第31話 キム・リックにゃん!

 鏡太のパーティーは休息を取るためポプラ遺跡からジャポネアに一時帰還した。

 そして一夜明け公園に集合する鏡太達。今回の目的はノヴァの故郷トロイヤのテト鉱山へ行き巨大ハンマー、爆雷の槌『ドーラム』を手に入れること。そのためにはテト村長に事情を話、ドーラムを譲り受けなければならない。

 ポプラ遺跡ボス攻略の為、皆はテトを目指す。

【パーティー構成】鏡太・圭介・岬・アリサ・ノヴァ・朱音・ルビー


 パーティーのリーダー鏡太が話しだす。

「みんなおはよう。今日はまずテトに行って魔導具ドーラムを譲ってもらえるようパパさん(村長)にお願いすることから始めるよ。みんな準備はいいかな?」

「俺は一晩寝たから万全だぜ。初めての土地だしワクワクするよ」

 今回の遺跡探索で大活躍した圭介。気合が入っている。

「私もOkよ~。今回は鉱山行きもあると思うけどポプラよりは楽そう」

 岬は自分の物になるかもしれない魔導具の事でワクワクしている。

「ほんとですわね~。今回は出番がないようですわ」

「またパパにあえるのよ。パパなら爆雷の槌『ドーラム』くれるのよ」

「今日はBLさんいなそうなの。男子二人で我慢するの」

 怪しい目つきで鏡太と圭介を見つめる朱音。


「そういえば、朱音とノヴァは前回酔ってたわよね?もうすぐ飛ぶけど大丈夫?」

 ルビーは長い跳躍で朱音とノヴァが酔わないか心配そうに見ている。

「ケロケロ・・・思い出したら気分悪くなったのよ」

「今日は大丈夫。酔い止め持参なの。ノヴァさんにもあげるの」

「今日はドーラムを持ち帰るまでだね。遺跡は近道できるけど体力はあるほうがいいからね。それじゃルビー疲れると思うけどお願い」


 パーティーはルビーの周りに集合した。大鎌を回し空間跳躍が始まる。全員は闇の中へ飲み込まれた。数回の中継を経てテトにやってきた。

「なんか久しぶりだわ。しばらくは来ないと思ってたけど」

「そうだね。僕もハンマーが役に立つ日がまた来るとは思わなかったよ」

 ただ背丈を大きくする以外の使い道に鏡太は期待している。


 そんな中、ノヴァが叫びながら家を目指し飛び出していく。

「パパー!帰ったのよー。ドア開けて~」

 ノヴァの声を聞いて家の中よりパパが出てくる。

「なんだい?ノヴァかい?」

 感激の親子の再会。ノヴァはパパに飛びつく。


 ドンッ!パパは吹っ飛んだ!

「なんて過激で感動的な挨拶なんだ!」

「おしっこ漏れそうなのよ~」

「今回トイレ休憩なかったからね。圭介そんなとこで立ちションしない!」

 圭介は女性陣に目もくれず用を足していた。

「おトイレの話するから私もしたくなったじゃない!ここ家の中しかトイレないのよね。せまくて入れないし、どうしよう・・・」

 ルビーはモゾモゾして可愛い仕草をしている。そんなルビーをみた鏡太は男を見せた!


(ルビーが困ってる!ここは僕の出番だ)

「ルビーは僕が守るよ!だから立ちション(バシッ!)」「アウッ!」

「守ってくれるのは嬉しいけど、アンタ言ってて顔がニヤけてるじゃない!」

 ルビーは漏れそうなのと複雑な心境で、顔が赤い。

「それに女の子は立ちションなんてしないの!」

「だって僕が壁になれば出来るんじゃないかと」

「アンタに丸見えじゃない!仮に背中を向けても四方から丸見えだわ!」

「あの~来客用トイレなら家の裏にありますよ。以前いらした後に作りました」

 パパの発言でルビー猛ダッシュ!

「パパさんいつも色々すみません」


「ねえ~パパー。家の中が何か綺麗なのよ。女の子が好きそうて言うの?そんな感じになってるのよ」

「新しいママが来たからね。(仮だけど)色々模様替えをちょっと」

「ホントなの!新しいママ会わせてなのよ」

「今は買い物行ってるからそのうち戻るはずだよ」

「今日はパパさんにお願いがあって来ました」

 鏡太は来訪の理由を説明した。パパは少し考えてから口を開いた。


「そうですね~。お困りなのはわかりますが村の宝でもありますしレンタルならいくらでも構わないのですが」

「僕達も一時的にはレンタルでも良いのですが、これからの事を考えると強力な武具が必要なんです!お願いします!譲ってもらえませんか!」

 鏡太は頭をさげて頼み込む。

 パパはかなり悩んでいる。そして条件を出してきた。

「鏡太さんの熱意には負けましたよ。いいでしょう譲りましょう。ただし催事さいじの際は持って来てもらえると言う条件でですが。どうでしょう?」

 その言葉で一気に鏡太の肩の荷がおりた。

「有難うございます!その条件でOKです」

「みんなパパさんの許しが出た!鉱山へ行こう!」

 鏡太の掛け声でオーと!一同が返事をする。

「それでしたら夕飯の準備をして待っています」


 鏡太パーティーはルビーの跳躍を使い廃坑入り口までジャンプ。難なく石碑の場所まで到着した。石碑の前には巨大ハンマーが置いてある。

「あった、あった。それじゃ岬さんの魔導具にもなったし運搬お願いするよ」

「わかったわ!この感触、久しぶり~。あっ!頭に何か流れ込んでくる!」

 岬がドーラムを触ると微かな青いオーラが槌より発せられている。

「これが力を引き出す呪文なのね!持った瞬間、理解できたわ」

 岬は凄い力を手に入れた実感から興奮している。


「石碑の封印を解いた時と感じが違うね!威圧感というかパワーを感じるよ」

「今度それで圭介たたいたら確実に死ぬのよ」

 ノヴァは興奮して口がすべった。重大発言に反応する圭介。

「今度?ま、まさかオレ戻したのってそれか!お前らな~ソレで叩かれたら洒落シャレになんねえぞ!頭パアになったらどうすんだよ!」

「アンタ元からパアだから少しくらいなら問題ないでしょ!」

 岬は新しい力を試したいのか圭介ににじり寄る。

「そ、そうだなパアのままでいいです。アハアハ・・・」

「岬さん僕達も魔導具の力は見たいけど、圭介にやったら爺ちゃんのお迎え来そうだし遺跡まで我慢してね」

「それじゃ用も済んだしパパさん家へ帰りましょう」

 再び跳躍を開始するルビー。一瞬で家までついた。


「皆さんお帰りなさい。無事にハンマーを手に入れたみたいですね。夕食の準備はできています。ノヴァ、外のテーブルに運ぶの手伝っておくれ」

「はいなのよ。ルビーも朱音もお願いなのよ」

 ルビー・ノヴァ・朱音・パパは屋外テーブルに食事を並べていく。

「パパ。ママは帰ってないの?」

「そろそろ帰ると思うけど。おっ帰ってきたみたいだよ!」

「ニャニャニャーン」

 少女の鼻歌が聞こえてくる方向をみるとコチラに近づいてきている。

「猫の鳴き声がするのよ!」

 ニャーに反応したノヴァはブルブル震える。

「猫言葉だけど猫じゃないから安心おし」

 少女は食事の準備してるテーブル近くまで来た。


「うまそうだにゃん!あれお客様なのかにゃん?」

「パパ~この人がママなの?」

「ママて誰のことかにゃ?あたちはキム・リックにゃん!パパさんのお友達にゃ」


 キム・リックと名乗った少女。長い茶髪のツインテールに猫耳、服装はヒラヒラしたフリルが付いたアンミラ(ウエイトレスの制服)で身長130cm程度の姿をしている。


「パパ~(ジロ~)」

 ノヴァはウソつきと言わんばかりにパパをみつめる。

「え~とそうでした!脳内で美化されてたかな。ハハハ」

 鏡太は知らない人物がいると思い様子を見に来た。

「どうしたんですか?あれこの方がママさん?可愛いママさんですね」

「可愛いだにゃんて嬉しいにゃ♡」

「鏡太。ママじゃないらしいのよパパ嘘つきなのよ」

 パパは娘にウソつきと言われ落ち込んだ。

「そうなんだ。見た目はドワーフに見えないし猫耳だから悪魔の方かな?」

「そうなのかにゃ?よくわからないにゃ」

「キムさんは記憶をなくしてるらしく家で面倒見ているんですよ」

「そうだったんですか。僕、鏡太です。ノヴァさんのパパにお世話になってます」

「キムにゃん。よろしくにゃ~。鏡太は良い人みたいにゃ」

 キムは鏡太の匂いをぎスリスリしてくる。

「キー!ちょっとアンタ離れなさいよ!」

 アリサ・ルビー・岬が同時にキムに焼きモチをやく。

「鏡太もデレ顔しない!」

 女性陣のにらむ顔がすさまじい!

「みんにゃも鏡太が好きなのかにゃん?」

「え、え~と・・・あはあは」

 そう言われて皆は動揺し不思議な行動をやりだした。


 ルビーは大鎌で素振りをやりだした!

 アリサはパパの体を透視しながら心臓が2つあるわね~など言っている。

 岬は圭介にボデーブローの嵐!

 朱音はどさくさに鏡太に抱きついている。


「ハハハ。みんな勘弁してよ~」(もう逃げ出したい!泣)

「鏡!おまえのせいだからな!吐けなくなるまで腹叩かれたぞ!」

「夕食の準備できましたのでいただきましょうか」

「あたち鏡太の隣に座るニャン」

「え、え~とそれは困るていうかその~」

 キムの発言に困惑する鏡太。(またバトルが勃発するよ!)

「あ!隣はノヴァさんの席なんですよ!そうですよねえノヴァさん!」

「そうなのよ?ウッ」

 鏡太はノヴァを後ろからドツクと首をカクカクさせる。

「このロリコン!」

 またロリコン扱いされる鏡太。誰を選んでも地獄になる!

「それじゃいただきま~す」


 ノヴァ家の夕食が始まった。思い思いに食事を楽しむ中、パパが質問してくる。

「今日はお泊りですよね?キャンプの用意とお風呂の準備あとでしておきますね」

「ああ。はい!またお世話になります。この前は変なのもういてたけど、ここの大釜風呂は気持ちがいいです」

「わたしなのよ!みんなおぼれてるのに薄情はくじょうなのよ」

「わたちも一緒にお風呂入るニャン。けど熱いのはダメにゃよ」

「けど今日は水着持ってきてないから、男子はあとで入ってよね」

 ルビーの言葉に女性陣は皆うなずく。

「そうするよ。ね圭介」

 鏡太が見つめる先には悪魔の様な顔をした圭介。


(ダメだあれは。完全に覗く気満々だよ!でも全員の裸見るチャンスなんて二度とないよね。・・・覗きたい!)

 鏡太の顔も悪魔化した!


「アンタ達さっきから顔が危ないわよ。まさか覗く気じゃないでしょうね」

「そんなことしないよ!あは・・」


 パパさんが鏡太に手招てまねきしている。席を立ちパパに近づく鏡太。

「なんですか?」「覗くなら良い場所ありますよ。絶対バレません(ボソボソ)」

「えーーー!」「なによいきなり大声あげて。びっくりするじゃない!」

「いや別に・・・ごめん」

「鏡太さん一緒に覗きませんか。私もこんな機会がないとキムさんの裸見れないのでチャンスなんです!仲間になりましょう」

 是が非でも覗きたいパパは泣いている。

「女性5人の裸!う~ん・・・悪魔に魂売った!」

 パパとガッチリ握手する鏡太。可哀想なノヴァ。女性枠から抜けていた。


 食事が終わり女性陣が入浴の準備をする中、パパの買い出しの手伝いと言って

丘を降りる3人の男子。家が見えなくなる場所で立ち止まる。


「家が見なくなりましたね。ここから裏手に周りまきが置いてある納屋なやまで行きましょう。壁に大釜が見える穴が用意してあります」

「おおー!パパさんナイス!」「僕、ドキドキしてきた!」


 鏡太、圭介、パパは納屋までやってきて裏の勝手口から入る。そして女性が入浴するのをジッと待つ。

  鏡太:けど湯けむりが酷くて見づらいですね。

  圭介:おっ!だれかきたぞ!

 ルビー:私の胸、形だけは良いと思うけど小さいから・・・。

     岬さんとアリサと朱音は胸が大きくて羨ましいわね。

   岬:ルビーちゃんもすぐ大っきくなるわよ~。小さいのが好きな人もいるし

 アリサ:私は小さなほうがいいですわ。肩がこりますもの。

  朱音:胸は勝手に大きくなるの。心配ないの。

 ルビー:そうかしら~。とルビーは両手で胸を挟み寄せては上げを繰り返す。

  キム:あたちは胸あるほうにゃ~。

 ルビー:そういえば小学生くらいなのにスタイルがいいわね。

 ノヴァ:みんな私への当て付けなのよ。上でプルンプルンさせないのよ!

 ルビー:キムさん見たらなんか望みが出てきたわ!


 鏡太、圭介、パパは女性の秘密の会話を聞きながらガン見。

「裸ぽくは見えるけどタオル巻いてない?」

「そうだな巻いてるな。でもタオルが肌に密着してるから体のラインがモロに出てエロいぞ!」

「確かにそうですね。贅沢は言えないです。これでもかなりエッチです!」

 まばたき一つしないで食い入るように見つめる2人の男子とパパ。


「少しぬるくなったからまき足してくるのよ」

「あれノヴァがこちらにくるみたいです。それもタオルつけてませんね」

「あれはな~。年だけなら18と魅力なんだが体が反応しねえな~」

「ノヴァ~立派な体になったな~。パパは嬉しいよ」

 一人感動にふけるパパは食い入るようにノヴァを見つめている。

「うんしょ!うんしょ!薪はこれくらいでいいかな?」

 外に置いてあるマキを集めるノヴァ。


(ん?こんなとこに穴なんてあったのよ?)「ブスッ!」

「うぎゃーーーーーー!目が!わしの目がーーーー!」

 ノヴァが突っ込んだ指でパパはのたうち回る。


「なんか今パパの叫びが聞こえたのよ?買い出し中だし変なのよ?」

「ヤバイ!誤魔化さないとバレるよ!」

「そ、そうだな!こんな時はあれだな」

 ウン!と鏡太と圭介はうなずく。

「にゃ~ん・・・ゴロゴロ。にゃ~ん」

 二人で猫の鳴き声。誤魔化そうと試みる。

「なんだ猫なのよ。カラダが冷えるから戻るのよ」

「ふ~助かった~。じゃ続きをみよう」

 マキを入れ大釜風呂にかるノヴァ。

「遅かったわね。ノヴァさん何かあったの?」

「ただの猫なのよ~。パパの声したけど気のせいなのよ」

「猫いたのかにゃ?行ってみるにゃ~」


 駆け足で納屋なやに向かうキム!途中でタオルが外れている!


「キムさんがこっちへくる!ウオーーー!僕しあわせ~」

「うおーーー!姉貴に殴られたのは、この日のためだな」

 キムの裸を見ながら興奮する鏡太と圭介。だが目を潰されたパパは見れない。

「猫にゃんどこにゃ~?」

「圭介もっと間近でみたいよ!猫の鳴き声やってよ!」

「よしまかせろ!にゃ~ご。にゃ~ご」

「このあたりかにゃん?」

 キムは裸で鏡太と圭介の目前に来た。

「ブーーー!これはロリコンになるかも知れない!刺激が強すぎ」

「俺たち大人の階段登ったよな!もう思い残すことはないぞ!」


「そこかにゃ!ブスッ!」

「ウギャーーー!俺の目が。目がーーー!」

 圭介は転げまわる。

「しまった気づかれる!僕も猫の真似だ!うにゃ~ん。ごろにゃ~ん」

「そこにもいるのかにゃ!ブスッ!」

「ウガアアアアアア!目が僕の目がーーー!」

 鏡太は自滅。3人の男性は目をおさえながら悶絶している。

「変わった鳴き声の猫だにゃん。調べて見るニャン」


 キムは納屋の裏手にまわり扉を開ける。目前にたおれている鏡太、圭介、パパ。


「なんだパパさん達帰ってたのにゃ。一緒にお風呂するかにゃ?」

「うううう。声はするけど何も見えない」

 キムは大声でみんなに知らせる。

「パパさん達ここにいたにゃーーー。みんな来てにゃーーー!」

 納屋に駆け寄る女性陣達。鏡太たちを見て呆然あぜん

「えーーー!納屋になぜ倒れてるの?」

「さっきの声やはりパパなのよ。穴に指いれたら叫び声したのよ」

「穴?・・・なにこれ!お風呂が丸見えだわ!」

 ルビーが穴を覗いて大声をあげる。

「鏡太ーーー!覗かないっていって覗いてたのね!」

「圭介ーーー!みんなだけでなくアンタ私の裸も見たのね!」

「わたしの体が見たかったのよ!許してあげるのよ」

「わたしは鏡くんなら覗かれてもいいの。許してあげるの」

「わ、わたしも鏡太なら許しますわよ。けど圭介はお仕置きですわね」


(お仕置き前に近くにいるみんなの姿が見たい!)

 鏡太は力を振りしぼり涙目で目を開ける。

 ブスッ!

「アウッ!メギャーーーー」

 ルビーから目つきを喰らいビンタされまくる!

「圭介アンタ死んだフリしてもダメよ!お仕置きだからね」


 鏡太と圭介とパパは大釜近くに目隠しして埋められた。


「これで安心でしょ。少しからかってあげましょうフフフ」

 不敵な笑みを浮かべるルビーにウンと賛同する女性陣。悩ましげな声を上げる。

ルビー:鏡太~私のおっぱい見て~。小さいけど形はいいわよ~♡。

  岬:鏡ク~ン♡私のはプルンプルンの巨乳よ~。

 朱音:乙女の恥ずかしいとりで。鏡クンに見せるの♡

ノヴァ:ノヴァのも見てなのよ♡ペッタンなのよ~。


 見えないことをいい事に女性達の悩ましげな言葉攻め!鏡太達の目の前の地面が盛り上がってきている。


「なあ鏡、これもなんだかエロいな。見えないけどムラムラするぞ!」

「僕もそう思うよ。なんか想像力かき立てられて興奮する!」

「鏡太の前にいるにゃん。丸見えにゃん。ほれほれニャンニャン」

 キムは鏡太の目前で踊っている。そんなとき鏡太の目隠しがだんだんズレる。

「う、うひゃーーー!(ガクリっ)」

(母さん観音様が見えました!先立つ不幸許してください・・・)

「キムさん!鏡太の目隠しズレて丸見えです!」

「あら刺激が強すぎたにゃん♡」

「ついでに圭介も眠らせておきましょうか!体洗うしね」

 そう言うと岬は撲殺しようと圭介に近寄る。

 圭介には閻魔様が見えた!パパは無害と判断され難をのがれた。


「体洗うニャン!(バサバサ)ん?みんなどうしたにゃん?」

「その翼なに?あなた悪魔族じゃないの?」

「黒い翼なんて初めて見ましたわ!有翼ですの?」

「わからないニャン(ポンッ)みんな見つめて気持ちわるいにゃん」

 キムは猫耳を取った。驚くアリサ。

「有翼じゃありませんわ!角がありますわ!」

「不思議なの見たことない種族なの」

「キムはキムにゃ!そんなに不思議かにゃ?」

「これって前言ってた古代人の特徴とそっくりよね?」

「けど1万年以上も昔の話ですわよ。生きてるはずが無いですわ!」

「それもそうよね・・・。突然変異でできた種族なのかしら?」

「確かに人種間で子供が生まれたら有り得そうですわね」


 ルビーとアリサは納得しそうで腑に落ちない様子。鏡太が起きてから相談してみることに最終的に決まった。

 女性陣が風呂から上がり暫くすると鏡太が目を覚ました。ルビーは皆をつれて鏡太の前へと来る。


「目を覚ましたわね。ねえ鏡太に見て欲しいものがあるのよ」

「僕に?裸?(ボクッ!)」

「なんで裸なのよ!さっき散々、見たでしょ!」

 まだ見たり無いのかと鏡太を叩くルビー。

「キムさんさっきの姿を鏡太に見せてあげて」

「改めてだとはずかしいにゃ・・・」

 キムは鏡太の前で脱ぎだした。

「脱がなくていいの!いや脱がないと翼は見せれないわね。う~ん脱いで背中だけ見せて」

「わかったにゃん!これでいいかにゃ?」


 頭の角に黒い翼を見た鏡太は唖然あぜんとして言葉がでない。そんな鏡太にルビーが感想を聞いてくる。

「鏡太はどう思う?」

「綺麗な肌です!」(バシッ)

「アンタどこ見てんのよ!」

「ごめんにゃさい!そうだね~古代人の特徴にそっくりだね・・・」

「そう思うわよね」

「けど初めて見るものだし確証はもてないな~。他には変わったところなかった?牙があるとか?」

 鏡太がたずねるとキムが応える。

「八重歯ならあるニャン!ほら」

 キムはニ~と口を広げてキバを見せる。それを確認した鏡太は更に質問。

「あら牙あるね・・・なら呪文とか使えるかな?」

「使えるにゃ~。でもパパさんが無闇に使ったらダメいったにゃん」

 それを聞いて確信した鏡太。

「これは間違いなさそうだね。古代人の生き残りだよ。どうして今もいるのかは不明だけどね」

 やはりそうなんだ~と皆も納得している。

「でも驚いたな~あまり怖そうにも見えないし予想と外れてるかも」

「そうよね~私もそう感じたわ。猫耳つけて翼を隠してると私達と変わらないもの」

「これは大発見だけどキムさんの事はココだけのことにしておこう。大騒ぎになると思う。キムさんも今まで通りの姿で良いですよ」

「わかったにゃん。面倒なの嫌だし鏡太の言うとおりにするにゃ」

 

「ところでキムさんの呪文て何ですか?」

「スリープにゃ!パパの許しがあれば使うにゃ」

 パパはうなずいて許可をだしている。

「OKでたにゃ!では今起きたそいつにかけるにゃ」

 キムは圭介を指差すと近寄り呪文を唱えた。

『レム・メーア・ネルにゃん』唱え終えると圭介は眠りに落ちた。

「おおーー!圭介には悪いけどこれは本物だね!僕達の仲間にしたいくらいだよ」

「仲間にゃ!嬉しいにゃ!着いて行くにゃ!でもパパさんと離れるのも寂しいにゃ~ね~」

「そうだよね。パパさん寂しがるよね。僕達の冒険に呪文使いがいたら心強いけど無理強むりじいはできないな」

「冒険なのかにゃ!いくにゃん!パパ捨てるにゃ!」

 楽しそうな事に目がないキムはアッサリしていた。

「そんな~ウッウッ・・・せっかくの新婚生活があっさり消えていく~」

 元から新婚ではない。パパは突然の別れに涙した。

「ほんとにいいの?なんかパパから哀愁あいしゅうただよってるよ・・・」

「パパ~ノヴァが新しいママ見つけてくるのよ!泣かないのよ!」

「ホントかい!じゃパパ泣かない!」

(なんて単純なオッサンなんだろ。てよりママになるなら何でもいいのか?)

「来るのはいいけど住むとこ考えないとね。どうしようかな~」

「鏡太の家がいいにゃん!良い家族の匂いするにゃ!」

「僕の家ですか!」

 嫌な気配に気づき周りを見る鏡太。

「ヒエーーー!みんな怖いよ!う~ん・・・遺跡終わったら考えようか」

 今、返事をしたら殺されると鏡太は感じた。


 なんとか女性陣の殺気から逃れた鏡太。明日は遺跡攻略!

 新しい仲間キム・リックを加えたパーティー。

 この後、予想しない出来事が起きる。


























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