Encounter
あれは一年前、六月の事。
移動授業だった。
遅れそうになって走ったその時、落とした筆箱を拾ってくれたのは祐希。君だったね。
僕はお礼を言ってさっさと行ってしまったのを今でも覚えているよ、なんせ君は触れたら切れるナイフみたいな雰囲気をしてたからね。怖かったんだ。
でも話すうちにわかったんだ。そんなのは僕の先入観だってね。
そう照れてくれる所も、祐希と話をする前なら絶対想像出来なかった。褒めてるのかわからないって?…褒めてるんだよ。そしてそういう所に美緒も惚れたんだろう?
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