03

自称勇者は率先して国の再建に取りかかった。そして国が再興してくると民衆は彼が新しい統治者となることを望み、彼もまたそれに応えた。

やがて、国に新しい王がうまれた。王と、その仲間達はその後も国の為に働いた。

王達はかつての王宮に住むことにした。魔王や魔物が姿を現すことはもう無く、国は着々と再興した。人々は平和な生活を取り戻し、国は栄えていった。特に王宮のある王都は、交易の要として発展していくのだった。

そんなある日。

「おや?」

それなりに年老いて中年の仲間入りを果たしたかつての自称勇者――現在はこの国の国王――が宮殿を散歩していると以前魔物達が壊したのか、崩れて瓦礫の山となっている部屋を見つけた。その部屋は王宮の中でもかなり奥深くにあり、今まで誰も部屋の存在にすら気付くことがなかったのだった。

王が命じて調べさせると、その部屋は昔、緊急時の際に王族が隠れるための隠し部屋だったことが判明。歴史的に価値があるものとわかり、すぐにその一帯は修繕されることになった。

思っていた以上に修繕費がかかったので、王はその年、税金を増やすことにした。

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