あなたを愛してる

@smilepooh

第1話



鳥の鳴き声と、朝日の眩しさで目が覚める。

ぁあ〜また朝が来た。今日も頑張らなくっちゃ!!

私の名前はあや。

飲食店で昼間仕事をしている。

仕事場にはいろんなお客さんや業者の方が来る。

いつも通りに支度を済まし会社に向かう。

そして、いつも通りの仕事をこなす。

その日の仕事はお客さんが多くて忙しかった。

お客さんが、多ければ多いほどトラブルも増える。

ぁあ〜もぉ!!と少しイラだっていた私。

そこにいつもの時間にくる業者の方がきた。

私の会社で最近カッコいいと噂になっている業者の方だ。

私はいつも業者の応対をすることはないのだが、その日ばかりは忙しすぎて誰も手が回らず私が応対することになった。


「お疲れ様でーす!!」

元気な声で業者の方が声をかけてくる。

私はイラだちを隠し

「いつもお疲れ様です。」

と言う。何度も見かけてはいたけど話をするのは初めてだった。

その日は冬なのにすごく暖かく感じた日だった。

業者の方が、

「今日はいつもより暖かいですね。」

と、笑顔でたわいもない話をしてくる。

ぁあ〜きっとみんなこの爽やかな笑顔に惹かれてカッコいいって思うんだろうなー。

俗に言う爽やかなイケメン。身長は170ってとこかな。

髪の毛は真っ黒だけど少し遊ばせて、30前半くらいだろうか。

「そうですねー。」

と、返事を返し淡々と業者応対をすませる私。

そして、今日も仕事が終わった。

帰りに、仕事で大の仲良しのりえが、

「ねー!ねー!今日あのカッコいい業者の人と話ししてたでしょ?何話したの?」

とニヤニヤしながら聞いてくる。

私とりえは言いたいことはハッキリ言うタイプ。2人の間じゃ隠し事もない。

「ただ普通に今日はいつもより暖かいですね。って話ししただけだよー?なに?!りえもしかしてタイプなの?!」

と、冗談まじりで返事を返す。

「タイプじゃないよー!!最近ほら!あんた恋もしてないじゃん?どうかな?と思って!でもあの人前は指輪付けてたのに最近外したんだよねー!」

って!!りえの観察力はすごい!!

観察力だけじゃなく、仕事をしていても無駄のない動きでみんなを支持する役も担っている。

しかも、身長も高くて美人ときた!!

なんでこんなに、仕事も出来て美人なのに彼氏が出来ないのか不思議なくらいだ。

それに比べ私は、自分の仕事をこなすので毎日精一杯。

唯一、誰にも負けないのは笑顔での接客くらいかな。

やっぱりお客さんには笑顔で出迎えて笑顔で帰って欲しいな。って思うから。

身長は低いしスタイルもよくない。

笑顔だけは昔から愛嬌があるね!!ってよく褒められる。

だから仕事では常に笑顔を心がけているんだ。

りえはずっとその人のことを話し続けている。

恋かぁ〜。そういえば最近恋なんてしたかなぁ?

私が最後に恋をしたのは2年くらい前。

付き合ってもあんまり長く続くタイプじゃない。

半年続いたらすごい!!って周りのみんなに言われるくらい、なんでかわからないけど長続きしないんだ。

そんなことを考えていたら、

「ねー!!あや!!聞いてる?!」

と、りえの声にやっと我に返った。

「え?!あっ!うん!!なに?!」

話を半分も聞いてなかった私にりえが、

「んもーー!!いつも人の話聞いてないんだからー!」

と少し怒ったような顔をみせ、笑った。

「また明日ね!!」

りえと別れ家に帰った。

私は車の窓を全開に開けた。

今日は本当に暖かい。

外の風も春のような暖かい風が車の中に入ってくる。

私は季節の中で春が1番好きだ。

桜が咲いて風が暖かく、何にもないのに、何か新しいことが始まりそうな気がして心がドキドキしてくる。

きっと、この日が私の恋の始まりだったのかもしれない。


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