13
休み時間になる
「好きな食べ物は? 趣味は? ここに来てもう慣れた?」
彼の
「まくし立てるのは、やめなさいよ」
「枝折ちゃんと仲よくなろうとしているのに
「聞き方が
席に座っている枝折の頭上で言い合いが始まった。
「枝折ちゃんがカワイイから、つい――」
愛らしく舌を出した棗に、水木はばっさりと言い
「つい、じゃない」
枝折を
「ほら、着席して。授業を始めるわよ」
四時限目の数学教師が姿を見せると、水木たちは席に戻り、授業が始まった。
……痛い。
視線を感じる。
背中に、首筋に。
見られている所に穴が
周りの目を避けるように、枝折は下を向く。その視線の中に、
どうして……と、枝折は
九鬼たちに心を
――だけど、彼らは鬼。
「今日は、ここまで」
授業の終わりを告げる女性教師の声に、クラス内がざわめき始めた。
教師がクラスから去るのと同時に、枝折は
……これからどうしよう。
教室に戻ったら、水木はいるだろう。そうしたら、彼女がずっと一緒にいることになる。気にかけてくれる水木には
目立つのは苦手。波風の立たない、穏やかな生活を送りたい。
ふさぎの虫が胸の奥に居座っているかのようで、枝折はそれを追い出そうと溜め息をつく。
トイレのドアが開き、枝折は驚いて出入り口の方を振り向く。
「枝折ちゃん、見つけた。お昼一緒に食べない?」
ひょこりと姿を見せた優美が問いかけてきた。彼女の誘いに戸惑いながらも、枝折は頷く。渡りに船のこの現況に、枝折は
「授業が終わったら、枝折ちゃんがいなくてビックリしたよぉ」
「あ……ご、ごめんなさい」
わざわざ探してくれたなんて……。
「枝折ちゃん、いた?」
「うん、いたよ」
優美の背後から希子の声がすると、戸口に立って答える優美を押して希子がトイレの中に入ってくる。
「よしっ。さあ、食堂に行こう」
「ここの食堂って、美味しいらしいよ」
「マジ?! それは楽しみだ」
希子はうきうきとした顔色で言うと、枝折と優美の背中を押して食堂に歩を進めた。
優美たちの優しさに、敵意に身を
「……誘ってくれて、ありがとう」
枝折が感謝を伝えると、二人は
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