【不思議な出来事に出会うで章】

第17話 期待を胸に、謎を求めて【前編】

 ピッピッ。鏡太は遊園地の事もありルビーに連絡をとっている。

 プププ通信呼び出し中。

「あれでないな?ルビーさんにしては珍しいかも。仕方ない、多分公園だし行ってみるかな」

 通信を切り鏡太は公園へと向かった。


【森林公園・露店区画】

 辺りにルビーがいないか注意しながら見て歩く鏡太。

「よう!お兄さん。たこ焼き買って行かないかい?」

「あ~ベルさん。こんにちわ。今日もお店出してたんですね」

「稼がないとね。ところで名前なんだっけ?う~ん。そうだ金太!」

「鏡太です!やだな~ベルさん『ま』つけてたら大変なことになりますよ」

「スマンコ。スマンコ。ところで今日は何してるんだい?」

「『コ』つけるな!アンタいつの時代の人ですか!ほんとにも~」

 鏡太はベルの言葉が卑猥すぎて赤くなってる。


「今日はちょっと人探しですよ。大鎌持った少女見かけませんでした?」

「見たよ!」「いつですか?」「3日前」(ガクッ)

(ルビー探しもあるけど、ついでだから禁止区域の情報が無いか聞いてみるか)

「ベルさん、お時間ありますか?」

「今は暇だからあるよ。なんだい?デートの誘いかい?今じゃないならいいよ」

「ヤッター!て違いますよ~」(この人軽いな~笑)

「今、禁止区域について調べているんです。それで有益な情報がないかと」

「禁止区域ね~。あたいたちはヨソモノだからね。う~ん」

 ベルはしばらく考えていたが鏡太の役に立つならと話し始めた。

「旅先の風の噂くらいしか知らないよ。それでいいなら聞かせるけど」

「なんでもいいです。それらしいのであれば」


 ベルが知っている情報を話し出す。

「あたいたちの本国ペンタグラムには謎の石碑てのあるらしいのよ」

 鏡太は他国にも石碑があるのかと思った。

「それが不思議な文字で書かれてるらしくてさ。誰も読めないらしいのね」

「それでさ、各地を転々と商売して回ると同じような石碑がどの国もあることがわかったのよ」

「あと悪魔族の伝承ではあの禁止区域は『禁忌の地』て言われてるみたいだね」

(禁忌の地か。不思議な文字は多分、遺産についてる記号と同じものだ)

「ベルさんありがとう。少し進展しました」

「いや~役にたててアタイも嬉しいよ。そういや鏡太は学生さんかい?」

「はい。黄泉川の1年です。」

「年下か~あたいは二十歳だよ。勉強は苦手でね、学校は途中で辞めて今は気ままな商売暮らしさ」

「僕も勉強は苦手ですけど禁止区域のことは探究心てとこです」

「アタイも男勝おとこまさりでバカだからさ、鏡太とは気が合いそうだね」

「ちょくちょく寄りなよ。サービスするからさ」

「ハハハ。(僕バカ前提で共感されたよ)そうさせてもらいます」

「で、デートはいつにする?」「ハハハ。機会があれば」

 ベルの店をあとにする鏡太。


(ギョ!)鏡太の行くてに謎の生物が!

「そういえば、この展開で行くとアレと出くわすんだよね」

「どうするかな気づかれてたらスキル使って同じ目に会うし、堂々と行けば素直に対応するかもしれないな。やってみるか」


「こんにちは~今日も良い天気ですね。わー!不思議な物たくさんありますね」

「あら~いらっしゃい坊や。サービスするわよん」(母さん逃げたいです!)

「ネカマ・・・いやオジ・・・お姉さんも、お仕事大変ですね」

「魔理ってよんで~ん。坊や可愛い~わ~ムチュ」

 ネカマの投げキッス。(母さん魂抜けました)

「お客さん少ないと寂しいですね。今日は人通り少ないからな~」

「そうなのよ~。誰も買いに来ないのよ~ん。坊やだけよ~ん」

(母さん今日は帰れません)


「魔理さん掘り出し物ってありますか?角ケース以外で」

(ここは先に言っておかないと出される!)

「掘り出し物ね~ア・タ・シ♥」(キャー食われる!)

 鏡太は角ケースのほうがましだと思った。

「ハハハまたまた冗談言って~。からかわないでくださいよ」

「角ケースもタダでつけるわよ~ん」「どっちもいらんわ!」

「冗談よ冗談(ウインク♡)坊やせっかちなのね~ん」

「魔理の相手してくれたからこれあげるわよ~ん。掘り出しものよ」


 魔理(猫耳オカマ)が出したのは一本の奇妙な杖。

「これは何ですか?僕、杖つかうほど老人でもないですけど」

「それは魔法の杖よん。使い方はわからないわ~ん」

「なんだって!まさか」

 鏡太は杖を調べる。握りての部分に小さな記号。

「ある!確かにあの記号が!これをどこで手に入れたの?」

 鏡太の問に暫く考えたあと入手した経緯を話しだす魔理。

「あまり思い出したくないんだけど~。それ本国ペンタグラムにいるときに昔の

彼氏が置いってったのよ~。思い出の品だから持ってたのよね~ん」

「けど新しい恋みつけたから坊やにあげるわよ♥」

「えーそんな大切な物!なんか悪いな~。せめていくらか出させてください」

「そう?じゃ御代おだいはお尻で」「イヤーーー!(母さんピンチです!)」

 お金は出しても、尻は出したくない鏡太。

「冗談よ~ん。坊やウブね~ん。どうしてもってなら100キルでいいわよん」

「100ですか!安すぎますよ~でもご厚意に甘えます」(角ケースと同じ値段とは)

「もっと~あまえてえ~ん♥」


(この人意外と話せばいい人だな。なんでチャームなんてやるんだろう)

「あの~何でお客にチャーム使うんですか?」

 どうしても理由が聞きたい鏡太はズバリ聞いてみた。

「坊や知ってたのねん。あれはね~。悪いとは思うのよん」

「けど店に誰も来ないし、近くに来たら逃げるでしょ。だから悔しくて悔しくて」

 確かに逃げるわ!と思う鏡太。でも可哀想でもあるな~と思い始めた。

「だから、ついついチャームを使っちゃのよん。坊やだけよん、まともに相手してくれたのは~。だからお礼なのよ~ん」

(なるほどな~。顔が顔だしね。話せば悪い人ではないけど、そこまでの道が険しい。でも悪いことにはかわりはないな)

「僕でいいのなら相手はしますから、今度からチャームは使わないよう気をつけてくださいね」

(とは言ったけど逆上して食われないかとハラハラだよ)

「わかったわ。今度から気をつけるわよ~ん。坊やありがとう」

「また来てよね~ん。待ってるわ~ん」


 勇気を出して話して良かった。悪人でもないし素直に聞き入れてくれた。それに思わぬ拾い物もした。使い道は解らない魔法の杖だけど、役に立つときが来るかもしれないからね。と鏡太は思った。


「ここを歩いていくとフリマ・エリアに出るよね。セラさんいるのかな」

 鏡太は池の周りの散歩道を歩き、フリマ・エリアに着いた。

「そこのお方~羽買ってくださいです~採りたてです~」

(セラさんの声だ!故郷に早く帰れるよう。1本買ってあげようかな)

 セラの店に駆け寄る鏡太。

「1本ください。元気ですかセラさん」

「はい。1本100万です~」「アンタぼったくりすぎ!」

「だって~すぐおうちに帰れます~。ところであなたはどなた?」

「鏡太ですよ~ホントにも~」(この人疲れるな~)


「あらあら。ごめんなさいね~五代さん」

「どこのアニメの人ですか!セラさん好きじゃーて叫びましょうか?」

「そんな~こんなところで~照れます~もう五代さんたら」

「だから鏡太ですって!あなた僕の話聞いてますか?」


「聞いてますよ~総一朗さん」『バウっ!』「て何言わせるんですか!」

        (この人、強すぎ!ペースにハマるとヤバイ!)


「今日は禁止区域について何か知ってないか訪ねに来たんですけど」

「そうでしたの~。何か何かね~。う~ん。近づいてはいけないとこです~」

「それは禁止区域だからそうなんですけどね」

「違います~あの場所は『堕天の棲家』と呼ばれて、お爺様が近づいてはいけないといってたです~」

「堕天の棲家ですか!新しい情報だ。あの、それでパルテノンにも石碑があるんですよね?おそらく記号みたいな文字が書かれてると思いますけど」

「だと思います~お爺様なら何か知ってるかも知れないですけど~」

「お爺さんか~。天空ゲートには、お金かかるし聞きにいけないな」


「あとその~あの壁なんですけど~どこまで高いのかわかりませんです~」

「どうしてですか?巨大な壁てのはわかりますけど、切れ目はあるでしょう」

「ないのでよ~私たちでも確認できないのです~。パルテノンから見てもわからないのです~」

「そんなに高いの!どうやって作ったんだろう?」

「お爺様が言うにはあれは壁ではないのではと言うのですよ~」

「確かに、普通の壁ではないでしょうね。魔法の一種なのかな~」

(人種は特定出来たけど壁は謎だな)

「それと調べた結果で、バンパイアと有翼人種には呪文みたいなものが受け継がれているそうですが。セラさんも使えます?」

「使えますよ~見せましょうか~」「是非!お願いします!」

 見せてもらえるなら見てみたい鏡太。どんなに凄い魔法なんだろうと期待している。(ドキドキ)


「チチン・プイプイ・痛いの痛いの飛んでけ~。どうですか~?」

「頭痛によく効きます・・・」

「それはよかったです~。もう一つあるのですが見ますか~これ禁呪です~」

         「それだ!是非!禁呪なら期待できる!」


「ではいきますね~『バル・』「ちょっとまったー!それはいいです」どうしてですか~???」

「天空からパルテノン落ちてきます!」

「どうしてです~やってみないとわかりませんよ~おかしな鏡太さん」

「やらなくてもわかります!絶対変なロボも落ちてきます!」

(おかしいのはアナタだ!)

「そうですか~あと一つ禁呪あるのですよ~これはお爺様から使ってはいけないと言われてます~」

「使ってはいけないのなら、試せませんね」

「白い御本と一緒に教えてもらいました~。御本はここにはありませんよ~」

「白い本ですか。それに記号はありましたか?」

「ありましたよ~。実家においてあります~」

「それ遺産だ!けど禁呪も一緒に教えてもらったとなると迂闊うかつには使えませんね」

「そうなんです~怖いです~鏡太さん代わりに唱えてくださいます?」

「僕は嫌ですよ~。それにパルテノンにあるのでは今はどうしようもないです」

(ど~んと儲かればいいけどね。羽じゃな~少しは貢献するけど)


「あと、何か気づいたことありますか?」

「あります~鏡太さんが羽買わないです~(うっうっ)」

「はいはい。でも貴重な情報は聞けました。有難う御座います」

(遺産に呪文。それに石碑か~)

 鏡太はセラから有益な情報を聞いて再びフリマ内を歩き出す。


 すると目の前のノヴァが鏡太を呼んでいる。

「鏡太~ここよここよ」「ノヴァーいくよいくよ~」

「アンタわたし馬鹿にしてるのよ!」「調子に乗りましたー!すみません」

「ノヴァさんお店出してるの?」「出してないのよ。お散歩なのよ」

「ノヴァさんルビーさん見かけてませんか?」「ルビー見てないのよ」

「あっ!ハンマーいつ返すのよ。パパから連絡きたのよ」

「あー忘れてた!圭介の家の庭に飾ってあります」

「取りに行くのよ」

 ノヴァはクイクイと手招き。(おんぶしろってことだよね)

「いや~。返すにも、今のところトロイヤに行く手立てがないですよ」

「そうなのよ。そうなのよ。ルビー探すのよ」

「それしかありませんね。ちょうど探してる最中なんです。一緒にいきましょう」

 ノヴァをおんぶして再び散歩道を歩く鏡太。


「このまま歩いていくと向かい側のコミケがあったとこだ」

「今日は売り場でてるのかな?」


 コミケに到着すると人だかりの中に朱音を見つけた。

「朱音ちゃん、今日もBL買いかな?」

「うん。でも違う本も見てるの。これは参考に普通の本も買ったの」

「どれどれ。へえー本書くのも色々知識がいるね」本をめくっている鏡太。

「鏡君、そのぶら下がってるのなんなの?赤ちゃんなの?」

 朱音は鏡太の後ろのノヴァを指差す。

「落ちるのよ。落ちるのよ。赤ちゃんじゃなのよ」

「あ~ごめんごめん。本見る時に手離してた。ハハハ」

 とノヴァを地面に下ろしてやる鏡太。

「可愛い赤ちゃんなの。でも鏡君に似てないの。拾ったの?」

「僕の子供じゃないです。いや、子供ですらないです!」

「???。わかったなの!お婆ちゃんなの!」

「お婆ちゃんじゃないわよ!失礼だわよ!ひゃく、じゃない18なのよ」

(今のは空耳か・・・)(やっぱりお婆ちゃんなの。女の子の秘密黙ってるの)

 鏡太と朱音を重大事実を聞いてしまった。

「鏡君、迷子センター向こうなの。連れて行くの」

「ハハハ。迷子でもないよ。ノヴァさん泣かないで」

 ノヴァの泣く姿は迷子そのものである。


「僕たちは人探し中なんだ。大鎌の女の子見なかった?」

 朱音にルビーの居所を聞く鏡太。

「向こう歩いてるの見たの。私も一緒にいくの。ダメ?」

 朱音は池の左側のボート乗り場の方向を指す。

「朱音ちゃんが大丈夫なら構わないよ」「それじゃいくの(やったなの)」

「鏡太おんぶなのよ」(この人子供だな・笑)











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