脚注10

〔ヘッドシーフ〕

ヘッドシーフとは頭泥棒の意味で、他のアバタの隙をついて不用意に地面に置かれたヘッドを強奪する行為だ。

ハビタットに最初に入国したときハンドルネームと初回アバタの設定をする。まず男性か女性か体型を自由に決められる。最初の服装はどちらの性でも青いズボンと黄色いセーターだ。続いてヘッドのデザインを決めるが初回アバタ用のヘッドは何種類かの月並みなヘッドからひとまず選ぶことになる。ユニークなヘッドは自動販売機で購入しないと手に入らない貴重品だ。

ハビタットには独自の経済システムが存在しトークンと呼ばれる通貨が流通している。このトークンを使って、街で買い物をしたり、他のアバタと取引をしたりする。

トークンは最初にアクセスしたときに220トークンが与えられ、その後アクセスした日一日ごとに20トークンが支給される。

リージョンの上にあるいろいろなものを「オブジェクト」と言う。ハビタットには3000種類ものオブジェクトが用紙されていて、お店の自動販売機で購入することができる。

リアル世界と同様、たくさんあるオブジェクトは安く、レアなものは高い。滅多に見られない貴重なヘッドは100トークン以上もする高額商品だ。それをうっかり地面に置いたまま仲間のアバタと会話しているとゴーストになって様子をうかがっていたヘッドシーフがいきなり実体化して、落ちているヘッドをGETする。レアものヘッドはヘッドシーフの腕に抱かれる。その状態で素早くゴースト化されると万事休すだ。

システムから派遣されているオラクルは3人しかいない。ヘッドシーフの被害から新人アバタを守るためにボランティアの自警団が組織された。いくつかあるグループの一つが中央軍特攻警察だ。そのメンバーたちは実に面倒見がよく、朝な夕なハビタットを巡回し、警戒心の足りないアバタに教育的指導を行う。

「中央軍特攻警察です。ヘッドを地面に置いてはいけません。ヘッドシーフにとられますよ。」


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