次朗:「ふーん、良かったな。」


相田:「もっと羨ましがりなさいよ。張り合い無い、私アンタしか自慢する相手いないんだからね、そこんとこちゃんと自覚してほしいわ、」


宗次朗:「大体、泊りって、どんな理由で親が許可したんだ?」

相田:「そんなの、この写真部の合宿に決まってんじゃない、実際写真撮りに行くんだし、嘘じゃないし、」

宗次朗:「なにそれ、俺、合宿とか聞いてないし、巻き込まないでくれる?」


博美:「合宿? それ面白そうだねぇ。」


「早美都」と「先輩」が部室に入ってきた。



博美:「どうせならさ、星の写真撮りに行かない? 後、長時間露光の街の夜景とか、素敵そうだよね!」

宗次朗:「先輩、何すかそのやっつけ感、本当は何も考えてなかったんでしょ?」


早美都:「僕も、行きたいな、「宗次朗」が行くなら、だけど。」

相田:「それじゃ、何処にいくか、予め口裏合わせておきましょう。」


宗次朗:「お前、ほんと腹黒いな。」

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