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◆ ◆ ◆
そこは、深い森の入り口。
その前に差しかかった幼い女の子は、
緑の葉を透かし、キラキラと差し込む
徐々に影が濃さを増したことに気づかない枝折は
ガサリ。
すぐ近くで音が立った。
あまりの大きな音にびくついた枝折は立ち止まり、周囲を見回す。風景はずっと同じ
ようやく場の雰囲気が変わっていることを悟った。
……な、に――?
ピリピリと緊張した空気に、不安が拡散する。枝折の心臓が
逃げろ、と本能が警告するが、根が生えたみたいに足が動かない。
呼吸が荒くなり、全身が
草を
……コワイ。
乱れた呼吸音で、居場所が気づかれてしまう。枝折は思い至り、呼吸を整えようとするが、身体が震えて余計に荒くなる。
極度の恐怖に耐えられなくなった枝折の心が「もう無理」と悲鳴を上げる。身体から力が抜けて、その場に座り込んだ。
「っ――」
いや――っ!!
パニックに
「……っ」
背後で息を
「静かにしろ。喰われるぞ」
低く
小さな枝折の身体を、まるで気配を隠すように深く抱き込んだ。
……だれ?
◆ ◆ ◆
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